2015/07/31 のログ
■雨宮 雫 > 「じゃあ、今回も ありがとう、だね、だね。
何でジブリールがそんなに楽しそうなのかは分からないけど。」
ふ と溜息ではないが、短く息を吐いた。
「しかも夏休みの学校の保健室で、とか、父上が聞いたら血管が切れるんじゃないかな、かな?
お嬢様がしていいコトではないのは確か……ん。」
自分の頬を触られるのは別に構わない。
白い肌は夏場にあってひんやりとした、体温の低さをジブリールの指に伝える。
「成る程、成る程。
だから―――ん、生物的には、未発達な虹彩が改善されれば、症状はマシになる可能性はあるかな、かな。
眼を酷使した後に頭痛とかは、しないかな?」
指が眼の周りをなぞっていたが。
雫の双眸が更に少し、翠の輝きを強めると指が、ジブリールの眼の下部分を通って少し、頭の横へと移動していく。
「―――ボクの眼が欲しいの?
それはー……いや、値段をつけると 払います って言われそうだから、値札はつけてあげないかな、かな。」
まだ、あげられない、と言って けひひ と独特の笑い声を漏らす。
■ジブリール > 「深入りした御話をする機会はあまりないもので。異能や魔術についても特に、誰かから聞く機会も然程なくて」
【嬉々として輝いて見えそうな鈍い色の瞳。雫に触れる指先もまた体温は低いものの、女の手とて冷えそびたわけではない。
ここまでの道を歩いてきたが故に熱を孕む――少し高くなった体温を伝える。】
「血管が切れてしまったら、お父様からすればあなたの責任となってしまいますわ。フォローはさせていただきますが。
別に、やましいことなんてしていないのですから」
【至極他人事とでも言うかのように。ほとんどジョークであることは軽い口調から察することはできるだろう。】
「時折。テストの最中は何度も頭痛がしますし、勉強の最中も何度か中断しながら進めたり。細かい作業と相性が悪いのは分かっているのですが」
【瞳の下、頭の横。そちらに掛かる低温の指先。なすがまま、されるがままに頭を自ら動かして調整する。動かしやすいよう、見やすい様に。】
「あら残念ですわ。お幾らでも払えましたのに。プライスレスとなると中々手に入れることもできませんし」
【耳に残る、印象深い笑い声。間近に迫るとより強く頭の中に反芻してくる。どこか心地良い気さえしてきた。女は彼に触れる指先を、顔から肩へと降ろす。】
「あなたはそれだけ素敵なお方だと思います。その眼も、人格も」
■雨宮 雫 > 「西洋魔術の系譜なのかな、視覚にはどうしても頼りがちになってしまうものだし……
ジブリールは視覚が無いわけでもないから、余計にかな……」
ジブリールの指の温度が心地良い。
雫の異常に真っ白い、白い肌に少し、赤みが差した。
「保健室でやましいことをするのは、保健課が困るから非推奨なのだね、だね。
シーツの交換だって、自分らでして帰ってくれないのが殆どだしね?」
困ったものなんだよ?と、口を少し尖らせる。
指の動きはジブリールの血管でも神経でもなく、気脈、経絡と言われる気の流れるラインを視てそれをなぞっている。
そのまま耳の近くを通り、頭の後ろへ、そして指が下へ、首の中心へ。
そこで少し、軽く押す。
「ココんところアタリから、頭痛がしないかな、かな?
