2015/08/13 - 21:01~01:49 のログ
ご案内:「◇入り江(期間限定)」に石蒜さんが現れました。<補足:パレオを巻いたビキニ姿の褐色の肌の少女>
石蒜 > 水色のビキニに、足首まである長いパレオを巻いた水着姿の石蒜は、満面の笑みで太陽を見た。
ギラギラと照りつける夏の太陽、雲ひとつない青空。
夏休み最終日の今日は、絶好の海日和であった。
昨日の夜に夏休みがもう終わることに気付き、慌てて行く予定を立てたのだが、雨にならないで本当に良かった。
人混みが苦手なサヤの要望で、少し離れた入江で泳ぐことになったのだが。
すぐにでも海に入りたかった石蒜は、待ちきれずに駈け出して、一緒に来た畝傍より一足先にここに到着したのである。
「う、みーー!!!」大きな声で海原に向かって叫ぶ。子供のようにはしゃいでいる。
ご案内:「◇入り江(期間限定)」に畝傍さんが現れました。<補足:短いブロンドの髪と赤い瞳、薄青マリンボーダーの水着姿。巨乳。銃を持っていない>
畝傍 > 石蒜より一足遅れ、畝傍もまた、入り江に辿り着く。
学生街で購入した、上下とも薄い青色をしたマリンボーダーの水着を着用し、
その右手には、石蒜と遊ぶ途中で『時間切れ』にならないよう用意しておいた、片手で持てるサイズの水鉄砲を握っている。
そして左腕は、先日一人で海水浴場の浜辺を訪れた際にも持参した、カラフルなビーチボールを抱えていた。
「……ふふ」
青い海原へ元気いっぱいに叫ぶ石蒜の姿を見て、暖かい微笑みを向けている。
石蒜 > 振り返って、畝傍が居ることを確認して笑う。「えへへ。」
そしてもう一度海に向き直って、波打ち際で寄せては返す波を追いかけたり、逃げたりして遊んでいる。
逃げ遅れて足首に波がかかり「つめたーい!!」報告するように、楽しそうに声をあげる。
畝傍 > 波打ち際で楽しそうに遊んでいる石蒜にゆっくりと歩み寄り、やがて立ち止まる。
寄せる波の飛沫が畝傍の足首にもかかり、心地よい冷たさを感じた。
「つめたいでしょ。すなのうえはあったかいけど、うみのみずはつめたくてきもちいいんだ」
すでに何度か海に訪れていた畝傍は、石蒜の顔を見てそう説明した後。
「うみに入ってみたら、もっときもちいいよ」
そう言って海へと身体を向けると、まっすぐに歩き出す。
足が徐々に海水に浸かってゆくのが窺えるだろう。
石蒜 > 「砂、熱々だったね。火踏んでるみたいだった。」一度だけ海の上を漂っていたことはあったが、斥力を使って水の上に浮いていたので、水には一切触れていなかったので、これが実質初体験だ。
サヤから受け継いだ記憶はあるが、体験と記憶は違う。初めての刺激に、驚きと悦びの連続だった。
「全身入るの?ちょっと怖いな……。」どんどん進んでいく畝傍の横をついていく。少しだけ不安げな顔で、畝傍の手に自分の手を伸ばす、手をつないで欲しいようだ。
畝傍 > 石蒜から手を差し出されれば、水鉄砲をその豊満なバストの谷間にしっかりと収めた後、差し出された手を取り。
「ううん。こしのあたりまで、かな。だから、だいじょうぶだよ。はいりたかったら、もぐってもいいし」
と、彼女の表情にも出ている不安を静めるように、優しい声で伝える。
石蒜の身長は畝傍よりも低く、並び立てば子供と大人程度の差がある。
そのため畝傍は彼女の安全を考え、深さは自身ではなく、石蒜の腰の高さに合わせるつもりでいた。
石蒜 > 手を握られれば、少し安心したように肩の力を抜いて、歩くに連れて少しずつ近づいてくる水面を見つめている。
「腰、腰までなら、大丈夫かな……。」
波が来て水位が上がるたびに、握る手にぎゅっと力が籠もる。
