2015/08/20 - 21:09~01:54 のログ
ご案内:「保健室」におこんさんが現れました。<補足:ゆかたフォックス!>
おこん > ふーむ、こんなもんかのう。 しかして、もう少し裾を短くして太ももを見せるほうが…ウーム…
(保健室は、いわばおこんのもう一つの巣である。
 といっても、設備事態は保険医や養護教諭のものであるから、
 居候みたいなものだ。 大きな鏡の前で、浴衣姿を見ながら
 くるくる回る。 夏といえば夏祭りであるし、夏祭りであるといえば浴衣だ。
 墨色に赤いラインが入った、どことなくサイバーな色合いの浴衣が、
 自分にマッチしているかを観察中である。)

まあこんなもんでよかろう、後は誰かにきいてみるかのう。
(良いも悪いも、見るのは他人だ。結局考えるのが面倒になって、
 いつも清潔なベッドにひょいと腰掛ける。足をぶらぶらさせながら、
 なにをするでもなく窓から外を見やった。)

ご案内:「保健室」にヨキさんが現れました。<補足:人型。黒髪金目。197cm、拘束衣めいた袖なしの長衣、ロンググローブ、ハイヒールサンダル>
ヨキ > (職員室で一仕事終えて、こきこきと首を鳴らしながら入ってくる。
 手にしたやかんには『保健室』と書かれていて、どうやら麦茶の煮出しに拝借したものらしい)

「――おや、おこん」

(窓際にコミュニケーション学の教師の姿を見つけ、その名を呼ぶ。
 普段と趣を異にする浴衣姿に、ほう、と笑って)

「さすがに似合うではないか。蓋盛と夏祭りへでも?」

おこん > お、ヨッキ。 そうじゃろー。 夏祭りっちゅたら浴衣じゃろうしなー。
特にこの赤い線がかっこいいじゃろ。ふぉとんぶらっどというらしいぞ。
この夏の流行なんじゃと店員が言うておった。
(おう!って手を上げてヨッキにご挨拶。相変わらずでかい。
 夏祭りと言われるとウームと唸って。)

しづきも忙しいかもしれんしのう。 そらーあやつのことじゃから、
ワシが誘えば喜んでついてきてくれるとは思うが…。

花火より熱い愛で火傷したワシの心を、夏祭りで癒してくれないか?
とか言えば来てくれるかのう。 たぶん記憶ごと火傷ぶっ飛ばされて終わりじゃな。
(なんだかんだでしづき先生も忙しいのである。 居候的な立場であるからして、
 部屋の主に一緒に夏祭りに行こうとか言いづらいところもある。
 若干散歩に連れてってほしがる犬みたいでもある。
 尻尾をゆらゆらと動かしながら、ベッドから降りて冷蔵庫の方へ。)

ヨッキ、なんか飲むかのう。 あるいは氷いるか?せっかく麦茶持っとるし。
(ぱかっと冷蔵庫を開けるとひんやり気持ちいい。 でも開けっ放しにしたら、
 中のものがぬるくなる。 ジレンマだ。)

ヨキ > 「ふぉとんぶらっど……」

(それが何たるかはよく判らなかったが、ゲーマー心が擽られるネーミングではある。
 自分からすると、おこんの背はあまりに小さい。
 中腰になりながら、しげしげと浴衣の仕立て具合を見遣りながら)

「火傷するほどの愛にまみれるような、熱い夏を過ごしたのかね?羨ましいことだな。
 蓋盛ならば、さぞ丁寧に薬を塗ったくってくれることであろう」

(笑いながら、おこんの後から冷蔵庫へ向かう。
 机の上にやかんを置くと、半分ほど残った茶がたぽんと鳴った)

「氷でも足すか……。君も飲むだろ?
 ……あとはこれ、やかんの礼に買ったんだが」

(荷物をごそごそと漁る。
 バニラアイスをチョコレートで覆ったアイスバーの箱を取り出して、私物のように冷凍庫へ押し込む)

