2017/08/06 のログ
暁 名無 > 「まあ、感謝は出来ねえわな。」

流石に失笑が漏れた。
それはそれとして、蛇の身体にも随分慣れてきたように見える。
まあ自分の身体の変化には嫌でも適応してしまうというのは俺自身も経験中なので解らなくもないが。

「……お?
 ああ、そうだけど。別に信じて貰えなくても結構だ。」

実際胡散臭いと思うしな。
未来から来たという割には、未来の話はしようとしない。怪しまれても無理は無い。
でも、それだけ未来はデリケートってことだ。変に口を滑らせれば、俺自身の存在が危うくなることだってあり得る。

「えー、良いじゃん。あ、じゃあ一回藤巳が着てみるか、バニー。
 ……って、え?写真?俺の?
 別に構いやしないけど、あんまり人に見せびらかしたりすんなよ?」

藤巳 陽菜 > 「…す、少しは信じてるんですよ?
 この島なら何が起こってもおかしくは無いかなとは思ってますし…。」

…信じる証拠はあまりにも少ない。
でも、きっとあまりそんな証拠を出すわけには行かないんだろう。
未来から何かをしに来たはずなのに動けない。

「着ないですよ!恥ずかしい!」

水着とかならともかく同じ露出度でもバニーは恥ずかしい。
…というか無理だ!

「大丈夫ですよ、私知り合い少ないですし。…じゃあ先生撮りますよ。
 はい、ありがとうございます。
 …ていうか先生。なんというか一周回ってウサ耳アリですね…。」

…ギャップというやつだろうか。
何ていうか頼れるとかテキトーとかそんなイメージのある先生にウサギの耳が生えている。
なんというかもしかしたらこれは…有りなのかもしれない。

暁 名無 > 「別に俺が構わねえって言ってんだから良いって。
 信じて貰えないからって傷ついたりするようなタマじゃねえさ。」

へらへらっと笑って、ついでに手も振ってみる。
言えない物は言えない。こればっかりは仕方無い。
信じて貰えないのも、まあ、覚悟の上だ。

「えー、なんでさー。
 着ようよー、こう、ぐって寄せてぽよって上げるタイプのー」

何処とは言わない。が、とても絵になる事は請け合いだ。
水着に関してはさほど嫌がる素振は無かったのに、何が違うんだろう……。

「はっはっは、ありがとさん。
 藤巳が気に入ってくれてるならもう暫くこのままでも悪くないかもな。」

割と女生徒に受けが良い。
それならまだしばらくウサミミをぶら下げてるのも悪くないかもしれない。
あ、そーだ。

「藤巳、どうせならこの耳、もっと近くで見ねえか?」

藤巳 陽菜 > 「…。」

確かに陽菜はまだ信じ切れてないから何も言えない。
でも、きっとこの教師が傷ついてないというのは違うと思う。
…そんな風に言いながらも本当はきっと。

「着ません!というか今のは完璧にセクハラですからね!
 セクハラライン超えましたよ!」

…ここまで言わないと超えないとは意外とラインは緩いのかもしれない。
いや、緩いのかな?

「…いや、不便なら早めに戻した方が良いと思いますよ。
 戻せるときに戻しとかないと変に長引いて戻らなくなっても困りますし。」

人に言われたからとか必要とされたからという理由で体の変形をそのままにするのはどうか思う。
それに、期間限定だから良いというものでもある。
ずっと、このままというのは有難味がないというか…普段の状態があってこその物であるというか…。
いや、でも常に獣耳の男性を否定している訳じゃなくて…それにはそれの良さがあって…。
つまり、今のこの慣れてない感を含めてのギャップが大切なんだと思う。

「えっいいんですか?それじゃあちょっと肩借りますね。
 よいしょっと…。」

背中側に近づいて肩に手をかけて普段と蛇の尻尾を曲げる位置を変える。
身体の全長で言えば陽菜の方がこの教師よりも圧倒的に長い。
普段は見上げる立場の陽菜の目線も今はこの教師よりも少し高いくらいの位置にある。
無防備に、無意識に身体を近づけて耳の近くでなるべくやさしい声で…

「へぇこんな風になってるんですね。まあ、さっきも見ましたけど…。
 何か普通のウサギとはちょっと違う感じがしますね?」

暁 名無 > 「たまには超えたって良いじゃないの、俺と藤巳の仲じゃない。」

教師と生徒の関係です。どう考えてもアウトです本当にありがとうございます。
いや訴えられたら懲戒も覚悟しなきゃならないってのは、たまーに思うけども。たまーに。
幾ら彼女の心が広くとも、それに甘えてるのは宜しくない。

