2015/10/23 のログ
ご案内:「保健室」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 『あー、ヒマー』

時間帯はお昼過ぎ。
黒髪をだらしなく束ねた保健課の先輩が、気の抜けた声を漏らす。

「…まあ、良いことじゃないですか。少なくともこの周辺で保健課が必要になるトラブルは起きてないってことでしょうし」

苦笑して応じる蘭。

『でもさー、せっかくの学園祭だよ?美澄ちゃんはどっか見て回りたいところとかないの?』

ただ座ってるだけとか逆に拷問なんだけどー、と、不満げな声を漏らす先輩。

「…まあ、私も、この当番が終わったら美術の展示を見に行きたいな、って思ってますけど…」

苦笑しつつ、自分も学園祭への興味があることは肯定する蘭。

賑わいが増せば、それに伴って問題も増える。
そのため、委員会所属者はそれぞれの業務を強化することになっていた。

しかし、保健課の仕事も分かりやすく増えるかと言うと、そうとも限らない。
学園祭期間中、外傷の主要要因である実技系授業が軒並み休止するためだ。

無論、どこかで集団規模のトラブルが発生しないとも限らないので保健室に詰める人員は強化する。
しかし、少なくとも現在、蘭達が詰めている保健室は、全力で暇を持て余し、油断しきっていた。

美澄 蘭 > 『そっかー、美澄ちゃんは芸術の秋なんだねー。
あたしは出店回りたいんだよねー。異邦人街からも珍しいものを売る出店とか出るしさー。
全力で食い倒れたい…』

まだ見ぬ美味に思いを馳せてため息を吐く先輩。

「食い倒れは良いですけど、食べ過ぎて具合悪くしないように気をつけて下さいよ…香里さん、診察は出来ても特別な治療が出来るわけじゃないんですから」

香里と呼ばれた先輩は、相変わらず気の抜けた調子で手をひらひらさせる。

『だいじょーぶだいじょーぶ、あたし異能のせいで燃費悪いからさー。
おかげで食費ヤバいくらいだし』

「それは、大変そうですね…」

蘭が苦笑を漏らす。

そんな調子で、全力で脱力した、女子学生達の会話が続く。