そして、石蒜の腰が水に浸かる程度の場所に着くと「うー、冷たいから背中ぞわぞわする。水風呂みたい。」鳥肌が立つ体を、つないでいない手で撫でながら言った。
「海ってここからどうするの?サヤも泳ぎと魚取りの訓練ぐらいしかしたこと無いからわからないって。」ぱちゃぱちゃと水を叩きながら、首を傾げる。冷たい水に浸かるのは気持ちいいけれど、それだけではないだろう。
畝傍 > 「うーん」
入ってからどうすればよいか、と言われれば、畝傍もまた答えに迷う。
軽く首を傾げ、しばし考えた後。
「およぐのも、いいとおもうけど。このまえ行ったときは、ひとりで来てた子がいたから、これでいっしょにあそんだよ。ビーチボール」
抱えていたビーチボールを手に持ち、石蒜に示す。
以前海水浴場の浜辺に一人で行った時、そこに居た少年――あるいは少女であったろうか――と、このビーチボールでしばしの間、一緒に遊んだのだ。
石蒜 > 「びいちぼおる。」オウム返しに、示された球体を見つめながらつぶやく。
あまり馴染みのない透明な素材で出来たそれを、つないで無い方の手で突っつき、鼻を近づけて匂いをかぐ。変な匂いだ。
「これでどう遊ぶのー?」
畝傍 > ビーチボールを使った遊び方について、石蒜から聞かれれば。
「えっとね……いちばんわかりやすいのは、なげっこかな。ボクがなげたらシーシュアンがこれをとって、シーシュアンがなげたら、ボクがとる。……やってみたほうが、わかるかな」
最も理解しやすいであろう遊び方の一つを説明した後、
一旦繋いだ手を離し、少し距離を置いて、石蒜のほうへまっすぐ向き直る。
「ボクがなげるから、とってみてね」
そう伝えた後、石蒜のもとへビーチボールを、両手を使って投げてみる。
相手はビーチボール遊びは初めてということもあり、
受け取りやすいよう投げる力は抑えているが、果たして――?
石蒜 > 「うん、わかった。」畝傍が離れると、一瞬だけ寂しそうな顔をするが、すぐに楽しそうな表情に変わる。これから畝傍と遊ぶのだ。
「いいよー」受け取る姿勢に構えて、ボールを待つ。
元から運動神経は良い。ふわりと飛んできたボールをキャッチしようとして……吹いてきた少し強めの風にボールが流され、石蒜の背後に落ちた。
「もー!」ちゃんと受け取るつもりだったのに、不満そうな声をあげながら、歩いてビーチボールへと向かい捕まえる。
「じゃあこっちの番ね!えい!」意気揚々とビーチボールを投げる、向かい風になる形なので、少し強めに。はしゃぎすぎて強すぎなければいいが……。
畝傍 > 「ごめん、ごめん」
ビーチボールが背後に落ちてしまい不満そうな石蒜に、やや軽い調子で謝り。
今度は向こうからボールが飛んで来れば、畝傍の側に落ちてこようとした際にそれは風に流され、軌道が畝傍の手前よりもやや遠ざかる。
ボールが着水する前に急いで数歩前に出て腕を伸ばし、どうにかボールをその腕に収めた畝傍は笑顔を見せ、
「うん、いいかんじ」
と伝えた後、先程立っていた位置まで後退し、また投げてみる。
石蒜 > 「畝傍のせいじゃないよ!風のせい!」流石に風が吹いて軌道がそれたのを他人のせいにするほど理不尽な性格ではない。ちゃんと説明する。
今度は風を考慮して、後ろに下がりながらボールを追って……受け止めた。
「ちょっと楽しくなってきた!」どこが面白いのか自分でもわからないけど、笑顔がこぼれる。
ボールが紙風船みたいに軽いので、風の影響が思ったより大きい、今度はもう少し強めに、強すぎるぐらいがいいかな?両手で放った。
畝傍 > 「そっか。シーシュアンがたのしんでくれたら、ボクもうれしい」
微笑む石蒜に柔らかな笑顔を返し、そう伝える。
その後、徐々に迫るボールをしっかりと見据える。先程石蒜が投げたボールよりも、近くに落ちてきているように見えた。