「君も食うといい」

おこん > それがのう、案外忙しいとしづきといちゃいちゃする時間も無くてのう。
あ、でもアレじゃぞ、この前はちっちゃいしづきを堪能したぞ。
子供にしてやったのじゃ。 ちっこくてお人形さんみたいで可愛かったんじゃぞ。
舌足らずでのー、ワシのことを「せんせぇ」って呼んでくれるんじゃぞー。
(すごいぞ、ってヨッキにアピールしたい。 ちっちゃいしづきの可愛さを
 見せられないのが残念である。 とりあえず、氷が入った袋を取り出して、
 後ろに控えるヨッキに渡す。 ヨッキが突っ込んだアイスバーを見てから、
 振り返ってヨッキを見る。 その瞳はキラキラと光にあふれていた。)

ヨッキ…いいのか、これ食べてもよいのか!
(安易に食べ物につられて発生する大好きオーラを溢れさせる。
 9本の尻尾が千切れんばかりに動いた。)

ヨキ > 「小さい蓋盛……」

(視線を上へやって想像する。小さな頭に、大きなトカゲのヘアピン……)

「……なるほど、確かに可愛げはありそうだ。だが彼女とて、二十歳そこそこだろう?
 つい最近まで、子どもだったようなものではないか。人間はよくも成長が早いな」

(受け取った袋から、氷をばらりとやかんに流し込む。
 中身がほどよく冷えたところで、備品のコップに注ぎ、おこんへ差し出す。
 自分用にもう一杯を注ぎながら、目を輝かせるおこんににやりと笑って)

「どうぞ、お好きに。
 何本でも食べて構わんが、蓋盛の分も取っといてやれよ。
 ……そうして見ると、君も随分と娘のようではないかね」

(回転椅子に腰掛けて、くすくす笑いながら麦茶で喉を潤す)

おこん > そうじゃぞ、小さいしづきじゃぞ、ワシぐらい小さい。
そんで、代わりにワシがおっきくなってやった。しづきぐらい。
楽しかったのう。またやってやりたいのう。

ふーむ、人はどうしても寿命が短いからのう… すぐ大きくなるでな。
(そしてすぐ老いる。 小さく呟きながら、コップに手をやる。
 ひんやり冷たい麦茶を一口飲んでから、冷凍庫にアイスをしまって。)

そうじゃなー。しづき、あいす食べるかのう。 とりあえずあいすは後じゃな。
そんな風に言われると照れるのう。 褒めてもワシの好意ぐらいしか出んぞー?
(ヨッキ先生の言葉に、自分の頬に手を当ててもじもじ。
 恥ずかしい、って身体でアピールして見せて。)

ヨキ > 「……小さい蓋盛に、大きい君? ふはッ、面妖な。君の妖術か何かかね。
 ヨキはこの上背のほかに姿を知らぬから……違った視界はまた楽しかろうな。

 全くだ、人は油断しているとすぐに老いさらばえる。
 君も蓋盛が元気なうちに、存分に過ごしておくことだ」

(おこんがアイスを仕舞いこむ様子には、何だ、と笑って)

「食わんのかね?
 まったく遠慮深いか、よほど蓋盛を気に入っているか……言わずもがな、後者か。

 何だ。君からの好意が貰えるならば、ヨキはいくらでも褒めてやるぞ。
 蓋盛にばかり君の心が取られていては、ヨキも寂しいでな」

(おこんが遠慮したアイスの箱を取り出すと、迷わず開封して中身の一本を取り出す。
 そら、と、おこんへ渡してやる)

おこん > そうじゃぞー。 ”時繰りの車輪”じゃ。 くるくる回すだけで、そのものの時が前後する。
ワシがこの前禁書保管庫から引っ張りだしてきた魔術書で作ったんじゃ。
あんまり乱用するわけにもいかんがのー。ヨッキはでかいから、
一度小さくなってみたらさぞ新鮮じゃろうな。ついでに雌になってみるとかのう。
言われずとも、しづきともっと仲良くするわい!
(ワハハ!って明るく笑って、ヨッキの言葉に頷いた。
 ぐいーっと麦茶をあおって、ぶるりと冷たさに身震いする。)

そう見えるかのう? まあ麦茶があるから、あいすはあとででも良いかと思ったんじゃ。
まあそれはそれとして、ヨッキはまったくもって迂遠な手段をとらぬのう。
なんじゃ、ワシのこと好きかー。 それなら、ほれほれ!
(両手を広げて、ハグするぞの構え。 ヨッキが来てくれれば、
 小さな身体で抱きつくこと間違いなし。 だけどアイスが来たので、
 ハグの構えはアイスを食べる構えに変化した。 
 渡してもらったアイスを容赦なくもぐもぐやり始める。)

