2015/09/02 - 21:36~01:18 のログ
ご案内:「常世公園」に『エフェネリカ』さんが現れました。<補足:膝丈まで隠されてる白いワンピース。ショートの赤い短髪に赤いハイヒールを履いてる。>
『エフェネリカ』 > 夜。
夜の公園はとても静かで、人気も無い。
そこに一人の女性の姿が一つ。
暗い夜の公園を一人で気ままに自由に歩いている。
付き添いの人物はどうやら居ない様子で、最近物騒な事件があったにも関わらず一人なのは不用心だろうか。

彼女は一般的な女性としは身長も普通で、着ている服が服なので分かりやすいが、胸なども普通のサイズだ。
顔は美人の部類に入るだろうか、凛々しさを見せて。
細く綺麗な腕に、傷一つない真っ白な手。細長い指はワンピースの裾を掴んでいる。

薄く笑いを浮かべながら、ただ歩み。
目的がないように見える。

『エフェネリカ』 > 静寂に包まれた場所を一人占めかのように。
我が物顔で歩く女性。時折にスキップを、時折にくるりと回転して。
楽しそうに公園内を歩いている。
その姿は、まるで無邪気な子供。

「ふふっ。」

笑みと同時に声が出された。
笑い声なので判断はしにくいが、低くもなく、高くもなく。
どっちにも付かずの中性的な声。

ハイヒールだというのに軽やかに動き、靭やかな動きで転ぶ素振りは一切と見せない。

『エフェネリカ』 > 街灯に照らされながら歩む足は止まらずに。
誰か待つ訳でもない。ただただ一人で公園内を彷徨う女性。
継続して小さな笑みを浮かびながら、端から見れば薄気味悪さも感じる。

だが彼女はそんなことを気にしてもおらず、気にしてたらそもそも表情として浮かばない。
純白のお気に入りのワンピースを、誰も居ない公園で見せ付けるように歩む。

「……ふぅ。」

疲れたのか一息を付いて、歩みを止めた。
しかし、アレだけ動き回ったのに関わらず、汗をかいた様子はないようだ。

『エフェネリカ』 > 一休みと数分休めばまた動き出して。
優雅に踊るように、今度は舞台の上で女優が踊るかのような。
華麗な舞踏を、夜の公園という賑の一つ見せない静かな場所で行い。

笑顔を浮かばせて、目を優しく微笑ませて、孤独な彼女の一人舞台。
誰が振り付けたとか、決まってた内容ではない。
完全に彼女独自で、綺麗に映るようにと、どんな風に踊ればいいかと。
踊りを繰り広げながら、思考を巡らせて一人で踊る。

やがて独り舞台は終えて、歩み求めれば。
ワンピースの裾を掴んで深く礼。

舞台の終わりを告げる挨拶。

顔を上げれば満足した表情を浮かべている。

『エフェネリカ』 > 「――観客はおらず、そんな孤独な劇場は幕を閉じた。」

孤独な舞台ほど意味が無いものはない。
夜の公園という舞台を選んだのだから自業自得ではあるが。

「――本当に見て欲しい人にほど、劇は見られない。悲しいね。」

彼女、いや彼は呟く。
女性という姿に代わり、夜の落第街から抜けだしてわざわざ来たのだ。
誰にも会えないというのは"寂しい"
見て欲しいから、見られて欲しいから。

ご案内:「常世公園」に鏑木 ヤエさんが現れました。<補足:濁ったクリーム色の髪に鮮やかな紫色の瞳。白いシャツにコルセットスカート。赤いカーディガン。>
鏑木 ヤエ > (ぱちぱちぱち、と乾いた拍手の音が静寂を守っていた公園の空気を引き裂いた。
 孤独な舞台、そんな舞台の主演女優に対しての少しばかりの賛辞を。
 濁ったクリーム色の下から覗く紫水晶が爛々と女性の姿を、舞台を捉えていた)

「やあやあ、中々いい舞台でしたよ」

(響くのはやや低いソプラノ。
 甘ったるい声とそれに相まった甘い服装。
 図々しくも馴れ馴れしい、そんな声が飛び込んだ)

『エフェネリカ』 > 拍手の音が聴こえる。
舞台を見てた証明ともなる拍手。
見られているのに気付けなかった、つい独りでに孤独と言ってしまった事に反省。
くるりと拍手の方向に向き直り、小さな礼をまた一つ。

「ありがとうございます、お客様から賛辞を頂けて光栄です。ふふっ。」

笑顔のままに礼儀正しく送られる礼は、まるで舞台女優。
馴れ馴れしいのと図々しさ、特に気にすることもなく。
正しくも賛辞を受け入れた。

鏑木 ヤエ > (その悠々たる所作。
 舞台じみた、何かを演じていたのかと伺わせる言葉。
 またひとつ、口を開いた)

