2015/08/24 のログ
蓋盛 椎月 > 「めっちゃ酒飲みのチョイス……!
 あいよー氷ヒトサラー」

力仕事ってなんかあっただろうか。
じゃあ後で洗った替えのシーツでも干しに行ってもらおうかなとか考えて、
ごりごりとハンドルを回す。
ガラスの皿に刻まれた氷が白く山となって積み上がる。
「おお……インザサマー……!」
生み出された二人分の見事なかき氷に感動の念を覚える。
あともう一手間加えれば完成――

「あーっ!!」
世界の終わり(END OF SEKAI)といった趣の表情で叫ぶ蓋盛。

「シロップ用意してない!!」

ヨキ > (『めっちゃ酒飲みのチョイス』ドヤ顔。
 かき氷の相伴に割と簡単にありつけて、にんまりと小さく笑う。
 皿の上に降りしきる氷を眺める眼差しが、どことなくきらきらしている……)

「おお……夏のシニフィエ……」

(しみじみと訳の分からないことを呟きながら、蓋盛の隣でそわそわと身を乗り出す――が。
 蓋盛が上げた突然の大声に、聴覚の過敏すぎるあまり思わず仰け反った)

「お……驚かすでない!
 何、シロップ?本当に勢いでかき氷を仕込み始めたのか君は」

(半眼の呆れ顔。
 椅子に腰掛けたまま、そのキャスターでからころと冷蔵庫の前まで移動する)

「この冷蔵庫、いろいろ入ってるんだろ。
 何か代用が利くものはないのか?ほれ、カルピスとか、練乳とか、梅酒とか……」

(自宅のように、がさごそと中身を漁る)

蓋盛 椎月 > 蓋盛はたこ焼きを作り始めればきっとたこが無いことに途中で気づくだろう。そういう人間だった。

醤油かけたら見た目だけでもかき氷っぽくなるなあと血迷い出していたら
ヨキ教諭から助け舟が出た。
「なるほどさすがの応用力……
 ヨキ先生は一人で無人島に行ってもなんとかなるタイプですね!」
賞賛の言葉を投げつつ、冷蔵庫を漁るヨキの背中を見て
完全に駄教師のたまり場と化してしまったことを悟る蓋盛であった。
(まあ誰か生徒が訪れたらヨキ先生をロッカーに閉じ込めるか蹴り出せばいいや)

はたして冷蔵庫にはいろいろと飲料が入っている。
スポーツドリンクや経口補水液に混じり、オレンジジュースや梅酒やカルピスなど。
一応訪れた生徒に出す、という名目で用意してあるのだ。
だいたい自分で飲むことになるが。

「オレンジジュース凍らせてシャーベットのかき氷にしてもよかったな……」
後悔先に立たずである。

ヨキ > 「ふッ……突然フラれたからといって翌日から餓えるようでは男が廃る。
 いつ何時でもヨキは自立を保つ男よ。……だが独りはいやだな……」

(素直だった。
 もしも生徒が入ってくれば蹴り出される運命にあることは気付いていない。
 冗談のつもりでチョイスした梅酒かき氷だったが、現物が見つかると目を丸くする)

「……酒以外を飲むと死ぬ種族の生徒でも居るのか、この学園には?
 まさか生徒との淫行に飽き足らず、酒盛りでもしてるのではあるまいな蓋盛……」

(図らずもダジャレめく。真顔でぶつぶつ言いながら、瓶を選んでいる)

「…………。
 かき氷にはカルピスをかけた上で、それとは別に梅酒を開けるというのはいかがか」

(蓋盛へ振り返る。
 取り出したカルピスの栓を開け、自分のものとするらしいかき氷にとぽりと浴びせる)

「いや、学内ではなくてだな。一緒に酒でもどうかと思った。地鶏とか」

蓋盛 椎月 > 「孤独というのはひとりの場所よりも人との交わりのなかに強く感じるそうですね。
 つまり世界の知的存在を皆殺しにすれば孤独は感じなくなるんでしょうか?

