2015/07/20 - 13:20~18:00 のログ
ご案内:「スイカ割りFree」に神宮司ちはやさんが現れました。<補足:巫女舞の少年。猫耳半袖パーカーにサーフパンツ姿>
ご案内:「スイカ割りFree」に日恵野ビアトリクスさんが現れました。<補足:極彩色のワンピース水着>
ご案内:「スイカ割りFree」に正親町三条楓さんが現れました。<補足:式典委員。黒髪姫カット、巨乳。紺のパレオ付きビキニ水着。>
神宮司ちはや > 青い海とよく晴れた空の下、式典委員会が開催したスイカ割り大会会場にちはやはいた。

式典委員会とでかでかと書かれたテントに大量に運び込まれたスイカ。
訪れた男女が砂浜にてめいめいにスイカを設置し、目隠しをして周囲の声を頼りにスイカを棒で叩く。
外れれば落胆の声が、当たれば歓声が聞こえてくる。

ちはやも式典委員として手伝いの傍ら、折角だからと参加することにした。
ビアトリクスも誘ってみたものの、こういう催し事は隙だっただろうか。
ひと通り委員の仕事を終えると、一抱えできる大きさのスイカをビアトリクスの元に運ぶ。

「トリクシー君、スイカ持ってきたよー!」

日恵野ビアトリクス > 「人多いな……石油にならないかな……」

不穏なつぶやきを漏らしながら、サンダルで砂浜を歩く。
ワンピースタイプの水着に白いレースの羽織。
顔をしかめているのはたぶん眩しすぎる太陽のせいだけではない。
元気そうなちはやとは対照的におぼつかない足取り。
健康そうな装いにはやや合わない自信なさげな表情。

「ありがと……。
 なんか公式ルールなるものがあるらしいね。
 ……スイカ割りってもっと適当なもんだと思ってたけど」
ビアトリクスが手にしているのは目隠しと棒。
腕力にはまったく自信がないが……果たして
ちゃんと割れるものだろうか、と少し不安げ。

日恵野ビアトリクス > http://guest-land.sakura.ne.jp/cgi-bin/up2/img/toko138.png こんなん
正親町三条楓 > 「ふふふ、スイカ割り公式ルールを説明しましょ~」

いつの間にか二人の横に現れる楓。
そして式典委員が3人。

古畑「式典委員会、スイカ割りルール!」
今出川「異能、魔術、特殊能力、及びそれに順ずるものを禁ず!」
新小岩「以上!」

ルールもクソもなかった。

「ですよ~、ルールを守って楽しくスイカ割りをしましょうねぇ」

そしてそのまま居つくらしい。
最近ちはやと一緒に居るタイミングも少ないし。

神宮司ちはや > 「わぁ!さすが楓先輩!
 それに古畑さんも今出川さんも新小岩さんもありがとうございます!」

突如現れた楓にも式典委員たちにも別にびっくりすることなく的確なルール解説にぱちぱちと拍手をする。
楓先輩がいるならスイカ割りは成功したも同然だという笑顔。
もちろん一緒に居ることが心底喜ばしいという気持ちも含む。

「大丈夫だよ、割れてなくとも当たれば大丈夫だから。たぶん……」

不安げなビアトリクスを励ますように少し離れた場所にスイカを設置する。

「それじゃあトリクシー君回すよー。気をつけてぐるぐるしてね」

再びビアトリクスの元に戻ってくると、その身体をグルグルと回し始める。
1回、2回、3回……。

神宮司ちはや > http://guest-land.sakura.ne.jp/cgi-bin/up2/img/toko123.png (忘れてたこんなの
日恵野ビアトリクス > 聞き覚えのある声と見覚えのある巨乳がニュッと出てきて
ビアトリクスは唐辛子を食べたサルみたいな顔になった。
(うわあ~余計な奴が出てきたよ~)
まあ、式典委員会主催のイベントなんだからそりゃ普通にいるだろう。
頭を振って冷静になる。

ルールはごく単純だった。
異能や魔術を解禁してしまうとスイカどころか砂浜全体が割れかねないからだろう。
(となると、《ヴァルナ》は使えないな……)
もともと使う予定もなかったが。
単純に方向感覚、膂力、姿勢、あと運の勝負だろう。

「気、気をつけてって言われても」
目隠しをしてぐるぐる回され……
フラフラとサイン波のような軌道で、規定位置に置かれたスイカまで歩こうとする。
そして棒を振り下ろす――
[3d6→2+4+6=12]
正親町三条楓 > 「ふふ、頑張ってくださいね~」

