2015/08/23 - 21:32~01:43 のログ
ご案内:「風紀委員会・収容施設」に白い仮面の男さんが現れました。<補足:白い仮面を付け白い服を着ている>
白い仮面の男 > 「今日はとても天気がいい」
施設を少し離れた場所から見つめる男が一人
笑顔を浮かべた仮面を着けたまま空を見上げる
「今日は上弦の月、まるで半分に割ったかの様に綺麗に半分に見える…
こんな月を眺める事が出来ないのは、心が痛い…」
自身の胸を抑え、苦しむような動き
白い仮面の男 > 「彼等彼女達は突然自身の居場所を奪われ一方的な暴力であの牢獄に捕らわれ不自由を強いられている…
彼らは確かに罪を犯したのかもしれないが…罪を犯していない者などこの世には居ない」
手を広げ演説のように声を上げる
「ならば彼らに救いはないのか?
カンダタの様に救いのチャンスはないのか?
……答えはノー」
後ろに振り返る
リザードマンを改造した機竜
犬や狼に熊に虎、様々な獣を機械化した機獣
そして剣や銃を持ち人の限界を外部要素で超えた機人
最後に大量の玩具(武器)
「君達は糸、彼らを地獄から救い上げる糸だ。
さぁ…今宵の大きな大きな宴を始めよう」
ユラリユラリ陽炎の如く、機械の兵隊たちが消えていく
白い仮面の男 > 一匹の機竜、自分が最も手を加えた一匹を残し全ての兵隊は高く硬い壁の中へ
「さて…糸を掴み無事に抜けだす者は何人いるのだろうか?」
突如響き渡る警報、離れていても聞こえてくる
響く轟音に立ち上る煙…あぁ、ついに宴は始まった
「もう少し近くで見てみよう。ここからでは流石に何も分からない」
男と機竜は散歩でもする様に歩きはじめる
混沌とした宴の中心へ向けて
ご案内:「風紀委員会・収容施設」に平岡ユキヱさんが現れました。<補足:【乱入歓迎】165cm/54kg、金髪ツーサイドアップ、黒い対呪プロテクタ、強化風紀制服(特別攻撃課挺身隊仕様・赤)、刃体加速装置(コード付き試作品)>
白い仮面の男 > 収容施設内部はまさに地獄と化していた
突如現れた機械の兵団に武器を持ち暴れる違反学生達
「ふむ…中とここでは電波があまり通らない様だ」
仮面をトントンと叩きながら呟く、外から音を頼りに中の様子を察知する…
そんな異能があれば便利だが
「そんな異能は持ち合わせていないものだからね…残念だが、ここでゆっくりと待つとしよう」
異能や装備を使い違反学生達を鎮圧する
これだけならさほど手間取ることもない…だが今回は機械の兵団も居る
圧倒はできずとも遅れは取らない。そして数の利ではこちらが上
「だが、懸案事項もあるにはある…」
以前落第街で戦闘した彼等の様な突出した戦闘力を誇る存在
それを懸念する
ご案内:「風紀委員会・収容施設」にメグミさんが現れました。<補足:黒いセミロングの髪。、制服の上からふんわりとした外套を羽織っている。太っていると云う程ではないが、過度に痩せてもいない。
そんな柔らかそうな身体。>
平岡ユキヱ
> 「風紀委員である! 全員動くなッッ!!」
拡声器越しに怒号を張り上げると、一斉に施設の空を照らすようにサーチライトが照射される。
光源を背に逆行で居並ぶは、風紀特別攻撃課。
他の課に後れを取ってなるまいかと、真っ先に馳せ参じたのだ。
「首謀はどいつだ…!!」
周囲を見渡しながら、主計隊が封鎖線を展開し始める。
白い仮面の男 > 「だが、それも無い様だ」
そんな存在が居れば既に兵団も違反学生達も鎮圧されている頃だろう
だがいまだに戦闘の音は大きく響いてくる
まるで川のせせらぎのようにその音を感じながら
「算段が順調にいくと気持ちのいいものだ」
満足げに頷き、風紀の増援が来るならそろそろかと周囲をグルリと見回す
「ふむ、想定内だが…随分と速い」
笑顔の仮面の男と改造の施されたリザードマンが拡声器越しの声を聞き
少女の方を向く
メグミ
> 「――加勢します。」
ユキエへと声を掛け、後ろに下がる風紀委員が一人。
本来は別の課であるが、さり気なく、乱さない様に戦列に加わり様子を伺うことにする。
同じ風紀委員には違いない。
平岡ユキヱ
> 「ご無沙汰しています、メグミ先輩」
待ってました、とニヤリと笑い挨拶を交わす。
「残暑の花火や祭にしては派手すぎる…。ちょっくらお仕置きタイムといきましょう」
言いながら、あいつか、と検討をつけてこちらを向いた白い不気味な存在と対峙する。
「…警告する。貴様はこの島の平和を侵犯している。
今すぐこの乱痴気騒ぎをやめて反省文を提出しろ」
1000字の小論文ほどにな! と最後付け加えて。
ご案内:「風紀委員会・収容施設」に流布堂
乱子さんが現れました。<補足:バックレスの紅い風紀委員の制服、左腰からブドウのようにポーチが連なって下がっている>
白い仮面の男 > 「平和を侵犯しているという事について反論はないが…反省文とは
ふふ、お嬢さんは実に心が広く寛大だね」
反省文なんて単語が出てきたことに小さく笑う
「だが私はこのボランティアをやめるつもりはない
中で自由を手にする為にもがく者たちの為、私は喜んで君たちの矢面に立ち彼らを手伝おう!」
手を広げ高々と宣言する
自分は退く気もなく
中で暴れる違反学生達が解き放たれるまで
駆け付けた風紀委員の部隊を全て相手にすると
流布堂 乱子 >
「……収容施設って」
偽物の紅い制服の少女はうめいた。己の見込み違いに。
