2015/08/25 - 19:50~22:04 のログ
ご案内:「カジノ「蓬莱」」に佐伯貴子さんが現れました。<補足:風紀委員の制服>
佐伯貴子 > (バーカウンターで賑わうカジノを眺めている)
(風紀委員は定期的にここを覗くが、別に違反として取り締まるわけではない)
(ただ見ているだけである)
(風紀委員としては目をつけているという事実にもなるし)
(カジノ側にはトラブルを抑止するというメリットが有る)
(だからそれなりに意味はあるのだ)

佐伯貴子 > どうなるんだろうなあ…
(とりあえず暇なので、ライチカクテルを飲みながら自分のこれからでも考える)
(もちろんノンアルコールである)
ライガ…
(プライベートでもっとも問題なのは彼である)
(恋人を作れと言ったら明らかに口説いてきた)
(これは、謙遜しても明らかに好意と受け取っていいだろう)
しかし…
(そのまま流れで付き合ってしまってもいいものだろうか)

佐伯貴子 > (彼が何を調べているのかしらないし、彼も自分の過去を知らない)
(それなりの付き合いでお互い信頼は得ているが、恋愛につながるかというと直結しない)
(好いてくれるのは当然嬉しいが、決め手にかけるのだ)
(非処女だからといって手のひらを返すような男ではないだろう)
(しかし、自分は殺人という前科がある)
(そこまで受け入れてくれるだろうか)
(隠したまま付き合えるほど自分は器用ではない)
…ふう。
「ため息をつくと幸運が逃げますよ」
(バーテンダーが声をかけてくる)
(ため息ではなく深呼吸だったのだが)

佐伯貴子 > (経験豊富そうなライガに恋愛経験ゼロの自分で相手が務まるのかも謎である)
(夜の経験はともかく、デートなどしたこともない)
(何を着ていけばいいかわからないし、何を話せばいいかもわからない)
(自分はこのまま理解のある男性といつかは結婚するのだろうなと夢見てはいたが)
(理解の有りそうな男性が急に出てきたのは予想外であった)
(結婚はともかく)
うーん…
(一度ごまかしてしまった以上、その気がないと思われているかもしれない)
(そうすればチャンスは二度と来ないだろう)
(だからこの考えは杞憂かもしれない)

佐伯貴子 > (どちらにしろ、自分がその気になったならまた直球で行くしかないだろう)
(そんなことを考えている自分はもうその気になっているのではないか)
(そんなことも思い浮かぶ)
…おかわり。
(カクテルを飲み干してしまった)
(ちびちび飲んでいたはずなのに結構考え込んでいたようだ)
(カジノは平和な喧騒に包まれている)

ご案内:「カジノ「蓬莱」」に奥野晴明 銀貨さんが現れました。<補足:《軍勢》を操る物憂げな少年。夏の制服姿>
奥野晴明 銀貨 > おかわりの声に少し離れた位置にいたバーテンからしゃーっと机の上を滑るように新たなカクテルのグラスが貴子の手元へと届けられる。

「あちらのお客様からです」

バーテンが手で指し示す方向にカウンター席に一人座っている学生が一人。
男子制服を着ていることでかろうじて男子だろうことがわかる。
ミルクティー色の髪に憂いを帯びた紫の瞳、ちらりと貴子に視線を向けると薄く、整いすぎた微笑を浮かべる。

佐伯貴子 > (びっくりしたあと)
…ぷっ。
(思わず吹き出して腹を抑える)
(こんな絵に描いたような出会いは映画の中だけだと思っていた)
(世界は広い)
こんなところで風紀委員に奢るとは奇妙な趣味をしているな。
私は2年の佐伯貴子。
君は?
(カクテルを受け取りながら、聞こえるだろう大きさの声で話しかける)

奥野晴明 銀貨 > 自分の分のノンアルコールカクテル――『シャーリー・テンプル』のグラスのふちを指でなぞりながら貴子が吹き出すさまをしげしげと眺める。
目を細めて、彼女の言葉を聞くとゆっくりと返事した。

