2015/08/27 - 14:08~18:18 のログ
ご案内:「TOKOYOアミューズメントセンター」に焔誼玖杜さんが現れました。<補足:秋物の長袖と長ズボンに赤いマフラーを巻いてリュックを背負い、キャスケットを被っている。人見知りゲーマー/乱入歓迎/ソロール了、後入り待ち放置>
焔誼玖杜 > 【TOKOYOアミューズメントセンター。
 ここのゲームコーナーで、今。珍しく、人だかりが出来ていた】

「…………」

『あぁっ! また負けたぁ~!』

【黙々とレバーを倒しボタンを叩く少女と、その対面の台にすわり悔しそうに悲鳴を上げる少年。
 そのうち少女の後ろには、その様子を見守るように数人が取り囲むように立っている。
 そんな中から一人が、立ち上がった少年と入れ替わるようにまた対面の台へと座った。
 少女はソレを、キャスケットとマフラーの隙間から、前髪の暖簾を通してこっそりと伺い、ぐったりと俯く。
 ――うう、まだ終わらないんだ……】

焔誼玖杜 >  
「…………」

『おい、次は俺の番だからな!』

【新たなチャレンジャーと対戦しつつ、そんな声が聞こえてくると、やはり重たいため息が出てしまう。
 こんなつもりじゃなかったのだ。軽く遊ぼうと思ってやってきて、台に着いて。
 その後偶々入ってきた相手が、運悪く負けず嫌いだっただけで。
 何度か対戦しているうちに、気がつけばこんな騒ぎになっていたのだ。
 とはいえ、元々客入りがそれほど多くは無い場所なだけ、まだ数人……何とか十人には届かない程度のギャラリーなのだが。

 そう、この少女、焔誼玖杜はゲーマーである。
 ただし、ゲームセンター限定の。

 家庭用ゲームは一切しない、アーケードに限ったゲーマーである。
 元々はプライズゲーム目当てに訪れていたゲームセンターだったが、いつからか他のゲームにも興味を持ち、気づけば大抵のゲームにおいてそれなりの実力を持つようになっていたのだ。
 これもまた、間違いなく才能なのだろうが……玖杜の性格上、注目を浴びてしまうこの状況は、非常に好ましくなかった。

 ――早く終わらないかなあ……。

 挑戦者がいなくなるか、玖杜が負けるか。
 手を抜いて負けてしまえば早いのだろうが、それもまた、玖杜のまじめな性格が災いして選択肢に上らない。
 ほかに期待できる展開といえば、誰かに声を掛けてもらえれば、それを理由に逃げ出せるかもしれないが……。
 人が途切れるか負けるか、それ以外か。
 いずれにせよ、玖杜はそんな展開を待ちわびつつ、黙々と挑戦者を屠っていた】

ご案内:「TOKOYOアミューズメントセンター」にヨキさんが現れました。<補足:人型。黒髪金目。197cm、鋼の首輪、黒Tシャツ、モスグリーンのカーゴパンツ、革のハイヒールサンダル、シルバーネックレスとバングルとリング>
ヨキ > (たまの休日。
 教師だって獣人だって人間である。
 人間たるもの、ゲームセンターくらい来るんである。チャラい服装で。

 そういう訳で。
 長身をいいことに、少女の対面側、挑戦者席の背後から彼らが次々と倒されてゆく様を眺めていた)

「(……彼もダメだろうなあ……)」

(黙して腕組み。指先で頬を掻く。ほらやっぱり。
 嗚呼と悔しげな声が上がったところで、何気なく向かい側の勝者を見遣る)

「………………、おやァ?」

(ごくごく小さな声が漏れた。
 あのマフラー。
 キャスケットからわずかに覗く黒髪。
 どこかで見たことがある。どこかで、……)

「………………」

(補習。漢字ドリル。東雲七生。それから――お弁当の)

(黒山の人だかりのその後ろで、独りゆっくりと上体を傾ぐ。
 少女のキャスケットの下を、覗き込むように)

焔誼玖杜 >  
「…………」

『ああ、くっそー! 惜しかった!』

【――え、どの辺が?
 立ち回りもコンボの繋ぎも甘いし、読み合いでもわかりやすいし、対策も出来てないしetc.

