2015/07/31 - 02:23~03:00 のログ
ご案内:「女子寮内・サヤと畝傍の自室」にサヤさんが現れました。<補足:黒髪に巫女装束の少女。【乱入歓迎】>
サヤ > 女子寮・86号室。そこは畝傍とサヤの自室であった。
基本的な内装はごく普通の一人部屋と変わらず、ベッドやロッカー、机、テレビ、冷蔵庫など基本的な家具家電類が揃っている。
部屋の一角には情報収集用のPCが置かれ、壁にはさまざまな種類の銃やそのレプリカが掛けられていた。

サヤ > サヤは、昼過ぎに戻ってから、夕食の準備や食べる時、風呂に入る時以外はずっと、今日焔誼迦具楽から渡された首輪を、頬を赤らめながら眺めている。
時折頬を抑えていやいやと首を振ったり、体をくねらせたりしている。
首輪、サヤの住んでいた国の文化では、首輪を相手に贈ることは大きな意味を持つ。
基本的に女性に贈られるもので、『自分のものになれ』という意思表示だ。昔は主従関係の証だったが、何時頃からか将来を約束する恋人が贈るものとされていた。
この世界ではそんな重大な意味がないことをサヤは知らない、石蒜も知らない。だから二人して焰誼は本気なのだと思っている。まさかからかわれているとは考えもしない。

サヤ > 『どうするんですか?サヤ。』隣に置かれた刀からの声、石蒜だ。
「どうって……どうしましょう……。」そう、どうすればいいのかわからないのだ。石蒜もサヤも恋愛経験は殆ど無い。
鳴鳴からの愛は一般的なそれとは違っていたし。畝傍と石蒜の関係も、大人な駆け引きがあるようなものでもない。
だから二人で顔を突き合わせて考えても、さっぱり答えは浮かばない。
『じゃあ、受けるんですか?』「そういうわけにも……。」『別に相手が居るわけでもないんだし、いいじゃないですか。焰誼さん、割りと優しい人ですよ。』
「でも……。」もう何度同じ問答を繰り返したかわからない。別に操を立てた相手も居ないし、悪い人じゃないことは知っている。

サヤ > 「こういうことは……その、両家の立ち会いのもとに正式に紹介をしてですね、それからお付き合いを……。」『家あります?』「ないです……。」
こちらの世界にサヤの親類縁者は居ない、だからそんな手続きを踏むことは出来ない。それはわかっているが、今までずっとそういうものだと思っていたところに、この奇襲である。
竹刀での打ち合いしかしらない初心者なのに、真剣を持たせされて戦場に叩きこまれたようなものだ、困り果てている。
「でも女同士ですし……。」『焰誼さんはそういう存在じゃない上に、あなただってそうじゃないでしょう?』「はい……。」
焔誼迦具楽は人間ではない、繁殖するのかすら不明だ、仮に女性だったとして、サヤは両性具有だ。しかも病院の検査によれば完璧に"機能"するらしい。

サヤ > 「どうしよう……。」結局そこに戻ってくる、受ければいいのか?確かに優しい人だ、恩もある。でもそれだけで受けていいのだろうか。
世の中の人はどういう基準で付き合ったり断ったりを決めるんだろう。
「石蒜なら、どうします?」『断りますよ、私には畝傍が居る。』予想通りの答えに、ため息。
首輪を指でもてあそぶ。相手のスカーフのように赤い首輪。ハート型の金具。
「畝傍さんが居なかったとしたら?」『恐ろしいこと言わないで下さい、そんなこと考えたくもない。』これも予想通り。
石蒜は割りと自己中心的なところがある。自分さえ楽しければ他はどうでもいいと思っているのだ。もちろん畝傍さんのほうが優先だろうが。
今だって相談に乗っているというより暇をつぶしているだけにちがいない。

サヤ > 首輪を見ていると、セットで相手から提案されたものに、思考が向いた。
「ねぇ石蒜、私ってそんなに犬っぽいですか?」『すぐおどおどするし、顔色伺うあたりは小動物っぽいと思いますよ。』
「酷い」石蒜の容赦ない言い方に、少しへこむ。繋がっている存在のくせに遠慮がない。いや、だからだろうか。
「耳と尻尾つけたら可愛いでしょうか。犬の。」『鏡見て想像したらいいんじゃないですか?』
「うーん……。」とにかく首輪のことを考えているとずっと同じ思考だ、気分転換にやってみようと思った。
台所から布巾を2つ取って、刀を抱えて風呂場の鏡に向かう。

サヤ > 布巾を折って、垂れた犬の耳のようにして、頭に乗せる。ちょっと大きすぎる気もするが、まぁいいだろう。
「わん」犬のように手を丸めて、鳴いてみる。可愛いのか?
「石蒜、コメントを」『恥ずかしくないんですか。』「やってみろって言ったくせに?!」
『想像しろとは言いましたよ、誰が実際に犬耳のせてポーズとりながら鳴けと言いました。』

サヤ > 「いや……でも……。」『今日はもう寝ましょう、サヤ。あなたは疲れてるんですよ。』
石蒜の哀れむような声が心に刺さる。確かに今日はずっと思考がぐるぐる回って疲れている。
「もう遅いですしね、寝ましょうか……。」『そうですよ、あとは私がやっておきますから、交代しましょう。』
「わかりました……。それじゃ、あとはよろしく……。」目を閉じて、石蒜と交代する。サヤの意識は深く体内に沈み込んで、そのまま眠りについた。

ご案内:「女子寮内・サヤと畝傍の自室」からサヤさんが去りました。<補足:黒髪に巫女装束の少女。【乱入歓迎】>