2015/07/30 のログ
ご案内:「保健室」にジブリールさんが現れました。
ご案内:「保健室」に雨宮 雫さんが現れました。
雨宮 雫 > 今日は保健課の待機当番。

生徒なんぞ居ないだろうに、というわけではさにらず。
夏休みでも課外授業に補習授業、クラブ活動、その他色々で生徒も教師も居るのだ。

そして、休みのせいか勢い余って色々怪我する生徒も教師も居るのだ。

というわけで、待機中。

雨宮 雫 > ………………
…………
……

そして待機のまま夕方になって今に至る。

今日の来客はゼロ、ゼロ。漢字で言うと 零 である。

暇過ぎて、デスクにタブレットPCを置いて掲示板巡りやWeb閲覧しつつも、頬杖ついて寝そうになってる始末であった。

「んにゃー…………ボクもう暇過ぎて耐えられない。
 もう店仕舞いしていい気がするのだーねー……だーねー……」

ジブリール > 【女は月の光が漏れる僅かな光を受ける。影はもてあそぶよう動かされ、手遊びをする指先はどこまでも。
 過しやすい夜の道。明るい夜空。廊下から見えるそんな光景を他所に、女は保健室の扉をノックする。】

「失礼しますわ」

【今の今まで保健室を避暑地として扱ってきた女には手馴れたものだ。生活サイクルのひとつに過ぎない。
 そも夏休みであるのだから、態々避暑地に来るべき理由は無かった。ヒマを通り越して眠ってしまいそうな御人の元に来訪者あり。】

「こんばんは、まだこの"お店"はやっているでしょうか」

【後半の言葉は扉越しに聞こえたものだから、揶揄る目的も込めて、久方ぶりに会う彼に告げた。】

雨宮 雫 > 「んぁー?」

ノックの音に半分は夢の国を探しに行っていた意識が急遽、脳に帰宅した。
聞き覚えのある声だったのも、覚醒を促すのに一役買ったのかもしれない。

確か、この声は―……

「はいはい、今開けますよー……だねー。」

パタパタと床を急ぎ足で歩き、カラカラとドアを開いて相手を迎える。
愛想のいい笑みを浮かべて。

「いらっしゃいまーせーだね、だね。
 久しぶりかな、かな?まぁ、どうぞーなのだね。」

ジブリール > 【夢の国へと旅立とうとした意識は一周回って戻ってきたらしい。夢の世界はリトルでスモールなワールドたられば。
 女は返ってきた声に上機嫌そうな色を浮かべる。迎えられた相手は自分と同じくらいの身長と、同じ色を示していた。】

「はい、お久し振りですわ。ではお邪魔します」

【愛想のいい笑みは見えないものの、気分を害したそれではないことだけ伝わると、にこやかに口元を緩めた。
 どうぞ、と受け入れられたら、女は白杖を示しながら患者――生徒の座る椅子の足を叩くと、そこへと座り込む。】

「あれから元気にしておりましたか?」

【などという、くだらないお話を。】

雨宮 雫 > 迎え入れたら、ドアを閉める。
の、前に 「対応は終了しました」 の看板を表に掛けておく。
ジブリールが来たなら、今日はもう、客は彼女だけで店仕舞いだ。

何なら鍵だってかけてしまいたい。

「はい、閉店ガラガラ~。」

兎も角、ドアを閉めるとさっきまで座っていたデスクの椅子へと戻りつつも

「うん、元気なのだね。
 楽しいコトが結構あったかな、かな?
 あー、直近だと指を怪我したけど、まぁ、それもいい経験なのだね、だね。」

見えないとは思うが、右手の掌を広げて相手に振る。
小指と薬指に黄色い符が巻かれている。

ジブリール > 【看板を動かす挙動までは理解に及ばないものの、風の流れから外で何かをしていることだけは分かる。
 されど女にとっては瑣末な問題に過ぎない。鍵を掛けようと女は気にも留めないし、気にもしないだろう。】

