2015/08/29 - 21:02~02:11 のログ
ご案内:「魔術学部棟・第三研究室」に獅南蒼二さんが現れました。<補足:無精髭を生やした白衣の男。ポケットに入った煙草の銘柄はペルメルの赤。>
ご案内:「魔術学部棟・第三研究室」にサリナさんが現れました。<補足:メガネに制服。長い髪は後ろで結っている。>
獅南蒼二 > 獅南の研究室は、ここ数週間で見違えるほど綺麗になった。
衛生という意味では以前からある程度の水準を保っていたが、
床に散乱していた魔導書やメモ、書類、その他雑多な物たちはすべて片付けられ、
驚くべきことに、床が見える。
「すまんな、時間を取らせてしまって……茶でも容易しておくべきだったか?」
ソファとテーブルが、文字通りソファとテーブルとして機能している。
研究以外に興味を持つことのなかった男1人では、決して達せられなかっただろう。
サリナ > 「いいえ、お構いなく…私の方からもお話がありますので」
昨日の取り決め通り、私は研究室に居た。…そういえば先生の方からも何か話があるような雰囲気だった。
ソファーに座りつつ、早速本題に入る事にする。
「それでは昨日言った研究費についてですが………」
スクールバッグから物を取り出してテーブルに置く…札束だ。一束だけじゃない。続けて現金を鞄の中からいくつも取り出しては並べた。
その額は、私がこの研究に携わる時に預かった金額に少し色をつける程度にはあった。
「これ、足しにしていただければ」
獅南蒼二 > サリナがソファに腰を下ろせば、こちらは鍵のかかった机の引き出しから、封筒を取り出す。
それからサリナに対面する1人掛けのソファに腰を下ろすが…
「…少ない額ではないな。内臓でも売ったのか?」
…サリナがまるで教科書でも取り出すように札束を取り出し、
それも相当な額を並べるものだから…流石に、驚きの色を隠せなかった。
それでも冗談で返すくらいの余裕は、崩さなかったのだが。
サリナ > …内臓を売るというのはもしかして冗談なのだろうか…?
冗談には冗談の応酬…と、鞄の中身に札束が残っていない事を確認するとそれを退けて言った。
「…内臓?死霊術士にでも売るんですか…?まあ、ちょっとした仕事をしただけです。丸々三週間はかかりましたが……」
事実、私はとある仕事をしてこの金を得た。三週間もかかったのでちょっとした…というのは嘘になるかもしれない。
それについては聞かれたら答えるとしようと思いつつ、先生が封筒を持ってきたのに注視する。
獅南蒼二 > 札束にはまだ手を付けることなく、小さく肩を竦める。
サリナには内臓移植という概念がまだ伝わらなかった。
彼女の故郷の文化レベルを知っていたはずなのだから、初歩的な失態だ。
……やはり、この状況に、100%冷静ではいられなかったのだろう。
「ネクロマンサー共が金持ちならそれでも良いが…仕事か、熱心なものだ。
勤勉なお前と違って…私は“仕事”が苦手でな。」
まだその仕事の内容を聞くことはなく、封筒を開ければ、中には3枚の紙。
1枚目は研究費の援助を申し出る旨を記した文書。
2枚目はそれに伴う条件や金額等の詳細。
3枚目は空白の署名欄を含む承諾書。
「魔術結社やら研究機関やら、思いつく限りに資金援助を要請した。
頑張って泣きついたんだが、返事をくれたのはここだけだ。」
さっと目を通せば以下のことが分かるだろう。
①差出人は『静寂の団栗』という意味不明な名前の組織である。
②援助額は家が一軒建ちそうな額である。
③条件は……研究結果の一切を秘匿すること。
「……意見を聞きたいというのは、この資金援助を受けるかどうか、という点に関してだ。」
サリナ > 「そうですね…せめて"片付け"は一人でもして欲しい所ですが……拝見します」
差し出された封筒の中身を手に取って検める。
……
…………
……援助額はいいかもしれないが、条件は考えさせられる物だった。"秘匿"とはどういう意味だろうか。私達の研究を、世間に出すなと…?