ビアトリクスが無様を晒す方が都合がいいが、それではちはやが悲しむだろう。
かといって、見事に割ってちはやの尊敬の念を得るのも面白くない。
ここはやはり、適度に、話題にならない程度に頑張ってもらいたいものだ。
3人と一緒にちはやの後ろで応援する。

なお、古畑は割れたスイカを持って、今出川は何故か泥鰌掬いの格好、新小岩は扇子を両手に持って応援している。

「「「スイカ割りっ♪ スイカ割りっ♪」」」

神宮司ちはや > 「ああートリクシー君おしい!もうちょっと横、右右、あ、違うごめん左!」

ふらふらと歩くビアトリクスに楓たちと一緒になって応援する。
掛け声をかけながらスイカの場所を教えようと必死になっているものの
そう言えば今ビアトリクスも楓も自分が一緒に選んで買った水着を着ていてくれていることに気づいた。
気になる相手や親友の薄着を見ることに照れはあるものの、それよりも心遣いが嬉しかった。

日恵野ビアトリクス > 「おっ……」
確かな感触が棒から身体に伝わった。
芯とは遠いが。意外といける、か……?

楓は口でこそ応援はしているがなんとなく邪な念を感じるのは気のせいだろうか。
まあそれはいい。
その周りの三人は生きていて楽しそうだなとぼんやり思う。
そういうイキイキとした連中が一番苦手なのだが。

ちはやも応援してくれる。(指示は全く当てにならないが)ありがたい。
やはりこの二人の前で醜態を晒すわけにはいかない。
棒を持つ手に力が篭もる。
無明の中、それを探り当てようと――
[3d6→1+4+6=11]
日恵野ビアトリクス > (以下ダイジェスト映像でお送りします) [3d6+23→4+5+6+(+23)=38]
日恵野ビアトリクス > (割れた!)
正親町三条楓 > 38秒。なかなかの好タイムだ。
内心チッとか思いながらも拍手しておく。
スイカも見事に割れたようだ。

「「「お見事~!」」」

どこからか取り出した鳴り物で3人が祝福する。
この3人、心の底から楽しそうである。

「「「スイカ割りっ! スイカ割りっ! 俺の勝ちっ、俺の勝ちっ!」」」

いや、別にお前らの勝ちじゃないが。

神宮司ちはや > 「わー!トリクシー君すごい!おめでとう~!」

ぱちぱちと盛大な拍手をして見事スイカを割ったビアトリクスに駆け寄った。
目隠しを外すのを手伝いながらにこにこと笑いかける。

「トリクシー君、こういうの苦手かなって思っていたけど
 すごく上手に割れたね。それに時間もすぐだったし。かっこよかったよ!」

割れたスイカを裏に片付ける。もったいないから海の屋台などでデザートに使われるそうだ。
それからまた新しいスイカを設置すると目隠しと棒を用意して楓に声をかけた。

「先輩もやりますか?」

日恵野ビアトリクス > 「あ!」
小さな叫び声が出る。確かな感触。ささやかな達成感。
目隠しが外されると、目の前には見事に割れたスイカが赤々とした果肉を晒している。
思い切り振り下ろして、当たりさえすれば割る事自体はそんなに難しくないらしい。
「はは、たまたまだよ」
駆け寄ってきたちはやに、はにかんだような笑みを見せる。
スイカ割りは初めてだが、なかなかよくやれた方ではないだろうか。

例の三人は相変わらずBGM担当を自負しているかのごとく繰り返し騒いでいる。
格闘ゲームのステージ背景で踊り狂っているモブキャラのようだ。
やっぱりやかましいが、成功できた今はそんなに聴いていて悪い気はしない。

正親町三条楓 > 「あ、いえ、私は……」

本当はかなり好きなのだが、ちはやの前ではしゃぐわけにもいかない。辞退しておく。

3人はスイカを片付けるのを手伝い、テントに戻っていった。
本当にスイカ割りにしか興味の無い連中だ。

日恵野ビアトリクス > 「ほう」
楓も式典委員(祭り好き)なんだし、この手の誘いには乗ってくるかと思ったが。
意外だ。何かしらの立場に考慮しているのだろうか?