「銀貨と申します。奥野晴明 銀貨。3年の。
 いえ、ずいぶんお綺麗な方がカクテルを片手になにやらお悩みでしたのでつい自分でよければ
 なんて思って声をかけてしまいました。
 よろしければお隣の席をどうぞ、僕でよければお付き合いしますよ」

陶磁器の人形のように精巧につくられた笑みとともにそう呼びかける。
きざったらしいと一蹴されてしまいそうでもあるが。

佐伯貴子 > (本当にモテ期が来ているのかもしれない)
(などと疑ってしまう出会いである)
奥野晴明先輩、ですね。
綺麗だなんて…いえ、お褒めの言葉ありがたく。
では、失礼して…
(グラスを持って相手の隣りに座る)
ここではよく遊ばれるんですか?
(歓楽街よりはハードルが高いであろう)
(しかし相手の雰囲気には似合っているような気もする)

奥野晴明 銀貨 > 彼女が自分の傍らに座ればすいと前を向く。

「事実ですから、どうぞ謙遜なさらずに。
 それに女性は褒められることでさらに美しくなるそうですよ。

 ええまぁ、ふらふらとそのあたりを出歩く趣味があるんです。
 こういった出会いを求めてね。

 それで、どうして溜息などつかれていたのか伺ってもよろしいですか?
 きれいなあなたに憂いは似合いませんよ」

歯の浮くようなセリフをすらすらと述べる。
バーテンが気を聞かせてチーズの盛り合わせをそっと二人の間に置いた。

佐伯貴子 > それはそれは…
(ぎこちない微笑みを返す)
(褒められるのには慣れていない)
(対して相手は褒め慣れているようだ)
その気持ちは分からないでもないです。
ここは比較的治安も良いですしね。
ため息ではないのですが…
(少し考えたあと、話してしまうことにする)
(こういう手合は言いふらすということをしない)
ある男性に口説かれたようなのですが、ごまかしてしまったんです。
それで、自分は彼のことが好きなのかどうか、自分に問いかけていたところです。
(いつもの真顔である)

奥野晴明 銀貨 > ぎこちなさそうに笑う貴子にくすりと笑む。
初心なのだろうか、きっとこういった褒め言葉には免疫がないのであろう。

「そう、きっと風紀の皆さんが守ってくださっているから
 ここの治安も保たれてこうして呑気に羽を伸ばして女性と会話ができるのです。
 よい場所ですね、息抜きには最適だ」

彼女の言葉に耳を静かに傾ける。
ふむと口元に指を当てて納得するとそっと返事をする。

「ごまかしてしまったのは恥ずかしかったからですか?
 それとも相手をそういう対象として見れなかったとか?

 あなたは自分を制することに長けていらっしゃるのですね。
 こういった問題は一番自分の気持ちを問うことが近道ですから」

佐伯貴子 > 私は制服を着て歩いているだけです。
戦闘能力はないので…褒めるなら私の同僚たちを褒めて下さい。
(そう、自分は下っ端も下っ端、事務仕事メインの大したことのない存在なのである)
(皆さんというからには自分以外も入っているのだろうが、一応言葉にする)
…それがどちらとはいえないというか…
恥ずかしいのが先に立ってしまって。
そういう対象として見れるかどうか、考えていたところです。
(自分の気持を振り返りながら言葉にする)
自分を制する?
そんな特技は持っていないのです。
ただ、これしか方法がないと思っただけです。
(そして、カクテルを一口飲む)

奥野晴明 銀貨 > 「そうでしょうか?はたして戦闘能力があることだけが治安の維持につながるのかどうか。
 確かに同僚の方々の努力もありますけれど、あなたの制服も立派な抑止力として貢献しているのではありませんか。
 なにより風紀として身をなげうっていること自体褒められるべきことですよ」