 そうそう竜系の異邦人の生徒にはそういうのもいて、消毒アルコールのかわりにもなるし、嘘です、
 自宅(本当の自宅)から持ってきました……
 さすがに飲むときは一人でこっそりやってるので安心してください」

少なくとも三つはツッコミ所の含まれるセリフを吐く。

もう片方、自分の皿にはオレンジジュース(果汁100%)をひたひたとかける。
色はイメージにあるかき氷に比べればだいぶ淡いが別にいいだろう。
どうせ着色料の色らしいし。などと知ったふうなことを内心でつぶやく。
金属のスプーンを2つ取り出し、一つを自分の氷に差した。

「酒ですか。お付き合いしますよ。
 教師との円滑なコミュニケーションも仕事のうちですしね。
 ジドリジドリ~」
ニヤリと笑う。誰かさんと同衾した時も似たようなことを言った気がした。

ヨキ > 「かつてヨキが一匹の獣であったころには、孤独などなかったぞ。
 言葉も、言葉を交わすことも知らなかったからな。

 確かに知的存在が自分のほかに居なければ、元より孤独はないだろう。
 だが『自ら殺めた』ときは果たしてどうなる?
 『自分と言葉を交わした者』あるいは『これから交わすかも知れなかった者』の命を奪う行為に、本当に『孤独』は存在しないか?

 ……さておき生徒と寝ることについて堂々としているくせ、その辺はこっそり隠すのだな。
 全く、君の倫理観は一体どうなっているんだ」

(お前が言うな大賞。
 スプーンをひとつ受け取って、さっそくカルピス氷を口に含む。美味い)

「教師としてのコミュニケーションは仕事のうちやも知れんがな。
 ……ヨキと退勤後に飲みに行くのも、君にとっては『仕事』か?」

(笑うでも落胆するでもなく、何気ない調子でぽつりと呟く)

蓋盛 椎月 > 「まあ、ボタンを押して飲み物を買うみたいに人は殺せませんからね。
 それに同じことをやるのなら自分自身を殺してしまったほうが早そうだ」
ヨキのツッコミもどこ吹く風と言った体でシャリシャリと氷を食みはじめる。
口の中に冷たさと甘さが広がる。うむ、なかなか悪くないんじゃないの、というのが感想。

「あたしにとってはなんだって遊びだし、なんだって仕事ですよ。
 お互いを知り仲良くすることは得なことばかりなんですから、
 やっておいて損はないでしょう?」
とぼけた口調でそう言って、スプーンを口で咥えて上下に揺らした。

ヨキ > 「そんな風にものみな全て殺すような異能でもあれば別だが。
 それこそ“段階Ⅳ”――CTFRAの最高位―――か、カミサマとでも呼ばれるようなやつだな」

(しゃくしゃくと氷を含む。
 蓋盛の言葉には、ふうん、と声を漏らして)

「何でも遊びで、仕事。
 ヨキが仕事を仕事とも思わんようなものか。

 …………。いや、違うか。ヨキにはすべてが生業だ。
 獣はどうしたって、何もかもに本気でいて忠実であるからな。
 君ほどに遊びの含まれている方が、よほど有能だ。

 ……そう、有能と言えば。
 生活委員の朽木次善。彼も随分と君を買っていたようだったな」

蓋盛 椎月 > 「神、神……ね」
なぜだか皮肉げな薄笑いが漏れる。

「朽木くんですか……
 そういや、彼もヨキ先生の名前を口にしていましたね」
スプーンを置いて目を閉じる。

「あたしは自分のこと有能だなんて思ったこと一度もありませんけど。
 好き勝手やってるだけですからね……
 タフさには自信ありますけど。
 朽木くんのほうがよっぽど頭回るし優秀だと思いますよ。
 経験少ないからちょっと視野の狭いところはあるけど」

「ああ、彼のほうで抱えてた厄介事も一応の終着は見せたそうで。
 しばらくは彼の動向に注視する必要はなさそうですね」
ふと思い出したように。

ヨキ > 「…………。どちらにせよ、碌なものではない」

(カミサマなどとは。目を伏せる)

