2016/11/08 のログ
■ヨキ > 通り掛かった教室のひとつで、「本場の味」と銘打たれた食堂に出会う。
どうやら異邦人の有志が集まって、種々の異世界料理を提供しているらしい。
客引きが可愛いドワーフの女子だったこともあり(男なら惹かれないという訳では断じてない)、
満面の笑みで寄ってゆくことにした。
「…………!!」
――これまで体験したことのない、強烈な甘みと辛みと苦みと酸味。
ヨキの顔が赤くなったり青くなったり緑色になったりするのは、また別の話だ。
激動の一年にあって、最も目まぐるしい日々はこうして幕を開ける。
ご案内:「廊下」からヨキさんが去りました。
ご案内:「保健室」にクロノさんが現れました。
■クロノ > (いよいよ秋も山から麓に降りてきて、巷もすっかり秋ムード。山の上がほんのり白い雪のベールを纏って、冬将軍の足音も遠くから聞こえて来そうな気がする、そんな季節。)
…お祭り、かぁ。
(この街に来て初めての季節、普段よりも賑わう学校の敷地や学生街。その雰囲気に嬉しそうに窓の外を眺める、男の子の形をした機械。他の同僚の先生たちからお話を聞いたり、昔から大事に使われている飾りなんかを手直ししつつ、その空気感を楽しんでいる養護教諭兼工務員。昼間の養護教諭としてのお仕事が終わったら、ちょっと休憩して放課後は学校設備の修繕…と、今の期間はお祭りの準備作業。学生たちが各々飾りつけや催しの準備に勤しむのを傍目に、男の子もまた、時に一緒に、時には夜遅くまで、工具と脚立を抱えて学校じゅうを行ったり来たり。)
…どんなお祭りなんだろうなー、楽しみだな。
(うきうき、わくわく。そんな気持ちがダダモレなくらいに鼻歌なんか歌いながら、養護教諭は職場である保健室にも、ささやかな飾りつけを。)
■クロノ > (金属の手で、ウィンウィンと機械の駆動音鳴らしながら器用に折り紙や色画用紙を手際よく折ったり切ったり、そして繋いで貼り付けて。ロボ感たっぷりの重厚そうな見た目とは裏腹、意外にも緑色の鋼鉄の少年が作り上げる飾りは手作り感たっぷりの、しかも小動物や昆虫がモチーフの、かわいいマスコットたち。)
…ふっふー、でーきたっ♪
(折り紙で折ったパーツを組み上げて出来たのは、机の上にちょこんと置いてちょうど良いサイズのフクロウの人形。その横にはウサギだったりカブトムシだったりペンギンだったりと、いろんな色の折り紙人形がいくつか並んでいる。…この鋼鉄の少年、見た目の割には可愛いものが好きな様子。)
■クロノ > (いろんなマスコットを量産して机に並べて、保健室の壁や窓にも、そしてベッドの傍らにも、派手ではないけどほんのりかわいい、ささやかな飾りつけをする。男の子ロボがかつて医師として、小児科病棟で働いていた頃の経験が、ひょんなことから意外な場所で役立つことになったらしい。)
…なんだか、懐かしいな。
(何年経っても、自分は男の子のまま。けれどもあのときこんな感じの病室のベッドで、一緒に記念日のささやかなお祝いをしたあの子は今どこで、何をしているだろうか。ふと手を止めて眺める保健室の風景は、そんな男の子の記憶の記録を読み出すにはとっても最適なくらいによく似ていた。)
ご案内:「保健室」に滝川 浩一さんが現れました。
■滝川 浩一 > 学校の廊下を少しふらつきながら歩く少年。
その顔は疲れ切っており、目の下には黒い隈が浮き出ていた。
覚束ない足取りで保健室の扉の前までくれば、コンコンと手の甲で扉をノックする
「失礼します…」
ガラガラと扉を開け、中に入っていく。
中を見渡していると緑の装甲に覆われたロボットの男性が目に入った。
彼を視認すれば疲れた顔が少しだけ明るくなる
「やぁ、クロノ。…結構、器用なんだな」
机の上に置いてある折り紙を見て、笑顔を浮かべてそう告げる。
保健室にある丸椅子に座って、その折り紙を拾い上げて眺める。
■クロノ > ……、ぁ、はーぃ。
(ロボらしからぬ、ぼんやりと思い出タイムに入っていた男の子の意識が、扉をノックして入ってくる物音と声音によって、迅速に現実に引き戻される。来訪者の見知った顔を見て浮かべた笑顔は、数秒遅れてなんだか心配そうな表情に変更される。)
…って、どうしたの、思いっきり疲労感満載だよー?