「お捻り投げられるくらいやえのお財布が中々いい感じだったら投げたんですけどね。
 生憎明日の飯もねーような状況ですんで拍手だけで失礼しますよ、女優さま。
 
 果たして一体、アンタはここで何を演じていたんです?
 オキャクサマってことは何かしらしてたんでしょう、やえは興味深々です」

(ずい、と身を乗り出した。
 生まれてしまった好奇心と知識欲に勝てず、無遠慮な問いかけをひとつ。
 どかん、と近場にあった手頃なベンチに腰を下ろした)

『エフェネリカ』 > 「いいえ、お捻りなど求めておりません。
私が此処で演じていたのは唯一つの目的です。」

真紅の瞳がじろりとヤエを見据える。
ベンチに腰を下ろしたお客様に対して、礼儀を忘れずに。
軽い礼を続けながら彼女にして彼は語った。

「私は"見て欲しかった"それだけでございます。
見て欲しいなら昼間などに動けば良いのですが、ふふっ。
お生憎で、私は表立って活動ができない部類の者です。

私は夜の住人、偏に闇の住人。
だからこそ静かな場所でしか動けない。不自由な身でございます。」

瞳が告げる、嘘ではない。
中性的な声で淡々と説明を行って、ふふっとまた一つ笑う。

鏑木 ヤエ > 「なるほど」

(ぽつりと宵闇に言葉が転がり落ちる。
 納得。彼女/彼については何も知らなければそれを窺い知ることも出来ない。
 故に落ちた言葉は、)

「見てほしかった、っつーと承認欲求ってヤツですかね。
 闇の住人がこんなとこに出てきてってソートー寂しかった訳ですか。
 ウンウン、わかりますよ。

 見てくれだけだとアンタがどうして闇の住人なのかなんて知ったことじゃないですけど。
 タイテーそういう表立って活動ができない部類の者ってのはジゴージトクだったりしますからね。
 ───不自由、ですか」

(一拍)

「フジユウって何なんですかね、お嬢さん」

(表情は仮面を張り付けたようにぴくりとも動かない。
 されどその声には少しばかりの期待と、明確なまでに興味心が織り込まれていた)

『エフェネリカ』 > 「然り、寂しかったのですが、それだけではございません。」

彼女の言葉を肯定して、頷く。
だが言葉はそれだけで終わらずに、続けて呟かれる。

「私がこうして、夜とは言えども表に出てきて目立つ行為をする。
それは見て欲しいだけに留まらずに、見てくれた人を――知りたいから。」

私自身を見てくれた人を知りたいから、と。

「で、私は私の行いによって自らを堕ちた身にした。
お客様の言う通りで、自業自得です。」

哀れでしょう?愚かでしょう?と後に付ける言葉はどこか明るい。
笑みを絶やさずに、女優は言葉を丁重に選んでるのか、少々だんまり。

「あぁ、不自由。確かに私は不自由と言いましたが。
"間違えました"私は自由です、不自由でありながら、自由なのですよ。
好きに語り、好きに踊り、好きに動き、好きに見てもらう。

コレの何処が不自由なのでしょうか。
だから私は修正しましょう。私は自由です。」

鏑木 ヤエ > 「ほほん」

(成程、といった様子で小さく頷いた。
 スカートであることを気にもせずにベンチの上で膝を立てて座る。
 濁ったクリーム色の髪がぼんやりと公園の、若しくは公演のライトに照らされた)

「それならやえとオンナジですね。
 やえも知りたいんですよ、いろんなこと」

(口を挟めば彼女/彼の言葉は続いた。
 それをしかりと耳に聞き入れようとやたらハイテンションで囁く口を噤んだ)

「なるほど、それは困ったことですね。
 ………、されど自業自得を恨んでいる様子でもないようで。
 
 ああ、それだけ好きなことが好きなだけ出来ているならアンタは自由でしょう。
 それならやえはまた疑問が浮かんじゃうんですよ」

(「面倒な奴ですみませんね」、と言葉を継ぐ。
 されど申し訳なさそうにする素振りも頭を下げることもない。
 所謂口先だけの謝罪を華麗にひとつキメて)

「じゃあジユウってなんですかね、女優さん」

『エフェネリカ』 > 視線はヤエの視線に合わせるように、顔を見てるだけで。
特にスカートの内部が晒されようとも、興味が無いのだろう。
知らん顔のままだ。

「なるほど、似た者同士でしょうか。
一点だけでございますが、ふふっ。」

嬉しそうに。
本当に嬉しそうに笑う。
凛々しさを持つ彼女の彼の顔は本当に良く映えるだろう。
街灯がスポットライトのように、女優を照らすかのように。
より良く綺麗にと。

