2015/07/13 - 22:19~01:20 のログ
ご案内:「屋上」に畝傍さんが現れました。<補足:短いブロンドの髪と赤い瞳、オレンジ色のボディスーツ姿。狙撃銃を携帯(乱入可)>
畝傍 > 橙色に身を包んだ少女は、午後からの授業を終え、屋上のベンチで休息をとっている。
先日の決戦で負った傷はまだ完治には至っていないが、立って動いたり、座学系の授業を受けるのに支障がない程度には回復してきていた。
しかし、まだ決して本調子ではない。しばらくは『狩り』をはじめとした戦闘行為を行うのは難しいだろう。
その手にはレプリカの狙撃銃がしっかりと抱えられていた。
マズルは彼女の身に纏うボディスーツとほぼ同じ橙色になっており、他人から見ても実銃でないことは一目で判断できる。
決戦の時まで持っていた散弾銃は、保健室を出る前に再び出会った、本来の持ち主である養護教諭に返却しておいた。
畝傍 > 今は海開きの時期だ。すでに水着も購入している。傷が治ったら、海にでも行ってみようか――などと思っていると。
畝傍の携帯端末から、メールの着信音が鳴った。
「……ん」
すぐさま端末を取り出し、確認する。
『生きるということは素晴らしいことだ Yes/No』
メールの内容は、その一文のみ。
畝傍 > 「なんだろ、これ」
不可解なメールの内容に、思わず呟く。送信元は知らないアドレス。明らかに怪しい。
しかし――せっかくなので、この問いについて自分なりの答えを出そうとしてみる。
この学園に来る以前の畝傍であれば、答えは『No』であっただろう。
某国において実験を受け、狙撃手として多くの命を奪い、自らもまた死の淵を彷徨った。
そして狂気に陥ったかつての畝傍は、ひたすらに孤独であり、生に対して一切の希望を持っていなかった。
だがこの学園に来て、畝傍は一番大切に思える、親友といえる存在――石蒜と出会った。
そして彼女を救うために奔走する中で、自分に協力してくれた多くの人物もいる。今の畝傍は、決して一人ではない。故に。
「――『Yes』」
そう、返信してみる。しばらくして、メールの送信が完了した。
ご案内:「屋上」にアルフェッカさんが現れました。<補足:女/見た目17歳/171cm/79kg/銀髪紫目。しなやかな身体つき、巨乳。触られても分かりませんが、立派なロボ娘です。>
アルフェッカ > ぱたり、ぱたりと階段を上がる音。
がちゃり、と音を立てて屋上への扉が開く。
「うーん……あれ?」
扉から現れたのは、白いワンピースにジーンズ、ローファーの少女。
どうやら気分転換に屋上に来たようだが、先客が居る事に気が付いた。
(あの子……確か。)
特徴的な服装には、一回だけだが、見覚えがあった。
畝傍 > 背後に気配を感じ、振り向くと、そこには少女の姿が。
「あれ、キミは……あのとき、いた……」
その少女の姿には、畝傍も見覚えがある。
かつて常世公園における石蒜と風間蒼介との交戦に割って入った、機械らしき体を持つ少女であった。
「キミも、やすみにきたの?」
ベンチを立ち、体ごと少女のほうを向いて問うてみる。
アルフェッカ > 「や、こんにちわ…かな。」
狙撃銃を抱えた少女に、微笑みながら軽く手を振って挨拶する。
抱えている一見物騒に見える物は、マズルの色から本物ではない事が分かった。
「休みに…っていうより、気分転換かな。授業、いろいろあってどれを取るか迷うからね。」
ゆっくりと、橙色の少女の所に歩み寄る。
「キミも、ここの学生さんなんだね。私はつい何日か前に入学したばっかりだから、先輩さんだね。
…そういえば、名乗ってなかったっけ。私は、アルフェッカ。よろしくね、先輩。」
ちょっとした茶目っ気を交えながら、名前を名乗る。
畝傍 > 「ボクはウネビ。畝傍・クリスタ・ステンデル。よろしく、アルフェッカ」
名乗った少女に、畝傍も笑顔で名乗りを返す。
「そっか……ボクも、せんぱいかあ」
畝傍はまだ一年生である。なので先輩と呼ばれたのは初めてだ。少し嬉しくなった。
「よかったら……となり、すわらない?」
先程まで座っていたベンチを手で示し、尋ねてみる。
彼女が座ることを選ぶなら一緒に座って、そうでなければしばらく立ったままでいるつもりだ。