目立つということは自分に攻撃を引き寄せるということですから、
そうそっと言い添える。

「……その男性のことはよくご存じなのでしょうか。
 普段から親しかったり、付き合いがあったりなど。
 一時の感情で恥ずかしさにごまかしてしまうのはよくあることですから
 気になさらないのがよいでしょう。
 なにより落ち着いて自分の気持ちをきちんと考えることが相手にも自分にも誠実なやり方ですよ。

 でも流れで返事をしたりはしなかったのでしょう?
 落ち着いて考え直す冷静さを持っている。それはとても素晴らしいことだと僕は思いますけれどね」

ちがいますか?というように首をかすかに傾けた。

佐伯貴子 > そ、そうですか…
(正論である)
(そのために自分は今ここにいるのだから)
(正論で褒められると余計どうしていいのかわからない)
ありがとうございます…
(一応頭を下げる)

親しい方だと思いますが、お互いをよく知りません。
そこから始めようとは思いますが…
(そして、相手と初対面だったことを思い出す)
(案外詐欺師なのかもしれないな、とも思ったが、こんな恋愛相談などなんの得にもならない)
(普通にいい人なのだろう)
ええ、流れを変えたというか…相手の気持をフイにしてしまったのかもしれないとは思いますが…
恋愛には疎いですが、頭より心…勢いで付き合ったほうがうまくいく場合もあると聞きます。
必ずしも正解を選んだとはいえないと思うのです…
(難しい問題である)

奥野晴明 銀貨 > 恐縮する相手を面白そうに眺め、一口自分もカクテルをあおる。

「お気になさらずに、人を褒めるのが趣味なだけですから」

さらりとそう言ってのける。

「親しいのならば、もっとよく相手を知りたいと思うことはありますか?
 今以上の親密さになってみたいという気持ちがわずかにでもあるのなら、焦ることはないと思います。
 ゆっくりと自分のことも相手のこともよく理解してから返事をしても決して遅くはありませんよ。

 誰でも初めてはあります。恋愛だって同じです。
 たとえうまくいかずとも人との付き合いの形の一つとして学ぶことは多いでしょう。
 もしも考えに行き詰ったときは、あえて自分の心のままに行動してみるのも悪くはないでしょう。
 この手の問題は、きっとこれといった正解が一つだけあるわけではありませんし、
 それそれにいくつか違った形で正解があるものでしょうから」

ああ、そういえばとわざとらしく声を上げる。

「僕もこんなことを言っていますが、恋愛事情には疎いものです。
 こんな男女わかりづらいなりですからね、対象にされ難い。

 だから今もあなたの話を興味津々に伺っているのです。
 ”恋とはどんなものかしら”と。」

くすくすとそっと口元に掌を寄せて内緒話を打ち明ける子供のように言う。

佐伯貴子 > それは…良い意味で良い趣味だと思います。
(褒められて嫌な人間はいない)
(自分も困ったり混乱したりするがそれはきっと嬉しいからである)

ええ、もっと相手を知りたいし、知ってもらいたいという気持ちもあります。
相手の気持ちが許せば、時間をかけたいと思っています。

できれば…正解を選びたいとは思っています。
失敗からも学ぶことが多いというのは、体験していますが。
(カクテルを一口)
(喉の乾くペースが早い)
(緊張しているのだろうか)

いえ、奥野晴明先輩も魅力的な方だと思いますよ。
たとえ興味本位だとしても、真剣に相談に乗ってくださるのですから。
(微笑みながら言う)

奥野晴明 銀貨 > 「佐伯さんこそ褒めるのがお上手ですね」

けしていやな顔をせずよい趣味だと言われれば穏やかな顔をする。

「……お優しいのですね、佐伯さんは。
 なるべく相手のことを慮って失敗をしないよう慎重に選択している。
 だからこそ自分を制することに長けているといいました。
 どうやらその見立ては正しかったようです

