2016/06/05 のログ
ご案内:「屋上」にクロノさんが現れました。
クロノ > 「……ん、んー!……ふぅ。」
(すっかり真夜中の、校舎の屋上。人気も無ければ照明もなく、眼下に見下ろす周囲の街灯の明かりと、夜空の星明かりが申し訳程度に視界を照らしている、そんな場所。そのだだっ広い空間に、しかしぽつんと響くのは少年のものと思わしき声音と、ジージーヒュンヒュン、といった機械が動くらしい音。)

クロノ > (フェンス越しに敷地の夜景を見下ろしつつ、ぐっと伸びひとつしては、ぶんぶんと元気よく腕を振って体操と深呼吸でもするような仕草。その度に、ロボットの胸のエンジンはヴゥン、ヴゥンとボロくも力強い特有の音を立てて唸る。)

「…いっちに、さん、し…いっちに、さん、し、…」
(ロボットが体操をして何か効果があるのかは不明だが、終日保健医兼工務員として働き終えた男の子は、妙に人間くさい雰囲気を漂わせつつ、新鮮な夜の空気を味わっていた。)

クロノ > 「…よし、と。今日も1日、お疲れさま。」
(ラジオ体操っぽいそれを一通り一巡して終えた男の子は、誰に言うでもなく、そうひとりごちて一度静かに目を閉じる。数秒の沈黙の後、静かに開いた琥珀色の双眸はふわりと星空を見上げて。)

(しばらくそうしてぽつんと、ぼんやりしていたロボットは、やがてまた地面に視線を下ろすと足元に落ちていたいくつかのゴミを拾ってごみ箱へ。その後は、また屋上の真ん中辺り、先程立っていた場所の近くに戻ってきて、またフェンスに指先を添えて景色を見下ろす。)

クロノ > 「……明日も、良い1日になるといいな。」
(ほどほどに平和で、ちょうどよく新鮮で。…なんて、そうそう都合よく思い通りに事は運ばないのが世の常だけど、だからこそ毎日は刺激的。見た目は男の子型だけど、かなり年季の入った古くさい機体のロボットは、年頃の少年にしては妙に年寄り臭い望みをぽつんと呟いてくるり、と反対向きに振り返る。背中をフェンスに凭れて、両腕をフェンスの枠の上に沿わせるように載せて、かくん、とまた星空を見上げるように上を向いた。)

クロノ > (ガラスの、作り物の双眸に映る星明かりは冷たく、しかし美しく。そうしてしばらくの間、初夏特有の生暖かく、僅かに湿気を含んだ柔らかい夜風を楽しむように全身で受け止め、感じて。夏至が近い故にもうすぐ東の空が少しずつ青みを帯びてくるのと同時かそのすぐ後くらいに、ロボットは出入口の扉へと歩き始める。…朝が来たら、またいつもの毎日と同じ、忙しくも平和な暮らしの始まりだ。)
ご案内:「屋上」からクロノさんが去りました。