ヨキ > 「禁書庫から…… ……君、本当に妖狐だったんだな」

(初めて知った、とばかりに、半眼になっておこんを見る。
 半ば疑わしげな視線だった)

「はは、小さくなる上に、雌になるとは勘弁してくれ。
 ヨキは今のこの姿に不満がないでな。ろくすっぽ授業が侭ならなくなってしまう」

(手を広げたおこんに歩み寄る。
 アイスに食らいつくおこんの小さな身体を、否応なしにひょいと抱き上げる)

「迂遠は好かんよ。もどかしいは嫌いでな。
 直截が嫌われたならば、それまでだ」

(左腕で子どもを抱えるような格好。その視界は、ヨキの頭を頭ひとつ分超えるほどの高さがある。
 右手で麦茶を一口ぐびりとやると、コップを机に置いて)

「ほれ。大人の姿になったとて、ここまで高くはなかったであろうが?」

おこん > そうじゃぞ。 ワシのことなんだと思っとったんじゃ。 もしやあれか?
自分のことを妖狐だと思い込んでおるただの狐娘とかか…?
あまり皆にそう思われるようなら、ワシ、もしかしてそうかもしれん…
(案外心は弱い。 もしかしてって考えたりもするけれど、首を横に振った。
 ヨッキの視線だって効かない! ちゃんと妖狐です!)

こういうのは不満があるないではない。時に変わった視線で物を見るのも一興ということよ。
お、ヨッキ、わしと抱擁するか。よいぞよいぞ。 おっ、おおーっ?
(アイスをかじっている最中、ひょいと持ちあげられる。
 目を丸くしている間に、左腕でひょいと抱えられた。
 なるほど、これは視点が高くて面白い。)

ふむ、これは絶景というヤツじゃのう!この高さで食べるアイスもまたうまい!
(ふすふすと興奮に鼻息を荒くしながら、すごいぞヨッキ!ってほめたりしたい。)

ヨキ > 「狐が娘に化けるだけでも随分と化生の類だと思うが……
 いや、まさか時間を操るほどの腕があるとは思わなんだ」

(おこんの背後で揺れる尻尾を見下ろす。
 抱き上げた高さに興奮するおこんの顔を見上げて、満足げに笑む)

「君が高所恐怖症でなければよいが。
 ヨキは犬から人に変じて間もない生き物であるから、視線の高さを変える気はまだ無いが……

 立場は変えてみせよう。
 ふふ。このヨキは、今ひとたび君の忠犬ぞ。大いに褒めるがいい」

(窓辺へ寄って、一際高い位置からの校庭をおこんへ見せる。
 楽しげに笑いながらおこんを抱く手つきは、いかにも幼子をあやすときのそれだ。
 同じ獣の匂いに惹かれたように、すんと小さく鼻を鳴らした)

おこん > なに、ワシが行えるのは限定的じゃ、少し遊ぶのに使える程度よ。
まあ、昔は…つまり全力状態のワシは、それくらい容易かったんじゃぞ。
指さした相手の時をねじ曲げ、この世に存在しないようにしてやるくらいのこともできたんじゃがのー。
(尻尾を振り振りしながら昔語り。 最も、その事実を覚えている人がいないから、
 おこんの昔はスゴかったアピールは概ね冗談か話を盛ってると思われているのだが。)

なに、高所恐怖症なことなどあるものか! 眺めが良くて気分がよいわい。
ほほう、忠実な右腕たるヨッキはワシを楽しませてくれるのじゃな!
うむ、じつに見晴らしも良いし楽しいことじゃのう!
(きゃあきゃあとごきげんな感じに声を上げる。
 すっかり子供らしくあやされていることに気づいたりしていない。
 だって楽しいんだもの。)

ヨキ > 「……ふうん?」

(大言壮語のようなおこんの言葉に、しかしぴくりと眉を動かして反応する)

「昔の君は、もっとスゴかったのか。
 何故そういったことが出来なくなってしまったんだね?
 ……ヨキに聞かせてくれんか、君の昔の話」

(おこんを抱いた格好で、戯れにくるりと一回り。
 相手に忠誠を誓う様に似て、おこんの肩口に鼻先を寄せる)