「ぼくの好記録に恐れをなしたかな」
楓に聴こえるように、冗談めかして、安い挑発を送ってみる。

神宮司ちはや > 「たまたまでもすごいよ。あとで割ったスイカ食べようねぇ」

にこにことそう言いながら、スイカを片付けてくれた3人組に礼を言う。
楓がスイカ割りを辞退する素振りを見せると少し寂しそうに眉根を寄せた。

「あ、いえごめんなさい。ぼくこそ急に言っちゃって……」

残念そうに棒と目隠しを見つめる。
その時ビアトリクスの安い挑発が聞こえた気がしたが、ちはやはそれが挑発だとは気づかなかった。

正親町三条楓 > 「――古畑、今出川、新小岩、新しいスイカを!」

ちはやが残念そうならば仕方が無い。
見せてやろう、式典委員のスイカ割りというものを。

古畑「楓殿のご出陣じゃぁ!」
今出川「おぉ、式典委員名物、スイカ割り!」
新小岩「兄者、これを!」

私はお前の兄じゃない。

目隠しをし、棒を持つ。
さながらその姿は一人の武士。

日恵野ビアトリクス > (こいつちはやの表情見て露骨に態度変わったな……)

死合に臨む武人かと錯覚させられるようなその姿勢。
これが式典委員会副委員長か……と戦きを隠せない。
数歩後ろに下がり、その戦《スイカ割り》を見守ることにする。
こういうのはその場全員でやったほうが楽しいであろうということぐらい、
集団に馴染めないビアトリクスでもわかる。

神宮司ちはや > 武士のような気合と佇まいになる楓を見てわぁっと歓声を上げる。
その凛々しさたるやさすが副委員長と言わざるをえない。
楓の新たな一面を見せられ頬に両手を当ててわずかに紅潮する。
まるで憧れのお姉さまを見つめる純粋な後輩のキラキラした眼差し。

「楓先輩……かっこいい……。
 頑張ってください!ぼく応援しています!」

声援にも力が入る。

正親町三条楓 > 「――いきますよ」

合図と同時に、後ろの3人が応援をはじめる。

「「「スイカ割りっ! スイカ割りっ」」」

それにのらない楓ではない。
彼女も式典委員なのだ。

「あ、私の勝ちっ、私の勝ちっ♪」

何かはっちゃけたように歌いながら。
スイカへと向かって行く。
[3d6→5+5+5=15]
正親町三条楓 > 振りかぶり、そして――楓の棒は、見事に両断する。

そこらへんにあったビーチパラソルを。

「まずい、誰だ、楓さんに名刀『スイカ割り』をもたせたの!?」
「あの人極度の方向音痴だからスイカ割りやらせちゃダメだって言っただろ!?」

なんか式典委員のテントから悲鳴が聞こえてくるが聞こえない。
なお、別に持っているのは刀ではなく棒である。
式典委員が勝手に名前をつけているだけだ。

「私の勝ちっ♪」
[3d6+15→5+5+5+(+15)=30]
日恵野ビアトリクス > 「がんばって楓先輩!
 そう、そこをまっすぐ上、上、下、さらに下がって、
 左……いや右、やっぱり左、そこをさらに左、
 そしてBボタンとAボタンを押すと……
 スイカの残機が無限になります」

あきらかに応援する気のない応援を送っておく。

テントやビーチパラソルが両断されはじめている。
これが……式典委員会副委員長の……“チカラ”?

近くに立つちはやにアイコンタクトを試みる。
(適当なところで逃げたほうがよくない?)

神宮司ちはや > 一方ちはやはじっと楓を見つめていた。
楓によって両断されるビーチパラソル。舞う残骸、叫ぶ周辺の海水浴の客、他の式典委員。
名刀『スイカ割り』が振るわれる度、楓の美しい黒髪が、肢体が、大きな胸が揺れ、爽やかな汗が太陽に輝いてきらきらとはじけ飛ぶ。

最高に輝いている楓に目を奪われたように見とれていた。
この胸の高鳴りはなんだろう?そっと自分の胸に手を当ててみるも答えは夏のかもめだって知らない。
熱のこもった視線でぽーっとしながらつぶやく。

「楓先輩……素敵です……。
 ぼく、こんなにイキイキしている先輩見たの、初めてかもしれません……。

 楓先輩!頑張って!あ、そこ砂風呂の人がいます!気をつけて下さい!」

正親町三条楓 > 「「「スイカ割りっ! スイカ割りっ!」」」

なお、3人組はまったく気にせず応援している。
他の式典委員が避難誘導をはじめた。

「私の勝ちっ♪」

そして楓は何も聞いていなかった。
彼女は今、あらゆる事から解放され、ただ無心にスイカを割っていた。
一種のトランス状態であろう。
彼女の中では多くのスイカが割れているのだが、実際には砂浜を阿鼻叫喚の海に叩き込んでいた。

