2015/08/16 - 20:22~00:28 のログ
ご案内:「住宅街」に倉光はたたさんが現れました。<補足:[乱入可] よれよれのTシャツ 切りそろえられた白い髪 黄金の瞳>
倉光はたた > 鳴り響く蝉の声。夏。歩く元死体。
コトコトとアスファルトにローファーを鳴らしてうろつくはたたの姿があった。
目的などは特にあるようには見えず、たださまようだけ。

「うぁー……」

腕を前に出し、前傾姿勢。暑いのか舌を出している。
これでも数日前よりは、慣れたのか幾分か人間らしい歩き方にはなっている。
ふらふら。ごつん。
道の突き当たりにある自販機にぶつかった。

倉光はたた > 「?」
あまり前をよく見れていなかったらしい。
怪訝そうにぶつかったものを見上げる。

「!」
ディスプレイに陳列されているものが目に入る。
これは――ペットボトル。
ユキヱに飲ませてもらったものだ。
透明ななにかに遮られており、取り出すことはできないようだ。

つまりこの直方体のなにかをどうにかすれば、中のペットボトルをどうにかできるということだろう。
はたたの鋭敏な知性はそう理解した。

とりあえず――
ゴツッ、ゴツッ。
ディスプレイを殴ってみた。
自販機が少し揺れるだけで、当然ながら何も起きない。

「ぅ……?」

倉光はたた > 「!」
しかし――すぐに、ペットボトルが陳列されている下に
楕円形の突起があることに気づく。
――つまりこれを押せばいいのではないか?
はたたの素晴らしい閃きであった。
確信に満ちた動きで……その突起――ボタンを押す!

当然ながら何も起きない。

「……?」

連打する。

「……???」

何も起きない。

倉光はたた > ふたたびガンガンと自販機を殴ったりひっかいたりしてみるものの、
それで出てくるようなら苦労はしない。
「うぅぅ……」
獣のような唸り声。
はたたはだんだんフラストレーションがたまってきた。
欲しいものが目の前にあるのにどうして届かないのか?

「――ッ!」
バッ! と背中に収納されていた翼状突起が、
すでにシャツの背中に開いていた穴を通り抜けて広がる。
パリパリ、と白く帯電していた。
やる気である。

ご案内:「住宅街」にエミールさんが現れました。<補足:常世学園制服、軍手にゴミ袋、背に竹刀袋を背負う>
エミール > (軍手にゴミ袋、金属製のトングを持って、今日も今日とてゴミ掃除のアルバイトなう、
右手にトング、左手にゴミ袋を持ち、侵食花の蔓も合わせてひょいひょいとゴミ拾い、
そんなこんなでゴミ袋もいい感じにいっぱいになってきたので、一旦戻ろうとして__
自販機相手に何やら剣呑な雰囲気の少女を見つけた)

「……あれ?」

(自販機を前にウーウー唸りながら背中の奇妙な羽をバチバチ言わせている、
なんだか今にでも自販機を壊しそうだ、自販機の使い方がわからないらしい、
人間味の薄い雰囲気といい、異邦人なのだろうか、ともかく、犯罪行為を見過ごす気はない)

「ちょっと君」

(侵食花の蔓を伸ばし、感電するのも構わずとんとんと肩を叩く)

倉光はたた > 自販機の操作方法はおろか、歩き方やしゃべり方もままならないはたたではあったが、
自身の持つ放電能力の扱いに関してはそれこそ手足を動かすように心得ていた。

「――!!」
夢中で自販機と相対していたはたたも、肩を叩かれれば素早く反応する。
バン!
首だけで振り向き、即座に至近距離から、翼状突起に蓄えられていた電流を後ろの青年へと流しこまんとする。
常人であれば死には至らないまでもそれなりの衝撃と痺れになってしまうだろう。

エミール > 「__うッ!?」

(少女がこちらを振り向いた瞬間、全身に走る痺れ、痛み、痛み、
全身を揺らすような激痛に僅かに呻き、共生者の痛みに左目に咲く花が瑞々しさを増す、
動きを止めたのは一瞬だけ、この程度の痛み、もう慣れている、
地を蹴り、一瞬で少女へと肉薄する、痛みにより高められた身体能力を生かすように)

「__落ち着いて」

(肉薄すると少女の顔に右手首の花を寄せ__融解花の花粉を吸わせようとする、
意識を融かす融解花の花粉、一瞬だけ吸わせるつもりなので効果時間は短いが、少しの間は大人しくなるはず、
そのあとでゆっくり自販機の使い方を教えよう)