 なんていいたくなるのを我慢して、ただ黙って時間が過ぎるのを待つ。
 やはり対戦ゲームはこうなると良くない。見た目がカッコイイからなんて、魅せコンばかり狙ってしまう自分はもっと良くない。
 ああどうにかしてここから逃げ出せないだろうか、なんて思ってみるが、そう都合よく物事は運ばな――】

「――あ」

【そんな諦観を伴って、ふと対面のほうへ視線を向けると。
 なにやらチャライ服装の人がこちらをのぞき込んでいるじゃないか。
 思わず目を逸らしそうになったが、はて、どこか見覚えのあるような。
 覗き込む視線を、俯きつつも見上げるように覗き返し。
 人違いでないなら声を掛けてくれないだろうか……なんて期待しつつ、自分はただ黙ってボタンを叩く。
 何で自分から声を掛けないかなんていわれれば、いざ声を掛けて人違いだなんてなれば、間違いなく発火事件を起こしてしまうからだ。
 それもこんなに視線が集まる中で人違いなんてなれば、顔真っ赤どころの騒ぎじゃなくなってしまう自信があった】

ヨキ > (見返されて、少女と目が合う。
 金色の目がぱちぱちと数度瞬きを繰り返したのち――
 何も言わぬまま、にっこりと笑った。少女の面立ちについて、確信した表情。

 少年たちの駄弁りの合間に、何となく挑戦者が途切れる。
 その隙を突くように、財布から100円玉を取り出す。
 人の間を縫うように、失敬、と席に着く。
 世に誇るマンモス校である常世学園のこと、そこに座ったのが美術教師とは誰も気付かない)

「久しいな。こんなところで会うとはね」

(筐体から顔を覗かせて、少女へ視線を送る。
 顔見知りらしい挨拶を聞きつけたギャラリの熱が、何となく収まってゆくのが判る。
 硬貨を投入する音。新しい挑戦者を示すロゴが、少女の画面に現れる――

 目を細めて、微笑みをひとつ)

「1クレだけ、付き合ってくれるか」

焔誼玖杜 >  
「あ……はい」

【声を聞けば今度こそ、いつかの教員だったと確信し。
 ほっとしたように息を吐いて、画面と向き直る。
 きっと負かしてくれるんだろうな、と思いつつ。
 自分の操作するやたら図体の大きな投げ主体のキャラを眺め、美術教師の選ぶキャラを待ち受ける。
 さて――勝負の行方はどうなるのか】

ヨキ > 「……ふむ?」

(相手が選んだキャラクタを見遣って、笑い交じりの呟きを零す。
 まるでデモ画面のようにスムーズにカーソルが動いて、淀みなく決定される。

 相手方の巨躯のおよそ半分ほどしかないような――小柄な少女のキャラクタだ。
 移動スピードと滞空性能に優れ、コンボを繋いでダメージを稼ぐタイプ。

 奇しくも正反対めいたチョイスのキャラクタたちに、またくつくつと笑う)

「お手柔らかに頼むよ。『お弁当の君』」

(画面が切り替わる。
 異邦人街もかくやとばかり、無国籍調の街並みに対峙する二人。
 会話を交わす間もなく、試合開始のテロップが飛ぶ)

焔誼玖杜 >  
「はい、お願いします……」

【ゲームの音にかき消されそうな声で答えると、開始早々、自分から攻めに行く。
 観戦していたらわかったことだろうが、玖杜はあまり待ちを好まないのだ。

 そして、試合が始まればギャラリーの視線も集中するが――その空気に先ほどまでの熱は無い。
 決着がつけば勝敗にかかわらず、自然と解散しだすことだろう】

        《そして数分後...》

「……ありがとう、ございました」

【近くの休憩用ベンチに移動して、ぐったりとうな垂れながら、助け出してくれた美術教師にお礼を言う玖杜が居た。
 試合の勝敗は――この場においては些細なことだ。
 とにかく今は、やたらと注目の集まってしまった空間から助け出してもらえたこと。
 それが最も重要な事柄だった】

ヨキ > (獣人の動体視力を使った読みと、計ったようなキャンセル動作。
 手馴れて流れるような指使い。細やかなドットのひとつまで見定めるような、冷静な眼差し。

 誰にも知られたことのない挑戦者を囲んだ人だかりがざわめき、やがて再びの興奮を孕む)

「(…………、楽しい)」

(にんまり。)