眼が痛いくて、次に、頭に釘でも打ち付けられたみたいな痛みとか、ないかな、かな?」
触診を交えて、東洋医学的な診断を実施する。
これは至極真面目で全うな、医療行為なのだ。
「怖い怖い、だね。
お金持ちにはウッカリ値札を見せられないかな、かな。
ボクをステキとかあれだね、オジョウサマは口が上手いくて困る ああ、ここは ありがとう かな、かな。」
さっき教えてもらった通りに返してみる。
と、肩にきたジブリールの指に一瞬だけ視線を向けたが、それ以上何か言うでもなかった。
■ジブリール > 「現在の血統や教えの系統はそちらであると伝えられております。
わたくしの家系は元々エジプトが発祥であったとされていますが、現在では西洋魔術に移行しているようでして。
資格は五感としての必要要素ですが、こう、時たま痛むので。」
【つまるところ、とてもややこしい。肉体的・生活的に必要であっても精神的にはあまり心地良いものではない。だって痛いもだから。】
「まぁそれは困りますわ。打算的になるのは良いですが、後処理をする方々は苦労するでしょう」
【ほう、とやおら息を吐く。その不満点に同調して女は肩を竦めた。そうして女は違和感を覚えた。神経や血管をなぞられることなく、覚えのない部分を重点的に触れられている。
少しばかり不思議そうな顔をしていた。これで何が分かるのだろうかと。強いて言えば――】
「っ、ぅ……う?」
【既視感。眼の痛み、頭痛。釘を打たれたかのような鋭く刺す痛み。鈍りかけた思考を明確に気を保つ。】
】
「――え、……あぁ、はい……確かに……これはいったい」
【半ば呆気に取られながら思わず手をそこへ伸ばしかけて――直前で止まる。彼は正当な方法でナニカをしているのだろう。そう考えると止めさせるわけにもいかず、大人しく力を緩めて腕をたらした。
肩に触れていた手のほうは、彼の衣服を掴む動作へと変わっていた。】
■雨宮 雫 > 「エジプトが源流なのか、そこからヨーロッパに渡って……と。
ということは、ジブリールは天使様の名前だね、だね。」
大仰な名前をつけたもの、と思う反面、ガブリエルという名前では特にレアな名前というわけでもないか、と一人で納得する。
今は診察に集中しよう、と思う。
「視覚に頼らない魔術も、目が無くなったら代用する手法もあるけれども、ね。
保健室のやましい事情は一旦、脇にどけておいて。
ジブリールの場合は、目を正しく成長させれば改善見込める気がするかな、かな。」
シーツの後始末の話とか、進んでしたい話なわけでもないし!
軽く押した部分をマッサージするように一定の間隔を保って少し力を篭めながら、疑問に回答をしていく。
「目が良くないと、頭痛になるえー、眼精疲労から来る頭痛っていうものなんだけども。
東洋の、ツボって言えば聞いたことあるかな、かな?
その概念で言うと、要所になるのが今、ボクが指で押してるこの辺にあるのだね、だね。
目に疲労や視神経に刺激の多い、まぁ、使い過ぎに多いケースだけども、が溜まるとここから頭痛になるのだね。
それが重くなると偏頭痛になるし、吐き気も眩暈もするようになるのだね、だね。」
患者が何かを、シーツなり、ベッドなり、を掴む、握るのはそう珍しいことでもない。
ジブリールもそうなのだろう、と、握り込まれる服を咎めることはしない。
■ジブリール > 「神のお言葉を伝える天使の名前は、わたくしにはもったいない名前です。
シズクにはアメにシズクと水に関連した言葉がちりばめられているようですね。」
【思慮深く女はそう口にする。とはいえ女の子に名付けるにはそう珍しくもない名前であるのも事実。
ジブリールという言葉自体は非常に珍しい、とは。
女はそんな詮無いことを口する。】
「眼を正しく……適度に眼を休めたり、遠くを見たりするようなものでしょうか」
【隅にやられた話題は蓋をして、改善が見込めるとあらば少しばかり食いついたように身をかがめた。】
「……確か人体の特定の部位を押すと痛みが生じ、そこが病気・肉体的異常のサイン、または疲労回復や眠気覚ましになるとか」
【この常世島にいて2年。それとなく知識は偏りがあるものの、ある程度の理解を示したことはある。最もソレを十分に生かせるほど活用が出来ていないのは、反応の通り。
知識としては知っているが、詳しくは知らない。典型的なその思考を働かせ、女は告げられた言葉に感心して何度か頷いていた。
では具体的な対処法はどんなのがあるのか、続けて問いかけたところで。】
「……申し訳ありません」
【しわになりそうなほど強く握り締めた彼の衣服をはたと離す。膝の上で拳を作って、俯き気味に、躊躇いがちに謝罪した。】
■雨宮 雫 > 「勿体無くはない、とは思うけども……あぁ、ボクの家は、名前は一文字と決まってるらしくてね。
雨宮、だから水関連の名前が多いけど、紫(むらさき)とか色の名前も多いかな、かな。
っと……」
首の後ろのツボはココと、ココ、と指を動かして押して見せる。
「大体あってる、けど、ボクの医術的にはもうちょっと進めていく感じだね、だね。
切ったり縫ったりしない代わりに、気の流れを正したり、傷のある箇所に流れるようにしたり、淀んでるならソレを抜いたり、とかして成長を促す形かな。
ジブリールは目に一部分の成長が何かで止まって、未熟っぽいからソレで改善する見込みがある、というのがボクの診断かな、かな。」
マッサージを終わったら、首から手を離していく。
異能を切ったのか、段々と、目の輝きも緩やかに収まっていくのだが……
「そうそう、そういうのがツボの話だね。
って、何か謝ってるけど、別に構わないのだね。
服くらいで騒ぐほどボクは短気じゃないのだね?