「……もし、電気がついているのでしたら、消してもらえると大変助かります」

【こう"暗くては"なにも分からない。女は肩を竦めながら丸椅子をくるりと揺らす。】

「最近は海に遊びに行ったり、御家にご友人を招いたりと楽しい日々を過ごしていますわ。
 まぁ、お怪我を。保険委員会さんなのに大変ですわ」

【その反応から大した怪我ではないのだろうと推察を建てながら、唇を引き結ぶ。】

「それで以前頼んでいた検査のお話ですけど。」

雨宮 雫 > 「あぁ、はいはい。
 今消すのだね、気が付かなくてゴメンだね、だね。」

壁際のスイッチに いや、デスクの隅にリモコンがあったはず。
書類束をどけて、どけて、と小さいリモコンを操作すると、部屋の電気は パチン と音を立てて消えた。

窓から入る薄い明かりだけが部屋の中に差し込み、夜の一部へとなっていく。

「夏休みを満喫してるようで何よりなのだね、けひひ。
 あぁ、ボクの怪我は治るんで気にしない気にしない、としてー……」

うん、と頷いて。
座っていた椅子を引いて、ジブリールの前へと持ってきて座り直す。

「その眼を診せてくれるのだ、ね?」

ジブリール > 「いいえ、お手間をかけますわ。普段ここに入り浸っていたときは他の保険委員の方に頼んでいたので……」

【なんとまぁデスクにスイッチがあるとはハイテク。女は感嘆していた。】

「勿論ですわ」

【さておき、女は周囲の明かりがないことに注意をしつつ包帯を解いていく。縛られた髪を指で撫で、落とした瞼をうすらと開く。
 鈍い色のエメラルドカラーが、薄明かりのほうを眩しそうに細められていた。普段は決して輝かない女の瞳。
 相対する雫の眼と同じだのに、相手のそれは輝いて見えた。】

「存分に診てくださって結構ですわ」

雨宮 雫 > 保健室の常連。
うん、日誌で名前を見かけてはいたのだ、ジブリールの名前は。

間近で、解かれていく包帯を、その下にある眼を好奇の視線でもって見つめる。

包帯の外側からも気になっていた、自分と同じ"緑"の目。
純粋に同じ色ではないののだろう、きっと。

だから

「ぅん、ああ。
 期待通りにキレイな眼なのだね、ジブリール。
 コレはイイのだね、とってもイイね、ジブリール。」

自然、テンションも上がる。
発動する天眼が、自分の眼を翠色へと輝かせていく。

観察、診察、視察  いや、"凝視"というのが正しい表現だろうというくらいにジブリールの目を じぃ と見つめる。

物理的に、霊質的に、魔術的に、解析を始めていく。

「宝石みたいだね、だね―――けひひ。」

ジブリール > 【夏場に日中を歩きたくないがために具合が悪くてきました、などという。放課後お嬢様として真しなやかに噂されていたそうな。】

「……」

【色は異なる。相手のソレは輝きも相まって、女のそれより薄く煌いて見えた。太陽のようにも幻視する。女と比べて輝きはとても強い。
 きれい、だなんて。】

「……このようなものを褒めてくださるとは、奇特ですわ。シズクのほうがとても綺麗ですのに」

【以前にも褒めてくれた人はいた。やはり奇特だと吐いたこともある。相手を、相手の目を同様に見つめる。視線は絡まる。
 相手は診察目的に、女は好奇と欲望を満たす眼の保養として。】

【――女の眼――瞳孔および光を調節する器官が生来未成熟である。女の病は光を調節できず、加えて視力が極端に低い。
 視覚が生きているのは奇跡的であるレベルだが、完全に見えないものではない。今こうして間近で見ているその眼は、しっかりと動かせるし、見ることができるし、認識している。】

「宝石はあなたのような目に言うのですよ、シズク」

雨宮 雫 > 「自分の目を宝石とか、自意識過剰に過ぎると思うのだね?
 ボクは自分のことをそう思うよーなナルシーではないかな、かな、けひひ。」

眼を炯炯と輝かせながら、相手の瞳を凝視する。
穴の空くほど見る、とはこういうコトを言うのだろう。

瞬きせずに眼を見つめ続ける。

生物的にどういう状態かは分かった。
だがそれだけではこういう眼にはならないだろう。

魔術なり、何なり、があるはず。

「ジブリールはもうきっと、普通の医者にはかかったのだよね。
 心霊治療とかは受けてみたかな、かな?
 眼に、異能か魔術とか、ないのかな、かな?」

ジブリール > 「ナルシストであっても遜色ないと思いますのに」

【事実それがあまりに綺麗なものなのだから、惚れ惚れしててもいいものを。
 マニアな女からの、ありがたくもない言葉をつらつらと並べる。】

「はい、普通のお医者様には。ただそれだけでは普通だといわれまして。
 それ以外の手段はございませんわ。お父様が指定されたお医者様しかかからせて貰えませんでしたから。
 ……魔術、といえば」

【問いかけにくたりと首を傾けた。女の眼はなおも、彼の眼を見つめたままだが。】

「後者の影響でしょうか。随分と昔にお父様のご友人が、他人の視界をジャックする魔術を開発したとかで」

【単純な話、視覚を共有する魔術。さらに続けるのは、その視覚を共有する実験台として、母親が担当していたということ。無論だがそれが原因で何か大事が起こったなどという話を女は聞いた覚えもないが、それが起因して何かしらの原因となり、娘である女に影響を与えた可能性が高い。】

