2017/07/25 のログ
ご案内:「保健室」に暁 名無さんが現れました。
■暁 名無 > ── 一晩寝れば人間の姿に戻れるだろ。
そんな風に楽観していた俺に、現実は容赦ないボディブローを浴びせてくる。
ジャッカロープ生活、3日目。
流石にもうこの身体にもだいぶ慣れ、二足歩行も可能になったしコーヒーだって淹れられる。
相変わらず言葉はカタコトだが、それでも初日よりはだいぶ喋られるようになったはず。
……はずだ。
そもそもこの身体は魔術の暴発による過剰な魔力に晒されたのが原因というのが、まる2日かけて出した結論だ。
となれば勝手に魔力が自然に還るのを待てばいいし、現在自分の身にまとわりつく魔力の配列をちょっと弄れば多少なりと自分の求めるスペックに書き換える事も可能だ。
それに気づいたのは、ついさっきだったけれど。
まあ、そんなわけで。
俺は見た目は角の生えたウサギという珍妙な姿のまま、人の姿と大差無い保健室生活を送っている。
ご案内:「保健室」に筑波 察さんが現れました。
■筑波 察 > 「ちょっと頭が痛いんだよねぇ…
すみませーん、ちょっと頭痛薬を……頭痛薬を…?兎?」
(昨日から頭痛がひどく、耐えかねて保健室へ。スムーズに滑る扉を開けて中を一瞥すると、
頭が痛すぎてついに幻覚でも見えるようになったか?と目をこする。)
「最近妙なものが見えるようになったと思ったけど、酷いとこんなものまで見えるのかねぇ?」
(何が衝撃的だったか?目に映るすべてと言いたいところだが、
特に目を引いたのは兎のような、でも兎とは違う生き物。
その場に立ち尽くして兎のようなそれをジッと見つめる>
■暁 名無 > 朝の内に淹れて冷ましたうえで冷蔵庫で冷やしておいたコーヒーを引っ張り出してグラスに注ぐ。
外は相変わらず夏の陽気だし、そういえば梅雨明けの発表もあったと聞いた。
照り返しで焼けるような思いをしたくないから、もう暫くこの保健室で生きていくのが妥当だろう。
……なんてことをぼんやり考えていたら、来客の訪れを耳聡く聞き取った。
いや頭痛いなら家で寝てろ、と言おうと口を開いても声は声に成らず。
また保健医でも無いし、男に見つめられて喜ぶ趣味も無いので何も気づいてない事にして、俺はアイスコーヒーを飲み続けた。
■筑波 察 > 「……いや、いやいやいや、良いよ?
ただ兎がいただけで、その兎に角が生えてるくらいじゃ驚かないよ?
でもさぁ、コーヒー飲んでくつろいでるのはさすがに不味くない?
だってここ保健室だよ?保健の先生がいるべきじゃないの?
それともこの兎が保健の先生なの?」
(疑問が止まらない。納得のいく答えが欲しい。疑問には答えがなくてはならない。
ならやることは一つ。質問するしかない)
「ねぇねぇ、君、話せたりするの?それとも保健の先生だったり?」
(答えが得られないならこの兎(?)を捕まえて然るべき場所に"提出"しなくてはならない>
■暁 名無 > ううん、良い感じにめんどくさいな。
昨日は一日中来客が無かったから平和に過ごせたが、二日に一回はこういう目に遭うらしい。
さて、どうしたもんかと俺は空のグラスを置いて考える。
そもそもどいつもこいつも驚き過ぎだろう。
ドラゴンの教員とか居る学校だぞ。ちゃんと職員名簿にも載ってるだろ。閲覧自由だぞ。
まあそんな事はさておいて、取り敢えず身の上だけは伝えた方が良いのかもしれない。
俺は首から提げていたネームプレートを男子生徒へと向ける。
『暁名無』と名前が書かれ、その上に申し訳程度に担当学科が添えられている。
大体はこれで理解出来るだろう。
■筑波 察 > 「んー?暁…名無?生態学…? もしかして先生なの?」
(兎(?)が向けてきたのはネームプレート。
そこに書かれていたのは教員の名前だ。
ということはこの兎(?)はその教員と何らかの関係があるということだろう。
コーヒーを飲んでくつろいでいるということは、もしかしたら教員本人なのかと聞いてみる。
もしこれで教員本人、つまり暁先生とやらなら、まずすべきは謝罪だろう。
そしてなぜ教員が保健室を我が物顔(しかも兎)で使っているのかを聞かねばなるまい)
■暁 名無 > 保健室に居る理由に関しては既に数週間前から生徒に向けて情報提示を行った気がする。
あー、でも、そもそもアレは授業の履行者とゼミの参加者だけだったっけ……?