「誘拐された人が集められる方ではなくて、こっちの事ですか」
壁が揺れる。怒号が響く。状況は大いにかき乱されていて、早急に事態を収集しなければならない。
『…ロッソさん、アレ、ダブルブッキングですかね』
「逃してくれる公算は高いかもしれませんけれど、こんなに悪目立ちしてはしょうがないと思いますよ」
反常世財団組織としての偽名で呼ばれながら。
収容施設内で少女はもう一度ため息をついた。
落第街宝町。
その区画が『風紀委員が入ったら命はない』とまで言われるようになった所以は、
二人の兄弟にある。
曰く。
天魁星と呼ばれ、百八の異能者を束ねて一画を支配していた兄を弟が裏切り、
風紀委員会に売り渡した。
兄の地位に代わりに座った弟は、未だに風紀と通じており、兄を慕う部下たちを次々に売り渡している、と。
だが事実は大きく異なる。
天魁星は、その"忠臣"たちの手から逃れるためにこの収容施設へと自ら訪れたのだ。
理由については、依頼を受けた乱子にもわからない。
仲介したギルドは知っているのかもしれないが、今回の件には関係ないと判断したのだろうか。
ともかく、彼は仮の宿を再び移すためにギルドへと依頼を行ったし、
乱子たち実行部隊は極めて穏便に、風紀委員会を騙ることで収容所内に侵入していた。
『天魁星の異能の危険性が明らかになったため、海底収容施設タルタロスへ移送する』
あとは一時間もすれば、管理官が天魁星を連れてくるだろうと思われていたのだが。
このままでは首をすくめて待っていれば、外の騒ぎが収まって安全に脱出できる、なんて話にもなりそうにない。
ため息をつき終えて。
「……今回は皆さんも私の趣味に付き合っていただくとしますか」
『えー?風紀のコスプレして悪目立ちするんですかぁ?』
じろりと一睨みして、いつもの軽口を黙らせる。
居並ぶのは偽物の紅い制服を着た、金ずくで集まった脱獄の手伝い人たち。
「もっと簡単な言い方が有るでしょう。……正義の味方のフリ、しようじゃありませんか。」
どれもこれも一筋縄ではいかない能力を持つ、荒事屋の集まり。
『要するに』
『ひと暴れして』
『誰も彼も大人しくしちまってからずらかろう、ってハラですか』
少女がコクリと頷くと。
悪人たちは似合いもしない衣装の首もとを緩めながら、片手間に違反学生を叩きのめしながら機獣、機人たちの元へ向かっていく。
『ロッソさんは今日の体育は見学かしらー?』
「ええ。こっちのモニターから監視させて頂いて、欠席分のレポートを書きますよ」
最後に出ていく少女にひらひらと手を振ってから。
乱子は管理室のモニターに向き直った。
メグミ
> 「ええ。」
状況が状況故、ユキエの言葉に短く答えて小さく頷き、白い仮面の男を見据える。
矢面は彼女に任せると見れば、臨戦態勢を整える。
……白い仮面の男の一挙一動を、注視している。
平岡ユキヱ
> 「…了解。その言葉…宣戦布告と判断する!!」
腰に掛けた刃体加速装置に手をかけ、叫ぶ。
「挺身隊、散れッ! ネズミ一匹逃すな…! いや、…ジ○リーはいいぞ?」
あの茶色いネズミは無理だな。とニヤリと笑い準備OK。
赤備えの挺身隊が散る中、仮面の男へと間合いを詰める。こいつが首謀なのだろう。
ならば話は早い。
「貴様のボランティアは侵略行為。その真白い仮面…叩き割って素顔を晒させてやる」
白い仮面の男を間合いに捉える、その距離『数十m』。間合いだ。間合いなのだ。
―カチカチカチカチッ
鞘のトリガーを引く音が小さく響く。それが合図。
「千刃訓…抜刀機動!!」
マナーモードで刃体を射出すると、弾丸のような速度で白い仮面の男に斬りかかった!
メグミ
>
「ジの字とミの字とピの字は、逃さざるを得ませんね。
尤も、あれは断じて違いますが――」
後方で備え、自前の召喚術を行使する。
呼び出すは、二体。
"契約に従い降臨せよ、射手の公爵"
「――Summon・Leraie」
"雨を叶えよ、水の私"
「――Summon・RainSpirit」
緑の色の服を着て弓を持つ狩人のような人型と、
雨色の透き通る身体を持つ、精霊の一種を呼び出した。
まだ、動かない。
白い仮面の男 > 「ふむ、何という速さ…私では反応できなかったよ」
割り込むように金属に覆われた手で刀を防いだリザードマン
本能的な感と機械による高速演算と動体予測
この二つが合わされば反応のできない動きであろうとそれに合わせられる
「では、私は彼等の相手をしよう」
散り散りに動く隊員たちを見回す
自身の作品への信頼か少女の事は気にする様子もなく
「彼等には空の旅をプレゼントしよう」
1人1人に転移をかけ、遥か上空へ
動きがバラバラなせいか全員一気にとはいかないが、そのおかげで
1人1人様々な場所に転移させられる
「ほう…サモナーとは、風紀委員では多種多様な人材が揃っている様だ」
ふと目にとまる精霊と狩人
そして黒い髪の少女…彼女にも空の旅をプレゼントしよう
そう転移の矛先を向ける
ふわりとした浮遊感と共に上空からの自由落下が始まるが
召喚師である少女には時間稼ぎにしかならないだろう
平岡ユキヱ
> 「…!? こいつ、術者か…!」
小さく舌打ちする中、隊員が消えていく。どこに行ったかはわからない。
が、相手の言葉に不敵な笑みをあくまで返す。これもまた戦いなれば。
「空か…。おい、名無しの白いの! 『実に心が広く寛大だな』ぁ?」