アルフェッカ > 「ウネビちゃん、だね。うん、覚えた! こちらこそ、よろしく。」
橙色の少女の名乗りを、先程より大きな笑顔で受け止める。
「私も、一年生だけど、さっきも言ったように中途入学…それも本当に何日か前に、だっからね。
此処に居る他の学生さんは、皆先輩だよ。
――畝傍先輩、でいいかな? それとも、畝傍ちゃんでもいい?」
171cmとやや長身のアルフェッカが160cm前後と思われる畝傍を先輩と呼ぶのは、中々不思議な光景かもしれない。
「あ、ありがとう。それじゃ、隣失礼します。」
ベンチを示され、腰を下ろす。立ったままより、こちらの方がお互い話がしやすいだろう。
畝傍 > 「うーん……どっちでも、よびやすいほうでいいよ」
先輩と呼ばれるのは嬉しいが、無理に呼ばせるのも何だと思い、アルフェッカの判断に委ねることにする。
その後、畝傍もアルフェッカに続いてベンチに腰掛けた。
「そういえば、さっきボクの端末にメールがきてたんだけどね」
せっかく二人になったので、何か話を切り出そうと思い、先程届いたメールを話題に出す。
「そのメールね……『生きるということは素晴らしいことだ Yes/No』って、ソレしか書いてなくて。あとは、なんにもないんだ。なんか、ヘンなかんじだよね」
アルフェッカ > 「う~ん、それじゃ畝傍ちゃんで!」
先輩を敬う心を忘れてはいけないが、それに拘っていては「友達」にはなれない。
素直に名前で呼ぶ事にする。
「生きるという事は素晴らしいことだ……か。」
畝傍から語られた、奇妙なメールの話にアルフェッカも興味をそそられる。
「…文面的に、チェーンメール…不幸の手紙的なアレではないみたいだね。誰々に送れ、とか書いてないなら。
後、考えられるのは、広告メール狙いの無差別送信かな…。もちろん、ただの誰かの悪戯、って可能性もあるけどさ。返信したなら、ちょっと気を付けた方がいいかもしれないね。」
考えられる線をぽつぽつと口に出す。無論、何の根拠も無い、ただの憶測だが。
「――あー、そういえば携帯端末、持ってた方が何かといいよね。
色々家具も要るし、アルバイト探さないとかな。」
メールの話題で、アルフェッカは自分が端末を持ってない事を思い出す。
内蔵機能で代用も出来るが、空中でぶつぶつ呟く危ない子になってしまうので、出来れば端末を買いたい所であった。
畝傍 > 「……そうだね。きをつける」
すでに畝傍は先程のメールに返信してしまっている。
この先何が起こるかわからないので、警戒するに越したことはないだろう。
「アルバイト、かあ……ボク、あんまりやったことない、かも」
畝傍は某国の人間の手引きで入学し、学費に関してもある程度援助を受けている。
しかしそれとは別に、島内に出現した魔物を狩る依頼を受け、それをこなすことによる報酬も得ていた。
だが、一般的な飲食店や商店などのアルバイトは、畝傍には経験のない領域であった。
アルフェッカ > 「ん、気を付けて。――誰かさんの、他愛も無いイタズラだったらいいんだけどね~。」
あまり不安を煽らないよう、そして、出来ればそうあって欲しいと思いながら、最後の一言を敢えて能天気な調子で言う。
「およ? 畝傍ちゃんはアルバイト経験ないの?
まあ、その辺は人それぞれかもね。学業に専念したいって子もいるだろうしさ。」
学業に専念したい、という学生ももちろんいるだろう。
敢えて深くは聞かないようにする。
「――海開きもされてるみたいだし、その辺りから探してみようかな。
期間限定になりそうだけど、慣れるにはいいかもしれないしね。」
色々な世界を回っていく中で、アルフェッカにはそれなりに就業の経験があった。
それを活かせれば、大概のアルバイトは問題なくこなせるだろう。多分。
畝傍 > 「ボクも、海、行ってみたいな。水着も買ってるけど、まだ行ってないから。このまま行かなかったら、損しちゃう気がするんだ」
アルフェッカの口から『海開き』の単語が出たので、思わず反応する。
もしかすれば海の家などで一般的なアルバイトの経験を得ることもできるだろうし、それが叶わずとも、一般生徒として海を存分に楽しむことはできるだろう。
アルフェッカ > 「おおぅ、水着買ってるの? なら、行かなきゃ損だって!