「……彼のような生徒のお陰で、ヨキは教師で居られるような気がするよ」

(呟いて、器に残った溶けかけの氷を飲み干す)

「全体主義的だが凡庸ではない。
 見るべきところは多い……だが敵を作りやすかろう。
 突出した有能者にも、平凡な無能者の中にも。……」

(続く蓋盛の言葉に、瞬いて目を向ける)

「……終焉?ほう。解決したのか。
 先日はどうにも……まるで死地にでも赴くようなことを口にしていたから。
 彼が何をしようとしていたかは知れないが、心配ではあった」

蓋盛 椎月 > 「それはあたしも同感ですね」
あのような生徒に信じてもらえるから、教師としての自信を保っていられるのだ。

「“失敗”ではあったそうですが。
 あたしも何をしようとしていたか、詳しくは知らないし、推測しかできませんけど。
 人死が出かねないたぐいの案件かなとは、ぼんやり。
 ……ま、命を落とす側にはならなかったようで、何より」

死んだら生き返りませんからね、と。
皿の氷を一気にスプーンでかっこむ。

ヨキ > 「失敗……そうか」

(失敗したのか、と。少し黙って、指先で額を掻く)

「……幸せだが、また害だな。
 他人の動向に心を動かされる、というのは。
 元の獣の一匹に戻れたら、どんなに楽かとさえ思う」

(空の器とスプーンを、机の上に置く。
 眉を下げて、軽く笑う)

「人間で居るのも、なかなか難儀だ」

蓋盛 椎月 > 「ずいぶんと楽しそうにボヤキなさる。
 あたしの目から見れば、そんじょそこらの連中よりは
 ずいぶんと人間らしいお人に見えますよ、ヨキ先生は。
 ……はい、ごちそうさまでした、っと」
肩をすくめて笑う。使い終わった食器をシンクへと片付ける。

「人生はごっこ遊びですよ。せいぜい面白おかしくやりましょう」

ヨキ > 「くよくよしたところで、もう戻れはせんからな。
 一度目は人に討たれたが、もし……

 ……もしもう一度“カミサマ”に戻ることがあるならば、そのときはもう少し巧く立ち回るだろうと……
 そんな想像だけが、ある」

(椅子から立ち上がる。元の場所に戻して、馳走になった、と会釈して)

「君の前では調子が狂う。励まされてばかりだ。
 ……そのうちには、君の方を甘やかしてはみたいものだな」

蓋盛 椎月 > 「戻れそうになったらあたしにもご一報くださいよ。
 こう見えて神的な存在には結構興味あるんでね~」
軽口を叩きながら、アレコレ片付けていく。

「フ、養護教諭ってのは励ましたり甘やかしたりするプロですから。
 あたしを甘やかすのは並大抵のことじゃあありませんよ?
 ……いやそうでもないかな?」
自分の言葉に軽く首をかしげる。
会釈には小さく手を振って、デスクの前に座り直すだろう。

ヨキ > 「は。覚えておこう。
 かつてのことも、人の言葉に表せるほどの部分しか話せそうにないでな」

(軽々しく笑って、踵を返す)

「プロか。敵わんな。
 ……甘やかすことが叶わずともよい。
 もしもヨキの齎す何ものかによって、君の煩いがひととき薄れることさえあるならば――それだけで」

(手を振り返す。元通りの歩調で保健室を後にする)

ご案内:「保健室」からヨキさんが去りました。
蓋盛 椎月 > 「まったくよく出来たお方だ」
去るヨキを見送り、満足気に目を細める。
彼にもずいぶんと買われてしまっているようだが、その気持だけで充分だ、と思う。
これ以上誰かに借りを作るつもりにはなれなかった。

「さーて、仕事に励む気分になりますか……」
キーボードを叩いて文章を打ち込む。

『かき氷を作るときはちゃんとシロップも用意しましょう』

ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。