またしても先程のように両手で捉えんとしたが、思ったよりも近く、今度は失敗。
畝傍の胸を直撃したボールは畝傍の前方に着水し、水鉄砲を谷間に挟んだままの豊満なバストが、ぷるん、と揺れ動いた。
幸い、ボール自体が軽いこともあって痛みはわずか。
「えへへ……しっぱい、しちゃった」
ボールを拾った後、恥ずかしそうに右手を頭の後ろに添え、笑みを見せる。
石蒜 > 「あっ」投げた後の軌道で、届かないことがわかった。
意外と難しい、ぽりぽりと頭の後ろをかきながら、ボールの行く先を見守る。
「……。」ボールがぶつかって揺れる胸と、恥ずかしそうに笑う畝傍。
なんだかもやもやしてきた、あれに触っていいのは私だけなのに!ボールに嫉妬の情を燃やしながら、水の抵抗を感じながらゆっくり畝傍に近づいて、その胸に抱きつこうとする。
「むー!」恨めしげにボールを睨む。縄張りを主張する獣のように。
畝傍 > 石蒜から自身の胸に抱きつかんとされれば、一旦その谷間から水鉄砲を抜き取り、
それを受け入れた後、自身も両手でしばしの間石蒜を抱きかかえんとするだろう。
ビーチボールが流されてしまわないか心配にはなるが、
幸いボールはまだ畝傍の視界にあり、取りに行くのはたやすい。
石蒜が自身とのスキンシップを望むのであれば、それを優先させようと考えていた。
石蒜 > 「びいちぼおるもいいけど、こっちも楽しいな。」耳を押し付ける。聞こえてくる鼓動に、安らぐ。
「ふふ、サヤが真っ赤になってる。わーわー言ってるよ。」慌てて感覚の共有を切って、体の奥底に引っ込むサヤを感じて、クスクスと笑う。
「本当に、楽しいな……。ずっと一緒だよ、畝傍。約束したからね。」抱きしめる腕に、少し力が入る。確かにここに居ると確かめるように。
畝傍 > 「ふふ……」
自身のバストに石蒜の耳が押しあてられ、言葉でも触れられれば、なぜだか少し恥ずかしい。頬が赤らむ。
しかしその恥ずかしさの理由は、畝傍自身にもまだよくわからなかった。
石蒜の腕の力が強まったのを感じるも、痛がったりする様子は無く、笑顔を保っている。
「うん……やくそく、わすれてないよ。ずっと、いっしょだから……だいじょうぶ」
石蒜を抱きかかえたまま、甘く暖かい声で、語りかける。
あの日交わした約束。それは今も畝傍の心の中に強く刻み込まれている。
初めて会ったときからの月日の経過、異能の使用による『正気』の喪失、それらを経てもなお、畝傍がその約束を忘れることはなかった。
そして、これからも――忘れることはないだろう。
石蒜 > 「畝傍には助けてもらったから、何かあったら石蒜が助けるね。絶対助けるから、安心してね。約束する。」畝傍との約束を確認するのは、石蒜の癖だった。何度も何度も尋ね、同じ答えを期待し、そして安心する。何度も繰り返し行われる儀式のようなものだ。
そして、思ったより強い力で抱きしめていたことに気付く。
「ごめんね、痛くなかった?」そう聞きながら、力を緩める。
「ねぇ畝傍……一つ聞いていい?サヤも居ないし……ちょっと恥ずかしい質問だけど、答えてくれなくてもいいから。」胸に頭を預けたまま、少し不安を帯びた声で。
畝傍 > 「うん。いたくなかったよ」
自らの体を抱きしめる小さな腕の力が、少し緩んだのを感じる。
そして、畝傍自身の腕は同様に、石蒜の身体を抱いた体勢を保ち。
「……いいよ。なあに?」
不安そうに尋ねる石蒜に対して、畝傍は暖かな声と表情を保ったまま、言葉を返す。
石蒜 > 「あのね、えと……」何度もあたりを見回して、誰も居ないことを確認する。
「あのね……。畝傍は……石蒜とエッチなことするの、嫌?」一緒にお風呂も入ってるし、サヤが布団を買ってもたまに一緒のベッドで寝る。初めて会った時はキスをした。でも、それ以上は何もしていない。恋人として、そう求められないのが、不安だった。