意趣返し。皮肉たっぷりに、リザードマンと鍔迫り合いしながらのたまう。
「メグミ先輩ッ!?」
術がかかった。そう感じた瞬間、リザードマンと距離を置き、すぐに打ち合う。
眼前の敵を前に背を向けるは自殺行為。ここでやるべきは。
「最速でこのトカゲ人間をぶっ潰す!!」
鞘に納める度にカチカチとクリック音が響く。超々高速の乱打撃戦開催である。
メグミ
>
「――ッ!」
転移は掛かる、が、
"召喚術の知識"を以って、彼女はその原理を見抜く。
――転移の範囲・対象が、"対象指定"か"座標指定か"。
彼女に転移術を仕掛けたのであれば、そのどちらの術理を以って行われているかを、看破する。
……転移先の状況を視認、そう離れていない位置であると認識する。
そして幾らか、同様に他にも飛ばされている委員の存在も認識する。
「――Summon・Wyvernッ!」
魔力を解放し、複数の翼竜を呼び出す。
上空に飛ばされた他の委員をその背に乗せる様命じ、救おうと飛ばす、が――
(っ、自分の分が、間に合えば良いのでs――)
そのまま、落下した。
……彼女は落下する。する、が、呼び出した狩人と精霊は健在だ。
ユキヱが相手しているリザードマンと弓を引き、矢を放つ。
射手の公爵として放たれた矢弾は、速さや転移だけでは避けきれぬ対象であるリザードマンを狙い定める追尾を見せ、
盾ですら貫く威力を乗せる、人外のそれで膂力で奮われる破壊力と――壊疽。
射抜いた存在の身体を壊死させる権能を、叩き込むか。
白い仮面の男 > 「私は君の様に体を使うのが苦手でね、頭を使うことにしたんだよ」
他愛もない会話、そんなトーンで話しながらも残っている隊員を空へ空へ
「そうだろうか?だが、確かに彼等にはいい経験かもしれない」
ドシャ、と何かが地面に落ちてきた
「きっと彼らは最後に素晴らしい景色が見れただろう」
恐らく異能や魔術で無事に着地できる者も居るだろう
だがそうでない者は?答えは少女の後方に転がっている
無事に着地されてもここまで戻ってくるのにも多少時間が居る、隊員の足止めと言う観点では満点だろう
「トカゲ人間とは…彼はれっきとしたリザードマンだよ?」
いなす等の技術はこの速さでは合わせられない
リザードマンができる事は自身に少女を釘付けにすること
そのために金属に覆われた腕を盾の代わりに刀を防ぐ、見える動きに合った最適解
攻撃を防ぐ事にのみ特化した動きで少女と打ち合う
が…
「ん…?」
仮面に小さく響くアラート、リザードマンの体を見れば矢の様な物が突き刺さっている
「ふむ、これは…仕方ない『耐えろ』」
細胞の壊死を見れば即座に駒として切り捨てる
もう少し、小女たちの攻撃から耐えればいい
機械化された体のせいか即座に倒れる事もなくまさに肉壁としてリザードマンを使う
平岡ユキヱ
> 「…!!」
落下するメグミを見て、駆け出す。
原理はわからぬ、だがおそらくは。自分の分まで間に合わなかったのだろうとユキヱは判断した。
武器、重いので廃棄。プロテクタ、重いので廃棄。
袖、邪魔なので破って廃棄。
駆ける中、ドシャ、という音が耳に聞こえた。ああ…。主計隊だろうか。
そこまでは、頭が回らず。
「…!!」
歯を食いしばって駆ける。全てが無事なんて程、甘い相手でなかったか。
覚悟はしていた、いや違う、嘘つきめ。とぐらぐらと頭の中が揺らぐのを首をふるってゼロにする。
「メグミ先輩ッ!!」
彼女の落下を受け止めるように、駆けている。
その背中、仮面の男とリザードマンには、完全に無防備になる瞬間。
メグミ
>
「っ……」
落下した、が。
受け止められれば、生き延びる。
そして、召喚師はこの態勢でも戦える。
「ありがとうございます。ユキヱさん。さて」
呼び出す魔術師であり、同時に指揮官である。それが召喚師だと、言わんばかりに手を打つ。
――雨の権能を持つ精霊を前方に待機させ、割って入らせる。レライエに第二射を放たせる。
狙うは白い仮面の存在本体。転移や速度だけではかわしきれぬ、"射手の公爵"として中てる追尾性と、
人外の膂力で射られ盾すら射抜く破壊力。そして、壊死の権能を叩き込むか。
「……やってくれましたね。」
睨む様に、白い仮面の男を見据えるか。
白い仮面の男 > 「あぁ…何と美しい友愛」
眼前の敵に背を向けながら駆ける少女に追撃はない
「ふむ…彼女は思ったよりも弱い様だ」
年相応ともいえる少女の行動
胸を熱くするその行動に答える様に、施設の門が吹き飛ぶように開く
「想定通りだ、素晴らしい」
あふれ出る兵団、当初より数は減っているが奥には五体満足に目を輝かせる違反学生達
消耗品などいくら無くなろうとまた増やせばいい、だが彼らは違う
「機竜『私を守れ』」
お気に入りだったリザードマンに告げるラストオーダー
機械が熱を上げリザードマンの瞳は白くなり神速ともいえる速度で男と射られた矢の間に入る
「今までありがとう…そしてお休み」
心臓の位置に矢を受け、リザードマンは完全に停止する
最後は男の盾となりその巨体は倒れた
流布堂 乱子 >
「……やっぱり人に掛けられるんですね、アレ」
屋外モニターを見れば、風紀委員の学生達が上空に転移させられていく顛末が見える。
これまでのあの男の動機である、人集めという観点で見れば、違反学生と風紀委員の間にさほどの差は認められないのだけれども。
前回の遭遇戦では手を出してこなかった理由といい、
調書に会った子龍誘拐の時の発言といい、