「恨んではおりませんよ。なんせ自分が悪いのですから。
反省をしておりますし、罪を償っている最中でございます。

―――それで、疑問ですか。」

別に構いませんよ、と気にしてないようで。
自由とはなにか。まるで哲学のように。
ふむ、と。頭を考えに捻らせる。
少しずつ少しずつと言葉にして答えを出す為に紡いでいく。

「自由とは。
言葉の意味をそのままに解すのであれば、他者から拘束や支配されることなく。
自己自身の本性に思うがままに従い動くこと。

ですが私はこう考えます。

自由とは、不自由である。
先に言いましたでしょう?不自由であり、自由と。
もし、もしも他者から拘束されて、支配されて好き放題された人が居るとしましょう。
端から見ればなんと不自由で可哀想なのか。
いいえ、違います。
それもまた一つの自由なのです。

支配という行動は、自由を持つ者が行える行為です。
拘束もまた然り。自由を持つ者が自由を持つ者に対して支配する。

考えてみてください。
支配された人物が果たして人と言えますか?自由を持つ権利を所有できますか。
いいえ、それは最早"モノ"です。
モノが自由を持つなど、不自由を宣言することすらも烏滸がましい。

――長くなりましたが自由とはなにか。
自由とはモノではない証。不自由もモノではない証。
自由と不自由は同義。不自由もまた自由なのです。

骨折して歩けないな、不自由でしょう。
ですが他の自由を持っている。
読書が出来たり、食事が出来る自由を。

完全な自由と完全な不自由は決して存在しません。」

それが私の考える自由です。
台本の台詞を紡ぐかのように、言葉は送られた。

鏑木 ヤエ > (その言葉を聞き終わるまでに幾度となく「なるほど」、と言葉は漏れた。
 同時に小さくこくりと頷く様も何度もあった。
 腕を組み、その言葉を受けてまた思考は廻り巡り)

(ただ一人の役者に向き合うのはただ一人の観客。
 偏屈な、見てくれだけなら何処かのお嬢様かというような高貴な皮肉屋。
 誰も観ていない、誰も興味を示さない夜の公園でその公演は執り行われる)

(女優は笑う。女優は言葉を紡ぐ)

「なるほど」

(観客は────、)

「人間は生きることが全部でありますから。死ねば、なくなる。
 これは何時の時代だって変わることのない所謂アタリマエ、ってヤツでしょう。

 自由であるとするならば。
 ジブンの肉体に精神は拘束されているともいえないでしょうか。
 ジブンの精神に肉体が支配されているともいえないでしょうかね。

 ───、それならばジブン自身が"モノ"である、ともアンタの話だといえませんかね。
 ニンゲンも他のモノとも同じ、"モノ"。
 ただ考えるアタマがあるだけの"モノ"だと言ってもいいんじゃねーですか」

(女優の言葉にまたひとつ疑問を投げかけた)

「ニンゲンも自由を持つなど、不自由を宣言することすらも烏滸がましい────、」

(なんでもないことをひとつ問うように。
 ──、否。なんでもないことをひとつ問う)

「そうともいえる気がしたんですが、女優さんならコレにどう回答を導き出しますか」

(鮮やかな紫色が女優の姿を捉えた。
 悠然とした、舞台然とした彼女にただただ率直な疑問を、ひとつ)

(読み上げられる台本があるのならばそれを邪魔する悪趣味なアドリヴのような問いは。
 真っ直ぐ真っ直ぐと舞台の上に投げかけられた)

「完全な自由と完全な不自由は決して存在しねー、ってのは納得ですね」

『エフェネリカ』 > ふーむ、と。顎に細く小さな手を添えて考える素振りを見せる。
投げ掛けられる問いは、どれもコレも哲学的で難解。
故に長く長考をしてしまう。会話というのは難しいと再認識すると同時に。
彼は彼女は喜んで笑顔を見せるのだ。

なんと楽しいのか。なんと心地よいのか。これだから人と関わることは止められない。
内心は歓喜で満ち溢れる。
それが表に出て笑顔となった。

観客の問に長考を終えた女優は答えた。

「まずは一つ、納得して頂いて光栄です。
ですが、それ以外は納得してない様子。

私も聞いてみて確かにな、と。逆に納得をしてしまいました。
肉体に拘束されて、精神に支配されている。
なるほど、肉体と精神論の話も持ち出すのであれば、人間自体が既にモノなのかもしれません。」

真紅の瞳が紫の瞳を見据えながら、こう答えた。

「ならばこう考えてはどうでしょうか。
既に全員が"モノ"なのであれば、判断の基準を一つ下げる。
肉体に精神に囚われて、自由とも不自由とも呼べない半端な檻に閉じ込められたモノ達。

そんなモノ達が偽りの自由を手にして、偽りの支配をして。
モノ以下、名称付けるのも烏滸がましい存在へと堕落させる。

自由という言葉に不自由という言葉。
どちらも人が言葉として口に出すのは、烏滸がましいことか、はてさて?