「畝傍は……男の人嫌いみたいだから……石蒜、男の部分あるし……。嫌われたらやだから、我慢してたんだ……。」ぽつりぽつりと、最近心にひっかかっていた想いを、こぼす。
畝傍 > 「ううん。そんなこと、ないよ」
石蒜のその問いかけは、はっきりと否定する。
畝傍が負う心的外傷のきっかけとなったのは、かつて囚われの身となった際、複数の男たちから受けた暴行であったことは確かだ。
そのため、この常世島を訪れるまでは男性そのものを恐れていた部分もあったが、
今では、石蒜をめぐり奔走する中で出会った協力者たちのような、良き心を持った男性までを恐れ、拒絶する理由はないと知った。
――それに、ずっと一番に思い続けると誓った石蒜の身体に"男性の部分"があるからといって誓いを反故にするなどということは、決して許されることではないと、畝傍は理解していた。故に。
「シーシュアンに、おとこのこのところがあっても。……そういうこと、したいっておもってても。ボクは、それでシーシュアンのこと、きらいになったり……しないよ」
聖母のような声色を保ったまま、その言葉ははっきりと伝える。
石蒜 > 「良かった……。ごめんね疑って……畝傍が石蒜のこと嫌いになんかならないって知ってたよ。でももしかしたらって思ったら……怖くて…。」温かい胸に、頬ずりして安心を噛みしめる。
「じゃあ、したくなったら、言っていいんだね。今じゃないよ、今は外だし、人に見られるかもだし……。」許しが出たとなれば、そうなることを想像して、少し顔を赤らめて、離れる。なんだか急に恥ずかしくなってきたのだ。
「あ、びいちぼおる!」と、抱きつく原因になった存在を思い出す。流されてしまってないだろうか?振り向いて、周囲を探す。
畝傍 > 「うん、したくなったらいってね。ボクも、じゅんびするから」
顔を赤らめ恥じらう石蒜に、そう答える。言うと、自身も少し恥ずかしくなり、頬がますます赤らんだ。
まだ直接明かしてはいないものの、石蒜の身体のことについては、
先日一緒に入浴した際にそれが明らかになった時点で、いつも世話になっている養護教諭――蓋盛椎月にも相談し、その上で自分なりの答えを出していた。
さらに、学生街の薬局では避妊具も購入し、極力携帯するようにしている。故に、『それ』の準備はいつでも万全といえた。
「あっ」
石蒜の言葉で、ビーチボールのことを思い出す。少々遠のいてきてはいるが、まだ視界の中だ。
「ボール、とってくるよ」
そう告げると、再び水鉄砲を胸の谷間に収め、素早く泳いでビーチボールを取りに向かう。
石蒜 > 「うん、行ってらっしゃい。」ビーチボールを追いかけて、泳いで行った畝傍の背中を見ながら。赤くなった頬を覚ますために海水で顔を洗う。少し口に入り、しょっぱい。
そして顔をあげて、ちょっとしたイタズラを思いつく。
大きく息を吸い、覚悟を決めて海に、潜った。水位が腰までしかないので海底の砂ギリギリのところを泳いで、こっそり畝傍に近づいていく。
海の中で目を開くと痛かったが、石蒜にはそれが気持ちよかった。
畝傍 > しばらく泳ぐと、ビーチボールに追いつく。
両腕をめいっぱい伸ばしてボールを手に取った後、
再び水上へ太腿の上あたりまでを表し、ボールを胸元に抱え込んだ。
石蒜が背後からついて来ていることには、まだ気付いていない。
「……ふぅ」
と一息つき、石蒜に報告するため後ろを振り返ってみると――
石蒜 > 「ばぁー!」ばしゃあ!とすぐ近くで両手を上げながら水面から顔を出す。
畝傍 > 「わっ」
急に水面から姿を現した石蒜に驚き、ビーチボールをしっかりと抱えたまま後方に転倒、背中から着水してしまう。