(――決した勝敗に歓声が上がったところで、これにて失敬、と席を立つ。
 これまた手馴れて平然とした顔で、少女を招いてベンチに向かう。

 戦いぶりを見ていた数名から遠巻きに視線を集めるのもお構いなしに、隣の少女に向かって笑う)

「なに、気にするでない。
 ヨキこそ楽しませてもらった」

(すっかり脱力した相手を横目に、ベンチを立つ。
 目の前の自販機でミニボトルの緑茶を二本買って、その一本を玖杜へ差し出す)

「――ほれ。
 随分と長丁場であったろう?少し休むがいい。

 ……それにしても強いな、君は。
 初めて見かけたときには、随分としとやかなものだと思っていたが」

焔誼玖杜 >  
「あ、ありがとうございます。
 ……私も、楽しかったです」

【渡された緑茶を受け取ると、前髪やマフラー等、諸々に隠れながらうっすらと微笑む。
 ホームを移動してから、こんなに強い人と戦ったのは初めてだったのだ。
 ゲームが好きで遊んでいるのだから、試合内容が充実していれば当然、楽しくもなる。
 そして、普段よりも距離を近く感じられるのか、緊張もさほど出ないのは嬉しい所だ】

「そう、みたいです。
 最初は暇つぶしに遊んでみただけだったんですけど、いつの間にか嵌っちゃって……気づいたら、こんな感じです」

【などと簡潔に経歴を話し、苦笑を浮かべる。
 それは生来の集中力や真面目さが、ややわき道にそれた結果なのだが。
 いつの間にかゲーム全般……アーケードゲームに限らず、ボウリングやダーツなどにも手を出し、一通りそれなり以上の実力を得てしまっていた。
 その背景には、常々一人で居ることが多かったボッチ気質が関係しているのだが、それもまたなんとなく、玖杜の様子を見ていれば気づけるだろう】

ヨキ > 「はは。真面目に取り組んだ結果だろうかな?
 東雲君と共に補習を受けていなかったからには、勉学もきちんとこなしているであろうから……
 何も言うことはない。ゲームで単位がやれたらいいんだがね」

(冗談めかして緑茶を飲み、喉を潤す。
 ゆったりと落ち着いた格好でベンチに腰掛けて、相手の様相を見る。
 人から隠れるようでいて、逆に目を引いてしまう重ね着)

「先日は話どころか、名前も聞けなかったからな。
 ヨキという。先日の補習では『漢字ドリル』の指導をしていたが……本職は美術を教えている」

(君は?と首を傾げながら、)

「……冷えるかい?そういう体質かな」

焔誼玖杜 >  
「あはは……勉強は、一般科目がちょっと怪しかったですけど、なんとか。
 ゲームで単位がもらえるなら、頑張る人、凄く増えそうですね」

【同じように緑茶を一口。
 夏だからか冷たい物だが、魔術を扱いこっそり暖めて飲んだ】

「……あ、すみません。
 私は、玖杜です。焔誼、玖杜。東雲さんとおなじ、一年です」

【自己紹介が遅くなったことを軽く謝り、おそらく服装を指摘されたのなら、少し恥ずかしそうに答える】

「そう、なんです。
 極端な寒がりとでも、言えば、いいんでしょうか……。
 普通の人よりも、ずっと平熱も高いので」

【さて、獣人の感覚は如何程だろうか。
 察するか、触れてみれば判る事だが、玖杜の体温は40度近い。
 能力についてもあるが、そういう体質なのだった】

ヨキ > 「君などたちまち優等生だろう。
 あまりの優秀ぶりに表彰などされて、さっきのように人目を集めてしまったりして」

(楽しげに笑う。
 ホムラギ・クト、と相手の名前を反芻して、体温に関する説明には慣れた様子で相槌を打つ)

「なるほど、平熱が高い、か。
 鳥などは体温が高いで有名だが、異能者ないし常世島に集うともなれば、また違うのだろう。
 異邦人街には『歩くサウナ』のような知人も居るが、君のようにけろりとしていたよ。

