2015/07/22 - 21:20~00:39 のログ
ご案内:「職員室」にヨキさんが現れました。<補足:人型。黒髪金目。197cm、拘束衣めいた長衣、ハイヒールブーツ>
ヨキ > (開け放した窓から、快晴の風とともに竜の咆哮が飛び込んでくる。
 壁の時計を見遣り、事務仕事を進めていた帳面から顔を上げる)

「む……そろそろ時間か」

(やおら席を立つ。窓際へ向かい、窓枠を掴んで顔を出す)

「おお。やっているな」

(建物の向こうに、大きな赤竜の姿が見える――魔術教師のクオンだ。
 彼の『青空教室』に集った生徒たちが、芥子粒のように小さく見える。

 後ろ手に、長衣の中を探る。
 中からシャンパンゴールドのスマートフォンを取り出すと、大きな両手に持ち、青空教室に向かって構える。
 パシャン、とオーソドックスなシャッター音がした)

「……よし」

(保存された写真を確認して、満足げに頷く)

ご案内:「職員室」に服部ローニャさんが現れました。<補足:制服の袖から微妙に羽がはみ出てることと梟の耳角のような髪型以外は普通のおんなのこ>
ヨキ > 「やはり彼は画になるな……、美しい」

(画面を見ながら、しみじみと呟く。
 クオンが空を仰ぎ、さらに一吼えしたところでもう一枚撮った。
 彼の翼の下で、美術部員がその姿を同じようにスケッチしていることは、気付く由もない。

 この時間の職員室は人影も疎らだ。
 窓際を離れ、スマートフォンの画像やメールをつらつらと読み流しながら、席へ戻る。

 文鎮に支えられ、吹き込む風にぺらぺらと煽られる帳面の上には、『夏期講習(案)』という文字があった)

服部ローニャ > スマートフォンで取った写真を確認している頃、
ヨキの視界の端に窓から侵入してくる黒い影が窓枠に躓いて職員室内に飛び込むように転倒する。

「いたひ……」
そう呟きながらも一先ず誰かの視界に入らないように窓のすぐ側の影に隠れているところやっとヨキを視認して一言

「そこの、教師殿であろうか、教えてくだされ
 この学園は竜が潜んでいるであるか…?」
どうやら、竜の咆哮が聞こえて一先ずこの場所へ飛び込んできた迷い鳥のようだ。

ヨキ > 「!」

(椅子まで辿り着く前に、何かが飛び込んできた音に目を丸くして立ち止まった。
 スマートフォンをしまい込み、窓際の物陰を確認しながら、闖入者を探して歩み寄る。

 そこに丸くなっていた女子生徒の姿を見つけると、中腰になって見下ろした。
 女子生徒――ローニャから投げ掛けられた質問に、ふっと笑う)

「ああ……新入生か。あの声に驚いたのだな。
 彼はここで、魔術を教えている教師だ。クオンというよ。
 安心するがいい。いくら小さな生徒とて、取って食うようなことはせん」

(ほれ、とローニャを促して、先に窓の外へ顔を出す。
 見れば赤竜クオンが何事かを話し、生徒と質疑を交わしているらしい――小さくてよく見えないが――様子が分かる)

服部ローニャ > 「ホ、ホウ。あの竜の咆哮はクオンという教師なのか
 教師なれば拙者を食うような事はせぬ…よな?」
目の前の教師の説明を受けるとゆっくりと立ち上がり促されるままに竜が鳴いた方向を見ると何か説明している風景が見える
元いた世界が世界の為に巨大な生き物には捕食される、という常識が身についてしまっているため暫くは慣れないといけなさそうだ

「…失敬。突然このような入り方をして迷惑をかけてしまった
 わた、拙者はローニャ、服部ローニャである。
 鳥人、というよりは梟の血が流れてるヒトだと思ってくれれば良い」
ハッと正気に戻り、教師とは少し距離を取ったところで床に正座をして先程の無礼を詫び、自己紹介をすると同時に《土下座》をしている
土下座すると袖辺りからはみ出ている羽や、梟の耳角のような髪型が分かるだろうか、しかしその土下座はしっかりとした物である