しばしの後、ビーチボールを片腕で抱え直しつつどうにか体勢を立て直すと、
「……もう。シーシュアンったら」
と、頬を膨らます。幼い石蒜を怖がらせたりしてしまわないよう、強くは叱らない。
石蒜 > 「アハハハハ、ひっかかったー。」驚いて転んだ畝傍に、ケタケタと笑う。
「アハ、ハハハ。ごめんね、アハハハ。」謝りながらも、笑いは止まらない。
「アハハ、じゃあね、じゃあね。畝傍も何かイタズラしていいよ、石蒜も怒らないから、何してもいいよ。目瞑ってようか?」
畝傍 > 「むぅ」
笑い続ける石蒜の姿は微笑ましくもあるが、畝傍としては少し不機嫌でもある。
イタズラしてもよいと言われても、あまりよい案は浮かばない。
石蒜は痛みを受け悦ぶ性質があることについてはよく知っているが、
今は姿を見せていないサヤのことや、畝傍自身の倫理観からも考えると、彼女が痛がってしまうようなものはもってのほかだ。
頭の角度を下げ、しばしの間考えた後。
「じゃ、目、つぶっててね」
それだけ、石蒜に伝える。
石蒜 > 「わかったー。」何をされるのだろうか、ワクワクしながら目を閉じて、顔を手で覆う。
「準備できたら言ってねー。」楽しげに言う、そう酷いことはされないだろうという、甘えにも似た信頼。
畝傍 > 石蒜が目を閉じたのを確認すれば、ゆっくりと彼女の背後に回り。
ビーチボールを再び傍らに置き、水鉄砲を谷間から取り出すと。
畝傍の体はゆっくりと、徐々に水中へ沈んでいく。
そう――畝傍はその豊満なバストを、おもむろに石蒜の頭に乗せんとしていた。
「うん、いいよ」
畝傍のバストと石蒜の頭の距離がぎりぎりまで詰まったところで、石蒜に伝える。
石蒜が反応を見せればすぐさま行動に移し、さらにその上から両手でバストを軽く圧迫してみるだろう。
石蒜 > 目をつぶっていても気配や匂いで位置を探れるが、それではつまらないので、しない。
だから今畝傍がどこに居るのかわからない、ワクワクしながら待っていると。
すぐ後ろで声、何をするんだろう。
「はーい」と目を開けると、自分の上に影が落ちている。
「え?」と見上げると、そこにあったのは巨大な双球。
それが畝傍の胸だと認識する一瞬前に、落ちてきた。
「わわわっ!」突然顔面にかかってきた重みに、足を滑らせて転倒する。
しばらくバタバタと水中で暴れて、なんとか脂肪の重量から逃れて、顔を出す。心臓がバクバク言っている。「び、びっくりしたぁ!!」ほとんど起伏のない胸に手を当てながら、言った。
畝傍 > 「ふふっ。びっくりしたでしょ」
ささやかなお返しが成功すると、小さな微笑み。
すぐに片手に持っていた水鉄砲を仕舞い、傍らのビーチボールを抱え直すと、また石蒜に少し近づいて。
「……ごめんね」
事前にイタズラしてよいと言われていたとはいえ、こういった事をしておいて謝らないのは畝傍の倫理観に反する。
そのため、石蒜に対してそう詫びはしたが、表情は笑顔を保っていた。
石蒜 > 「びっくりした、びっくりした。」深呼吸をして心を落ち着けながら、繰り返す。「おっぱいって重いんだなぁ……。」いつもその重量をぶら下げるのは苦労しそうだ。肩揉んであげたほうがいいかもしれない。
「大丈夫、先にやったのはこっちだし。」動悸が落ち着いてきて、こちらも笑顔で返す。驚きはしたが怒ってはいない、遠慮なくじゃれあうのは楽しかった。
不意に、石蒜のお腹がきゅるるる、と小さな音を立てる。
「あ……。」恥ずかしそうに前かがみに腰を折ってお腹を隠す。
「お腹すいた、かも……。」
畝傍 > 「うん、おもい……みたい。ほかのヒトとくらべたことないから、よく、わかんないけど」
自身の乳房の重さについては畝傍自身が一番よくわかると言ってよいものの、