「んー、そーお?
 まあでも、戻そうと思って戻るもんでもないし、延ばそうと思って延ばせる期間でもないんだけどさ。」

藤巳が言うと妙に説得力がある。
此処は素直に彼女に従っておくべきか。とはいえ、自分で言った通り自由自在に出たり引っ込めたり出来るってわけでもないけど。

「折角だしよく見といて……と、あ、肩?
 ああ、どうぞ……?」

最近忙しかったので癒しを求め接近しようと目論んだのだが。
何だか思ってた以上に近づいたけど、思ってたのと違う。
まあでも、後頭部が仄かに柔らかい気がするのでこれはこれで良しとしよう。

「しっかり生えてるだろ?
 ああ、うん。普通のウサギじゃなくて、ジャッカロープって知ってるか?それだったんだよ。
 全身の時は角もあったんだけど、今は髪に埋もれるくらいちっちゃくなってんじゃないかなー。」

それより変にバランスを崩されると危ないし、もっと寄り掛かってくれても一向に構わない。うん。

藤巳 陽菜 > 「たまにはって…結構超えてきますよね暁先生。」

呆れたように言う。
たまにというか会うたびに一回は線を越えてる気がする…。
次くらいからは…少しは厳しくした方が良いのかもしれない。
…チョップするとか。

「それは分かってますけど、戻せるタイミングを人の意見に流されて変えないでくださいね。」

もし、そんな事でずっと戻れないとかになってしまったら申し訳ない。
そして、それ以上に許せない。

「角ですか?先生髪の毛長いですし見つかりませんね…。
 流石に掻き分けてまでは探す気にはなれませんけど…。」

生憎角はその長い髪に隠れてしまって見つからない。
なので、良く見える耳を観察する。
多分普通のウサギよりもよく聞こえたりするんだろうな…とか毛の色が髪の毛と色が違うなとか。
そんな事を思いながら見てたら…不意に不意に悪戯心が湧いてきて…

「ふー。」

耳に息を吹きかけた。
表からでないだけまだマシなのかもしれないけれども感覚鋭利なウサギの耳。
果たしてどうなるのだろうか?

暁 名無 > 「それだけ藤巳には気を許せるってことサ。」

HAHAHA、と笑いながら流してしまおう。
誰が相手でも結構ギリギリラインに突っ込んだり突っ込まなかったりはしてるし……いや、割としてないな……?
単純に顔を合わせる回数の多さなのだろうか。夏休みまでの間、平日はほぼ毎日顔合せてたしな……。

「戻せるタイミングが分かればな。多分、何の予兆も無く勝手に元に戻ってるさ。
 だから誰が何と言おうと、俺が何を企もうと、戻る時は戻るよ。安心しな。」

完全に戻ったら改めて自在に変身できる術式を考えよう。
安全に変身できれば、藤巳の悩みも多少は改善できるだろうし。

「別に毎日ちゃんと頭洗ってるし、気にしなくとも……
 

 ……うおおおおおっ!?」

突然耳に息を吹きかけられて全身でビクッと跳ねる。
普段やられる様なくすぐったさは丸でないが、マイクに吐息を掛けた様な、ぼそぼそぼそというノイズが頭の中に大音量で木霊した。

「や、やめなさいそういうのは!びっくりするでしょ!」

と、思わずその場で振り向きながら抗議するのだが。

藤巳 陽菜 > 「言い訳になってませんし他の先生とかに見つかったら怒られますよ!」

確かに毎日弁当とか作って行ってたからなあなあみたいな関係になっていたかもしれない。
これからはしっかりしなくては…!

「それなら良いんですけど…。」

自分の下半身に視線をやる。
自分とは原理が違う事とは分かっているのだけど…。

「ふふ…いつものセクハラのお返しですよ。」

抗議の言葉には耳を貸さずに振り向いた今度は前面へと優しく息を吹きかける。
逃げられないようにでも払おうとすれば払える強さで頭を抱えた状態だ
その際には後頭部に当たっていた部分が顔に当たってしまう事になるかもしれない。

「ふー。」

…より、優しくより長く、纏わりつくようにあるいは囁くように息を吹きかける。

暁 名無 > 「……他の先生に見つかる心配か―、そっかー」

藤巳自身が嫌です、って言えばそれで納まる話のはずでは。
まあこれ以上言うと何か本格的に怒らせそうなので黙っていよう。都合も良いし。

「藤巳も案外戻る時は気付かないうちに戻ってたりな。」

そんな都合が良い話は何の慰めにもならないのは解っている。
だから、……うん、多少は自分の置かれた今の状況をサンプルに、変身や変化について調べるのも良いかもしれない。

「そ、それを言われると逃亡も抵抗も出来ないな……!」

藤巳の吐息と声が耳の中で反響する。
ぞわぞわとした感覚が背中を走る。しかし楽しそうだなこいつ!
それならば、と俺も顔に当たる柔らかさを満喫してしまう事にしよう!