倉光はたた > 「!」
はたたの眼が見開かれる。驚愕したようにも見えた。
電撃への反応が彼女の予想と違ったからだ。
もがくように身体を揺らしながらも、放電を繰り返すが――
先ほどの電撃に比べればさほどの威力ではない。
緊張状態にあった翼状突起がゆるゆると萎びる。

「…………」

毒や薬品の類は、はたたには普通の人間と同じように効果を発揮する。
やがて少しの間抵抗と動きを止めるだろう――
表情に浮かぶ警戒の色は消えないままだが。

エミール > (とりあえず花の力は効いた様子で、放電は弱まり大人しくなったようだ)

「……どうしようかなぁ」

(大人しくなったが警戒の目を向けてくる少女へと右手を伸ばす、
しゅるり、と蔓が少女の体を優しく持ち上げ、近くのベンチへと座らせようとする、
ついでにトングだのゴミ袋だの竹刀袋だのを地面に置いて武装解除、
少女がベンチに座るころには融解花の花粉が切れるはず)

倉光はたた > 「あうゥ……」
相変わらず口から漏れるのは獣じみた声。
抱え上げられるまま、ベンチに座る。
その間もはたたは、油断なく青年の観察を続ける……。

「…………」

手放されたトングや竹刀袋などに目を落とす。
それがどういった用途であるのか、はたたにはわからない。
しかし青年の行動のニュアンスは掴むことができた。

花粉の効果が切れて――いまだ警戒はしていたが、
視線から敵意のような険しさは薄れた。
少なくとも、電撃攻撃を繰り返す素振りは見せない。
どこかそわそわとした様子。
このまま青年の観察を続けるか、逃げるか――判断しかねていた。
まだ逃げることも、攻撃することもしないでいる。

とりあえず両の握りこぶしで口や鼻の周りをガード。
もう嗅がされないぞ、という意思表示だろうか。

エミール > (少女の目付きから刺々しさが消えた、こちらに敵意が無いのはちゃんと伝わったようだ、
少女の目の前にしゃがみ、目線を合わせる)

「……えーと」

(何を言うべきか少し考える、敵意をぶつけて斬るのは得意だし簡単だけど、人?と会話するのは難しい)

「君は自販機の中身……ペットボトルの水とか、そういうのが欲しかったの?」

(とりあえずそこまで言って、付け足す)

「……えーと、僕の言ってること、わかる?」

ご案内:「住宅街」に平岡ユキヱさんが現れました。<補足:【乱入歓迎】165cm/54kg、金髪ツーサイドアップ、常世学園風紀委員用制服(風紀腕章)、超硬度木刀>
平岡ユキヱ > 「…あっ」
いたりいなかったりする奇妙な同居人を案じ、まだまだ暑い中風紀の巡回がてら探すこと数時間。
しかしてホシは見つかった、が。

「さっそく保護されている…」
ベンチにある二人の人影を見つけ、おお、と声を漏らし近づく中、はたたの変化に気が付く。

「ナンダアノハネミタイナモノ…」
なんか生えていた。しかし声をかけねば始まらぬ。

「あー…えーと、すいませぇん。倉光センパイのご学友で?」
そういいながら、年上っぽいエミールに遠慮がちに声をかけた。

倉光はたた > 「ぺっと、ぼとる……」

がくがくと首を揺らす。真っ白になってしまった頭のなかを検索した。
初めて聞いた言葉だ、たぶん――本当にそうだろうか。

いや、違う。頭上で電球が光る。

「――ペットボトル!」

小さく叫ぶ。
あの透けていて、丸みを帯びている、
頭頂部に回さないと取れない難しいものがついている容れ物は
たしかそう呼ばれていたはずだ。思い出した!

  (――おもいだした?)

「ペットボトル!」

指を差す。自販機に向けて。It is petobotoru!

「ユキヱ!」

指を差す。現れたユキヱに向けて。It is Yukie.