…秘匿する事に関して言いたい事があったが、まずは一つ聞いておく事にする。
「質問しますが、この静寂の団栗…?というのはどういった活動をしている組織なんですか?名前からは全く想像できませんが……」
先生が魔術結社やら研究機関やらと言っているのでこれもその類なのである事は予想できたが…
獅南蒼二 > 金額だけを見れば断る理由は無い。
だが、サリナは予想通り、条件にある研究内容の秘匿という文言に、違和感を抱いたようだ。
文書を読むサリナの表情を見ていても、それはすぐに分かる。
そして、サリナの尤もな質問に対して、獅南は小さく頷いた。
「それを聞きたいなら、1つだけ条件がある。」
言いつつ静かに手を翳せば、扉は内側からチェーンでロックされ、窓も全て閉じられた。
サリナなら、高度な防諜の結界が張られていることも、認知できるだろう。
「ここで聞いた事、知った事を外に漏らしてはいけない。
特にこの島の中では、絶対に…だ。」
真剣な表情でそうとだけ言って……それから、表情を緩める。
普段通りに、楽しげに笑って、
「聞かずに文書を焼き捨てることもできる。
それならお前は妙な秘密を抱えずに済む……さて、サリナ、お前に任せよう。」
サリナの意志を尊重するということでもあるが、それはまるで、生徒であるサリナを試しているようでもあった。
サリナ > 質問をすれば、先生は突然手を翳した。音のする方、入り口と窓を見れば魔法による施錠がされていく事がわかった。
つまり本当に誰にも聞かれたくない事であるらしく、そう思っていた所に予想した言葉が続いた。
それだけとんでもない組織だというのは伺える。金額、それに条件がそれを指し示していたように感じた。
…一歩だけでも踏み込んだら、踏み抜いて谷底に落ちるかもしれない。ならば、石橋でも叩かなければならない。
「……もう一つだけよろしいですか?その組織の事を知った上でこの"ありがたい申し出"を断る事は可能ですか?」
聞かずに文書を焼き捨てる事もできると言ってる時点で今の質問の答えは"いいえ"と返ってくる可能性が高い。
…が、それならば何故獅南先生は知っているのだろうか。
その組織を知っていて、尚且つ断る事もできる、かもしれないという立場というのは妙な感じもする。
もっと話を聞かなければそれはわからないだろうが、何か重大な決断を迫られているようで、居心地が悪かった。
獅南蒼二 > サリナの質問を聞いて、獅南は目を細めて、小さく頷いた。
その余裕ある動作を見るだけでも、容易に想像できるだろう…この男はサリナの感じた疑問の全てを知っている。
けれど、その質問への答えは…
「勿論だ。見てのとおり、ここに居るはお前と私だけ。
……そして私はまだ、この書類にサインをしていない。」
…きっと、貴女が想像したよりもあっさりとしたものだった。
そしてサインをするためのペンは、サリナの側に置いてある。
「要は危険を冒してでも、未知なる事を知りたいか、どうか。それだけだ。どうする?」
サリナ > 私の質問は肯定されて帰ってきた。
「………」
その為の防諜なのだと自分を納得させる。その為に私の意見を尊重してくれているのだろう…と
しかし、危険を冒してでもという言い回しは、知る事すら恐ろしい事なのだろうか。そんな事言われたら、不安にもなる。
不安にもなる、が……
「………わかりました。話してください」
流石に今回ばかりは好奇心で聞いた訳ではない。
知った上で乗るかどうかの話なのだから、結局は聞かなければいけない事だった。
その上で断れるのだったら秘密の一つや二つは背負う覚悟だ。
獅南蒼二 > 小さく頷いてから、手を1枚目の文書に翳した。
すると、書かれている文字がふわりと浮かび上がる。
静寂の団栗、という意味不明な言葉が形を変えて、アルファベットになり…
『Quiet Acorns』…順番が入れ替わった…『reconQuistA』…
「見てのとおり、資金援助を申し出てくれたのは“レコンキスタ”という組織だ。
彼らは私やお前と同様に、非常に高度な魔術学の研究を行っている。