ジブリールが落ち着くなら全く、構わないかな、かな。
そんなヘコまれる方が困るかな、かな。」
膝の上に置かれた手に自分の手を伸ばし、大丈夫、大丈夫、とポンポン、とあやすように、撫でようとして。
■ジブリール > 「ふぅん……興味深い文化ですわ。」
【口元を吊り上げながら、指を推し進められたツボ。おさえられ、押されて。あまり経験のない圧迫感。
教えられたそこへと指を伝わせる。ここと、ここ。】
「なるほど」
【血流の流れを潤わせるマッサージのようなもの、と考えれば理解はしやすそうであった。
女のそれは流れがせき止められており、せき止められたそれを払えば良い――と。ある程度は当たっていること。】
「あぁ……その……はい」
【ぽんぽん。掌は涼やかなこの空間の中で熱はいくらか奪われていた。伸ばされた手に重ねられ、こくりこくりと女は頷いた。】
「……それも医療行為の一種でしょうか」
【軽口を叩くまでには、余裕ができた。】
■雨宮 雫 > 「理由も聞いた気がするけど、昔過ぎて忘れちゃったのだね、だね。」
へらっと笑いつつ……自分で押してみているジブリールの姿を見て、頷いて。
「頭痛がするなら、そこを押さえて。
余計に痛くなったら、目が原因の頭痛かな、かな。
その辺を温めると少しマシになると思うのだね。」
言いながら、落ち着いてきたようならジブリールの手から自分の手をどけていく。
「患者のメンタルが落ち着けるようにケアするのも医者の仕事かな、かな?
ボクは医者の資格なんか取ってないけどね、けひひっ。
あぁ、それで今後だけども。
ボクが治療するなら、もうちょっと詳しく調べさせてもらって、予定を立てさせてもらうコトになるかな、かな。
具体的にどーするかは原因を調べないと処置し辛いし……目薬くらいはあげられるけどね、今でも。」
■ジブリール > 「あら、あら。その見た目でお幾つの年を重ねているのでしょうか」
【ゆぅらりと身を揺らす。頭痛がすれば、悪化すれば相応の対処法を加えると。】
「蒸らしたタオルでもよろしいでしょうか」
【首を傾けながら、女はお医者サマのお仕事を語る彼の言葉に笑いたてた。
そんなお医者サマに頼んだのは自分だし、何より保健に属する1生徒のこと。
多少他の医者よりも有能ではある……のだけど。】
「――よろしければ今後ともよろしくお願いしたいですわ。相応に対価はお支払いします。先の"後処理"も含めて、融通は利きますから。
……目薬も、よろしければいただきたいですわ」
【両の手を合わせて、女の眼は鈍く輝いた。】
■雨宮 雫 > 「んー…… ヒミツかな、かな、けひひ。
いや隠す必要はない気もするけど。
ん、それでいいだね、だね。
蒸しタオルを乗せて暫く安静にしてればマシになると思うかな、かな。」
こく、こく、と頷いて。
袖の中に手を入れると何本か細い、プラスチックの筒を取り出して中身の液体を見比べる。
「んーん。
ジブリールの目を見せてくれるなら、それが代金でイイかな、かな。
ボクは怪我人、病人診るのが趣味だからね、お金よりもそっちのが嬉しいからね、けひひっ。
あ、目薬コレだね。
寝る前に二~三滴でいいかな、かな。
診察はこんなくらいかな、今日は。」
目薬はコレ、と片方の筒を差し出す。
透明な筒の中は薄い青色の液体が入っている。
■ジブリール > 「ではいつか御話を聞ける日に期待します。
……では常に従者達に手配していただくようお願いしておきます。夏休みですから、少しくらい勉強を控えて様子見しても良さそうですわ」
【夏休みに入っても暫く勉強を続けていたせいで症状が悪化した。そのせいで暫く体調も優れなかったものの、早めに相談しておくのが吉であったと思えど、それも後のこと。
今はアドバイスをいただけたことに感謝をする。そうして彼は更にプラスチックの筒を取り出した。なみなみと揺れる液体に眼を見張る。】
「――ふふ。 ではそのように。奇特なご趣味のお医者様。」