まあ、そんな事は調べればすぐわかる事なので、答える気力も沸かない。というか回答方法がもう面倒臭い手段しか残っていない。
ひとまず、相手の問いかけに一度だけ頷いて、これで疑問は解けただろうとアイスコーヒーのおかわりを注ぎに冷蔵庫へ向かう。
そうだなあ、養護教諭の許可が下りたらドリンクサーバーでも置いて貰おう、とか考えながら。
■筑波 察 > 「…そうでしたか。それは大変失礼なことを。
ところで先生。もしかしてしゃべれなかったりします?」
(今のところ一言も声を発しない兎、もとい先生。
教員なのに声が出ないというのは職業柄問題があるだろう。
ということは、今は声を出せない理由があるのかもしれない)
「もし声が出せないとして、口を動かすことってできます?発声するときの口の形です。」
(兎(先生)が冷蔵庫に向かうのを見て、冷蔵庫の扉を開けてあげる。
たぶんこの人はもともと人間だったのではないかと、勝手に推測していて>
■暁 名無 > 「ァー……スコシダケ。スゴイ、疲レル。」
若干の鬱陶しさを覚えたので幾度かの発声練習の後に答える。
俺が人間かどうかなんて取り敢えず調べれば以下略。
碌すっぽ教員リストも確認しない生徒なんだろうなあ、とやや心証が下がったが、まあ初対面だし大して困る事でも無い。
開け放たれた冷蔵庫からコーヒーのボトルを取り出すと、礼代わりに軽く頭を下げる。
もふもふで肉球も無いような手だが、ボトルのキャップを外してコーヒーを注ぐくらいなら朝飯前だ。
そうして注いだコーヒーを啜りながら、元居たソファへと戻る。
■筑波 察 > 「なるほど、ちょっと実験したいんですけど、失礼しますね?」
(冷蔵庫の扉を閉めて、先生の後ろをついていく。
キャップを開けるのを手伝おうかとも思ったかが、
器用に開けて注ぐ様子をみて余計なお節介だったかな。と思う。
そしてコーヒーを飲んで落ち着いたのを確認すると、兎の顎に付箋のようなものを貼る)
「声は出さなくていいんで、口を動かしてもらってもいいです?」
(付箋には式のようなものが書かれている。最近作った振動ユニットだ。
うまくいけば声を出さなくても口の動きで代わりに発生してくれるはずだ>
■暁 名無 > 拒否権は。
思わずそう言いたくなったが、もうそれさえ言うのも面倒臭い。
口を動かせと言われても、そもそも頭蓋の形からして別物だ。
そうそう都合よく出来ていないのが、人生みたいで非常に趣き深い。
まあ、載せられ掛かってる船だし少し付き合うか……どれ。
「もっちゃもっちゃもっちゃもっちゃもっちゃ」
どうやら俺が思ってる以上にこのウサギの口は動かないらしい。
まあ無理もない、歯並びからして人間とは全く異なる。
歯並びが違えば当然顎の形も違う。当たり前と言えば当たり前の結果と言えよう。
■筑波 察 > 「…あー、やっぱりうまくいかないよねぇ。ありがとうございました。」
(うまい具合に発声できないことを知ると少し残念そうにする。
まぁ骨格が違うのだから当たり前といえば当たり前なのだが。)
「にしても、なんでまた兎になろうとしたんですかねぇ。その格好、疲れませんか?」
(本来なら兎は可愛らしい生き物なのだろうが、今目の前にいる兎はとてもダルそうだ。
先生が望んでこの姿になったのかは今の時点では知りえないが、はたしてどうなのだろう>