エミール > 「あーうん、うん、通じてるね……通じてるね?」

(たどたどしいひらがな発音かと思いきや急に流暢になった、
少女の奇行に動じず、ゆっくりとした言葉で返答する、多分通じてない、
とかなんとかボーッとしてると、風紀委員らしき女の子に声を掛けられた)

「えーと、僕はお友達じゃなくてさっき会ったばかりの人、です?」

(いきなり話しかけられてびっくりしたらしい、頭に浮かんだ言葉をよく吟味せずに言ったからか変な言い方だ、
ちょっと考えてから、言葉を付け足した)

「そこの自販機でバチバチやってて危険そうだったので……注意しようとしてました」

(そう言って、先程ガリガリされたりしてちょっと傷付いてる自販機を指差す)

平岡ユキヱ > 「…。こ、公共物破損…」
指さされた自販機を見て、ブッダよ、貴方は寝ているのですかと
気が遠くなってぶっ倒れそうになるのをかろうじてこらえる。

「あ、あー。そうでしたか、それはご協力ありがとうございます。
 一年、風紀の平岡ユキヱです。倉光センパイは…その、どうも色々込み入った事情があるようでして」
ともかくご協力に感謝します、とエミールに丁寧にこうべを垂れてから、はたたに向き直る。

「何やってんですか倉光センパイ! 自販機はお金を入れて普通に買ってください!
 …ってか、私のTシャツ破壊しましたよね!? 『瞬間排撃』Tシャツゥゥゥ!」
ハイ、ユキヱです! と指差されれば元気に返事するが、悲しみの表情で咆哮する。

倉光はたた > はたたの叫びはペットボトルがペットボトルであると指し示しただけに過ぎなかった。
ペットボトル(の中身)が欲しいことを、どう説明したものか。
がくがくと首を揺らして――少しして、腰に手を当て、もう片方の手で
見えないペットボトルを掴んで頭の上で傾けるジェスチャーをした。
かなり賢い。


「しゅんかんはいげき!」
ユキヱの咆哮に、そう叫んで飛び上がると手足を丸めて縮こまった体勢で地面に着地する。
余談であるが日本人は雷が鳴るとこういうポーズで縮こまるらしい。

『瞬間排撃』Tシャツ――
はたたの今着ているものがまさにそれだった。
翼状突起によって無残に穴の開いたシャツの背中が露になる。
ちなみに当の翼のようなものは糸こんにゃくのようにへにょんと萎びたままだ。
そもそも瞬間排撃とは何なのだろうか。

「……おかね……ふつう……はかい……」
また知らない、自分に向けられている単語がたくさん登場した。
えーとえーとどういう意味だったっけえーとえーと。亀のようなポーズのままブルブル震えた。

エミール > 「えーと、二年のエミール・メランティオスだよ、ゴミ掃除とかやってるよ、うん、うん、大丈夫、気にしなくていいよ」

(平岡はどうやら礼儀正しい少女らしく、丁寧にぺこっと頭を下げてくる、
それにしても「センパイ」ということは、横の意思の薄そうな少女は最近こちらに来たばかりの異邦人ではないのか、
そこらへんが「込み入った事情」かな、と考える)

(とかやってたらなんだか平岡が咆哮したり少女がしゅんかんはいげき!したりしてびっくりした、
なんか急に二頭身な絵柄になってわたわたする、蔓達もびっくりしたようでぶるぶるしている、
えーと、えーと、どうしようかなぁ、なんて回転スピードの遅い頭で考える)

「えーと、お金とか、そういうのよくわかんない、のかな、だから自販機の使い方がわかんない、のかな」

(うずくまる少女の言葉を聞いて、そう言ってみる)

平岡ユキヱ > 「エミール・メランティオス…?」
あれ。と心当たりがあるのか、はたと思い出して。

「あの…つかぬ事を伺いますが、エミール先輩って嘱託で何回か風紀に来られてます?」
直接の面識はないが、連携する際の業務を円滑に進める都合上、
名前やざっくりとした特徴を予習して知っているのか、もしかしてと相手に尋ねた。

「おお…。って、そんなに怯えられたら怒れないじゃないですか」
無知とは教える側の怠慢による罪である。そんな持論を持つユキヱが、
何の因果が記憶のほとんどを欠落しているらしい、はたたを追求できるべくもなかった。

エミールの言葉も受け、財布からお金を取り出すと、どれ飲みたいですか?
と指を宙で泳がせながら、はたたに尋ねた。

倉光はたた > ちょっとだけ顔を上げてチラッ。
ユキヱの反応を伺いながら、のろのろと両腕両足を地面に付き……
地面を蹴ってピョンと飛び上がる。着地。ふらつく。

「えみーる」
青年を指で差す。どうやら彼の名前はそれであるらしい。It is Emiru.