【青色の液体の揺れる中身を何度か揺らす。それを大事そうに大切に抱えてしまった。告げられるのは診察はこれまで、というお医者様からのご通達。】
「今日はありがとうございましたわ、シズク。また今度もよろしくお願いいたします」
■雨宮 雫 > 「末永く、仲良くして欲しいかな、ジブリール……けひひ。
次はボクも詳しく調べる準備しておくのだね、っと そろそろ保健室を閉めないと見回りの先生に怒られちゃうからね。」
椅子から立ち上がると、うーん、と伸びをしながら窓の外を見る。
もうすっかり暗く、夜になってしまっている。
非常に楽しい、有意義な時間だった。
「それじゃお大事にー っていうのが定型句かな、ここは。
またね、ジブリール。
次はメールなり電話なりしてくださいかな、かな、けひひっ。」
■ジブリール > 「良い関係性が続くことを願っておりますわ。あなたはとても良い人ですから」
【医者と患者、気のいい友人。持ちつ持たれつ。どういった言葉が適切であろうか。言葉遊びを巡らせるも、そんな考えはすぐに破棄する。
随分と長い時間、診察を受けていた気がする。既に夜の更けた世界は光の量が一気に少なく見えた。女にとっては好都合。
輝いた翠の眼を見れなくなるのは物寂しいが、こうしていればいつでも見にこれるし見られる。それでいいだろうと心の内で妥協した。】
「はい、今度からは気をつけますわ。次に診察か、別件があればご連絡します」
【先ほどまで巻き付けていた包帯をゴミ箱へとひぃらひら。ナイスシュートをかますと新しい包帯を巻きなおし、締め上げる。】
「ではまたお会いしましょう、シズク」
【杖を両手に立ち上がり、女は一礼すると保健室から去っていく。先生に見つからないように慎重にゆっくりと。この日の出来事を噛み締めますように。】
ご案内:「保健室」からジブリールさんが去りました。
■雨宮 雫 > 出て行くジブリールをドアで見送る。
手をにぎにぎと愛想良く振って、角を曲がるか姿が見えなくなるまで見ていた次第。
その後は、保健室の中へと戻り、後片付けを始めるだろう。
日誌を書いて引継ぎ欄には 何も無し と、書いておしまい。
今日の客はジブリールだけだった。
薬も何も全く使っていないので、デスク周りの書類を纏めて揃えたら、片付けも終わりだ。
「ぁー楽しかっただね。
次が楽しみかな、かな、アレも試したいし、あぁ、あの目ちょっとこう、ふふ、けひひ。」
何を想像しているのか、邪気交じりの薄ら笑いを浮かべ。
保健室を出ると鍵を掛けて、帰っていく。
鍵は職員室へ、そしてそのまま下駄箱へ、だ。
ご案内:「保健室」から雨宮 雫さんが去りました。
ご案内:「食堂」に惨月白露さんが現れました。
■惨月白露 > 惣一から受け取った推薦状を机に置いて眺めながら、
生姜焼き定食をぼんやりと口に運ぶ。
「一般学生への特別特急券、か。」
はぁ、とため息をつく。
結局それの記入や提出はまだ保留している。
足を組みながら、気だるげにソレを眺める。
『あくまで普通の学生になって欲しい』と惣一は言っていたが、
自分自身として『普通になる』という事、それ自体が許せない。
だからこそ、『司法取引』という手段で、
現状は変えずに汚泥の内に体を浸したまま『一般学生』に上がろうとした。
『俺みたいなヤツが、ただ幸せに何事も無かったように『普通』になっていいわけがねぇんだよ。
因果応報、罪を犯した人間には、相応の罰が下るもんだ。……下ってくれないと、困る。
そうじゃねぇと――――。』
自分の手をじーっと見つめる。
こんな手を握ってしまった、心優しい少年の顔が浮かんだ。
『―――俺が、俺を許せない。』
ギリッと手を握る。
■惨月白露 > 『―――俺は『裁いて』欲しかったのに。』
『悪人』が自ら『正義』の前に現れる理由なんていうのは、実際の所一つしかない。
彼らは、『懺悔』を、『贖罪』を、『許し』を求めて、