雨宮 雫 > 「男のナルシストとかちょっとキモチワルいかなと思うんだけど、どうかな、かな。
 ボクの目を、ジブリールが大変気に入ってくれたのは分かったけどだね、だね。」

少しだけ、目を細めて愛想よく、笑った。

「あぁ、お嬢様はそーいうのありそうだね。
 ボクみたいな怪しい東洋医療とか、絶対駄目って言いそうな印象なのだね。

 ちょっと、触ってもいいかな、目の近くを。」

言いながら、そおっと左手を持ち上げてジブリールの顔へとゆっくり向けていく。
勿論、許可が出るまで触る気は全く無いが。

「視界の共有、ね。
 戻らなくなったとか制御できない、とか無ければまぁ、余り影響は無いかな……

 知ってるだろうけど、その目は瞳孔が……光を調節する虹彩って器官が物凄く弱いかな。
 弱いのは正確じゃないね、うまく育ってない、が正しいね。
 そのせいか視力も悪くなってまぁ、光が強いと刺すみたいな痛みがあるんだと思うけど、どうかな、かな?」

ジブリール > 「誤解されることを承知で御話しますが――見目麗しいお方ですわ。あなたはとても美しい」

【男でもあるまいに、そんなキザったらしい言葉を吐く。だがそれは素直な言葉である。
 愛想笑いに細められた眼に、つられたように女も笑う。】

「妖しげなお医者様もミステリアスで大変素敵ですのに。だからこのことは無断ですので、どうかご内密に」

【指先を口元にたてながら、「しー」とする挙動。】

「……えぇ、大丈夫ですわ」

【眼の近く、と前置きされて触れられるなら、こちらはそれでも構いはしない。女は快く引き受ける。
 殿方のお顔が傍に――と恥らうような娘ではない。医療行為なのだと淡々と思考を重ねる。】

「……その通りですわ。だからわたくしは日中に眼を開けていられませんし、ネオンライトも厳しいので包帯を巻いております。
 この場所のように……ごく僅かな光であれば認識することに苦労はありませんわ。
 ……"診た"だけでわかるのは、あなたのお力でございましょうか。」

雨宮 雫 > 「ぅーん、ダイレクトに褒められてもその、リアクションに困るというか。
 ありがとうだねー 以外にどう返していいのかわっかりませんのだね、だね。」

少し困ったように眉を下げて、少し、苦笑した。
これで少し気の利いた返しでもできればいいのだろうが、そんな修行はしたことが無かった。

「ま、大事な娘が詐欺師にカモられでもしたら、って父上は気が気じゃないんだろうだね、だね。
 勿論、患者の情報は他言はしないのが常識かな、かな―――」

じゃあ、と前置きして、目元にそっと指を這わせる。
瞼をなぞり、目の下をなぞり、目の周辺を指が撫でるようにゆっくり、丁寧に動いていく。

顔を寄せて、ジブリールの眼と、その周辺を自分の異能が解析する。

「包帯で覆ってても、見えてるような所作があった気がしたのだけども。
 その辺がジブリールの特質かな、かな。

    ん、そうだね。
 ボクの目は、見たものがよーく分かる、そういう眼なのだね。」

便利でしょう、と少し笑いかけた。

ジブリール > 「社交辞令で「ありがとう」と言えば大抵は切り抜けられますわ」

【半ば投げやりっぽい、適当とも思える――それでも本人なりに考えてから言ったのはそんな言。
 相手に対しては特にカッコいい返しも、二の句を紡げなくなるほどのものを期待していたわけでもないから、相手の言葉は素直なものだと判断して微笑んだ。さも楽しそうに、嬉しそうに。】

「助かります。怪しいひとと二人きりで、密室で……。というととても背徳的に思えますわ」

【点字小説で読んだことがある。そんなメロドラマめいた展開の三文小説。両の手を合わせて語るが、相手の触診の手前大人しい挙動。】

「……観測眼、と勝手に名付けておりますわ。眼が隠されていると、本来眼に見える情報をぼんやりとだけ認識できるのです。
 眼に見えないものが見える、と一言で言えば単純なものですが。……天眼、というのも便利で良いですわ。」

【くしゃりとまた笑った。女は眼の周囲に触れる彼の指先の心地を堪能する。手持ち無沙汰故に、ちょっかいをかけようと逆に彼の頬に片手を伸ばした。】

「その眼はお幾らでしたらお譲りいただけるのでしょう」

【超絶なジョークを交えて。】