2017/04/20 のログ
■ステーシー >
「あはは、そういうことかー」
「貴族ニコラスになってたら私とは出会ってなかったかもね」
しかしニコラスにして『冗談じゃねぇや』と言い切れる旅程。
よほどの珍道中に違いない。
それはそれで興味があったけど、今度聞くことにした。
「あ、そうだ。この前借りたハンカチ返すね」
洗ってあったハンカチを返した。
『えっ女子に貸したハンカチが部屋干しされて変な匂いがする』とか思われないように、
ちょっと良い洗剤を買った。だから大丈夫。(何が?)
「ああああ……そういえば私、こっちに来て迷子の母親を捜してたら」
「誘拐犯と間違われてポリス沙汰になりそうになったわ…」
「やっぱり法律知識とかいるかな……いるわよね…」
なんだこの目の前の漫画の山は。
私は学ぶ気の薄いフェルパーです。
そんなレッテルが自分に薄く見えた。
■ニコラス >
まぁ、それに、なんだ。
――好きなやつも、いたし。
(明後日のほうを向き、首の後ろを手で擦りながら。
こう言う事を口にするのはやはり恥ずかしい。)
――ん、ああ。
別に返してもらわなくても良かったのに。
(とは言え返すというのなら受け取る。
なんだかちょっと良い匂いがするが、気にしないことにしてポケットに突っ込んだ。)
あー、まぁ、うん、それはご愁傷様。
つってもそんな難しいモンは読んでないぞ。
そもそも生徒登録した時にこの世界の常識が書かれた冊子貰ったし。
(図書館で借りて読んだのは小学生向けの道徳の教科書のようなものだ。
子供向けの本が一番分かりやすいのだ。)
■ステーシー >
「あー。好きな子がいたから、それどころじゃなかったと」
「なるほど……それじゃー確かにケッコンどころじゃないわ」
このまま突っ込んでいきたかったけど。
そうなるとこの年になるまで恋愛のれの字も知らない自分が馬脚フルオープンしそうだ。
アホの子にはアホの子なりの立ち回りがある。
「どうよ、私の女子力は。洗剤、398円もしたんだもの」
ここで値段を言うのが女子力の瑕疵を露呈している気がする。
だが気にしない。
「この世界の常識………」
思えば私は常識知らずのソードバカな気がしないでもない。
剣の修行と仕事以外は映画を見て漫画とライトノベルを読んで暮らしている。
項垂れた。猫耳がへにょっと倒れる。
「わ……私この後図書館に行くわ…」
自分も勉強しなければ。この世界のことを。
■ニコラス >
そゆこと。
ま、もういつ会えるかわかんねーけど。
(なんせ帰る方法の見当すら付いていないのだ。
なかばもう一生会えないと覚悟すらしている。)
――女子力高いヤツはわざわざ潜在の値段をひけらかさないもんだと思うぞ。
(流石にそこは突っ込んでおいた。
と言うよりツッコミ気質の自分が良くぞまぁここまで我慢したもんだ、と思うほどである。)
――まぁ、他人に迷惑を掛けないようにしとけば大抵は問題ないと思うぞ。
あとは生活委員の人に聞くとかさ。
なんなら俺が勉強してた時のノートとか貸すか?
(普通に生活する分にはそんなに覚える事は無いと思う。
困ったように笑いながら、教材を貸すことを提案。)
■ステーシー >
「……そっか」
帰る方法。それは誰にもわからない。
元いた世界に運よく帰れたら。私も師匠に謝れる。けど。
「うっ……女子力とは一体どうやって高めればいいのかしら…」
「わからない……ひょっとして返す時にカッコいい台詞とか必要だったかしら」
「借りは―――――返したぜ。とか言いながらハンカチを返すの」
人に迷惑をかけない……?
カラオケに行ってムード歌謡を歌い人をドン引きさせた自分にできるだろうか。
難しい。
「生活委員会の人は、みんないろいろ教えてくれるけど」
「お願い! ノート貸して! 洗って返すからー」
座ったままニコラスにすがりついた。
■ニコラス >
いつかひょっこり帰れるかもしんねーし、もしかしたら向こうがこっちに来る可能性だって無くは無いしな。
だからそんな暗い顔すんなよ。
(歯を見せてにかっと笑う。
その言葉は自分の事は気にしていない、と言う意味もあるが、彼女に向けた言葉でもある。
何が起こるかわからないのが人生なのだ。)
それを男の俺に聞くなよ……。
あれじゃねーの、気が利くとか面倒見が良いとか料理が上手いとか、そう言う。
――それは女子力じゃねーな。
(どちらかと言うとダンディズムだ。
ある意味で注目されるだろう。)
うわ、わかった、わかったから!
つーかノートは洗うなそのまま返せ!
(流石に女子から抱きつかれると対処に困る。
無理矢理引き剥がすわけにもいかず、かといってそのままにしておくのも落ち着かない。
結果として頭に右手を添えて軽く押す形になった。)
まぁ、なんだ。
俺もこの世界の事詳しいわけじゃねーけどさ。
俺の知ってることなら教えるし、わかんねー事あったら聞いてくれればいいから。
だから離れてくださいお願いします。
(そのまま頭を撫でる。
そろそろ周囲の視線が辛い。
イチャ付きやがってと言う殺気の篭った視線だったり、女の子を泣かせたと言う殺気の篭った視線だったり。
殺気しかねーじゃねーか。
ひとしきりわちゃわちゃした後、自身は忘れ物を取りに教室へ。
戻ってきて彼女がいるならもう少し話して、途中まで送っていくと申し出るだろう。)
ご案内:「ロビー」からニコラスさんが去りました。
■ステーシー >
「………うん」
単純な問題でもない。
自分が帰る手段が見つかれば、きっと帰ることを選択する。
その時に、この世界での全てを捨てなければいけない。
それを人は、別離と呼ぶ。
「気が利く! 面倒見がいい! 料理がうまい!」
「女子力あきらめた……」
ステーシーは諦めが早かった。
「やた、ありがとうニコラスー」
頭を手で押されながら感謝の言葉を言った。
そんなこんなで、漫画やライトノベルを読んでいると時々いいことがある。
そんな風に覚えた。
INTは低いままだった。
ご案内:「ロビー」からステーシーさんが去りました。