自由という不自由に、不自由という自由の言葉に囚われてるままでは、正解は求められないでしょう。
回答とも言えない回答ですが、私ではコレが限界でしょうか。」

そう言って締めくくるのだ。

鏑木 ヤエ > (哲学的で難解な趣味の悪い質問は嫌がらせなのか、果たして。
 自分の思考と相手の思考の相違点を見つけ、それをつついて新たな疑問とする。
 それが一体愚問であったとしても問いが止まることはないのだろう)

(笑顔を浮かべる女優とは対照的に変わらない表情。
 ただ変わるとすれば先刻よりも幾らかその口調が早口になった、くらいだろう。
 鬱屈とした表情でハイテンションに囀る様は随分とオカシな光景だ)

「ショージキなところジユウフジユウの話に精神論を持ち出すのは悪手かと思いましたが。
 そのヒトだかモノだかが『自由』だと思えば変わらず『自由』なんでしょうし、
 幾ら『自由』だったとしても『不自由』だといえば『不自由』なんでしょう」

(やる気なさげに、「自由って何なんですかねー」、と呟いた。
 それは問いかけであったのか、それともただの独り言であったのか)

「下ンねーですね、そうなっちゃうと。
 今やえと女優さんが話してるこのハナシですらも下ンねーハナシになっちまいますし。
 それはそうであると認めたくはねーですしキチンと内容のあるハナシです。
 だからここでやえの意見をいわせて頂きますよ」

(観客は、ふうと一つ溜息を吐けばゆっくりと頭を上げた。
 三角座りをしたままに、しょうもない世間話をする一幕のように。
 或いは───、)

「やえはジユウもフジユウも深い意味はねーと思うんですよ。
 ただそこにあるのは自分だけ。自分が自分らしくあれるのがジユウ。
 自分が自分らしくないことを強要され、自分らしくあれないのがフジユウ。

 ───、だからね。
 判断の基準を一つ下げる必要は何一つねーんですよ。
 全員が全員そうならそれがアタリマエになるんですから。
 女優さんもやえも別に頭ひとつ抜けた存在ではねーですしね」

(井戸端会議のように)

「言葉に囚われない、それはとっても正解だと思います。なるほど。
 それよりもずっと思うのはですね」

(小さく口元を吊り上げて)

「『自分の思考に呑まれない』のが一番の正解だと、自由だとやえは思います。
 やえ自身もできてませんけどね」

(そこでゆっくりと立ち上がる。
 舞台の上を女優があるくと言うならば言えば哲学の上を歩くように)

「長話にお付き合い頂きありがとうございました。
 とってもとっても楽しかったですよ。

 女優さんが、ジユウになれることを。忘れないうちは祈っときます」

(「やえでした」、と言葉を落とし。
 観客はのぼった舞台からふ、と飛び降りた)

(残されたのは女優/彼/彼女を照らす電灯と、公園/公演の舞台のみだった)

ご案内:「常世公園」から鏑木 ヤエさんが去りました。<補足:濁ったクリーム色の髪に鮮やかな紫色の瞳。白いシャツにコルセットスカート。赤いカーディガン。>
『エフェネリカ』 > 言葉を告げて去って行ってしまった客。
彼女の意見を否定するつもりはない、それもまた一つの正解。
いかに自分として見れるか、自分を見失わないか。
それが大事であり、それが答え。なのかもしれない。

やえと名乗った客を見送り、最後にまた礼。

そして。

瞳を閉じた矢先に彼女は白き炎に包まれた。
瞬きする間もなくして、頭に白き角。背にはワンピースを破り一対の白い翼。
尾てい骨から伸びた白き尾は、スカートから飛び出して。

人ではない龍は言葉を出した。

「コレにて演劇は終了。また一つ知りたい人物が増えて私は嬉しいよ。
頭ひとつ抜けた存在な私は、やえ。貴方を知りたい。」

白き龍は欲する。知りたいという探究心を満たす為に。
今日の所はそのままの姿で居場所に帰るだろう。


後に落第街に帰る際にワンピースが破けてしまったことに後悔する。
背中が丸見えで下着も隠せてないのなら当然であった。

ご案内:「常世公園」から『エフェネリカ』さんが去りました。<補足:膝丈まで隠されてる白いワンピース。ショートの赤い短髪に赤いハイヒールを履いてる。>