2017/04/28 のログ
ご案内:「ロビー」に藤巳 陽菜さんが現れました。
■藤巳 陽菜 > ロビーの椅子に腰を掛けて傍の自販機で買ったジュースを片手にスマートフォンの画面を眺める女子生徒。
普通に本土でもよく見られるだろう光景だ。
ただ、その女子生徒の下半身が蛇体であるという事がこの学園らしさを強く意識させた。
「まあ、無理よね。」
陽菜が眺める。その画面には『ゴールデンウィークは帰ってくるの?久しぶりに遊びにいこう!』
要約すればそんな内容の文章が画面に表示されている。
これを送ってきた相手は陽菜のは数少ないこの身体になった事を知っている本土の友人。
明るくて、誰にでも優しい。そう、とてもいい子である。
■藤巳 陽菜 > (身体のことが無ければ私も迷わず行ったのに…。
…いや、多分迷わずには言い過ぎた…迷いながらでも行ったのに。
でも、この身体で外に出るのはやっぱり…。)
陽菜の身体はこの島の中でですら奇異の視線を向けられることがある。
その多くはこの島の常識に慣れていない新入生からのもの。
陽菜自身がそうであるように外の世界の常識ではこの身体は奇異なものに映るのだろう。
「なんて断ろうかな…。」
優しいけど思慮が浅いあの子のことだこの身体で嫌な思いをすると本当の事を伝えたら
きっと、自分を責めて落ち込むだろう。
断るための、良い理由は無いだろうか?
■藤巳 陽菜 > 「常世島にゴールデンウィークは無いとか…?
祝日も休日もないとか…あの子なら意外と騙せそうな…いや、無理ね。」
酷い、あまりにも酷い嘘だ。
もし、仮にそれで騙せたところで他人経由ですぐに気づかれるのは目に見えている。
「心配かけないようなプラスの予定があるからってことにしたほうがいいわね。」
悩む様子と合わせたように尻尾の先端が左右にユラユラと揺れる。
時々、止まるが思い出したかのようにまた揺れる。
これは意識的に揺らしている。そう、尻尾を自由に動かせるようにするためのトレーニングである。
ご案内:「ロビー」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 新年度が始まって1ヶ月ほど。今のところ、蘭の新学年生活は順調だ。
異能の制御訓練も安定しているし、学校の講義も問題無い。
昨年度末から始めた同好会も、皆親切だ。
(今年のゴールデンウィークはどうしようかな…)
勉強のこと。魔術のこと。異能のこと。同好会のこと。…そして、それ以外のこと。
やりたいことは、今までの中で一番多いかも知れない。
そんな楽しげな様子がありありと感じられる軽い足取りで、ロビーの自販機へ向かう少女。
日本人っぽくはあるが、それにしては全体的に色素の薄い印象の容貌。そして…左右で色の違う瞳。
先客である下半身蛇の女生徒の様子に今のところ気付いていないのは、この学園に慣れたからか、それとも。
■藤巳 陽菜 > スマートフォンを片手に机にへたり込む。
どうすれば相手を傷つけないのか、どういう予定があると言えばいいのか?
本当の予定は身体を動かせるように訓練するぐらいで決して休めないものではない。
そんな事を考えていると一人の女子生徒の姿が目に入って来た。
どことなく楽し気で今の陽菜とは真逆のように思える。
しかし、そんな中でも陽菜の眼を引いたのはそのオッドアイ。
(本当にいるんだ、初めて見た…。)
自分の体を棚に上げてその目をじっと眺めてしまう。
失礼だという自覚もなく、始めてみたからという好奇心から。
■美澄 蘭 > 何でロビーに来たかといえば、今日の講義の復習の初歩を学園にいる間に片付けてしまうため。
早めに復習しておくと、その後ぐっと楽になるのだ。
(最近は暖かいし、飲み物は冷たいので良いかな…)
そんなことを考えながら、自販機で買う勉強のお供はアイスレモンティー。
自販機の購入口から手に取って、空いてるテーブルを探そうとして…
「………何か?」
自販機の傍の、下半身蛇の女子生徒(異邦人だろうか)の視線に、ことりと首を傾げて尋ね返す。
左目は淡い色なのに、その視線はやたらまっすぐに女子生徒に向かっているように思われた。
■藤巳 陽菜 > どうやら自販機で飲み物を買ったみたいだ。
その白い肌、そして二色の瞳。
(この人も異邦人の人かな?)
今まで陽菜は勘違いしていたのだが異邦人でも普通にこの世界の人と似た外見の場合もある。
この人もきっとそういう人なのかもしれない。そんな風に考えながら眺めていたら。
(話かけられた!)
当然だ。そんな風にまじまじと見られていたら何か用があると思うのが自然だろう。
しかし、用は無い。これは、ただの物珍しさだった。
「い、いえあの。なんていうか…。
珍しい眼だなって。この世界ではそういう眼って目珍しいので…。」
しどろもどろになりながら言う。
そして蘭が完璧に異邦人であると思い込んでいる。
■美澄 蘭 > 「………。」
言葉を発せず、困ったように笑うのみに留める蘭。
丁度先日、似たような感じで声をかけられたため、露骨に固まることだけは避けることが出来た。
「一応、生まれも育ちもこっちの世界の日本なんだけどね。
………新入生の人?私の目で驚くんじゃ、毎日驚くことばっかりじゃない?」
そんな風に笑う蘭の表情からは、もう困った様子はほとんど窺えない。
「近く、座って良い?」
と、陽菜の座っている位置から近い机と椅子のセットを指差して尋ねる。
■藤巳 陽菜 > 「えっ!いえ、その、ごめんなさい。」
普通に日本の人だった。
自分が異邦人と間違われることが多く(陽菜の場合仕方がない事だが。)
間違われるその気持ちも分かっているのに…。
「ええ、本当に驚くことばっかりで…
心臓が二つあっても足りないぐらいです。」
優しそうに笑うこの先輩の二色の眼をみると間違えたことへの申し訳なさを感じてしまう。
「あ、はい。どうぞ。」
目が合わせずらい気まずい。
会話の糸口がつかめない。
「えっと、先輩。いや、あの上級生の人ですよね?
間違えてたらごめんなさい。」