「くらみつ、はたた?」
自分を指で差す。It is KuramituHatata. たぶん。
比較的自己紹介も流暢にこなせるようになった。

もう一度ユキヱを見る。

「おかね」

エミールもそんなような単語を口にしていた。
ひょっとしてユキヱの手のなかで日光を反射してキラキラ光っているのがそれなのだろうか。
そんな小さいものを使ってどうあのペットボトルを取り出そうというのか?
はたたの中で困惑が深まる。

ともあれ、問われれば麦茶のペットボトルがあるディスプレイを
ぺし、ぺしと手で叩く。先日ユキヱに与えられたものと同じだった。

エミール > 「うん……? うん、そうだよ、風紀とか、公安とかの依頼で「掃除」することもあるよ」

(平岡からの質問にゆっくりとした調子で答える、相手は自分の名前を覚えていたらしい、
戦闘時の姿は普段のスローで大人しそうな調子や雰囲気とは異なるし、書類の情報だけでは気付けないのも無理はない)

「うん、くらみつ、くらみつさんだね、覚えた」

(少女は倉光はたたというようだ、ゆっくりと言葉を繰り返すようにして頭に刻む)

(少女達が自販機に向かったのを見て、喉が渇いてきたことに気付いた、
後で自販機で買うか、ホットおしるこはあるだろうか)

平岡ユキヱ > 「大変失礼しました。腕前はかねがね」
改めて背筋を伸ばしてエミールに一礼する中、ニヤリとやや剣呑に笑う。

「異世界仕込みの剣術、噂だけは耳にしています。私も剣…いや、木刀で戦うクチなので」
大雑把に分類すれば、同じタイプ、という奴だろうか。
そして剣をたしなむ同志を見つけた剣士が持つ情動といえば、「試してみたい」という欲求。
決して小さくはない。肉食獣のような細い眼光が覗くが、すぐに平生に。

「倉光センパイ…。自販機は、お金を入れないと言うことをきかないですよ!」
こうです! と硬貨を投入してから、ゆっくりと麦茶のボトルの下にあるボタンを押す。
ガコン、と排出口から目当てのモノが出てきたのを見て、どや? とはたたにしたり顔をしている。

倉光はたた > 「……?」
ユキヱがエミールに向ける笑顔と視線、そのニュアンスをはたたに理解することはできない。
しかしごく一瞬のものだったので、彼女もそれ以上気にすることはなかった。


そうこうしている間にも麦茶のペットボトルが飛び出してくる。
「……ん!!!」
ばしーっ、と翼状突起が大きく広がった。
すごい。こんなに簡単に。ユキヱと自販機を見比べる。
「おかね……!」
おかねの力ってすごい。はたたはそう思った。

排出口のフタに数秒手こずって、それを開け、手を突っ込む。
そしてまたその冷たさにびっくりして、ともかくそれを手にとった。

エミール > 「そっかあ、気づかないうちに有名人になってる、のかな?」

(自分はいつも通り暮らしてただけでも、誰かにとっては特異で目立つ生きざまなのかもしれない、
例えどれだけ目立とうとエミール・メランティオスは「いつも通り」を崩さないが)

「そっか、それなら後日、戦ってみる?」

(ただしお金は取るよ? と平岡の剣呑な気配へと答える、
その言葉に深い意味はない、ただの気まぐれ、なんとなくだ、
戦いの誘いにはとりあえず乗る男なのだ、お金は取るが)

(なんだか嬉しそうにはしゃいでる倉光の横で、自販機を見てみる、
ホットおしるこは無かった、そりゃそうだ)

「……」

(ちょっとしょんぼりしながら、ミネラルウォーターを購入)

平岡ユキヱ > 「倉光センパイ、ゆっくり飲まないと
 頭痛くなるかもしれないから気を付けて下さいよー?」
どうどう、とはたたを見守りながら、そんなノンキな事を言って笑っている。

「…その折は、領収書いただけます?」
有料なのね…とどこか遠くを見るような瞳でエミールにのたまう。
風紀の持つ最終手段「あ、これ経費で」を使う時が早々に来たようだ…。

「手合せいただけるのは、願ったりかなったりです。
 私事で恐縮ですが、まあ、現状から飛躍しないといけない課題を
 色々抱えているもので」
あはは、とバツが悪そうに頬をかきながら、苦笑いした。

倉光はたた > ……そういえば、エミールもおかねについて詳しいようだ。
こんな恐ろしい力を自在に操る存在……かなり恐ろしいのではないか……
鋭敏な知性がそう判断した。はたたはおりこうなのだ。
エミールに向け、例の絶対に花粉嗅がされないポーズを取る。
またしても余談だがファイティングポーズによく似ていた。
当然ながら持っていた麦茶のボトルがボトッと落ちる。あわてて拾おうとする。
こける。拾って立ち上がる。忙しい。

