2015/08/20 - 00:21~00:50 のログ
ご案内:「女子寮内・サヤと畝傍の自室」にサヤさんが現れました。<補足:褐色の肌にカーゴパンツ、Tシャツ。>
サヤ > 『くるくる、ぴゅー!』テレビに映っているのは子供向け番組、体操のお姉さんと子供達に合わせて歌いながら踊る少女。サヤ、ではない。
サヤより僅かに幼く無邪気な表情、褐色の肌、石蒜だ。
先日の激辛カレー事件以来、サヤと石蒜は協議に協議を重ね、体を使う権利を時間で分けることにした。
今の時間は石蒜の時間だ。ふとしたきっかけで見た『親しい間柄の人といっしょ』を酷く気に入り、番組の放送時間の間は体を使いたいと頑なに主張したのだった。
サヤとしては自分の体でこんな歌と踊りをされるのは恥ずかしかったが、駄々っ子モードに入りそうだったので諦めた。
それに石蒜が番組に集中している間は一人で考え事をするのに最適だ。今はそれがありがたい。
サヤ > 代わりにサヤの魂は刀へと移り、石蒜との接続は保ちながら思索にふけっていた。
考えているのは、焔誼迦具楽のこと。
探しに行くときは嶋野さんに連絡するように言われてしまったので、一人でまた行くわけにも行かない。
それに見つけたとして、どうやれば助けられるのか。
「うぐうぐうぐうぐ……。」答えの出ない問いに呻く。まさか昼頃に救助されてご飯を食べていたとは知る由もない。
『くぽ、くぽー!』楽しそうに踊っている石蒜が羨ましい、石蒜だって悩んでいるはずだが、切り替えが上手いのだろう、忘れ去ったように歌い、踊っている。
サヤ > 石蒜は……と、思考がそれる。私の知識と経験を受け継いでいる。だけど、実際に体験したことはほとんどないのだ。
人格としては、生まれて一月ほど、だから子供向けの番組でも新鮮で、面白くてしかたがないのだろう。
まるで頭でっかちな幼い妹のようだ。そう考えるとクスクスと笑いが漏れた。可愛らしいこと。
そして、また思考を戻す。迦具楽のこと。だが同じだ、答えは見つかりそうもない。
答えが出ない、答えが出ないので考え続ける。当然他のことは上の空だ、今日の授業は何をやったのかほとんど覚えていない。
何を食べたのか、家事はやったのか、明日の準備はできているのか。どれも無意識にやっていたような気がするが、わからない。
これでは迦具楽を助ける前に自分の方が駄目になりそうだ、石蒜の時間が終わったらちゃんとしよう、自分の生活を。
サヤ > 踊りの時間は終わったようだ、今度は……日用品を使ったいろいろな仕掛けの中を小さな玉が転がっている。
それを石蒜は食い入るように、目を輝かせながら見つめている。
まず自分からしっかりしよう、迦具楽さんは、申し訳ないけど、その後……。
そう考えながら、微笑ましい気持ちで、石蒜の姿を見つめていた。
ご案内:「女子寮内・サヤと畝傍の自室」からサヤさんが去りました。<補足:褐色の肌にカーゴパンツ、Tシャツ。>