今晩の前口上といい、
どうにも底が知れない。
ここまでの手勢と、改造手術を鑑みればよほど大きな組織でも後援に付いているのかと疑ってしまうのだが。
『ロッソさーん、ロッソさ――ん?』
「…ん、ああ聞こえてます。どうかしましたか?」
思考から意識を引き戻す。
収容施設内へと散っていった仕事仲間からの通信に答えると、屋内のモニターに視点を切り替えた。
『ここの施設職員の口止めはどうしますー?』
「正義の味方のフリといったじゃないですか。適当に救援に来たとでも言っておいてください。」
『はーーい。……あー。いや、すいません。話してる間にやられてましたー』
モニター内では、紅い制服を着た学生を肥大化した前足で叩き潰している機獣…既にその体を真っ赤に染めた大虎の姿が写っていた。
その前に立つ、もう一人の紅い制服の男子学生。得物もなく、細い肉体は肉塊となった学生の物だった太い足よりも更に細いかもしれない。
ただ。こちらの体も既に返り血で紅く染まっている。
「……ええ、見えています。
虎狩りを続行してください。あいにくと毛皮に傷の入った三級品ですけどね、
"貴方と違って"」
『わーかりましたー。さーてとー……
紛い物さーん、虎はどうして強いと思いますー?』
握った拳が、黄色の縞模様を纏う。
細い体躯を覆っていたブカブカの制服が、内側からの膨張で膨らんだ。
どこか緩んだ表情が、そのまま、牙を剥いた虎頭の笑みに変わっていく。
『純粋に、ただ虎だから、ですよ』
結果のわかりきったモニターから目線を外すと、乱子は他のモニターを通して施設内の様子を把握していく。
今のところ、こちらに被害は出ていない。
あの機龍ほどの存在がゴロゴロ居たらまた違ったのだろうけれど。
当初の目的である天魁星を目指し、奥へと歩みを進めるギルドの面々から逃れるかのように、
あるいは増援として駆けつけるかのように、
正門へと兵団と違反学生達は向かっているのが乱子にも分かった。
白い仮面の男 > 機獣に恐怖はない、あるのはわずかな本能的感直感と指示に従うという思考のみ
眼前の男子学生徒の力量差など考えずただ邪魔になるのなら排除するだけ
それだけの思考で虎は男子生徒へとその牙を立てようと迫る
平岡ユキヱ
> 大地にコゲたような黒い軌跡を描きつつ、
メグミを抱えたまま仮面の男と屹然と向き合う。
「…この行為が弱いのならば。私は弱いままで結構だ。
お前のように、こんな悲しいことを素晴らしいなんて言う
虚無主義嗜好のインテリ気取りどもは、この世から撃滅してやる」
ひどく悲しそうな、だが凛とした眼差しだった。
「挺身隊、生きてるものは立ち上がれ! まだ仕事は残っているぞ!
成さねばならぬ事があるなら、戦え!!」
応! と血まみれで歯を食いしばって準備オッケー。特攻課の命知らず達が各地から
違反学生をただ確保するために駆けるという狂気のような光景が各地で展開されたかもしれない。
メグミ
> 「っ……漏らして出てきてしまいましたか。
――時間稼ぎになれば良いのですが。」
雨の精霊に指示を飛ばす。
――違反学生を中心に、身動き一つ取れぬ程に過激な豪雨を降り注がせる。
豪雨は行動の自由を奪い、体力を削ぎ、呼吸すれば水をたらふく飲んでしまう程の苛烈さを以って降り注がせる。
雨の牢を以って、特攻隊が抑えきれぬ範囲の、抜け出た違反学生を封ずる。
「……後はあちら、ですが」
レライエには第三射、四射と淡々と矢を放たせる。
効くかどうかはともかく、抑える必要はあると言わんばかりに白い仮面の男へと放つ。
――その追尾性故に、神速でも無い限り、誰かに庇わせようとするならば軌道を曲げて追尾する、かもしれない。
流布堂 乱子 >
飛びかかろうとしたか、あるいはその二足歩行の虎人の足を狙ったか。
未だに先の犠牲者である学生の血液を牙から滴らせながら、機虎が動き出すよりも、
むしろその相手である虎人が動きだすよりも更に早く。
機虎に向けて三つの灰色の閃光が走り、その肉体に突き立てられようとしていた。
『そんな機械を入れてるから遅くー……あれー?』
『前口上長し。我合流せり』
紅い制服の胸元からいわゆる鎖帷子を覗かせ、
どう見たって変装には馴染まない黒いフードを被った女子学生が仕掛けたアンブッシュ。
虎へと投げつけられた三つの苦無にはそれぞれ過剰な量の爆薬が括りつけられており、導火線の先には火種が燃えていた。
『成敗』
その導火線に一切関係なく。
手元の起爆装置の操作によって建物の一角ごと吹き飛ばすような爆発が三つ、連続して巻き起こった。
白い仮面の男 > 「悲しい?彼らを見たまえ、彼らの目には希望や幸福が宿っている
それのどこが悲しいのかね?」
施設から現れた者達は文字通り死力を尽くし抵抗する
すべては自由の為に
「ふむ…そう言えば」
男の姿が陽炎の様に消え、男に向けた矢はメグミの方へ飛来する
「その矢はどこまで賢いのかね?」
自分が居た場所からメグミの居る場所を中心に対角線に移動する
「…第二プランか」
突如建物で起こった爆発を見ればそう呟く
平岡ユキヱ
> 「彼らはまだ罪を償っている途中だ。あの眼差しは『欲望』という。
本当にここの収容者の事を思うのであれば、説法なり本土の職業斡旋でもするがいい」
建物の爆音を耳にしながら、そう短く述べる。
「…!? 先輩ッ!!」
仮面の男が消えた瞬間、悪寒を感じて思わず叫ぶ。咄嗟に、身を乗り出して彼女をかばおうと。