「君の望みとあらば何でも。
 このまま君を一晩高みに置くも、丈夫な椅子になるも、君の命ずるままに。

 君の朗らかさは、なかなかに侮られることも多いと聞くから。
 ヨキにとっては、君は優雅なご婦人よ。次は何がお望みで?」

おこん > ふむ、そうじゃな…まあ話したところで信じる信じないは自由じゃから、よいじゃろう。
ヨッキには話しておらんかったのー。 んふん…なるほどなるほど、しからばそうじゃな…
(ヨッキがくるりと回ってくれたり、囁くように自分に告げたりしてくれるのが嬉し恥ずかしい。そうじゃ、とポンと手を叩いて。)

そうじゃの、ではヨッキよ…おぬしの膝を貸してくれぬか。
おぬしの膝の上に収まれば、少しは昔のことも喋りやすかろう。
それからー、頭を撫でてくれんかの。 こう見えても甘えたがりでのう。
(なんだか色々聞き入れてくれそうなヨッキにおねだり。
 普通に言ったら恥ずかしいのだけれど、どこか芝居がかった言葉を聞いて、
 これなら大丈夫だろう、みたいな安堵感。)

ヨキ > 「信じないことなどあるかね。
 君は獣で、妖かしで、カミサマのような力を持っていたのではないかね?
 ――ならば、ヨキと同じだ」

(平然と言ってのける。
 膝を、と求められれば、穏やかににこりと笑ってみせて)

「……良いとも。何でも。
 甘えたいと思っている相手には、心ゆくまで甘えてもらう」

(両腕でおこんの身体を抱え直し、奥のベッドへ向かう。
 徐にその上へ腰を降ろすと、すっぽりと収まりそうに小さなおこんを膝に乗せる。
 右腕がおこんの身体を支え、左手の大きな手のひらがゆったりとおこんの頭を撫でる。

 密やかに低めた声が、君は温かいな、と囁く)

おこん > そうか、ヨッキもそうじゃったのう。 …まあ、人の世で暮らせるからにはそれぐらいでよいのかもしれん。
(人から離れすぎた力なんて、人を遠ざけるだけなのだ。
 なんとなくそんなことを思いながらお返事。 膝の上にちょこんと載せてもらって、
 さらに大きな手がやさしく頭を撫でてくれる。 極楽である。)

うむ、じつによい… なに、語れば長いことながら、聞けば短い物語よ。
ワシも昔は色々悪さをしておった。まさに妖狐というやつじゃ。
女を喰らい、男を喰らい、国を傾ける。 人をたぶらかして戦端を開いてみたり、
人を野心に狂わせてみたり… まあ色々しておった。

ところがどっこいしょじゃ。 結局ワシは目立ちすぎた。
ある陰陽師がワシのことをうまく嵌めおってな、
力のほとんどを奪い尽くして封印したのよ。 38万きろも彼方の、
お主もよく知っておる月にな。 かくして悪い狐は改心して、
人のために働くようになったというわけなのじゃ。

なに、大して面白い話ではあるまい?
(ぐっと反るようにして、下からヨッキの顔を見上げる。
 9本の尻尾はするすると動いて、お礼と言わんばかりに
 自分を撫でてくれるヨッキの身体に優しく触れる。)

ヨキ > (恋人のように身を寄せて、おこんの話にじっと聞き入る。
 軽妙な語り口に目を伏せて、染み入るように)

「………………、」

(身を反らしてこちらを向くおこんの顔を見る。
 問われて小さく首を振り、笑い返す)

「いや。面白くはあった。
 ヨキにとって大事なのは、君がその境遇に納得しているかどうかさ。
 その悪さこそが君の本分であったのなら……ヨキはそちらのおこんを支持するさ。
 望んで心を改めたのならば、ヨキは今のおこんを大事にするとも」

(低い声で、ぽつぽつと言葉を紡ぐ。

 やがて、己が身体へ触れるおこんの手を取る。
 その手を左の脇腹へ導いて――ここ、と示す。
 コルセットで女めいて固く絞った腰元を、ぽんと叩く)