ヨキ > 「はは。クオンはこの学園でも一二を争う人格者であるからな。
 どちらかと言えば、このヨキが君を食い物にしてしまうやも知らん」

(平然とした顔で言って、窓の外を見るローニャを197cmの背丈が見下ろす)

「――む?これは、丁寧に」

(地に伏せたローニャの挨拶を、物珍しげに見遣る)

「ヨキだ。美術を教えている。専門は金属だが、絵も粘土も木工も、何でもやっていてな。
 授業はもとより、学園のあちこちに居るからな。どこぞでヨキの顔を見ることも多かろう。
 フクロウ――梟か。いいな。よい鳥だ。何しろ知性の象徴であるからな」

服部ローニャ > 「ホウホウ。常世の教師は雑食と」
土下座状態から起き上がる顎に手を当ててまた新しい知識が手に入ったと言わんばかりに頷き、
今しがたヨキより貰った言葉を心に刻んだようだ。

「あ、少し大袈裟過ぎたであろうか…
 拙者は《ニホン》の文化が好んでいる為にこういう作法をしたくなる故、許して欲しい」
物珍しげに見られている視線を感じて再びハッと正気に戻って大袈裟過ぎただろうか、と苦笑い気味に立ち上がる

「ホウ、美術教師のヨキ殿か。宜しく頼むぞ!
 拙者は美術は得手とはせぬが、見る分には好きであるぞ!」
それを美術教師の目の前で自信満々に言うのは些か正気を疑うものがあるが、梟の少女は至って満面の笑みである

「《コチラ》の世界ではそう呼ばれているらしいが、拙者と拙者の親はどちらかといえば狩人という印象が似合うであろうか。
 勿論、頭の回転は速い、らしいぞ?」
最初は自信満々に語っているが最後の最後だけは自分には無いものと主張するかのようにヨキではなく、窓の外の方のクオンを見ている

ヨキ > 「偏食は美しくないからな。君もこのまま美人に成長したくば、好き嫌いなく食うことだ」

(妙ちきりんなことを諭しながら、他の教師のデスク越しに自分の机へ長い手を伸ばし、一冊の本を取る。
 それは墨一色で書かれた町人文化の戯画をまとめた冊子だ。
 開いてみせたページに、役人に向けてローニャと同じ姿勢で頭を下げる庶民の姿があった)

「いや、ヨキにとっても人間の作法は興味深いでな。
 真面目な娘も居たものだと、感心している」

(ローニャの明るい語調には、気を害した様子もなく、愉快そうに笑って)

「構わん。見る分にはスキでも、キライでも。
 芸術はヨキの命だが、芸術だけがヨキではないのでな。
 こちらこそ、どうそ良しなに頼む」

(本を閉じる。ローニャの隣で窓枠に手を突いて、)

「ほう、狩人。
 獲物を取るにも、頭の回転は必要であろう?
 狩人よりもなりたいものがあるならば、別やも知れんが」

服部ローニャ > 「美人というより美鳥かもしれぬが、拙者はなにより《SHINOBI》を目指しておるでな。
 好き嫌いは…うん、一部野菜と鶏肉を除けば食えるぞ!」
どうやら好き嫌いはそれなりにあるらしく、自信満々に戻した視線は再びクオンの方を見ている。
そういえば話している影が1人増えたような減ったような、夜ならばその人の顔も見れただろうが

「オ、オォォ…このような書籍をお持ちであったとは、ヨキ殿は文化にも精通していると見るぞ!」
ヨキがある1ページを見せてくればそれを興味深そうに食い入るように見ている。
それは梟の少女が知っている《土下座》である。
しかし、その《土下座》をしている町人は悲しい表情をしているような…良く見えない

「獲物を取る、というのは大事であるが、先程も言ったように拙者は《ニホン》の国独自の文化、
《SHINOBI》を勉強しているのだ。
 ヨキ殿よ。この島に《SHINOBI》に関する文化は残っているであろうか」
先程の目を逸したり、苦笑いをしていた少女とは思えないような真剣な表情で生徒が教師へ質問する。