流布堂 乱子 >
『ルフス』
「ロッソです。何か」
『クライアントを確保した。ルートはどうする』
モニターを見れば、目的の房へとたどり着いた紅い制服の男子学生が居る。
……このまま正門へ向かうのは、当然ながらありえない。
「コジさんとキリメさんが西側廊下で交戦、及び発破によって屋外へのルートを作りました。
既に違反学生たちは正門へ向かったようですから、敵の数を減らすのはそこまでにして、
合流してから脱出してください。
ただし、違反学生と同方向へ逃げて無用な追跡を受けないためのルート閉鎖を行ってください。
……これもコジさんとキリメさんに任せてよいかと。
これ以降は管制の必要もないでしょうから、私はここを出て正門に向かいます」
『わかった。』
短い返答の後に、通信は終わった。
…後は連中に任せておけば大丈夫だろう。
管理室から、杖をついて退出する。
誰よりも早く事態の収集のためにこの部屋を出て行った、
本来のメンバーたち。
それを追って、偽物の紅い制服の学生達も皆いなくなった。
モニターにはただ、赤い血に塗れた施設内の様子だけが、見るものもなく映されている。
メグミ
>
取り敢えず、取りこぼされた違反生徒は雨を以って封じさせる事にする。
雨の精霊を他に行動を回させる余裕は無さそうだが、専念させれば抑える事は出来そうだ。
身を庇おうとするユキヱには、軽く制すように声を掛ける。
「大丈夫です。問題ありません。
一番……ではありませんが、射手としての腕は良いですから。それに――
――悪魔と呼ばれるような生物が、過失で契約を違える事は、基本的にありませんよ。」
――射手の公爵の"肩書"故に、狙いを違える事はない。悪魔が契約を違える事はない。
反射された矢は軌道を変え、白い仮面の男に向かうか。
とは言え、矢である以上永続的に飛ぶ事はない。
二度、三度、根気良く避ければ、矢は"消える"だろう。
「……ルギウスと同じ匂いがしますね。アレ。
本当、どうしたものでしょうか。」
地に足を付け、一つ、息を吐いた。
白い仮面の男 > 「欲望…大いに結構!」
パチパチと拍手と共にまた別の位置に現れる
「人は欲望のために動く、素晴らしい。
獣も人も全て欲望を満たすために己の持てる全てを使う
私とてそれは同じだが」
何度も場所を変え矢の動きを観察し、止まれば距離による減衰があるのだと発見する
「矢の特性は消えない、か…ではこの場を有効に使わせてもらおう」
そう呟けば男は転移する
ほぼ視界ゼロの雨の中へと
平岡ユキヱ
> 「欲望だけで動くなら、人は獣と変わりなし!
理性が、恥が、自制があるからこそ! 人は人なのだ!」
高らかに仮面の男に叫ぶ。お前の認識は誤りであると。
「…。あ、悪魔?」
それ初耳なんですが。と思わず声に出るユキヱさん。
さすがメグミ先輩というか、相当ヤバイモノを従えているようだ。ならばよし。
「手段は…あるにはあります。効くかはともかく、ちとドえらい騒ぎになりますが」
刃体加速装置と延長砲身もってこい! と叫ぶと同時、傍にいた挺身隊がギョッとする。
「『一発だけ』です…。『一発だけ』なら…あのスカした野郎ををギャフンといわせてやる自信がある。
攻守交替です、メグミ先輩。あいつを意地でも足止めて下さい。
魔術の転移は専門外なんで…」
反撃ターンじゃい、と延長用の真っ黒い砲身を組み立てながら、そう呟いた。
流布堂 乱子 >
「足で」
向かってきた違反学生の左足が、杖の一撃によってその移動を支えられなくなった。
「喉まるごとでしょうか」
飛びかかろうとした機械化された犬の群れ。
片足しか無いと侮って噛み付いた乱子の右足のブーツから、キィンという甲高い金属音と共に、仕込みナイフが頭蓋を貫通する勢いで生えた。
正門へ向かう道すがら。
前門の虎、後門の狼といった状態でしぶしぶながら収容施設に戻ってきた違反学生の最後の抵抗を打ち砕きながら、乱子が歩く。
「ああ、言い忘れましたけれど両手を組んで頭の上に乗せて跪いてください。そうしたら放っておきますから」
『こんなところに居たらなぁ!お外の学生様や!お前ら風紀委員が楽しんでるような当たり前の暮らし一つ出来やしねぇんだ!』
「顎で」
食って掛かる違反学生の先の先を取って、
宣言通りに掴んでから確り角度を固定して壁に叩き付ける。
返答はした。それ以上言葉を掛けることもなく、ゆっくりと廊下を歩いて行く。
メグミ
> 厳密には距離ではなく、飛距離。
雨の中に潜り込んだ所で、当たるといえば当たり、完全にゼロでなければ狙えるのだが
――暫く避けていた故に、限界が来たのだろう。矢は、一度消えた。
頼みがある、と言われれば、思案してみせ、頷く。
「……分かりました。
出来る限り、やってみます。」
――先ず、雨の中に消えた白い仮面の男ヘ向け、 強く命じ
「必ず中てなさい。」
矢を放たせる。
それは確かに白い仮面の男に向かうものの、既に何度も放った手だ――
「――」
……その合間に、魔法陣を展開し、詠唱を開始した。
それなりの準備を掛けてまでして、何かを呼び覚まそうとしている。
白い仮面の男 > 雨の中からの返答は聞こえない
だが男は降りしきる雨の中小さく答える
「人と獣に大差などない、そして人として生きれば獣に喰われてしまう」
雨の中でそう呟き来るであろう追撃を転移で無造作に逃げ回りながら