懺悔室に足を運ぶ。自らその斬頭台に首を乗せる。
その結果として、首輪をつけられて光の下で、
その『正義』の下で飼いならされるならいい、それもまた、一つの罰だ。
でも、罪という負債を全て踏み倒して歩くには、
罪人にとって『普通』という道は眩しすぎる。
握りしめた手を、推薦状に力なく振り下ろすと、
その推薦状を鞄に戻し、置かれていた筆記用具を筆箱に戻した。
「そろそろ時間だな、早くくっちまわないと。」
あまり食欲はないが、早く食べないと午後からの特別講習がはじまってしまう。
彼は、再びその生姜焼き定食に箸をつけはじめた。
■惨月白露 > 夏季休暇の為か、いつも昼時には人でごった返している食堂は、
普段よりも随分と空いている。
食堂のおばちゃんの数もいつもより少なく、
それでも、いつもより余裕をもってのんびりと動く。
白露のように特別講習を受けにきた生徒、
部活動の為に学校に来た生徒、
不幸にも、夏季休暇にも関わらず、
特別講習だったり、業務を押し付けられてしまった憐れな先生。
学生証があれば随分と安価に昼食を済ませる事を利用しようとする賢しい学生。
そんな食堂をぼんやりと眺めながら、
少しカウンターから遠い、人の少ないエリアで、
彼はもごもごと生姜焼き(肉大盛り)をほおばる。
■惨月白露 > 「―――ごちそうさまっと。」
食べ終わると、手を合わせ、食器を食器返却口に返す。
「美味しかったよ、いつもありがとう。」
そう笑顔で食堂のおばちゃんに声をかけると、
向こうもニコニコと手を振り返す。
ぺこりと小さく一礼すると、食堂から出て行った。
ご案内:「食堂」から惨月白露さんが去りました。
ご案内:「屋上」に鬼道椿さんが現れました。
■鬼道椿 > 未提出だった課題を出した足で屋上へと向かった
少し汗ばむ陽射しだったが吹き抜ける風が心地よい
午後の予定は無い、退魔の依頼もなく時間を持て余していた
ベンチに座りのんびりと目の前に広がる街を眺める
■鬼道椿 > 落第街の喧噪も遥か彼方、椿にしては珍しく気の抜けた様子でぼんやりと空を見上げた
遠くの空を舞う学生が居た、飛べる異能を持っていれば戦いの幅が広がり今よりももっと強くなるだろうなと思い苦笑いを浮かべる
直ぐに戦う事ばかりだ、せっかくの夏季休暇なのだから休みをどう凄くか考えた方が良いのではないか?
「さてさて、何をしようか…」
そう呟いて思考を巡らせる。
つまらない授業中であればやりたいことなど山の様に思い浮かんだが
今は特にこれといって思いつかなかった
あれもこれも、とやりたいことを思い浮かべていたのは何だったのだろうか
「うぅむ……暇だ」
そう言えば学生らしい事はあまりやっていなかったな
放課後は落第街に繰り出して怪異狩り、そうでなければ武具店を梯子しては
刀や銃器の類を眺めたりと学生らしいどころか女らしくなかった
「忌々しき事態じゃないか…生け花の一つでもやってみるか?」
そんな事をしたところで失われた女子力が帰ってくるとは粉みじんも思えなかった
■鬼道椿 > たまには何もせずにこうしているのも悪くないのかもしれない
殺気を振りまき妖魔を斬るばかりでは心にが腐る
穏やかな時間も必要だ…
遠くを飛ぶ学生がこちらに気付いた気がしたので手を振ってみると向こうも振りかえしてきた
うむ、やはりここは目立つようだな
少し口元がほころむ
「そう言えば…落第街で見かけた顔とすれ違ったな」
特別授業の告知や夏季休暇の期限を確認しに掲示板を覗いた際
昇格審査があったとかなかったとか…
もしかすると…こちら側にも出るようになるかもしれないな…
結構な人数が審査を通ったと聞くし何か憑いている者が紛れ込んでいてもおかしくはない
■鬼道椿 > 「こちらの街でそう言ったことはないようにしたいものだな…」
とは言え事後対処しかできない自分では他の退魔士の様には出来まい
札の描き方でも習いに行くかな…
ご案内:「屋上」から鬼道椿さんが去りました。