 僕が相談を受けるまでもありませんでしたね。じっくり考えればあなたはおのずと正解を出せる人ですよ。保証します」

もう一杯飲みますか?と速いペースで空になってゆく貴子のカクテルを見て問う。

「どうでしょう、土足で他人の領域を興味本位に荒らしまわっているならば、品のないやつでしょう。
 そういう、野次馬的なところやどっちつかずなところがよく怖がられますから。

 魅力的なんておっしゃってくださるのは佐伯さんが初めてかもしれません」

少し冗談めかしてそう告げる。

佐伯貴子 > いえいえ…
(皮肉にも取られかねない発言であった)
(しかしそれでも言葉にしたのは相手がそう受け取ると思ったからである)
(もし相手が本心で言っているのだとしたら、自分のコミュニケーション能力も多少は上がったのかもしれない)

優しいとは…なかなか言われないことです。
確かに相手を思いやろうとは心がけているのですが、うまくいかないことが多くて。
先輩に保証されるとなんだか自信が出てきます。
(微笑む)
(カクテルは、もう結構、と手のひらで示す)
(それほど長居する予定ではない)

先輩は無理やり聞き出したわけではないでしょう。
私が勝手に相談を持ちかけたのです。
主導権はこちらにありました。
だから先輩は土足ではありませんし野次馬でもありません。
(会話術が上手いというのは確かにあった)
(しかし自分が本心を話すかどうかとは別問題でもあった)

そうですか?
謙遜に聞こえますよ?
(そこで初めて冗談めかしていった)

奥野晴明 銀貨 > 「よかれと思っていったこと、やったことが裏目にでる結果もよくありますよね。
 ただそれは佐伯さんだけの責任ではないかもしれません。
 相手の気持ちや時の流れ、運などほかの要因も絡めてうまくいかなかっただけかも。

 これからはきっとうまくいきますよ。少なくとも今相談した内容についてはその公算が高い。
 うまくいくように僕からも祈っておきます」

貴子の言葉にそれまで作ったような無機質めいた笑みが、一瞬だけ人間めいたそれに変化する。
嬉しそうだというのがかすかに伝わる変化だった。

「そうおっしゃってくださると僕こそ自信が出ますよ。
 ありがとう、佐伯さん。
 長くお引止めしては悪いですね、風紀のお仕事はおいそがしいのでしょう?
 また何か相談事があれば、ここか別の場所で伺いましょう。
 
 最近は風紀を狙った事件も多いそうですね。どうぞお気をつけて。
 あなたが傷ついてしまわれては好いてくださった男性も気落ちしてしまいます。」

相手に気を使わせないさりげなさで、カードでバーテンに支払いを済ませた後
それでは、と軽く挨拶をしてスツールから降りる。
カジノの喧騒にまぎれるようにその細く小さな姿が人ごみに紛れるとそれきり貴子の目では到底追い切れなくなって消えていった。

ご案内:「カジノ「蓬莱」」から奥野晴明 銀貨さんが去りました。<補足:《軍勢》を操る物憂げな少年。夏の制服姿>
佐伯貴子 > あ、ありがとうございました…!
(慌てて直立不動になり頭を下げて見送る)
(去り際も出会い方も完璧であった)
(全くこの島は初めて出会う人間が多い)

あ、カクテルをもう一杯…
(支払われてしまったので、追加で注文する)
(一応経費で落とさないと、飲み食いせずにここにいたのかと思われてしまう心配もあり)
(不要な心配であるが)
(難しいところであった)

…ゆっくり考えるのもいいんですけど、性に合わないんですよね。
(カクテルに口をつけながら去っていった相手に言う)
だから、もっとよく話し合って、よく知り合う方法を選びます。
そして、自分を大切にしようとも思います。
長くかかるかもしれないし、すぐに決着するかもしれません。
でも方向性は見えてきました。
ありがとうございました。
(聞いているのはバーテンダーだけ)
(そして規定の時間までしばらくそこにいると、領収書を切ってもらい報告を入れ女子寮に戻るのであった)

ご案内:「カジノ「蓬莱」」から佐伯貴子さんが去りました。<補足:風紀委員の制服>