2017/03/22 のログ
ご案内:「屋上」にクロノさんが現れました。
クロノ > (すっかり春めいた季節の夜風はしかし、まだ冬の名残を僅かに引きながら、ゆっくり、少しずつ季節を進めていく。)

……はー…。

(養護教諭兼公務補とはいえ、機体の見た目は16歳の男の子。でも製造からはもう120年。屋上で手摺に凭れつつ…男の子の手にはゆらゆらと紫煙流れる小さな紙筒…いわゆるタバコ…である。紙巻きタバコを二本の金属の指で器用に摘まみつつ、反対の手にはちゃんと携帯灰皿。良い子なんだか悪遊び中なのか…いやそもそも機械だしその辺は気にすることではないのかもしれないけれど。)

クロノ > (巷を見渡せば、それこそあちこちに春の花が咲き始めて、大小様々の命の息吹を感じられる季節。)

…春かぁ。…何回目、かな。

(生まれてからずっと少年のまま、そんな男の子が年月を重ねる度に見て、感じてきた季節。…設計寿命10年の機械の体は、長い年月の間にあちこち修理と改修を重ねて、外見こそほとんど変わらないものの、中身はすっかり入れ替わっている。…とはいえ、こうしてこれから先もまた季節の移ろいを見届ける事が出来るのは、あと何回だろうか。そんな思考を巡らせながら、小さな筒を口元に咥えては、ほろ苦い煙を少し吸って、ゆっくりと吐き出す。)

クロノ > (とりあえず手摺に凭れつつ吸ったタバコはもう2本目。肺も無ければ血液もない機械の男の子にとっては、まさにオトナのモノマネに過ぎない行為なんだけれども。…そもそもが人間のモノマネをしてこその機械だし、ずっと青春の年頃のAIで動いているのだから、たまにはこういう火遊びもとい背伸びのひとつやふたつも、してみたくなるもの。)

…後で色々洗わなきゃ。

(機体を丁寧に拭き掃除する日課に加えて、喫煙の後には疑似呼吸の際に作動している空気袋と口腔の洗浄も必要…洗剤液を飲み込んで肺も喉もジャバジャバ洗う…という光景は、この男の子自身にとっても、やっぱり自分が生き物じゃなくて機械なんだ、としみじみ感じざるを得ない時間で。)