慌てて逃げた砂風呂していた生徒のすぐ側に名刀『スイカ割り』が振り下ろされる。

そしてビーチバレーのネットを、ビーチチェアーを、たまたま来ていた巨乳の生徒の水着を、名刀『スイカ割り』はいとも簡単に切り裂いて行く。
異界化でもしているんじゃないかというぐらいだ。

「私の勝ちっ!」(ダイス目12以上でビアトリクスに切りかかるかもしれない)
[3d6+30→1+1+2+(+30)=34]
日恵野ビアトリクス > 最初のほうこそ面白いなと気楽に眺めていたがいつまで経っても
スイカに棒がヒットする気配がしない。
それどころかどんどん遠ざかっているように見える。
風紀! 危険人物がいます! 取り締まって!
心の中で叫ぶ。
あっ今ちょっとこっちのほうを向かなかった? 冗談はよせ。

うっとりと熱っぽく好きな人を見つめているちはやも愛らしいな、
いや、そんなこと言っている場合じゃない。
「……ねえ……逃げよう……?」
ひきつった表情、震えた声でちはやの腕を引く。
アイコンタクトとかヌルいことを言っている場合ではない。

神宮司ちはや > ビアトリクスが逃げようとちはやの腕を引っ張るのなら特に抵抗はなくふらふらと引かれる方に歩いてく。
だが視線は相変わらず楓に釘付けだ。たとえスイカに近づいていなくとも楓の一太刀が鋭く空を切る度、少女のような黄色い歓声をあげた。

「かえでせんぱーい!かっこいいですよー!がんばってー!
 あ、足元イルカの浮き具あります!気をつけて!それから後ろから間違って飛んできたビーチボールが!避けてー!」

周囲の人々もまるで海水浴場に人喰いザメが現れた時のように驚いて慌てて避難し始めたようだ。
いつの間にか楓を見守る式典委員が増え、伝統のスイカ割りコールに混じっている。

正親町三条楓 > 「ふふふ、あ、もひとつおまけにスイカ割りっ♪」

既に浜辺は地獄と化した。
この阿鼻叫喚がいつまで続くのか……

(以下ダイジェスト)
[3d6+34→2+4+5+(+34)=45]
正親町三条楓 > [3d6+45→3+5+6+(+45)=59]
正親町三条楓 > [3d6+59→1+2+5+(+59)=67]
正親町三条楓 > [3d6+67→2+2+3+(+67)=74]
正親町三条楓 > [3d6+74→1+2+3+(+74)=80]
正親町三条楓 > [3d6+80→5+6+6+(+80)=97]
正親町三条楓 > 1分半後。
そこには瓦礫と化した浜辺が残った。

なお、式典委員のテントは予備があったようだ。

日恵野ビアトリクス > いつぞやの巨大イカ襲撃を思い起こされるような惨状。
もちろんトランス状態の楓とクラーケンではどう考えても後者のほうが強大なのだが、
ビアトリクスは顔面蒼白で生まれたての子鹿のように震えていた。
二人が狂気に呑まれ、ただ一人取り残される、
物理的な脅威とは全く異なる恐怖であった。
なぜこんなことに?
ちはやとちょっとした遊びに興じてささやかな幸福を得る、
それすらも許されないのだろうか……
それが自分の犯した罪に対する罰だとでもいうのか……

一時的な退避を終え、ようやくおさまったのを見越して
ちはやを連れて戻ってくる。
「お……終わった……のか……」

神宮司ちはや > まるで台風が訪れた後のような浜辺だった。
屋台が壊れた拍子に零れた食べ物を狙ってとんびが上空を旋回し、
人々は無事な建物の物陰に隠れてその嵐をやり過ごした……。
なんとかスイカが割れたことを確認するとビアトリクスに連れられてちはやも戻る。
ただビアトリクスよりもずっと積極的に、足早に楓に駆け寄ると、いつの間に用意していたのかタオルを楓に差し出した。

「先輩、お疲れ様でした!すごかったです!
 ぼく今日見た先輩の活躍、きっと一生忘れません!」

労うような満面の笑みを浮かべそう話しかけた。
周りの惨状など、一切目に入っていないようである。

正親町三条楓 > 「あら~」

目隠しを取った楓が恥ずかしそうに頬を染める。
うん、ちはやにそう言ってもらえるならば、スイカ割りをした甲斐があったというものだ。

式典委員は皆、万歳三唱していた。
スイカが割れた事にか、はたまた生き残った事に対してかは分からないが。

日恵野ビアトリクス > 楽しげな二人とは対称的にビアトリクスは
モディリアーニの描く肖像画のような生気の感じられない表情を浮かべている。
(こいつら狂っている……)
楓が狂うのは別にいいがちはやをそっちの世界に連れて行かないでほしい。
頼むからそれだけはほんと。

そのときビアトリクスに電流走る――

 式典委員はスイカ割りをすると狂う
 → ちはやと楓は同じ式典委員
 → ちはやがスイカ割りをしようとすると……?