■暁 名無 > はいはい、どう致しまして。
そして喋るの疲れるって言ったはずなのに何故話を振り続ける。
俺はベッドに寝そべると、引き続き特に意味もなく口をもしょもしょさせる。
日が経つにつれてふとした時の仕草がウサギじみて来ている気もするが、これ戻った時に癖になってたりしねえよな……
疲れるか疲れないかで言うなら、凄い疲れるが別にウサギの姿が疲れる訳じゃない。
実際大変快適に日々を過ごしていたし、それを言ったところで彼には理解の及ばない事だろう。
■筑波 察 > 「っと、すみません、喋るの疲れるんでしたね。
兎の状態でも『話すのだるいって言ってるじゃん』って思ってるのが伝わってくるようです」
(もし違ったら戻った時に訂正しといてください。なんて言う。でも実際どうなのだろう。
なんとなく様子を見た感じ自分から望んでこうなった風ではないみたいだ。
喋ることもままならないとなると、意思疎通はほぼ不可能だろう。現に今がそうなのだから)
「暁先生は別に保健とかそっちは詳しくないんですよねぇ。
でも生態学専攻なら生物と異能の関係に詳しかったりするのかな。」
(今先生が話せない状態であるのが惜しまれる、といった感じだ>
■暁 名無 > うんうん、と頷く。
正確に言えば、もう少しだけ長い文章になってるんだけどな。
どうにも察しの悪い男子だなあ、と思ってから、案外男子ってのは察しが悪いものか、と考えを改める。
それにしてもさっきから一方的な態度が多いな……。
まあそこまで気にするほどでもないし、覚えとくだけカロリー消費の無駄だ。
この身体は人間の頃よりカロリーの維持が下手に出来ているようで、少し動くだけですぐに小腹が空いてくる。
しかしまあ、黙って聞いてれば頓珍漢な事ばっかり言ってるなあ……。
■筑波 察 > 「えー、だってお話したいじゃないですか。なんでしょうねぇ。
先生がものすごくだるいと感じているのはわかってるんですが、
こう、リアクションがYES or NOだと独り言みたいになっちゃうんですよ。
とても型の古いマシンを相手に対話している感じです」
(生徒の我儘だと思って許してください。そういえば頭を撫でてみる。
実際先生が今何を考えているのかは全くわからない。
よく知った仲ならなんとなくでもわかるのかもしれないが、お互い初対面なのだ)
「そういえばさっきからコーヒーばかり飲んでますけど、胸やけ起こしたりしないんですかね?
もしよければ食べますか?」
(ふと思い出したかのように昼休みに購買で買った飴やビスケットを取り出して差し出してみる。
いらないなら首を横に振るだろうし、兎に餌をやるというのをやってみたかった>
■暁 名無 > 俺はお話するなら女子が良い。
そもそも彼は何の為に此処に来たんだったのか忘れたのだろうか。
頭が痛くて来たはずなのに豪い良くしゃべるな。ははーん、さては仮病だな?
……と言っても、サボるほど授業があるのかどうか怪しい。もう7月も最終週になりつつある。
まあ生徒によってはこれからが追い込み時というのもあるだろうし、深く考えたら負けなのは分かっているさ。この学園だもんな。
「……ベツニ、 ヘーキ」
まだ二杯しか飲んでない。
撫でようとする手に目一杯角をぶつけながら答える。
正直さっさと帰って寝ろ、と最初の第一感想に戻ってしまった。