(器用、と言われれば、ロボットは機械の手をジージー鳴らしながらグーパーして、ちょっと得意気にニコニコ笑って見せるけど。椅子に腰かける彼の前にしゃがんで、その疲れた顔をすっと覗きこむ。)
■滝川 浩一 > 「はは…いや、今はそんなこといいんだ」
得意げにニコニコ笑っている彼にこちらも笑顔で返す。
しかし、疲労感の満ち溢れている彼の笑顔は、とても明るいとはいえなかった。
「ちょっと触診?診てもらいたいんだけど…」
そう言いながら制服のブレザーを脱ぎ始める。
ブレザー、ネクタイを取り外し、ベッドの上へと置けばYシャツの前のボタンを外し始める。
そして下に着た白いTシャツを捲れば、脇腹の古傷を中心に肌が黒ずんでいた。
「…どう思う?」
黒ずみは胸辺りまで届いており、広範囲を汚染していた。
これについてどう思うかを彼に問う。
■クロノ > …え? ぁ、ぅん。分かった…。
(彼の依頼に、男の子はこく、と頷いて様子を見守る。疲れた顔をしているけど、自力で保健室まで来れたみたいだし、衣服を脱ぐ挙動も自然で、特に途中で痛む様子もない。けれどもその直後に見えた傷跡とその周囲は明らかに何らかの異常が見てとれるくらいに不自然で、男の子はすぐに真剣な表情になる。自席の引き出しから薄手のゴム手袋を取り出して金属の手に履いて、再び彼の前へ。)
…いつ頃からこんな感じ? …動いたり、触ったりしたら、痛いことある?
(そう問いかける間にも、いつかと同じように彼の首筋とかこめかみとかを、てきぱきと触診して不自然な腫れや発熱が無いか確認していく。)
■滝川 浩一 > 「いつから…そうだな。一ヶ月くらい前かも…」
首筋、こめかみを触診されつつ、少し考えた後そう答える。
体温を測れば平熱。腫れなどは体には見受けられない。
彼の体に黒ずみ以外の変化は見受けられないが、強いて言えば脇腹の痛々しい傷跡が常人と違う所だろうか。
「俺が入院してた時、見舞いに来てくれただろ?
その時の傷がこれなんだけど…傷を付けた相手が悪かった。」
約一ヶ月前、入院していた自分の見舞いに来てくれた彼にそういう。
脇腹の傷が原因で入院したと説明すれば、次に傷を付けた相手について話し出す
「黒い、液状の…呪いを纏ってるような。そういう怪異を知ってるか?」
彼を真っすぐ見て、そう問いかける。
■クロノ > (「あーんして」とかいって、彼の口のなかにアイスのスプーンみたいな木のアレを入れて、喉の奥の様子を見たりとか、上下の瞼の裏側を観察してみたりとか、男の子の仕草はすっかり内科医の問診そのもの。けれども今のところ発熱やリンパの腫れ、その他の感染症の様子は特に見受けられなくてひとまず一安心。患者さんのお熱を測るのが体温計ではなく、男の子の金属の手を患者さんのおでこや脇に触れて測定する仕草はロボット故のものらしい。)
…液状、だったんだ。…僕が見たことあるのは、なんかこう、コーヒーゼリーみたいな、ドロッとして、プルン、ってした感じの状態だったな。浩一のこれみたいに切り裂くって言うよりは、スライムみたいに包んで飲み込むような雰囲気だったけど…あ、でも結構素早かったかも。
…入院してた時は、傷と肌の状態はこんな感じじゃなかった…?ゆっくり広がってきたのかな?
(診察の対象は感染症の免疫反応から、やがて傷痕周囲の患部へ。機械の眼と手、各種センサーで測定したいろんな数値を人間の正常値と照らし合わせながら、同時進行で問診もしつつその間にもネットワーク経由でデータベースに照会をしているのだろう、男の子のおでこにあるインジケータランプは忙しくチカチカと点滅し、また頭の中からは常にピッとかププッとかピーとか、機械らしい電子音が色々鳴っている。)
■滝川 浩一 > あーんしてと言われ、喉の奥の様子を見せ、色々と診察をする様はまさしく病院のそれで
彼の指示に従い、体を一通り診せる。
「クロノも見たのか…
そうか。…もしかしていくつか種類があるのかも知れないな。
っ…そういう事だろう。どうやら他者に感染?汚染する力があるようだ。
完全に汚染されたらどうなるかは知らないが…」
彼の金属の手が当たれば、季節もあってかそれがとても冷たい。
それに少し音を挙げつつも我慢する。
クロノがセンサーで捉えた滝川の数値は健康状態の高校生と相違なく、黒ずみを除けば至って正常と見受けられるだろう。
物理的な身体へは影響はないが、もし彼が魔力などを測れるとしたらどす黒い瘴気のようなものが滝川の体に詰まっていることがわかるだろうか。