夏の海は、色々なモノに溢れてるからね~。
ひと夏のロマンス、皆で花火、気心の知れた友達とバーベキュー……。」
最後の言葉の勢いが、つい萎んでしまう。
「友達」。
畝傍が、あの黒い着物の少女と一緒に居た事を思い出した。
二人のやり取りを見たのはあの夜の一度だけだが、とても親しそうであったのを覚えている。
「――答えたくないなら、構わない、けど。
あの子…シーシュアンだったっけ。今、どうしてるのかな。元気、してるのかな…。」
表情が曇る。彼女が、もう引き返す事の出来ない領域に入ってしまったのでは、という不安に。
畝傍 > アルフェッカの口から出たその名を聞くと、畝傍は一寸彼女から顔を逸らして俯いたのち、
再び顔を上げ、アルフェッカの方に向ける。
「……シーシュアンは……だいじょうぶ、だよ。あのあと、いろいろあって……ボクとソースケで、たすけたから。今はたぶん、病院にいるとおもうけど。きっと、だいじょうぶ。だから、アルフェッカはしんぱいしないで」
先日の決戦で、石蒜はサヤの魂を込めた刀の鞘によって刀へと封印され、それによって本来のサヤとしての人格も完全な復活を果たした。
結果的に畝傍は蒼介と共に、石蒜/サヤの救出に成功したのである。
詳しい事情を説明すると長くなってしまうので、心配いらないということをできるだけ簡潔になるよう伝え、微笑んだ。
アルフェッカ > 畝傍の返してくれた言葉に、アルフェッカは空を仰ぎながら大きく息をつく。
「……そっか。あの子、たすかったのか。良かった。本当に、良かった。
あの子は、幸せだね。畝傍ちゃんに、蒼介くん。手を伸ばしてくれる友達が、いる。
助けようと手を伸ばしてくれる人がいるのは、とても幸せな事だよ。」
詳しくは聞かなかったが、畝傍がもう彼女は大丈夫なのだと語るのならば、アルフェッカはそれを信じる。
「病院、か。面会にいけるようなら一度会いに行ってみようかな。
あの時はギスギスして、殆ど話らしいも出来ないまま終わっちゃったからなぁ。」
そう呟くと、アルフェッカは畝傍の方に向き直る。
「――きっと、大変な事があったんだね。
でも、畝傍ちゃんはあの子の事を諦めなかった。
何もしてない私が言うのもおこがましいけど…頑張ったんだね。おつかれさま。」
畝傍にそう語りかけ、微笑みを向ける。
畝傍 > 「うん……あきらめるつもりなんて、なかったよ。ずっと。だって……シーシュアンとやくそくしたんだ。ボクにどんなにたくさんトモダチができても、ボクはシーシュアンのこと、ずっと、いちばんに思うって」
かつて石蒜のほうから提示された、身勝手にもとれるであろう『約束』。
しかし、畝傍は今までの間ずっと、その約束を守り続けていたのだった。
幾度となく傷つき、裏切られ、時に自らの正気さえ犠牲にしても、尚。だからこそ、畝傍は彼女を救えた。
「……ありがと、アルフェッカ。ボクも……ちかいうちに、シーシュアンにあいにいこうとおもってるんだ」
微笑みを返し、伝える。
ご案内:「屋上」にクラスカさんが現れました。<補足:※乱入歓迎 目立つ赤色のカーディガンで銀色の前髪が眼にかかっている>
クラスカ > (今日も学園の片隅で、憂鬱な生活委員の屋上掃除が始まる―)
(片手にはビニールのゴミ袋を、もう片手にはガム取り用のヘラを携え)
(悟りさえ開けそうな孤独との戦いに身を興じんと、屋上のコンクリートへ降臨しようと扉を半分開けたところで)
(件の場に先客がいて会話をしている最中だと気付く)
(声質からして、女性が二人)
(屋上掃除は生徒を排してとの決まりもないのだし、別にちょっと失礼~と割り込めば、それで済む)
(ただ生徒の団欒の空気をぶち壊すのも始末が悪いし、また後で来よう、と決め立ち去ろうとすれば)
(二人の会話の内容が耳に届く)
(「シーシュアン?」「病院?」)