他人のそれと比較した時にどうなのか、という点については、比較したことなど無いため答え難いのだった。
石蒜のお腹が鳴れば、畝傍は彼女の顔をじっと見据え。
「そっか。じゃあ、もうそろそろ上がって、どこかにたべにいく?」
と、尋ねてみる。
石蒜 > 「石蒜多分1kgもないし……。それと比べれば大分重いよ……。」見下ろして、ほとんど視界を遮らない自分の慎ましい体を恨めしげに見つめる。
「うん、このあいだ海の家でかれえを『駄目!!』と石蒜の言葉を遮るように、ほとんど同じ声が口から出た。聞き慣れていればわかるが、サヤの声だ。
「食べて大変だったから別のって言おうとしたの!」怒った様子で、言い返す。
先日石蒜は、好奇心と嗜虐心に負けて、人知を超えた辛さを誇る海の家の隠しメニュー、超激辛カレーを食べてきたのだ。そのあと、サヤが泣きながらトイレに籠もる羽目になったので、サヤとしてはトラウマになっている。
「かれえ以外、かれえ以外食べよう。せっかくだから、ここでしか食べられないのってある?」ご飯となると、また待ちきれずに飛び跳ねる。
畝傍 > 「ふんふん。カレーはだめ……」
石蒜とサヤの話を頷きながら聞き、しばし考える。
カレー以外で海の家の定番といえば、焼きそば。それも常世島近海で獲れる海の幸をたくさん使った、特製海鮮焼きそばがあったはずだ。
「じゃ、やきそばはどうかな。やきそばならカレーよりからくないし、海の家でしかたべられない海鮮やきそばもあったはずだよ」
石蒜に、そう提案してみる。
石蒜 > 「やきそば……。」オウム返しにつぶやく。メニューで見た覚えはあるが、どんな料理かは知らない。
「おそば焼くの?焦げない?」サヤの知識では蕎麦というと基本ざる蕎麦のような日本蕎麦だ、それを焼くというのは奇妙に思えた。
「海鮮だと魚とか、貝とかかな。石蒜は平気だけど、サヤは豚肉とか牛肉駄目なんだって、海鮮やきそばは入ってないよね?サヤも一緒に美味しく食べたいから。」感覚を共有しているので、当然食べた味もわかる、だがそれに対する好みは不思議と二人で別なのだった。共有を切ればいいが、せっかく来ているのにそれは寂しい。
畝傍 > 「鉄板でやくから、たまにちょっとこげちゃうこともあるかな。海鮮やきそばに入ってるのは……エビとか、イカとか、あとは貝。おにくは入ってなかったよ」
石蒜の問いにはそう答える。
少なくとも、他の客が食べている様子を見る限りでは、海鮮焼きそばに牛肉や豚肉は入っていない。
なので、サヤも安心して味わえるだろうか、と考えていた。
石蒜 > 「鉄板で焼く?ふーん、じゃああの鉄板出してたのはやきそば屋さんだったのかぁ。」言われてみれば、浜辺で見かけた露天で、何か細長いものを沢山焼いていた気がする、あの茶色いのがやきそばか。
「貝とかならサヤも大丈夫だって、どんな味かな、楽しみ。早く食べに行こうよ。」ニコニコ顔で、ザブザブと水を揺らしながら足取り軽く砂浜に向かう。遊んでいてお腹が鳴るほど空腹なのだ、それに初めての料理も楽しみだった。
畝傍 > 「うん、いこいこ。ボクも、おなかすいちゃった」
そう返すと、石蒜に続いて、早足で砂浜の方向へ向かう。
先程まではともすれば母親のようにも見えた畝傍の態度は、この瞬間、
自らの実年齢に輪をかけて幼いその精神年齢相応にまで回帰していたように見えるかもしれない。
やがて二人は海の家での食事を心から楽しみ、ひと夏の思い出とするだろう――
ご案内:「◇入り江(期間限定)」から石蒜さんが去りました。<補足:パレオを巻いたビキニ姿の褐色の肌の少女>
ご案内:「◇入り江(期間限定)」から畝傍さんが去りました。<補足:短いブロンドの髪と赤い瞳、薄青マリンボーダーの水着姿。巨乳。銃を持っていない>