「……ヨキの悪さは、ここに報いを受けたよ。

 ぴかぴかの、聖なる錫杖だった。
 あの金色が、腹の傷からヨキを蝕んだ。そうしてヨキは獣のくせ、金属と共に生きることになった」

おこん > 結局のところ、ワシはどこかで悪いことをしていたという気持ちもあったのであろうな。
そうでなければ…こうして、人と人ならざる者の間を取り持ったりなどしないであろう。
じゃから、今は幸せなのじゃぞ。 ヨッキのお膝の上で、
こうして頭を撫でてもらえておるしのう。
(ご満悦の表情。あくまでも自分の話をきちんと聞いてくれるヨッキに、
 狐耳をぴくぴく動かした。)

ふむ…? おお、おお、これか。 これもずいぶんとまあ…
(ヨッキのコルセット部分に、小さな手が触れる。ぺたぺたと、
 それを確かめるように、かつ相手に痛みを与えないように動かして、
 なるほどと小さく頷いた。)

人の世である以上、金行は最早珍しいものではないからのう。
もちろん、獣であるから金と触れてはならぬということもあるまい。
おぬしは、そうじゃな…よく生きておるよ。 無駄なところがない。
なんというか…魂はまだ獣であるかのようじゃなー。
(ワシとは違うのー、とつぶやいてから、
 緩みきった感じで、身体を預ける。 大きくて広くて心地よい。)

ヨキ > 「それなら、良かった」

(短く答えて、ゆったりと笑う)

「永く生きれば生きただけ、山師のように思われてしまう向きもあろう。
 聞く側の寿命が短ければ短いだけ、妖かしの生は手に余るであろうから。

 ……ヨキは信じるとも。
 たとえ真実だろうと、嘘だろうと、君がこのヨキに向けて語ってくれる、すべてのことを」

(衣服越しにぺたぺたとおこんの手が触れる。
 布地に覆い固められた傷口は、その形さえ察せられなかったが。
 痛がる素振りを見せるでもなく、じっとおこんの顔を見ている)

「痛みはしないさ。薬でべたべたに固めてあるから。
 ……ヨキの居た世界では、斧(よき)――鉄の刃はまさしくヒトの象徴だった。

 ヨキは人間であるつもりだが、人間にはなり切れんよ。
 それでいて人間を知りすぎた。もう獣に戻ることも出来ん」

(自分に身を預けるおこんごと、ごろりとベッドの上に転がる。
 おこんの身体をゆっくりと引き倒し、痩せながらに硬い胸の上へ抱き止める。
 さながら気を許した犬のように)

「君こそ、人と獣の間を行き来したくなることはないか。
 こうして相反するものたちのあわいに立っているのは、楽だ」

おこん > そうじゃな。人間からしてみれば、ワシらなんてそういうものかもしれん。
いずれにせよ、ワシらと人間は、たしかに外面こそ似ておるが、
存在としてはまるで違うものじゃからのう。 故に…触れ合いたくなるということよな。
んふふ…ワシは狐じゃぞ。 ウソをつくもつかぬも自由自在じゃ。
(ヨッキの身体をぺたぺた触理ながら小さく笑う。身体を預けるようにして、
 彼の言葉にぴくぴくと狐耳を動かした。)

ならば、そういう存在なのであろうよ。 人でも獣でもない…という言い方ではのうて、
新たななにかなのじゃ。 世界は人間のものでなくなった以上、
ワシらのようなものはいくらでも生まれるであろう。 亜神、獣人、その他諸々…
(ごろーんと二人で横になるけれど、まるで親子のようだ。
 大人しく抱きとめられたまま、ゆっくりとした調子でしゃべり続ける。)

ワシは”化け狐”じゃからのう。 ただの狐が成ったのではない…
もとから化け狐なのじゃ。 もちろん、人と獣の間にあると言われればそうじゃが…
それ以上に、妖怪であるということじゃのう。 しかしなんだか難しい話じゃ。
ヨッキ、なんか気が軽くなるような事を話してくれぬか。
(もぞもぞと体勢を変えて、相手と向き合う形で抱きつく。
 相手を見ながら、尻尾で軽く相手の身体を叩いて。)

ヨキ > 「妖かしを知り、人間をも知った君こそが、きっと教職には相応しい。
 ……ヨキは『とっても素直な』犬であるから、ころりと騙されてしまうよ。
 君はそうして笑っているといい。この駄犬がまた欺かれていると……気楽にな」

(抱いたおこんの腹を、尻尾を、背中を、ぽんぽんと柔く叩いて撫でる)