「……浜辺こんなことになっちゃったし、
 今日のスイカ割りはもう中止かな。
 いやあ、残念だね」
平坦な口調でそう告げる。懇願するような視線をちはやに向けた。

神宮司ちはや > 「え、そうなの?でも大丈夫だよ!
 ほら、皆次のスイカ割りの準備はじめているし!」

そうビアトリクスに向けて指し示した周囲は慣れっこなのかすでに復旧を初めていた。
物を直す魔術や異能を持つ者達が率先して音頭をとり、次々に壊れたビーチパラソルやネットが組み立てられる。
ついでに海岸のゴミ拾いも皆で協力しながらやればすぐに綺麗になった。やったね元通り!

「ねぇ、トリクシーくん。ぼくもスイカ割り、楽しみにしていたんだ……。
 やってみちゃ、駄目かな?」

上目遣いに胸の前で手を組んでビアトリクスへ懇願する。
怒られてしまったらもうわがままは言わないが。

正親町三条楓 > 「ふふふ――式典委員は、この程度の事は予測済みですよぉ」

あのクラーケン騒動の時ですら、あっという間に浜辺を修復した式典委員会は伊達ではない。
すぐにパラソルやビーチチェアが復旧され、元の浜辺が戻ってきた。
式典委員一同も一安心。
でもあの3人は「二度と楓さんにスイカ割りをやらせるんじゃない」と怒られてましたとさ。

「さ、ちはや君、どうぞ」

あ、上目遣いかわいい。
横できゅんきゅんする楓。

日恵野ビアトリクス > 胸の中で温かいものが広がるのを感じた。
「……いいよ」
勝手に頬が緩んで勝手に言葉を紡いだ。

「…………」
二人に背中を向けてしゃがみ込み、一人で砂の城を作り始めた。
世界の終わりのような表情を浮かべている。
現実を受け入れることを拒否し始めたらしい。

神宮司ちはや > 「ありがとう!トリクシー君!楓先輩!よーしがんばるぞー!」

ぱっと花が咲きほころぶような笑顔を見せ、設置されたスイカを確認すると目隠しをし、棒を手に取る。
スイカ割り初体験に胸を踊らせ、ドキドキしながら身体を回す。
平衡感覚が失われていくが、それもまた楽しい。
ふらふらとした足取りで砂浜を踏みしめた――。

(2,3のゾロ目が出たらビアトリクスへ
 4,5のゾロ目が出たら楓へ向かって転びかける。
 1ゾロ目がでたらちはやが大変な目に遭う。)
[3d6→1+4+5=10]
正親町三条楓 > 「ちはや君、頑張って~!」

楓の黄色い声援が飛ぶ。
そして式典委員会も仲間の為と、負けじと声を張り上げる。

「「「スイカ割りっ! スイカ割りっ!」」」

なお、心なしか女性の声援が多いかもしれない。
ちはやは女性式典委員、特に年上に大人気なのだ。

神宮司ちはや > 一打目はやはり初心者ゆえ見当違いの所に振り下ろしてしまった。
これはちょっと恥ずかしい、再度周りの声を頼りにふらふらとスイカを探す。

「は、はい!がんばります!」

声援に答えて棒を構え直した。

(2,3のゾロ目が出たらビアトリクスへ
 4,5のゾロ目が出たら楓へ向かって転びかける。
 1ゾロ目がでたらちはやが大変な目に遭う。)
[3d6+10→1+3+5+(+10)=19]
日恵野ビアトリクス > そうこうしている間に砂のお城が出来た。
見事なゴシック建築のミニチュアだ。わーすごーい。

「…………」
蹴り飛ばす。あえなく崩れ去る。
自分の存在などこの砂の城のように小さく脆い……
などと卑屈エンジンを展開していると声援が聴こえてくる。
ちはやのスイカ割りを応援する声。
そうだ。自分がちはやを応援しなくてどうするのだ。
立ち上がる。前を向く。