ヨキ > 「シノビ……ほう、忍者と?元気な忍者も居ることであるな。
 いずれ長じた暁には、ヨキの密書を届ける務めを任すもよいな」

(精進したまえ、と頷く。
 すっかりクオンを見ているローニャの姿に、安心したように独り微笑んだ)

「芸術をやるには、知識を広く知らねばならんでな。
 この画は……そうそう、役人に赦しを乞う罪人の姿だそうだ。
 君の土下座のほうが、ずっときりりとしていて気持ちがよいな」

(どっかりと腰掛けた役人に比べ、地を這う男の姿は何とも頼りない。
 ローニャが本に興味を示したと見るや、再びページをぱらぱらと開く。
 かつてのさまざまな職業や娯楽、政治のすがたが、軽妙な筆致でユニークに描かれている。
 そうやら《SHINOBI》の姿は描かれていないようだ)

「忍びに関する文化、か。
 忍術の使い手ならばこの学園にも何名か籍を置いているようだが……、
 もしくは、図書委員に訊いてみるのも一興かと思うぞ。
 彼らは情報のエキスパートであるからな。それこそ君の愛する間者のように」

服部ローニャ > 「うむ、《SHINOBI》であるぞ。
 足の速さと身の軽さだけは自信あるでな、ヨキ殿に頼まれれば行ってまいるぞ!……夜限定で」
単刀直入に言えばこの梟の少女は夜型である。
日が出ている間は梟の少女は《SHINOBI》らしい事は出来ないが、日が沈めば建物から建物へ飛び移る本物の忍者のような動きは出来る

「ホウ…ホウ…確かに拙者は謝罪目的に使った故に使い方は間違っておらなんだ。
 誠意さえ伝わったのならば拙者はそれで満足であるぞ」
所々捲られるページには団子を食わせている絵や届け物を届ける者の絵など、梟の少女が知らない世界がそこにあった

「ホウホウ!この島にやはり《SHINOBI》はおるのか!
 ヨキ殿の知っている限り……いや、ここは拙者の修行の成果を活かして自分で探すべきであるな
 拙者は《SHINOBI》であるからな。情報収集も自分でせねばならぬ」
うんうん、と自分を納得させるかのように勝手に頷いている
これもまた梟の少女の中の《SHINOBI》の姿の一つなのだろう

ヨキ > 「ふ。それこそ忍者は夜に動くものであろう?まさに、梟には天職であるな。
 ヨキの密書もまた、昼に読むようなものでもないのでな」

(何を持たせようとしているのか、そこには触れずただ笑った)

「忍者もまた、その時代の人びとの暮らしに深く関わったものであるからな。
 広く学ぶことはよいぞ。思いもよらない知識が自分のスキなものと繋がったとき、最高に楽しくなれる」

(ローニャの活き活きとした眼差しを、目を細めて眺めている。
 表情は薄いが、喜びが滲んでいるのが見て取れる)

「いや。ヨキはまだ、忍者を名乗るものには会ったことがなくてな……
 というのも、彼らは文字どおり忍ぶものであろう?
 ヨキのような素人が、そうそう看破出来るものではあるまい。
 もしかすると君が会う人びとの中にも、知らぬうちに忍者が紛れておるのやも」

服部ローニャ > 「うむ。天職である上、昼は1生徒、しかしそれを装って夜には《SHINOBI》になる。
 密書なぞ、《SHINOBI》が読むものではないぞ。それこそ主に逆らうようなものだ」
ホゥ、という鳴き声を微かに漏らして腕を組みながら自信満々に語る。
そもそも主と呼べるような人物に出会えるのかはこれからのローニャ次第ではあるのだが

「故に、拙者はこの学園に入学したのだ。
 他の学生と違和感が無いように《ミョウジ》というものも頂戴しておるしな」
少女の語りは中々止まる事はない。その中身が《SHINOBI》に関する事なら尚更である
そもそもこの少女は《SHINOBI》に徹する為に苗字まで手に入れたのは周りに溶け込むというのが第一なのだが
この苗字にしたのはただの憧れで選んだというのはまた別の話である