まともに動けない違反学生達を転移で落第街の様々な場所に移していく
「ふぅ…まったく、肉体労働はこたえる」
矢が一本だけと言うのが気になるがこちらからではあちらの様子も見えない…こともない
外に転がった機獣のアイカメラ、そこからの映像が仮面の中にも映る
「ふむ、これは…砲?後は…陣か」
何化の砲身の様な物と魔術陣
恐らく何か大きなものを召喚する気だろう
相手の狙いは分かるが…
「私には止める手段はない」
誰も聞いていないせいかクスリと自嘲交じりの言葉が漏れる
召喚術に割り込みをかける事はできる、だがそれをすれば大きな隙が生まれる
砲身ごと彼らを何処かに飛ばす、だがそれをするほどの余裕はない
「いかんともしがたい事もある、か」
平岡ユキヱ
> 「…んじゃ、がんばっちゃいますかねー。ここまで十分に異能も魔術も飛び交っている。
『取り込んでいるぞ』、その残滓…!」
物干し竿のように長い砲身を組立て終え、予備の刃体加速装置と接続する。
腰だめで堂々と構える様は、砲手というより槍の使い手のようで。
「…。『幻想変換炉・臨界突破(ブレイクスルー)』」
ユキヱが持つもう一つの異能。ほぼ人前で見せて来なかった切り札に、今、火が入る。
青白い閃光のような光を体内から猛烈な勢いで放射しながら、仮面の男に照準を合わせ始める。
風紀挺身隊の赤服たちが、退避ー!! と相当な剣幕で叫び始めた。
ギィィィィィと学園中に響き渡ろうかと言うほどの盛大な不協和音と殺気。
その全てが、仮面の男ただ一点に向けられる。
「私は人の善意と勇気を知っている。だからそれに賭けた。正しければ、私が勝つさ」
勝負だ。後は狙うのみ。雨の中、必死に眼を開いて狙いを定める。
このタイミングで、マニュアルである。機械的な補助は一切ない、根性と勘と、あとは友情という名の後方支援で当てるほかない。
流布堂 乱子 >
正門。雨が学生達と男を閉じ込め、風紀委員達が慌てて準備に駆けずり回る、戦場そのもの。
片足で立つ少女の風紀無線傍受インカムからは、
落第街へ放り出された違反学生についての問答が繰り広げられている。
武器を持った学生が、盛り場へ、路地裏へ、スラム街へと飛ばされ―
……異なる縄張りに獣が紛れ込んだかのように、落第街の住民によって鏖殺されている、と。
メグミ
>
喀血する。
今の身体には少々重い。
魔力と術式で必要な要素を強引に踏み倒し、何処かに居るかもしれない神々の権能を降臨させる――!
「願い、叶えよ――《Realize・αἰών,》」
私そのものは呼び出す力しか持たない。
借り物の力しか持たない。
だから、世界には何が有り、誰から何を借りるか――それを知り、要素を踏み、カバーする事でようやっと力を手に入れる事が出来る。
私一人では大したことはできない。だから、借りる。厚顔無恥に借りて、さもなんでも出来るかのように振る舞うしか出来ない。
今はそれでいい、目の前の自己中心的でわがままな狂人を、止めるだけの力を借りる。
――時間・空間・時代を司る権能持つ神としてのアイオーン。その神の力のごく一部の、ごく一部の権能を呼び寄せる。
此の場に於ける時間と空間の正しき制定――此の場に於いて時間や空間が乱されず、転移などは起こりえない。
そうであるように、神々に護ってもらう。その為に、神を、神の一端を、呼び寄せる。
「神様、此の場の時間と空間を、正しく護ってください――!」
喀血し、魔力の暴走により全身から出血しながら、願い、叫ぶ。
神に願い、呼び寄せ、行使する。
……神話時代の神が持つ、絶対的な力のごく一端が場を覆う。
少しの時間ではあるが、時間や空間をいじる事は、不可能と言っても過言ではない。 ……かもしれない。
当然、転移なども封じられる。
心当たりは、手持ちの知識と術で呼び出せる中で、どうにか出来るとすれば此れしかいなかった。
白い仮面の男 > 「コード、ウォール」
そう呟き、無事な機械兵達を自身の前に並べる
そして最善には自身を守らせ倒れた機竜を持ち上げさせる
「さて…後は運次第」
チャンスがあれば施設から逃げ出す精神を持ち
突如知らぬ場所に飛ばされても生き残る力
最低限の武器をどう使うかの知恵
それが有る者は生き残りなければ死ぬ
今回の選別では生き残るのは片手で数えるほどだろう
だがその人材はとても素晴らしい駒となる
「ふふ、楽しみだ…実に」
仮面の奥で笑顔を浮かべ、自身に向けられる砲を肉壁越しに見つめる
「さぁ、私はここに居る。引き金を引きたまえ」
転移が出来なくとも問題はない
元よりそんな物する気もない
これは彼女達の奮闘に対するサービス
盾は置いた
後はどこまでそれを貫くか
平岡ユキヱ
> 「鍵はそろった…。風紀執行ッ!!!」
―カチッ
刃体加速装置、最大出力。
ギンッ、という耳をつんざく音と同時、ユキヱが地面にめり込むように衝撃波の反動でクレーターを形成した。
爆風で何人かの隊員と、接続していたケーブルが断線して吹き飛ぶ。
異能で十二分に加速されレールガンを超える威力で射出された刃体の破壊力、いかばかりか。
天上の雲を、大気を、ただそのエネルギー量と衝撃で物理的に吹き飛ばし、空に一点の大穴をこじ開ける。
星がきれいだ。校舎の窓ガラスが全損したかもと後悔もよぎる。ともあれ。
「盾と矛…真っ向勝負といこうか!!」
白い仮面の男 > 「っ――」
轟音と衝撃
雨の中を切り裂きここまで聞こえた音よりも速く