 ……これから冷える時期ともなれば、難儀することも多いだろう?
 一年生ともなれば、この先迎える冬が身体に堪えなければいいが。
 冬の海風は、何かと冷たい」

焔誼玖杜 >  
「それは……ちょっと、困っちゃいますね」

【実際そうなれば、困るどころではないのだけれど】

「『歩くサウナ』ですか……。そんな人も、居るんですね。

 そうなんです、去年の冬なんかは倒れてしまいましたし……。
 環境も違いますから、油断してるとまた救急車とか呼ばれちゃいそうで」

【そしてまた苦笑い。
 話している間もマフラーに首を埋めるような仕草が見られるか】

「……そういえば、先生も、ゲームってするんですね。
 ここ、よく来るんですか?」

【ホームをここに移してから、こういうビデオゲームのコーナーに来たのは二度目だ。
 普段はプライズゲームやダーツをやることの方が多いため、そこ以外に集まる人の顔までは知らなかった】

ヨキ > 「君は照れ屋のようだから。実力を隠すも大変だろう」

(玖杜が真冬のように顔をマフラーに埋める。
 その様子を見ながら、見すぎることを憚るように視線を柔らかく伏せる)

「いろんな人間が居るよ、この島には。
 目が五つあるとか、後ろ向きにしか歩けないとか、潮風に当たると死んでしまうとか。島なのに。

 ……だからその点、我々常世学園の教師は、いろんな体質に柔軟でいるつもりだよ。
 君に合わせて空調の設定を変えることは難しいやも知れんが、何か不便なことがあればすぐに言ってくれて構わない」

(ゲームについて尋ねられると、小さく笑って)

「先生だって、ゲームや漫画が好きなものさ。
 ここは人が少ないから……たまに来る。

 島をあちこち見て回るのが好きでな。ダーツもビリヤードも教えてもらった。
 楽しくてそれなりに人が少ない店なら、どこへでも行く」

(もちろん休日に、と言い添えて)

「ヨキは人間になってから、まだ十年と少しほどしか経っていなくて。
 やること為すこと、何でも楽しいんだ」

焔誼玖杜 >  
「…………」

【照れ屋のようといわれれば、ますます顔を伏せてしまうが、仕方ない。
 顔を上げられないのはいつものことなのだ】

「……そう、ですね。
 何かあったら、頼らせていただきます、ヨキ先生」

【教員の知り合いは、どうしても少ない。
 だからこうして、頼れる相手が増えるのは非常にありがたいことだった】

「あ、ダーツもされるんですね。
 私もよくやってるんです、面白いですよね」

【私も放課後か休日に、と、合わせて。
 楽しくて人が少ない場所を選んでることには、こっそり親近感を得つつ】

「人間になって……?
 ヨキ先生は、人間とは違うんですか?」

【――と、好奇心に任せてつい訊ねてしまい。
 僅かに見上げた視線が、少し気まずそうに泳いでいる】

ヨキ > 「いつでも言ってくれ。
 ヨキも何かと、恥を掻くのは慣れているでな。
 女性ほど優しい対応が出来るかは怪しいが、頼られて倒れぬだけの胆力はあるつもりだ」

(任せるがいい、とばかり大らかに笑む。
 趣味が合うらしいことにも、また朗らかさを増して)

「ああして集中出来るのはいいよな。上達すると気持ちがよいし……それにモテる」

(最後に何か交じった。
 玖杜が自分を見る視線に、垂れた両耳を抓んでみせる。
 色や質感こそ人間のものだが、その耳朶はハウンド犬めいた、大きく垂れた形をしていた。
 それをつまむ指も、よく見れば四本しかない)

「元は犬だったよ。
 今や獣ではなく、ヒトでもなく。
 『良いとこ取り』というやつで……人間として暮らしている。
 おかげでゲームの動きも、手に取るように見えるぞ」

焔誼玖杜 >  
「はい、だからすっかり面白くなっちゃっ……モテ?」

【混ざった単語に目を丸くするが、すぐにおかしそうに笑った】

「そうだったんですね。
 凄く自然だったので、気づかなかったです。
 そっか、そうですよね。
 それならあの反応速度も納得です。

 ……でも、指が四本なのは、ちょっと不便そうですけど」

【ゲームをやるのには。
 まあ、小指まで五本フルで使うゲームというのも、そう多くある物じゃないけれど、だ。
 一先ず、特に失礼……なにか不都合がある話を聞いたわけじゃないのだと判ると、安心したように息を吐く。
 人見知りで緊張しいな原因の一つは、間違いなくこうして、気を使いすぎることなのだが、それも性格故に仕方なかった】

ヨキ > (玖杜が目を丸くする。秘密の話でもするみたいに、人差し指をすっと唇に添える)