「ちはやー! がんばれー!」
口元に手を当てて、声を張り上げる。

神宮司ちはや > 「にゃうっ!」

猫のような奇声をあげてもう一度振り下ろす。
勢い余って砂の上にコケた。ちょっと痛い。
どうやらまた外れのようだ、よたよたと立ち上がると深呼吸をしてからもう一度スイカに向かう。

(2,3のゾロ目が出たらビアトリクスへ
 4,5のゾロ目が出たら楓へ向かって転びかける。
 1ゾロ目がでたらちはやが大変な目に遭う。)
[3d6+19→1+3+3+(+19)=26]
神宮司ちはや > ふらふらとビアトリクスの方へ向かうと崩された砂の城に足を取られた。

「わ、わー!」

棒が手を離れ、何故かビアトリクスへもつれ込むように転がる。

正親町三条楓 > 「あ、ちはやくん!」

危ない、急いで助けないと。
こちらも慌ててビアトリクスの方へと近寄る。

日恵野ビアトリクス > 平衡感覚を失ったちはやがスイカとは反対方向のこちらに向かってくる。
こっちじゃないぞ、と告げるその前にちはやが転んだ。

「わっちょっ」
ワンピースの肩紐にちはやの手がひっかかる。
とっさのことで支えられず、そのまま二人して砂浜に転がった。
「なっなっなっ」
押し倒されてるのか。これ、押し倒されてるのか。
どいてくれ。いや、どかないでくれ。
ええっと、どうすればいいんだ。

神宮司ちはや > ぱたんという砂浜に転がる衝撃。
慌てて目隠しをずらし何が起こったのか確かめると何故かビアトリクスを組み敷いていた。
しかも片手は水着の紐にひっかかっている。
みるみるうちに顔を赤く染めて慌ててとびのこうとする。

「ご、ごめん!間違えちゃった!」

身体をどけようとするも下にいるビアトリクスが負担にならないかどうか気になって思うように手足を動かせない。

正親町三条楓 > 「――ちはや君、大丈夫ですかぁ?」

ちはやに手を貸し、起こそうとする。
むしろひっぺがそうとしている、が正しいかもしれない。
ちょっとおでこにビキっときているが、態度には出さずに。

日恵野ビアトリクス > 自分を組み敷いていたちはやの身体が引っ張り起こされる。
助かった。――そう、助かったのだ。
しかし引剥がされれちはやの指が外れた拍子に肩紐も落ちた。
「……」
何かが見えることはなかったが、素肌の露出が大きくなり、
どことなく扇情的な装いに。
身を起こす。顔は耳まで真っ赤に染まっている。
砂浜にぺたんと座る。
俯いて、片手で肩紐を押さえ、片手でスカート部分の裾をぎゅっと押さえる。
非常に背徳的な光景となった。

「その……ちはや……そういうのはその……急には……心の準備が……」
混乱して微妙に変なことまで口走る始末。
ちょっとすぐには立ち上がれそうもない。

神宮司ちはや > 「あ、先輩ごめんなさい……ありがとうございます。」

楓の手を借りてやっと身体を起こす。
だがビアトリクスの水着が大きくはだけられた。
その扇情的な光景にひえっとなって慌てて目元を手で覆う。

「ご、ごめんね!本当にごめん!ぼくも勢いで倒れちゃって……!
 怪我とかしなかった?本当にごめんなさい!」

あわあわと取り乱して、目をつぶりながら慌てて頭を下げる。

正親町三条楓 > 「あらあら~」

ついでにぎゅっとちはやを抱き寄せる。
胸がふにゅっとちはやの頭に当たるかもしれないが、構わない。当ててんのよ。

「ふふ、落ち着いてくださいちはや君。彼は男の子なんですから~」

わざと男の子、の部分にアクセントをつけて言う。

日恵野ビアトリクス > しばらくそのまま座り込んでいたが、
肩紐を直し、ようやくよたよたと、裾を握りこみながら立ち上がる。
そのついでに、近くに落ちていた棒も拾い上げ、ちはやに差し出す。

「大丈夫、怪我はないよ。むしろありが――なんでもない」
慰めるように笑みを作る。

「……男だと何かまずいんですか」
楓の言葉に含みを感じ、思わずそう言い返す。

神宮司ちはや > 「ひゃ、か、楓先輩!」

急に抱き寄せられるとすっぽりと楓の腕の中へ収まる。
その豊満なバストが頭に触れるとたちまち身体がこわばった。柔らかくて温かい。しかも楓先輩はいい匂いがする。
下手に触ってしまっては、失礼に当たる。恥ずかしさに俯いて真っ赤になっている。