(珍しい発音の名前だし、おそらくあの、狂気に憑かれた女を指しての話だと考えていい)
(どうにも理解には程遠い存在だったが、何かしらの進展―しかも良い方向へ話しが進んだらしい)
(隠れて更に様子を伺うと、話している片側の生徒は顔見知りだと分かる)
へえ。少し、調べとこうかな。
(今更出て行くのも、やはり野暮であるし)
(勘繰りを入れられても困る)
(存在を潜ませたまま、扉を閉じて階下へ降りてゆく)
ご案内:「屋上」からクラスカさんが去りました。<補足:※乱入歓迎 目立つ赤色のカーディガンで銀色の前髪が眼にかかっている>
アルフェッカ > 「――素敵な事だね。誰かを一心に想うのも、想われるのも。」
機械の身、そして様々な世界を巡るアルフェッカには、同じ時間を過ごせる友達がいない。
種族の寿命差という厳然たる壁が、それを超えても世界を渡る時に同行する事が出来ないという壁がある。
だから、畝傍の一途な言葉がほんの少し羨ましくて、そしてそれ以上に眩く見えた。
「そっか。うん、病院で過ごすのって退屈そうだから、お見舞い…が持ち込めるかわかんないな。
それじゃ、退屈しないようにいっぱいお話してあげるといいかもね。」
畝傍 > 「そうだね。ボクも、会う時までに、いっぱいおはなしできるようにしておかなきゃ。病室って、たいくつだもんね」
そう答え、ふと考える。サヤはともかく、今は石蒜の人格は刀の中だ。
もしかすると、面会できるのはサヤのほうに限られるかもしれない。
アルフェッカ > 「怪我や病気を治す為だから、大人しくしてなきゃならないのは分かるんだけど、何もしないで過ごす…っていうのは中々つらいかもしれないし。
だったら、せめて一時でも退屈を紛らわせて上げたいよね。」
今の石蒜――あるいは、「サヤ」だろうか――が、自分の話を聞くかは分からないが、それでも、一度きりとは言え、関わった身だ。
お見舞いに行って話をするくらいは、許されると思いたい。
「――っと、結構話し込んじゃったね。私、そろそろ行くね。
ありがと、畝傍ちゃん。キミと話せて、良かったよ。もし良ければ、これからもよろしくね。」
勢いをつけてベンチから立ち上がると、アルフェッカは畝傍に手を差し出す。握手、のようだ。
畝傍 > 「うん。ボクも、アルフェッカとはなせて、よかった。こちらこそ……よろしく」
畝傍もまたベンチから立ち上がり、左腕だけで狙撃銃を抱え、右手を出して握手に応じる。
「じゃ、またね」
やがて握手が終わった後、畝傍は先程までアルフェッカの手を握っていたその右手を振り、笑顔で別れの挨拶をした。
アルフェッカ > 「うん、それじゃまた! ばいばーい!」
晴れやかな笑顔で、大きく手を振りながら、アルフェッカは屋上と踊場を繋ぐ扉へと向かう。
畝傍へ向けられた笑顔が、扉の向こうに消えた。
扉の向こうから、ぱたぱたと足音が小さく聞こえ、やがて消える。
ご案内:「屋上」からアルフェッカさんが去りました。<補足:女/見た目17歳/171cm/79kg/銀髪紫目。しなやかな身体つき、巨乳。触られても分かりませんが、立派なロボ娘です。>
畝傍 > 去ってゆくアルフェッカを、その目で見送った後。
再び、畝傍の端末からメールの着信音が鳴り響く。
「……また、メールだ。……なんだろ?」
端末を取り出し、メールを確認する。タイトルには"速報"の文字。やはり、知らないアドレスから届いていた。
その内容は、ここ数日の間に学園内で起こった諸々の出来事。
だが、そこまで重要なものであるとは思えなかったので、一度読み終えるとすぐに削除してしまう。
先程届いた謎のメールと、この"速報"の関連性を、畝傍はまだ知らない。
メールを読み終え端末を収納した後、畝傍もまた屋上を後にした――
ご案内:「屋上」から畝傍さんが去りました。<補足:短いブロンドの髪と赤い瞳、オレンジ色のボディスーツ姿。狙撃銃を携帯(乱入可)>