「妖怪、ね。
 ……かつてヨキの元に在った女たちが、そういった妖かしたちの話をよく語ってくれた。
 ヨキにとっては、ついぞ遠い遠い存在だとばかり思っていたが……

 この日の本は、よほど妖怪と親しいらしいな。
 こんな風に間近で触れ合えるとは、思っていなかった」

(うねる黒髪を枕元へ波紋のように広げた寝姿で、心地良さそうにおこんを見上げる。
 吐息を零して軽く笑う)

「気が軽くなるような話?……あはッ。
 それなら、次にこの保健室に入ってきた人をどう驚かすか、なんて悪巧みなどしてみるか」

おこん > そう言われるとうれしいのう。 全く、ヨッキは変なやつじゃな。
お主のようなやつはな、騙しても楽しくないのじゃ。 
騙された!と思ってくれんヤツを騙しても、肩透かしを食らうだけでのう。
それに、こうして優しくしてくれる相手をどうして騙せると思う?
(お腹やら背中やらを優しく叩いてもらうのが心地よい。目を細めながら、
 相手の言葉に小さな笑い声を上げて。)

この国は八百万も神がおると言われておるでのう。そんだけ神がおるなら、
神もどきや妖怪ももっとおるであろうということじゃな。
なるほどなるほど、次に入ってきたやつをどう驚かせるか、か…
それはよい考えじゃな。 ふーむ、それなら…そうじゃな。
まずヨッキがそうやって寝ておるじゃろ。ワシはベッドの下に隠れる。
そしてかーてんを使って、お主の姿を隠しておく。
誰かが入ってきたら、ワシがその人に助けを呼ぶのじゃ。
そしたら、なにかと思ってその人はかーてんをめくるじゃろう。
そしたらおっきなヨッキがおるわけじゃ。 これは中々面白いのではないか?
(どうかのう、と尋ねながら、相手の身体にぐりぐりと鼻先を押し付けてじゃれつく。)

ヨキ > 「ヨキが変に見えるか?ふふ。それはきっと、君が優しい狐に心変わりしたからだ。
 それでも構わずヨキを騙し、利用して、思うさま悪事に利用するような――

 ……君がそういう悪党じゃあなくて、良かった」

(安心したように笑い返す。
 おこんの『悪巧み』に、悪戯めかした幼い友人のように肩を揺らして)

「ははは。カーテンを開けたらヨキが居て……さあ、どうしてやろうかな。
 頭からがぶりと行ってやろうか。

 だが君は、みんなのアイドルのようなものだから。
 カーテンを開けた人が君でなくヨキを見たら、びっくりどころかガッカリしてしまうかも。
 ……ほら、蓋盛とか」

(天井を見遣って、蓋盛と鉢合わせた場面を想像する。
 眉を下げて笑いながら、四本指の足でベルト付きのサンダルを器用に脱ぐ。

 おこんを抱いたままベッドの上でごろりと寝返りを打ち、枕元に二人して並ぶ。
 横向きの姿勢で、隣同士顔を並べた視界は、直立とも抱っこともまた異なる)

「やはりこの背丈の差なら、逆になった方がいっそ驚くやも知れんなあ」

おこん > ばかめ、ワシはもう悪い悪党ではないぞ。 例え昔の力が今戻ってきたとしても…
周りの人間を楽しくすることに使うであろうな。 まあ肉欲とかかもしれんが…
(んふん、と小さく笑いながら、ヨッキと一緒にころころと笑って。)

なに、ワシがあいどるのようなものか。舞台で踊っても歌ってもおらぬぞ。
がっかりはするまい、きっとよく驚く! しづきなんて、きっと唖然とするかもしれぬ。
なにせワシの声が聞こえたと思ったら、ヨッキが寝ておるんじゃぞ。
まず身長差にびっくりであろう。
(二人で枕元に横になりながら、イタズラの算段をするのは楽しい。
 相手の言葉にうんうん、と頷いて。)

ふーむ、逆というとどんな感じかのー。
ヨッキが隠れてて、ワシがベッドに寝ておるほうか。
(それもありじゃな、と楽しげに笑って。)

ヨキ > 「にくよく」

(おこんの言葉を反芻する)