男の子といわれても服が脱げてしまえばやはり恥ずかしいだろう。
言い含められた意味には理解が及ばず、何故か険悪になりそうな二人の間でおろおろとし始めた。

正親町三条楓 > 「あら~、まずいだなんて~」

くすくすと笑う。
もちろん、まずい事はないが……

「でも、男の子なんですから、別に上だけなら脱げてもそこまで恥ずかしがる事でもないでしょう?」

ぎゅっとちはやを抱きしめる。
温かくて柔らかい。その感触にしばしうっとりとする。

日恵野ビアトリクス > 「…………」
裾から手を離す。どこにも指先が触れないように、宙に浮かせた。

「……ぼくは自分の身体に自信がなくて。
 老若男女問わず、誰に対しても素肌を不必要に曝け出すのが苦手なんですよ」
二人から視線を背ける。嘘は言っていない。
無表情に、冷え冷えとした声でそう答えた。
すでに顔からは赤みが消えている。

「……ほら、ちはや。
 そうしているといつまでもスイカ割りが終わらないよ」
しばらくして、薄い笑みを作りなおして、ちはやへ向き直る。

神宮司ちはや > ビアトリクスに促されるとそろそろと楓の腕から抜けだした。
未だに頭からうなじにかけてあの胸の感触が残っている気がする。頬が熱い。

「あ、うん……。本当、ごめんね。怪我とかなかったらいいんだけど……」

おずおずと謝ってから、再度目隠しと差し出された棒を受け取って装備し直す。
楓やビアトリクスの前で恥ずかしい失態を見せてしまったが、せめてちゃんとスイカを割らなければ。
もう一度気合を入れなおすとスイカへとにじり寄る。

(1以外のゾロ目で楓に向かって転ぶ。
 1ゾロならちはやが大変な感じ)
[3d6+26→2+4+6+(+26)=38]
神宮司ちはや > (以下ダイジェストで早回し) [3d6+38→1+5+5+(+38)=49]
神宮司ちはや > おおっと!今度は棒を振り下ろした瞬間にバランスを崩して
楓の方へ倒れこむ。
このちはや、完璧に運動音痴である。

正親町三条楓 > 「きゃぁん♪」

嬉しそうに受け止める。
胸で。
お約束である。

日恵野ビアトリクス > (……こいつやっぱわざとやってんじゃないのか……?)
特になにもリアクションすることもなく、永久凍土のような視線を向けた。

神宮司ちはや > ぽよん!先ほど感じた柔らかくふんわりとした感触が顔に当たる。
慌てて目隠しをずらすとそこは深いふかい谷間だった……。

「ひ、ひやああああああああああ?!ご、ごめんなさいごめんなさい!間違えましたごめんなさい!」

慌てて体勢を立て直し後ろに後退る。
火照った顔を隠すように目隠しをするともういい加減スイカを割らねばという焦りが生まれた。

(1ゾロなんてでない。)
[3d6+49→3+5+6+(+49)=63]
神宮司ちはや > もういっちょ [3d6+63→1+3+6+(+63)=73]
神宮司ちはや > 1分と少しを過ぎてようやくスイカに辿り着き、棒を振り下ろす。
非力な腕力でも叩けばぱっかりとスイカは割れてくれた。
何かいろいろなアクシデントが多すぎてものすごい長引いた気がするがとりあえず目標は達成された。
ほっとして目隠しをずらす。タイムは悪いがそれよりもちゃんと割れたことのほうが嬉しい。

満足そうな顔で二人に手を振る。

「やったよー!先輩!トリクシー君!」

正親町三条楓 > 「おめでとうございます~!」
「「「お見事!!」」」

式典委員一同、拍手。
幸いちはやは何か物を壊すとかそういった事がないようだった。
何よりである。

日恵野ビアトリクス > 「おめでとう! お疲れ様!」
にこ、と笑い、ぺちぺちと手を叩き、労う。
楓のようにトランスしたりせず普通にスイカを割れて本当に良かった。
いろいろアクシデントはありまくったけど。
なんかもうタイムとかどうでもいい世界だ。

……思い返してみれば普通に真面目にスイカを割れたのは結局自分だけだった。
芸人根性の足りなさを誰かになじられた気がする。

神宮司ちはや > 「えへへ、ありがとう!スイカ割りって初めての体験だったけどとっても楽しいね。
 来てよかった!皆ちゃんと割れて本当に良かった」

曇りのない笑顔で二人のもとに戻ると、拍手を受けビアトリクスのねぎらいに同じように手を叩いて応えた。
他の委員がそれぞれに用意してくれたスイカのフルーツポンチを受け取る。
参加賞のようだ。炭酸と繰り抜かれたスイカが冷えていてとても美味しそうだ。
ストローから一口飲むと爽やかな味が広がり喉を潤した。