盾となった機械達は全て穿たれ
「ここまでとは…刃と言うのも、考慮すれば…よかったか…」
ブラリと力なく垂れる左腕
前に突き出した手を裂くように手の平から方まで大きく割れている
骨が見え肉は避け赤いしずくが流れ落ちる
力が入らないどころか感覚がない、よく痛みでショック死しなかったものだと自身を褒めたい
「全く、慢心していては死んでいた所だ…」
軽く体をずらし利き手ではない左腕を前に出した結果がこれだ
何もしていなければ…想像したくもない
「さて…そろそろか」
神の力をどこまで連続使用できるか
恐らくもうそろそろこの空間の固定は終わると予想する
メグミ
> 「――っ、」
世界が軋む音がする、
が、
予想に反し、まだ固定化は終わらない。
逃すまいと、魔力をありったけつぎ込み回し、少しでも長く維持しようと動く。
――その影で、レライエが再び矢を放つ。
狙いは当然、白い仮面の男。追尾と壊死は、健在だ。
「……誰か、今のうちに、異能魔術封印用の道具と、あの男の確保、をっ……」
息も絶え絶えに、叫び、詰める様に命ずる。
この機を逃すか、と
流布堂 乱子 >
委員会本部で見た覚えの有る…ユキエさん、だったろうか。
無手の応酬しか見ることが出来なかった彼女の異能が目の前で発動され――
(……あまりよろしくない勢いで飛んできますよね、こっちに)
正門。
その"抜刀"の余波は男の後方に位置どる乱子の元まで届き、耳元で髪が暴れるバタバタという音が聞こえた。
先程から"片足"だけで立つ少女としては。支えとなる杖を使わない少女としては。
…あまりこの照準がブレてもらっても、困るのだが。
「さて、先程は引き金を引いて構わない、と言われましたよね?」
既に、杖の砲身の中には、いつぞや使い残した榴弾が放り込まれており。
刻まれた紋様が杖の内外で螺旋を描き、仮想ライフリングが雨中の男へと性格に狙いを定める。
どこにもない引き金を人差し指で引くと、創造神の作った人形さえぶっ飛ばした弾薬が後方から男へ迫った。
白い仮面の男 > 「あぁ、言ったとも」
やっと来たか、そんな思いで背後の少女に声をかけ
榴弾を男のすぐ近くに居た機獣、狼タイプが文字通り肉壁となる
「君の為に割いた彼が居れば、もう少し軽傷で済んだんだがね?」
自分の計画にない爆発に戦闘力の高いタイプが全て施設から出てこない異常
これほど大きなヒントを出してくれれば施設内にイレギュラーが居るというのは簡単にわかる
そして唯一の出入り口に背後を向ければそこに付け入るとも
「また会ったね、お嬢さん。
奇しくも収容施設でと言う言葉通りになってしまった」
平岡ユキヱ
> 「根性あるじゃないか白いの…! 名を名乗れ!!
この一撃を耐えたお前を、立場、思想、生まれ違えど…一流として認める!」
満身創痍で肩で息をしながら、破損した試作品の加速装置二本目を投げ捨てる。
ニヤリと笑う中…今になって第三勢力の存在に気が付く。
「だ…ッ!!」
いや、見覚えがある気がする。正規の者でなかったはずだ。
「流布堂乱子…。何をしている!」
白い仮面の男 > 「私の名…では、悪戯好きの神。ロキと名乗ろうか」
冗談交じりの口調で答える
「彼女は私の友人でね…色々と手伝ってもらっただけだが。
何か不都合が?」
嘘も通せば真実に、言葉も時として便利な道具となりえる
メグミ
>
更に一射、レライエが白い仮面の男に射る。
当たるか、どうか。
(……そろそろ、色々と限界です、ね。)
視界が霞む、意識が飛びそうになる。
身に余る権能を呼び寄せ、維持をするのは容易な事ではない。
(すみません、後は任せました。)
負荷が限界に達すれば、最後に残る魔力をつぎ込んで意識を落とす。
……大凡、この世界の時間にして15分後、空間の固定化は解除されるだろう。
彼女が呼び出したそれも、同時刻に消えるだろう。
ご案内:「風紀委員会・収容施設」からメグミさんが去りました。<補足:黒いセミロングの髪。、制服の上からふんわりとした外套を羽織っている。太っていると云う程ではないが、過度に痩せてもいない。
そんな柔らかそうな身体。>
流布堂 乱子 >
「そのように言われましても……私も貴方のお母さんではありませんし。
どのみちその体も破棄されるのでしたら、
負傷の度合いでなにか変わることでもあるのでしょうか?」
片手で杖を回す。榴弾に嵌められていた殻が排出され、銃口を上にして静止。
五発買い切りのセット品は、あと二発。装填して再び男へと向ける。
「……ああ、あのことですか。
個人的には、『お前も攫ってウチの収容施設に入れてやる』という意味かと思ってましたけれど」
言葉を、行動で塗り替える。
…もしも言葉通りに、その負傷に意味があるのなら。
狙いもそこそこに、ライフリングの再形成も待たずに、存在しない引き金を再び引いた。
「その機会はなさそうですね」
何をしていると問われるならば。
「偶然、です。たまたま追いかけている相手を見つけたものですから、ね」
白い仮面の男 > 「名も知らぬ少女、君の健闘に応えたいが…この矢を受けては死んでしまうのでね」
右手で爆砕し転がる狼の頭を掴み、矢を防ぐ
通常の矢であれば甘んじて受けたのだが細胞の壊死を知っていれば受けるという選択肢は取れない
「ふむ、乱暴な女性だ…私は君を攫おうなどとは思わないよ」
どこを狙うか、いつ発射するかが分かっている
そんな風にとれる動きで榴弾を躱す