「しかし同類であるなら拙者達は看破出来る…いやしてみせるぞ。ヨキ殿!拙者は仲間を見つけてみせるぞ!」
何故か意気揚々と仲間を見つける宣言をする。
それだけ、ニンポウについてや文化について知りたいだろう
そこに視界の端から動く人影が見える。どうやら青空教室が終わったらしく、生徒が一部解散していくような影が見える

「…うむ。拙者はそろそろ行くぞ。
 あまり、ヨキ殿の手間をかけさせるのも良くないのでな。
 また機会があえば出会おうぞ、ヨキどノッ」
少女の《SHINOBI》像というものは建物の窓から飛び出そうとした所、窓枠に足を引っ掛けて顔から地面に落下していく
少女は負けない。再び外からヨキの方へ振り返って元気よく
「サラバだ!ヨキ殿ー!」
《SHINOBI》にあるまじき大声でそのままどこか外の世界へ溶けこんでいくのであった

ご案内:「職員室」から服部ローニャさんが去りました。<補足:制服の袖から微妙に羽がはみ出てることと梟の耳角のような髪型以外は普通のおんなのこ>
ヨキ > 「若くして、世を忍ぶ仮の姿とはな。格好良いではないか?
 ゆくゆくは常世島の平和を守る一員となってもらうか」

(なあ、と、小首を傾げて微笑む。
 語る声とは異なる梟の鳴き声を耳に留める。たしかに梟だ、とばかりに)

「そうか、服部君、というのはあとから手に入れた名前であったか。
 このヨキは独りゆえ、ヨキにも姓はないでな」

(好きなものを輝くように語り尽くす様に、ひとつひとつ頷いて応える。
 ローニャのきっぱりとした宣言に、本を小脇に抱えて拍手する)

「頑張ってくれたまえ、ヨキは君のように前向きな生徒を応援するぞ。
 ヨキは忍者には明るくないが、他の話なら出来るのでな。
 いつでも遊びに来るがよい――

 !!」

(そのままにこやかに見送――ろうとしたところで、窓を越えたローニャの身体が一回転するのが見えた。
 彼にしては慌てた様子で窓枠へ駆け寄り、外を見る。
 ローニャが立ち上がって手を振る様子に、些かほっとして息をつく)

「おお、また会おうぞ。気をつけるのだぞ、……前を見よ!」

(ローニャが転ぶことのないように、大らかに手を振り返す。
 その姿が見えなくなると、やれやれ、と優しげに笑って手を降ろす)

ヨキ > (やがて独り残ると、窓から離れて席へ戻る。
 ローニャに見せた画集を、ぺらぺらと捲って微笑む。
 本が増えた分、捲る機会も少なくなったものであったが、ローニャの晴れやかな顔を思い出しては微笑む)

「…………、」

(本を、立てられた他の本の中に戻す。続けてもう一冊を引き抜く。
 絹の上に鮮やかな色彩で描かれた画が、大判で収められたもの)

「……………………」

(付箋や目印はない。が、目的のページをすぐに見つけ出す。
 本文には、日本語に似て非なる、曲線の絡み合った文字が連なっている。

 一枚の画。
 武器を振り上げる民衆に囲まれて、焔に灼かれる黒い犬。

 この世界のいかなる文字体系とも異なる、キャプションのひとつを読み上げる)

「《邪霊の》――《調伏せらること》」

(笑うでも怒るでも、悲しむでもなく、ただその画を見下ろしている。
 しばらく眺めたのち、目を伏せて表紙を閉じる)

「…………。忍者、か」

(笑う。
 『門』の向こうを思い出して、呟く。
 書物の上に描かれた日本の歴史と、似た根を持つであろうかの山々を)


「――ヨキを討たんとするような主を、くれぐれも見つけてくれるなよ」


(このヨキが、君の敵とならぬように)

ご案内:「職員室」からヨキさんが去りました。<補足:人型。黒髪金目。197cm、拘束衣めいた長衣、ハイヒールブーツ>