「……ああ、いや。失敬。
 君から肉欲という言葉が出てくるとは思わなくて。
 君とて見た目どおりの子どもではないのだものな。

 もしや、力が戻れば色っぽい女性に変じたりするかね?
 大きな身体の君は、さぞや美人だろう」

(抱き枕のようにおこんへ身を寄せて、その髪の、肌の匂いを嗅ぐ。
 生やした耳や尻尾の毛皮の、獣の匂いを探すように。
 それでいて、語る口調のゆっくりとした穏やかさは変わらない)

「……君のことが大好きな、蓋盛のことであるからな。
 あの冷たい目で、おこん先生じゃなかったんですかァ、なんて言われてみろ。

 …………。君独りが笑えるやつになりそうだな……」

(想像して、苦笑い)

「逆というのは……ほれ。さっき君が言っていた。
 大きいおこんと、小さいヨキの出迎えるやつさ。
 蓋盛と遊んだときにも、余所へ見せては居なかったのだろ。
 それこそみんな、きっとたまげる」

おこん > にくよく。 そりゃーワシとて、しづきと交尾したり、生徒と交尾したりしとるでのー。
戻れば、じゃがな…秘密じゃぞ。 これ、あまり匂いをかぐでない。恥ずかしいではないか。
(優しくヨッキに抱きつきながら抗議。耳やら尻尾やらに、
 相手の鼻先が微かに振れるのがわかる。
 恥ずかしいからだめー、ってヨッキにお願いして。)

ふーむ、しづきならそうなるやもしれんのう…
やはりそれじゃな、それにしよう。 次はそれじゃ。
おっきいワシと小さいヨッキじゃぞ。うむ、これはよい。
(提案に何度も頷いた。 時繰りの車輪はまだ使える。
 イタズラにはぴったりだ。 そんなことを考えながら、
 ぎゅっとヨッキに抱きついた。)

さて、話し疲れてワシは少し眠くなってきてしもうた。
このまま眠っても良いかのう…お礼はまた今度、ということでな。
(自分のいうことを聞いてくれたお礼に何をしようか。
 たとえばえっちしたり、いっぱいご奉仕したりできるはず。
 そんなことを考えながら、うつらうつらし始める。)

ヨキ > 「…………君もか」

(変な匂いを嗅がされた犬のような顔。すぐに気を取り直して、)

「まあ、よい。君といい、蓋盛といい。
 校内の風紀を乱さん程度にしておけよ……。

 ……何。恥ずかしい?匂いを嗅がれるのが?はは。
 何だ、まだヨキとは『何も』していないからか。
 それとも匂いを嗅がれる程度のささやかな方が、むしろ恥ずかしいものなのか」

(相手の髪に鼻先を埋めたまま、理解の至らない顔でぼそぼそと呟く。
 望まない『待て』をさせられたように、残念がって顔を離す。
 それでもまだ、十分には近い位置)

「ふふ。『変わった視線で物を見るのも一興』、なのだろ。
 気に入ったからな。この頭でっかちなヨキに教えてくれたまえよ、君の持つ自由さを。

 ……眠ってゆくがいいさ、スッキリするまで。
 お礼などもう、こうして傍に居てくれるだけで十分だ。……」

(心地良さそうなおこんの顔につられて、自分の眼差しもまたとろりとし始める。
 犬のような息遣いで、欠伸をひとつ)

「……これこそ、戻ってきた蓋盛は驚くやも知れんなあ」

(裸足が衣擦れの音を立て、おこんに身を寄せる。
 長い腕でその小さな身体を包み込み、目を閉じる。

 普段から規則正しい息遣いが、やがて深みを増して――寝息に変わる)

ご案内:「保健室」からヨキさんが去りました。<補足:人型。黒髪金目。197cm、拘束衣めいた袖なしの長衣、ロンググローブ、ハイヒールサンダル>
おこん > んふふ…まあよいではないか。ワシはそうしないとダメなんじゃ。
精をすするのが生業でのう。 …ヨッキ、いじわるじゃな。
まあよい。そのうちおぬしもワシの毒牙にかけてやるでのう。
(相手の言葉にごにょごにょ反論。 だけれど、眠気のほうが
 じわじわとつよくなってくる。 ヨッキの言葉にこくんと頷いて、
 そのまま眠りの沼へと沈んでいった。)

ご案内:「保健室」からおこんさんが去りました。<補足:ゆかたフォックス!>