「内緒だぞ」

(言って、愉快そうに。
 獣人であることに対する反応には、事もなげに)

「確かに……先ほどのようなゲームともなれば、頭打ちになるのも早いがね。
 だがヨキは五本指の感触を知らず、元から四本であったから。

 不便そう、と思われることには、既に自分なりのコツがあったりして……
 言うほど大変さはなかったりするものさ。
 君がそうして厚着をして、冷房の寒さを凌いでいるのと同じだよ。

 ……ふふ。『ヘンなこと訊いちゃったかしら』という顔をしている。
 気にするな。この礼儀知らずなヨキの前で、礼を失することなぞあるものか。

 ただでさえ、教師と生徒では気を使わずにはおれんだろうが……
 このヨキは、生徒らにとって気楽なひとりで居たい」

焔誼玖杜 >  
「はい、内緒です」

【愉快そうな教師に、自分もまた楽しそうに人差し指を立てた】

「そっか、それなりのやり方って言うのは、ありますよね。
 ……先生が、ヨキ先生でよかったです」

【そう納得し、続く言葉を聞けば素直な言葉を返すものの。
 何を言っているんだろう、わずかばかり赤くなって俯いた】

「……ヨキ先生みたいな、先生が居ると、凄く助かります、から。
 あんまり気安すぎても、良くないのかも、知れないですけど」

ヨキ > 「そう。だから君が必要以上に苦労しているとは思いたくないし……
 反対に、君がヨキの思わぬところで難儀しているかも知れないことも、忘れずにいたい。

 もちろん教師のヨキと、生徒である君との間には、それなりの然るべき領分がある。
 だがそんな垣根を越えて、全くのイーブンになれる瞬間も少なからずあるものさ。

 ゲーム画面を挟んで向かい合ったとき、とかな」

(笑って、ベンチから立ち上がる。
 玖杜を見下ろして、さて、と息を吐く)

「すっかり話し込んでしまったな。この後はどうするね?
 もう一戦交えたっていいし……帰るならば送ろう。
 別の遊びに興じたって構わない」

焔誼玖杜 >  
「……そうですね、画面越しに会えば、勝つか負けるかですし」

【さっきの、今日一番に白熱した時間を思い出し、まさにそういう瞬間もあるのだと学んだ。
 笑う教師を見上げながら、自分もゆっくりと立ち上がり】

「それなら、今度は別のでもう一勝負――あっ」

【何か丁度いいものは、と探して視線をめぐらせて。
 目に入ったのは時計だった】

「――す、すみません、今日はこれで帰ります。
 明日の食材とか、買わないといけないので……」

【思わぬ事態と、好敵手の出現にすっかり忘れていたが。
 本来は元々あまり長居するつもりはなかったのだ。
 急がないと安売りの時間に間に合わないかもしれないと、少々焦りながら申し訳なさそうに頭を下げる】

ヨキ > 「ああ、構わんとも。今日はこれでお開きとしよう。
 ヨキは学園はおろか、島中どこにでも居るからな。
 見かけたときには、気軽に声を掛けてくれたまえよ」

(玖杜の慌てた様子にくつくつと笑いながら、それでは行こう、と踵を返す。
 分かれ道まで他愛のないお喋りに興じて――

 まるで友人のような気楽さで別れる)

ご案内:「TOKOYOアミューズメントセンター」からヨキさんが去りました。<補足:人型。黒髪金目。197cm、鋼の首輪、黒Tシャツ、モスグリーンのカーゴパンツ、革のハイヒールサンダル、シルバーネックレスとバングルとリング>
焔誼玖杜 >  
「はい、今日はありがとうございました。
 先生とお話できて良かったです」

【『その時はまた勝負しましょう』と、付け加えながら。
 分かれる時まで好きなゲームの話や……きっと例のお弁当の話なんかもしただろうか。
 道中、玖杜にしては珍しく饒舌に話して、楽しげなまま別れただろう。

 ――しかしまあ。
 その楽しさは残念ながら、お財布の中身と引き換えになるのだった】

ご案内:「TOKOYOアミューズメントセンター」から焔誼玖杜さんが去りました。<補足:秋物の長袖と長ズボンに赤いマフラーを巻いてリュックを背負い、キャスケットを被っている。人見知りゲーマー/乱入歓迎/>