藤巳 陽菜 > 「そうです本当に怒られるだけで済まないかもしれません!
 …だから気を付けてくださいね?」

つまり、セクハラしないで欲しいという事。
気を付けてセクハラしてねとかいう意味では断じてない。

「…朝起きたらまず初めに確認してがっかりするのが日課なんですよ。
 まあ、慣れてきましたけどね。」

こんな足になるなんて想像もしていなかった。
一切の前兆もなかったし一族が…とか呪いが…とかもない。
ただ、理不尽にこの姿に変わったのだから逆があってもおかしくない。
その希望を未だに陽菜は捨てられていない。

「そうですよ。いつもはやられっぱなしですから反撃できるときにしとかないと…。」

自分の一息でゾクゾクとしてる様子を見るのは割と楽しい。
…正直今までの反撃という事を忘れて夢中になりそうになっている。

「…先生、可愛い。」

高まったテンション、普段と違う状況、反撃という大義名分。
それらが揃ってしまえばきっと誰もが調子にのる、やりすぎる。
そして、意外と陽菜は調子に乗りやすい。
そんな性質も相まって…。

(耳、もしこの耳を舐めたりしたら先生はどんな反応するかしら?
 いや、でも流石にそれはやりすぎというか…でも人間の耳じゃないし今しかできないし…。
 それに、普段のセクハラの反撃よこれは。だから、だからこれくらいはセーフ、セーフよね。)

ちょっと、テンションが高くなりすぎて息を荒くしながら口を耳に近づけて…。

「先生、これは普段の反撃だから…変な意味とかはないですから…。
 先生が悪いんですからね…こんな耳なんて生やして…。」

そう囁いた。
その言葉と同時にその長い耳はこちらに近づく足音に気がつくだろう!
もしかしたらその足音によってそれがこの保健室の主である養護教諭の物である事にも気が付けるかもしれない!!

暁 名無 > 「はいはーい。気を付けるのは得意だよこれでも。」

おもにうっかり口を滑らせて未来の事をしゃべらない様に、とか。
なので他の先生にバレない様にちょっかいかけるなんて朝飯前だ。……ニュアンス的に何か違う気もする。

「まあ、気持は分かる。
 俺も最初の頃は朝のアラームでダメージ受けたしな。慣れたけど。」

ともあれ、俺は常世学園の教師としても、藤巳陽菜の異能の制御や消滅に関してのバックアップを惜しまないつもりだ。
色々なアプローチ方法はあるだろうが、幸い本人も諦める様子は更々無さそうで、幾らでも試しは出来るだろう。

「んっ…、くっ……ほ、ほどほどに、頼むぞ?」

ぼわぼわーっと風が叩きつけられる様な音を繰り返し聞かされて、
何が正常な音で何がそうでないのかも分からなくなりつつある。
最初はそれこそ役得感とそれなりな罪悪感とから藤巳の反撃を受け入れていた俺だが、何だか藤巳の様子がおかしい。

「……え?あの、藤巳サン?ちょっと息が荒いですけどー」

何だか艶めかしい言葉を囁いて、心なしか俺の頭をホールドする力も強まっているように感じる。
いや、それは一向に構わないし、大変よろしいとは思うのだけども。
それ以上に嫌な予感がする。さてはこの子、暴走に片脚突っ込んでいるな。脚無いけど!