……だが、以前私も話したと思うが…魔術を、何のために使うのか、それが重要だ、という話は覚えているな?」
まっすぐに、サリナを見る。
「彼らは異能に支配されつつある世界を取り戻すために、魔術を使う。
つまり……彼らは危険な異能者を抹殺するために、魔術を使う。」
学園において、獅南はあくまでも“異能者から身を守る・対抗する”という名目でしか魔術を教えていない。
しかし、獅南の授業を全て履修し、全ての知識を身に付ければその魔術学がもたらす力は…“身を守る”どころのものではない。
その先にあるものは、と、誰でも考えたはずだ。
「その“レコンキスタ”が我々の研究に興味を持った。
本来なら学園に帰属する研究成果を…学園に対して秘匿すること。
そして“レコンキスタ”へと研究成果のコピーを提供することを条件にして、だ。」
まさにそれは“異能者から身を守る”授業の先にあるもの。
それがどういう結果を齎すか、想像するのは、そう難しくないはずだ。
サリナ > 文字が宙で踊る。文字列が入れ替わるのであろう事はその時点で理解したが、出てきた名前に少し目を瞠る。
「…! …レコンキスタ?」
レコンキスタ、私はこの言葉の意味を知っている。"再征服"という意味だ。それは奇しくも私の元の世界、私の国の言葉と同一のものだった。
そしてこの組織は、異能に支配されつつある世界を取り戻す為、魔術での再征服を目指しているのかもしれない。
私は、この世界が異能だけで成り立ってるとは思わない…が。異能者の支配とは、私が見えてないだけで本当はあるのだろうか。
先生の言葉節だけを聞いていれば、危険な異能者を排除する正義の組織のようにも聞こえるし、
秘匿しなければならない程に危険で、秘密裏に動く地下組織のようにも聞こえる。
もし、この話を受けたとして、私達の行く先はどうなるのだろう。
私達の今の研究を考えれば、想像に難くない。嫌な想像が次から次に溢れてくる。それでも、聞かずにはいられない。
「私は見境の無くなった異能者から人々を守る為、そして魔術で人々の生活を豊かにする為に研究をしていると認識しています。
この組織は、私達の行く末を大きく揺るがすのでは?」
獅南蒼二 > サリナはこの世界の常識には疎い、魔術以外の成績もまぁ、決して良いとは言えない。
だが非常に優秀な感性を持っている。少なくとも獅南はそう感じていた。
「なに、図書館の奥で少し調べれば“レコンキスタ”の事はすぐに分かるだろう。
彼らは…異能者が溢れ秩序が崩壊した世界に現れた英雄“だった”」
くるりと手を回せば、宙に浮かんだ文字は元に戻る。
「だが、この学園を初めとして異能者への理解が進みつつある現在では、そうとも言い切れない。
一般的には魔術を利用したテロ組織だとされている。」
偽りの言葉を使うつもりは無い。
ただ、今、自分たちが進めている研究の行き付く先に何があるかを、サリナにも示しているに過ぎない。
まだ、サリナは“陽”の部分にしか目を向けていない。恐らく覚悟はしていないだろう。
我々が、魔術学の“オッペンハイマー”になるかもしれない、ということを。
「お前はやはり、良い感性を持っている…だが、物事は多面的に見なくてはならない。」
少しだけ厳しい表情で、真っ直ぐにサリナを見て…
「こういった考えを持つ組織も存在する、と言うことだ。
そしてもし、お前がこの組織への助力を嫌うのなら…もちろん、資金援助の話は断ろう。
だが、それだけではない…逆に彼らに対してこの研究を“秘匿”しなければならない。
そうでなければ、我々の研究が我々の手を離れ、やがて、お前の望まぬ結果を齎すことになる。」
そして静かに、言葉を続ける。
「我々は、選択しなくてはならない。
誰を信用し、誰を疑うか。誰を利用し、誰を切り捨てるか。
我々は、覚悟しなくてはならない。
何を生み出し、何を失うのか。何を齎し、何を破壊するのか。」
そこまで言ってから、静かに、息を吐く。
表情を僅かに緩めて…
「本題はここからだ、サリナ。
お前は、この研究を最後までやり遂げる覚悟があるか?