「生憎あのバックアップは手間がかかるのでね、そう易々と量産はできないのだよ」
そして躱された榴弾は男を挟んだ少女の近くへ着弾するだろう
平岡ユキヱ
> 「じゃあこっちはマイテ○・ソーとでも名乗っておけばいいのか?」
そのうちハンマー持ってくるぞ、と仮面の男に対して剣呑に歯をむき出して笑った。
そんな中、意識を落としたメグミに手を伸ばし、
すぐに駆け付けた隊員に任せて後方へと下がらせただろう。
「…!」
今になって、外の情報に耳を傾ける余裕が出てくる。
それは、悲劇の始まりでもあるが。
落第街の住民による惨殺が、悲劇の報告が耳に入る。
「お前ら…ぁぁぁぁぁッッ!!」
バチバチと青白い閃光が再び活性化し始める。それは異能や魔術を取り込んで発現する、
ファンタジー殺しの能力。
流布堂 乱子 >
ラストの1発。ぐるりと回して排莢した杖に榴弾を装填する。
「花嫁探しなら相談所を利用されたほうがいいですよ」
二発は確かに誘導弾として撃つのを見せた。
だというのに、先の速射を躱すという判断に、あれだけの確信を持って至るのは。
「……つまり、転移を封じるだけではなく、異能封じが必要ですか」
今は自分には手がない。
だからこそ。
青白い稲妻。義心の怒号。
男を見つめる限り、そこから目をそらすことは出来ない。
砲身の螺旋が形成されるのを、そして彼女が動き出すのを、今度こそ待った。
白い仮面の男 > 「それは怖い…おっと、何をそこまで激怒する?」
閃光を放ち激昂する少女に問う
「彼等は自由を手にしそして散った…それのどこがいけない?」
寧ろ仕事が減ったのではと考える
この男の中では死んだ者は選別から落ちただけの不合格品
それ程の認識しかない
「簡単な科学と魔術の複合なんだが…あまり周知はされていないね」
ため息交じりに呟き
怒りに震える少女の方を向く
平岡ユキヱ
> 「何を…? 人が死んでいるんだぞ!? どうして…何も!」
どうしてそんなに平然としているんだ。
言いかけて、もういい、結構だ。と決意する。
ありたったけ周囲の異能を取り込み、強化し、発光し、しかしそれでも間に合わない。
「…。『幻想変換炉』」
ユキヱが爆ぜる。空いていた間合いを一足で詰め、武器でなく。
手足による相手の解体に動き出す。
「『炉心溶融(メルトダウン)』」
ほとんど残像のみの存在になりながら、四方八方からの時間制限付き乱打を開始した。
白い仮面の男 > 「残念だが…君へのサービスはもうすでに終わったよ」
傷はそのままだが出血だけ止まった左腕が力なく揺れる
「1つ忠告しよう、感情とは素晴らしく君を強くする物だ
だがそれに縛られれば君は必ず後悔する。一生拭えぬ記憶となって」
そう呟けば乱打に見舞われる寸前、陽炎のように姿が揺らめき、掻き消える
少女の拳は男に5発程くい込んだところで空を切るだろう
ご案内:「風紀委員会・収容施設」から白い仮面の男さんが去りました。<補足:白い仮面を付け白い服を着ている>
平岡ユキヱ
> 体の崩壊が、劣化が始まる。
透き通るほどに青く、しかし猛烈な勢いで燃える少女がザア、と地に足をつき。
膝をつき。
「…っがっハ…!」
血を吐いた。しかし止まらないというよりは、止める術を知らない。
ただ猛烈に増殖するエネルギーを止められないまま、瞳から漏れた血液越しに、
仮面の男が掻き消えたのを確認する。
「ロキだか何だか知らないが…あの野郎…!」
燃える体を抑え込みながら、蹲る。よほど不安定な状態なのか、
宇宙服かと思うほどに重武装した風紀の部隊が車両に乗って集まってくる。
流布堂 乱子 >
科学と魔術のちょっとした応用によりこちらの手札は先程から覗き放題らしい。
既に構えているというのに、背を見せるということはつまり、そういうことだ。
だから、こうして逃げ場がない状況なら。
何時かのように杖を天に向けて、庇う者さえ届かぬように高々と榴弾を――
引き金が惹かれるその直前で。
『まーずい!まーずいんだよー!ロッソさん!』
建物の奥から駆け抜けてきた黄と黒の縞模様の影が、乱子を引っ攫った。
スピードを殺さぬまま大きく跳ぶと、風紀委員たちの頭上を飛び越えていく。
「……何が、どうしたっていうんですか」
『宝町が酷いことになっててー!クライアントがー、そっちに行くってー!
突然現れた奴に、弟さんがさー!』
間延びした口調で、それでも火急の用事を伝える声を聞きながら。
落第街へと向かうのを認識しつつ、
「……それでは。お大事に、ユキエさん」
届きもしない言葉を置きながら。
戦場を遠く離れて――次の戦場へ。
ご案内:「風紀委員会・収容施設」から流布堂
乱子さんが去りました。<補足:バックレスの紅い風紀委員の制服、左腰からブドウのようにポーチが連なって下がっている>
平岡ユキヱ
> 「なんだいまの…。チクショー…これ…私爆発するんじゃ…」
意識を失う直前、ロッソさんという言葉が聞こえた気がするが、流布堂乱子と名前が合わない。
一体何がどうなって。という算段で、味方に麻酔銃を撃ち込まれ。
異能暴走者用の特殊車両に搬送され、担がれていく姿はやがて学園内の噂となるだろうか。
ご案内:「風紀委員会・収容施設」から平岡ユキヱさんが去りました。<補足:【乱入歓迎】165cm/54kg、金髪ツーサイドアップ、黒い対呪プロテクタ、強化風紀制服(特別攻撃課挺身隊仕様・赤)、刃体加速装置(コード付き試作品)>