「そうだ、あのね今度常世神社でお祭りがあるみたいなんですけど……
 もし二人が良かったら一緒に行きませんか?」

以前教えてもらったことを思い出して誘ってみる。

正親町三条楓 > 「あら、お祭りですか、いいですね~」

にこにこしながら頷く。
お祭り。素晴らしい。イベントは大好きだ。
しかもちはやの浴衣姿が見れるかもしれない。最高ではないか。
なんか二人とか言ってたけど、きっと気のせいだ。
正親町三条楓は都合の悪い事は聞かないフリをする名人である。

「それじゃあ、浴衣を新調しなきゃいけませんね~」

日恵野ビアトリクス > ちはやの言葉に、ちら、と一瞬楓を見やる。
二人、と言った。
(こいつと?)
しかし躊躇は一瞬だった。
ちはやのお誘いを、ビアトリクスが断る理由はない。
ちはやと行く場所ならなんだって楽しいのだ。静かに頷く。

「もちろん構わないよ。ぼくも浴衣を用意しておかないとな……」

(ちはやの浴衣姿も見れるしな……)
こういうところだけ思考がシンクロする二人だった。

神宮司ちはや > 二人の快諾にうんうんと笑顔で頷く。
揃ってお祭りに出かけられるなら願ってもないことだ。
楽しいことは皆で分かち合いたい。

「それじゃあ今度二人にめーるして、時間とか待ち合わせ場所とか決めますね。
 浴衣……ぼく、お家から持ってきた浴衣なんで古いかもしれないけど笑わないでくださいね。
 先輩もトリクシー君も浴衣着て来てくれるなら皆でお揃いですね」

嬉しそうに笑う。とはいえ自分が持っているのは何故か女物の浴衣なのだがそれはあえて口に出さない。
当日のお楽しみである。
もちろん二人の心の中などうかがい知る余地もない。

正親町三条楓 > 「ふふ、楽しみにしてますね~」

再び微笑むと、式典委員会のテントへ向かう。
流石にあの惨事を引き起こした人間として、片付けは手伝わなくてはなるまい。
楓はちはやの浴衣を妄想しながら、その場を去った。

ご案内:「スイカ割りFree」から正親町三条楓さんが去りました。<補足:式典委員。黒髪姫カット、巨乳。紺のパレオ付きビキニ水着。>
日恵野ビアトリクス > スイカのフルーツポンチをむしゃむしゃと食べる。
疲労した身体に仄かな甘みと冷たさが染みわたる……
去る楓を手を振って見送る。
彼女の姿が消えたのを確認すると、がっくりと肩を落とす。
役者の違いを見せつけられた感があった。
スイカの皮で出来た器を、式典委員に返却する。

「……とりあえず、今日のところはもう着替えて帰ろうか」

疲れの滲む表情でそうちはやに告げる。
いつものこととはいえ、小さなことで一喜一憂している自分が、少し嫌になる。

神宮司ちはや > 余程疲れたのか、おいしそうにフルーツポンチを食べるビアトリクスを微笑ましそうに眺める。
自分も皮を片付けると、手を拭ってビアトリクスに頷いた。

「うん、楽しかった。今日は有難う、今度は泳ぎに行こうね」

ビアトリクスの心を知ってか知らずか、柔らかく笑うと相手の手をとって更衣室へ向かうだろう。

ご案内:「スイカ割りFree」から神宮司ちはやさんが去りました。<補足:巫女舞の少年。猫耳半袖パーカーにサーフパンツ姿>
日恵野ビアトリクス > 柔らかい笑顔を眩しそうに見つめる。
変わらないな、と思う。
どれだけ自分が心を乱していても、彼はずっとそう。
それでいいのだろう、きっと。

「……」
楓の言葉が、小さな刺のように残り続けている。
男になりたくてなったわけではない。
さりとて、女になりたいというわけでもない。
天使のように、完全なる、美しいものになりたいと思う。
あらゆる苦悩に、束縛されない存在としての、天使。

「……うん、楽しかったよ、こっちも」
静かに、手を取られて、歩いて行く。

スイカの皮の底は、赤と白と黒が混ざり合って、灰色になっていた。

ご案内:「スイカ割りFree」から日恵野ビアトリクスさんが去りました。<補足:極彩色のワンピース水着>