その先に生み出されるものや齎されるものを見る覚悟があるか?」
サリナ > レコンキスタという組織の話を聞いて、私は頭を両の手で支えて俯いた。
何が真実なのか、きっと書物で調べてもわからないのではないのかと思った。
評価が二分するならば、実際に見なければそれはきっとそのどちらかであり、どちらでもないのだから。
実際にまだ末端を知ったに過ぎない私は、決断する覚悟ができていない。決断には十全を知ってからが望ましかった。
きっと私は今までも選択してきたのだろう。それは自分の意思、または無意識に…
しかし今、目の前にある選択は私には、まだ難しかった。得体の知れなかった。得体の知れないものを、私は忌避する。
「もちろんですよ先生。私とあなたで興した研究でしょう。資金援助を受けるか受けないかはともかく、結果がどうあれ、私は最後まで見届けるつもりでいます。
ですが、…先生の意見はどうなんですか。私はまだよく知りませんがあなたはこの組織について知っているようです。その上で資金援助、受けるつもりですか」
まだ俯いたまま、そう聞いた。
獅南蒼二 > 「良い答えだ…立派な魔術学者の答えだ。」
獅南は満足気に頷いた。
教師という仕事は、生徒に学問や知識を教え込むものではない。
今この瞬間、サリナは何の知識も得ては居ないし、学問を学んでいるわけでもない。
けれど、サリナは与えられた状況と情報から、歩むべき道を選んだ。
そして、何を選べないのかを確かに認識し、それを、教師へと委ねた。
「…あぁ、よく知っているよ。
レコンキスタには優秀な研究者も、偉大な魔術師も…危険な思想家も多い。」
俯いたままのサリナを見て、言葉を選びながら紡いでいく。
「レコンキスタの資金提供を受ければ…1週間でやりたい実験はすべて行える。
お釣りで南の島へバカンスに行っても、まだ余るだろう。
そして…彼らが研究成果を独占すれば、危険な異能者へ対抗する兵器はすぐに完成するだろう。」
しかし、それはサリナの理想とはかけ離れた結果だ。
そして、サリナこそが、この研究のキーなのだ。
「…だが、見ろ、資金はここにある。
それから、多くはないが預金通帳という魔法のアイテムを、私も持っている。」
獅南は立ち上がって、鍵のかかった引き出しからA0サイズの大きな紙を取り出し…テーブルに広げた。
そこに書き込まれているのは、恐ろしく緻密で細かな術式…所々に余白を残した、魔力生成と貯蔵の術式。
「お前が働いている間、私も遊んでいたわけではない。
…私に書ける部分はすべて書いた。あと、この研究に必要なのは…今確認した我々の覚悟と…。」
レコンキスタからの文書3枚を手に取り、それを破り捨てる。
演技じみているが、それは、それ以上ない明確な意思表示。
それから、サリナの頭を、指差して…
「…お前の頭の中にある、旧体系魔術の知識と感覚だけだ。」
全てを利用して、この男は、サリナを試し、背中を押し、つなぎとめたのかも知れない。
資金よりも、何よりも、この研究に必要なのは…目の前の少女に他ならないのだから。
サリナ > 対抗する兵器だなんて、まるで戦争でも始めるかのような言い回しだ。
魔術というのは力に直結しやすいとはいえ、私は争いの為に研究する事をやはりよしとしない。だからレコンキスタに研究成果の渡すのは駄目だ。
しかし、研究費はどうする?レコンキスタしか目をつけなかったとなると他の選択が…
ふと、"見ろ"という言葉が飛び込んできて、俯いた顔を起こす。
そこには先程私が積み上げた研究費があった。
「………」
預金通帳というのがどれ程の資金を生み出すのかはわからない。
しかし、今事実としてあるのは私が集めた資金はそのレコンキスタの援助に比べれば道端に転がった石程度の量だという事。