かなり上手にフタを開けて麦茶を口にする。例のポーズだ。
口から零れた内容物がシャツを濡らす。
半分ぐらい飲んだところで口を離し、顔をしかめる。
冷たいものを一気飲みして頭を痛くしたようだ。言わんこっちゃない。

ユキヱとエミールを見比べてキョロキョロする。
はたたには二人の会話の細かい意味がわからない。
ただ少し不穏なニュアンスを感じて、それがはたたの表情にも反映された。

エミール > 「大丈夫、値段は安いから、あと経費は落ちないから」

(流石に「経費で」は使えないと思う、常識的に考えて、
とかそういうのはともかく、お値段自体は学生のお財布にも手頃な価格だ、
元々金を取るのは一種のポーズであり、金額に意味はない)

「ま、詳細は後日ってことで、とりあえずメルアド交換する?」

(そう言って携帯を取り出す、細かいことはメールで言うつもりだ)

(とかなんとかお話していたら倉光が花粉嗅がされないポーズしたり頭を痛めたり不安そうにしたりしていた、忙しそうだ、
なんだか不安そうな目をしていたので、蔓をゆらゆらさせながら「大丈夫だよ?」と言っておく、
しかしさっきの蓋を開ける動作はかなり手慣れていた、こぼしてたけど
彼女は記憶喪失か何かで、頭の知識と体の経験が不安定なのだろうか)

平岡ユキヱ > 「あー! いわんこっちゃない!
 ああぁ…シャツまで濡れて」
小さい子供の面倒を見るように。わたわたしながら、はたたの口を拭おうと
ハンカチを差し出したり何だしながら忙しい。

「仕方ない。破けたところは補強しておきますかね…羽用の穴を作っておけばいけるでしょ。
 よもやこのユキヱさんの本気を披露する時が来るとは…」
裁縫の事である。異能『千刃訓』で真似したミシンの動きが、今活躍しそうなそうでないような。


「…と、おもーじゃないですか? まあ楽しみにしてくれて結構ですよ?」
エミールの冷静な指摘にも関わらず、犯罪者のようなしたり顔でにやりと笑い。
予算獲得にはいろいろな手段や名目がある。そう、名目もとい『大義名分』が。
互いの連絡先を交換しながら、そう相手に囁くような声量で告げ、立ち上がる。

「それじゃ、私は一応巡回中なのでこれで…。倉光センパイ、
 寮のおばちゃんも待ってますから、夕方までには寮に顔出してくださいよー?」
そういいながら、己の得物を担いで再び仕事に戻っただろう。

倉光はたた > 「だいじょうぶ」
エミールの優しげな言葉を、オウム返しに繰り返す。だいじょうぶ。

拭われたりハンカチを差し出されたりしてピシッとまっすぐ立つ。ふらつく。
透き通った無表情にしっかとユキヱを見据えて。
「だいじょうぶ!」
なにが大丈夫なのだろうか。

ユキヱの去り際の言葉にも、
「だいじょうぶ!」
そう言ってがくがくと首を縦に振る。
新たな言葉を覚えたらしい。うるさい。

カラになったボトルを近くのくずかごに突っ込んで
(ボトルがたくさん入っていたからそこに入れるべきなのだろうという理性的判断、はたたは賢いのだ)
ふらふらと左右に揺れながらどこぞへと歩み去っていく。
多分そのうち寮には帰るだろう。七十パーセントぐらいの確率で。

【きょうおぼえたこと:おかねはすごい】

ご案内:「住宅街」から倉光はたたさんが去りました。<補足:[乱入可] よれよれのTシャツ 切りそろえられた白い髪 黄金の瞳>
エミール > 「……うーん?」

(平岡の笑顔になんだか嫌な予感を感じ、首を傾げて唸る、
一体どのようにして経費を引き出すのか……ちょっと楽しみだったりする、
立ち去る平岡にばいばーいと蔓と共に手を振り、見送る)

「うん、うん、大丈夫……大丈夫?」

(なんかいきなり叫びだした、大丈夫ではなさそうだ、
空っぽのペットボトルをゴミ箱に捨て、ふらふら立ち去る倉光の後ろ姿を見送ると、
地面に置きっぱなしだったトングとかゴミ袋とか竹刀袋を拾って歩き出す
……大丈夫だろうか?)

ご案内:「住宅街」からエミールさんが去りました。<補足:常世学園制服、軍手にゴミ袋、背に竹刀袋を背負う>
ご案内:「住宅街」から平岡ユキヱさんが去りました。<補足:【乱入歓迎】165cm/54kg、金髪ツーサイドアップ、常世学園風紀委員用制服(風紀腕章)、超硬度木刀>