2015/12/24 のログ
ご案内:「教室」に加賀背 雄さんが現れました。
加賀背 雄 > (教室で、一人でプレッシャーを感じていた。
 べつに先生に当てられるとか、なにか悪いことをしたとかではない。
 しいて言うなら、服を間違えたのだ。
 朝起きて、クローゼットを開けて、服を選んで、ウィッグを選んで、
 メイクを決めて出撃。 この中に必要のないことが2つあった。
 ウィッグとメイクだ。 寝ぼけていたせいで、普段の格好ではなく、
 女装モードのシーケンスが走ってしまったのである。
 汗をかくわけにはいかない。 メイクが崩れるし。
 かといって、戻っている暇もない。 ちらちらと視線が刺さるのを感じる。
 そりゃそうだ。知らない生徒だもん。 この学園は選択制で、
 しかも割りと自由に受講する/しないを切り替える人もいるため、
 知らない生徒がいたりすることは珍しくないのだけれど、
 それでも心理的プレッシャーは強い。)

加賀背 雄 > (先生が入ってくる。 見知った先生だ。 相手は今の自分を知らないけれど。
 この先生はきちんと出席を取る。 嬉しくないことだ。 あ行の人の名前が呼ばれ、
 それに対する返事が返ってくる。 この授業は受ける人数が少ない。
 あっという間に自分の番だ。)

『加賀背…加賀背は、いないようだが。』
(先生が教室を見渡す。 そりゃそうだ。 普段の加賀背はいない。)

加賀背くんは体調不良でお休みです。
(よそ行きの声色でしれっと答える。先生の目がこちらに向く。 
 誰何される前に切り出した。)

代理です。彼から授業のメモを取ってくるようにと。
(なるほど、と納得した様子の先生は、点呼を続ける。
 心のなかで安堵の息を吐く。とりあえず当座はしのげた。
 なにより、自分の正体を晒さずに済んだ。)

加賀背 雄 > (授業は無事に終わった。 すぐに帰れば着替える時間はある。
 そう思って席を立とうとしたところに、声がかかった。)

『ねえ、君ここの学生さんなんでしょ?』『加賀背くんと知り合いなんだ。』
『おとなしいと思ってたけど、彼女とか作っちゃってたんだなー』

いや、あの…ええとですね、それはですね…。
(全く意識していなかった。たしかにいきなり知らない人が、
 代理と称して授業に参加してくれば興味ぐらい湧く。
 無碍にあしらうわけにもいかず、適当に誤魔化し続ける。
 好奇心旺盛な人達を満足させるころには、休み時間は大分消費されていた。
 具体的には、今から戻ったら次の授業に間に合わないぐらいに。)
 

加賀背 雄 > まあ、次のところならなんとかなるか…
(仕方がないのでそのまま次の教室へ。
 次の授業は高度な演算が必要で、コンピュータを用いる。
 これなら先生にまじまじと顔を見られたりすることもあるまい。)

(先ほどと同じように「代理です」と言いはり、授業開始。
 求められた動作を行うプログラムを組めという課題だ。
 自分にとっては大して難しい話ではない。さくさくと組み、
 課題を提出する。 これで帰れる…そう思っていたが、
 モニタに講師からのメッセージが届いた。)

『この組み方、加賀背くんのものによく似ているようだが。
 関数の使い方や処理の落とし込み方など、かなりそっくりだ。』
(息が止まる。 まずい。 すkそいばかり失念していた。
 料理や文章と同じで、組まれたプログラムにはその人の趣味が出る。
 なにか答えないのも怪しいし、かといって迂闊な答えはできない…
 何かないか、なにか…。 ギリギリの精神状態で必死に考え、
 キーに手をやった。)

「加賀背くんから学んだので、そのためだと思います」
(堂々としたブラフ。 『そうか』と返事が返ってきたので、
 背もたれに身体を預けてぐったりと脱力する。)

加賀背 雄 > よ、よし、帰ろう、帰る…!
(授業終了後、また包囲網が構築されそうなところを無理やり突破する。
 着替えて次の授業に出たはいいものの、しばらくの間、
 「彼女がいる」という噂がつきまとうことになったりとかした。)

ご案内:「教室」から加賀背 雄さんが去りました。