勿論、他にも資金繰りをすれば行く行くはそれに並ぶ程になるかもしれない。何年かかるかはわからないが。
また俯いてそんな事を考えていると、紙の破れる音に意識が戻された。
「…何を」
研究に必要な物は資金だけではないというのだろうか、目の前で破られて散らばる三枚の紙。
それがテーブルの上に落ちてようやく気付いた。そこに広がる術式を描いた紙に。
…私はこれを完成させたいな、と思った。それには私が必要だと、先生は言った。
・・・・・・・・
「…ふ、私達はコンキスタドールにはならないという訳ですか、
そうですね、まだ私達だけでやっていくのも悪くないです。せっかく私が資金繰りをしたんですから、
これを使ってる間に他に援助してくれる所も出てくるかもしれませんし…」
獅南蒼二 > サリナの認識はあながち間違っていない。
そして獅南も隠すことなく、そのままを伝えたに過ぎなかった。
1つだけ、明言しなかったのは…この獅南蒼二という人物はすでに、サリナの言うところの“コンキスタドール”であると言うこと。
それを明かせばサリナは去るだろう。そして、この学園で研究を続けることも出来なくなる。
獅南蒼二という人物は、コンキスタドールであるが、教師であり、研究者である。
そこには、裏も表も存在しない。
「コンキスタドールとは面白い表現だ…歴史の授業で習ったのか?
まぁ、そういう事だ。資金は足りないが、実験に必要な土地なら未開拓区画に腐るほどある。」
勿論、それでも資金は足りない。大規模な術式を構成し発動させるための触媒が足りないのだ。
だが、学園内にも資金提供をしてくれそうな相手を見つけてある。
……小さな実験から行って行けば、時間はかかるだろうが、研究を進めることはできるだろう。
それもこれも、サリナが夏季休業を使って資金を調達してくれたお陰だ。
「だが、バカンスも悪くないな。
……よし、そうだ、完成させてから100倍の価格で売り付けよう。
これだけの研究資金を投資してくれたんだ…取り分は7:3だな。」
もちろんそれは冗談だったが、強ち夢物語でもない。
肩を竦めて笑い、破り捨てた文書と封筒を、ゴミ箱へと投げ入れた。
「さて…では魔術学の授業だ。
このペンを使って、この術式を完成させたまえ。」
余白に書き込むべきは、以前“火”を描き込んだのと同じ、旧体系魔術の感覚的な術式構成。
四大元素と光に闇、その6種類を描き込めば…術式の試作品は完成する。
その最後の筆を入れろと、サリナにペンを差し出した。
サリナ > 「レコンキスタもコンキスタドールも私の元居た世界の国の言葉です。…その言い方だとこちらにも同じ言語があるみたいですが……」
それについてはいずれ自分で調べるとして……
獅南先生の冗談が始まった。先生の冗談は大袈裟だったり少し意地汚かったりしたりで…
「半々でいいですよ。そんなにあっても何に使えばいいのやら……私はバカンスより高級料理でも食べたい所ですね。
…もちろん、研究成果が売れれば、の話ですが」
冗談には冗談で応酬。それがこの研究室での習わしだ。…多分。
まるで夢を語るような話だったが、希望を持つのは悪くない。
先程の悩ましい出来事も少しは晴れてきて、差し出されたペンを受け取れば、それを紙に走らせていくのだった。
「これは本当に授業ですか?試験の間違いでしょう」
獅南先生は何も教えてはくれない。こればっかりは、私の頭の中で作り上げるしかないものなのだから。
ご案内:「魔術学部棟・第三研究室」からサリナさんが去りました。<補足:メガネに制服。長い髪は後ろで結っている。スクールバッグを所持。>
ご案内:「魔術学部棟・第三研究室」から獅南蒼二さんが去りました。<補足:無精髭を生やした白衣の男。ポケットに入った煙草の銘柄はペルメルの赤。>