まあ、日頃の行いに対する報いという大義名分を認めてしまったのは俺なので、ここで突き放すのも勿体な……もとい、罪悪感が残りそうだ。
……が、

「!……誰か来る!ストップ、ストーップ藤巳!」

自分の耳の良さを誇れば良いのか恨めばいいのか。
悲喜交々で俺は藤巳へ制止を呼びかけた。

藤巳 陽菜 > 「…何を気を付けてるんですか?」

気を付けた上でこれなのだろうか?
それはちょっと困る。

「アラームでダメージってそれかなり不便ですね。」

数日で慣れたのなら良かった。
身体の形状が変わるという事は不便があまりに多い…。
というか、はじめのウサギ状態は不便で済まない気もする…。

「ほどほどですね。大丈夫。
 私、自制が出来る方ですから…。」

思ってもないような事を言う。
…普段食べる量からしてそんな事はない。
どちらかといえば自分に素直なタイプだ。

「…もしかしたらちょっと暑いのかもしれませんね?
 …大丈夫、先生はちゃんとふーってして冷ましてあげますから。」

クーラーが効いた保健室でそれは無いだろう。
かなり理性が効いてないような状態。

「…誰か来る?」

その言葉と同時に足音が陽菜の耳にも聞こえて来て…。
一瞬で離れ距離を取る。

「うわ!?私何やってたの!!?うわー!うわー!」

保健室のベットに置かれた少し堅めの枕に何度も頭を叩きつけて叫ぶ。
そして布団で上半身をぐるぐる巻きにしてしまう。
これが陽菜の完全防御モード。この状態の陽菜は無敵だ。

「先生!さっきの事は忘れてください!ちょっと暑さで頭がどうにかしてたんだと思います!」

布団の中からくぐもった声が聞こえる。

暁 名無 > 「……生徒と一線越えない様に、とか。」

気を付ける事では無く大前提だというツッコミは無しで。
とはいえ、未来に関する事はおいそれと口に出来ないので笑って誤魔化すしかないのだ。

「いやー、ウサギ状態の時はずっと此処に居たから大した事は無かったけどさ。
 耳だけ残って数日は、何でもかんでも音がデカくてなー。」

半ば懐かしく思ってしまうのも慣れゆえだろうか。
最近は極端に大きい音だと脳の方が自動的に受け付けなくなってくれている。あくまで瞬間だけだけど。

「自制って言葉の意味解ってるかー
 いや、確かに暑いというか、まあ……」

興奮状態の藤巳、さっきから密着している所為か興奮の所為か体温が上がっているのは事実だろう。
藤巳の体温が上がれば、引っ付いている俺も同様だ。
そんなヒートスパイラルが出来上がりそうだが、辛うじてエアコンが食い留めている。
順調に理性を失いつつある藤巳の腕の中で、俺は半分窒息状態に陥りかけていた。いや、本望と言えば本望な状況だけども。

「そ、誰か来──早っ!?」

あっという間に我に返り、距離を取った藤巳は、何だか面白い動きをし始めた。
その間にやって来た養護教員と一言二言話をして、再度藤巳に目を向ければ何だか暑苦しそうな状態になっている。

「保健の先生、急患が居ないか様子見に来ただけだとさ。
 まあ俺が居るのは伝えたし、薬品の在庫確認に行くって。
 
 まあ、うん。落ち着いたんなら良いけど。むしろその状態の方が暑くねえかな。」

流石に暑さでどうの、という言い訳は無理が無かろうか。エアコンついてるし。
何かのサナギみたいになった藤巳を見つつ、俺はベッドの端に座り直した。

藤巳 陽菜 > 「それか、あれです!異能の影響じゃないですかね?
 異能のせいで性格にまで影響が出てるのかもしれません!」

グルグルと上半身を巻かれた状態で言い訳を重ねる。
…その姿はラミアというより蛇に近いかもしれない。

正直、暑い。
でも、ちょっと真面に顔を見られるかといったらそういう訳はない。

「…絶対忘れてくださいね。忘れましたか?忘れましたね。
 忘れてなかったらもうお弁当作ってあげませんからね!」

布団を脱ぎ捨てて、なるべく顔をいやその耳を見ないようにしながら部屋を出ようとする。

「あ、後さっきの事を思い出しそうになるから次に会う時までにはその耳は戻しておいてください!」

最後に無茶なお願いをして走り去っていく。
きっと…暫くは思い出して頭を枕に叩きつけたりするのだろう。

ご案内:「保健室」から藤巳 陽菜さんが去りました。
暁 名無 > 「何でもかんでも異能の所為にしない。まったく。」

さながらとぐろを巻いた蛇のような状態の藤巳をどうしたものかと考えていたら、向こうからシールド状態を解除してきた。
包まる前から火照っていただろうに、ご苦労な事だ。
あの様子だと、汗で凄い事になってる事にも気づいてなさそうだ。

「えっ、いや、弁当が無くなるのはつらいな……ちょっと頑張ってみる。」

しかしどこまでを忘れればいいのだろうか。耳フーまでだよなあ……?
それ以外は忘れるなんて勿体無い。思ってた以上に大きいし柔らかかったから。

「うぉえ!?流石にそれは……まあ、隠すくらいはするさ……。」

丁度いい帽子があっただろうか。
そんな事を考えながら、俺は逃げ去る背を見送ったのだった。
……まあ、うん。だんだん明るくなってってるようで、それは本当に喜ばしい。

ご案内:「保健室」から暁 名無さんが去りました。