2017/08/17 のログ
ご案内:「教室」におこんさんが現れました。
おこん > つまりじゃのー。 会話ができるからといって、意思疎通ができると思わんことじゃ。
といっても、これはコミュニケーションの断絶を意味するものではない。
注意深く相手を観察し、理解し、触れ合う必要があるということでのー…。
えーと、つまりじゃなー…ううん、えっとなー…。
(強烈な日光が窓から教室に入り込む中、こんこんと解説を続ける。
 生徒も、そしておこんも汗だくだ。 故障した空調が修理されるまで、
 この教室は地獄の蒸し風呂である。 あまりの暑さに、おこんは
 ビキニ姿で授業をする有様だ。 生徒たちも水着であったり、
 上半身裸であったり、あるいは干からびたりしている。
 ぽたり、ぽたり…。 だれかの、あるいは自分の汗の垂れる音。
 それすら認識できないくらいに、おこんの脳みそは茹で上がっていた。)

ご案内:「教室」に筑波 察さんが現れました。
筑波 察 > 「なんか…地獄絵図みたいな状態だねぇ」

夏休み中であるにも関わらず、教室では授業が繰り広げられている。
科目はコミュニケーション学。
実を言うと自分はこの授業を履修していない。
今は聴講生という立場で授業を受けているが、
気温のせいなのだろう。教員も含め皆半裸だ。

そんな中、今日限りで飛び入り参加した自分はいつもと同じく、
パーカーにカーゴパンツと、服装に季節感はゼロ。
それでも異能のおかげでかなり快適に授業を受けられている>

おこん > つまりじゃのー、相手を尊重せねば、コミュニケーション足り得ぬということでー。
例えばじゃのー、インドでは昔から頭に神が宿ると信じられておる。
ゆえに、人の頭を撫でるのはタブーとされておるのじゃなー。
そんでじゃのー、えっとー、ここで大事なのは、頭に神などおらぬと断ずることではなく、
相手を尊重し、頭を撫でない…そういう簡単なことがじゃな、ことが…。
つまり…人ならざるものは人間とはかけ離れた風習を持つ可能性があり、
それが彼らにとっては大事…あるいは存在の根源たる可能性があるのじゃ。
それを認識し、理解することが大事での…けっして受け入れろとは言わぬが…その…。
(教卓に腰掛け、唸るようにして生徒たちに説く。果たして生徒たちも意識があるのか、
 あるいは聞いているのかわからないが、ただただ話すしかない。頭のあたりから
 湯気をこぼし、汗をぼたぼたと垂らしながらがくりと頭をたれる。
 ぶるぶると震えた後に、ぐわっとダイナミックに顔を上げた。)

……もう嫌じゃー!!いやじゃいやじゃー!! これ以上は耐えられぬー!!
(教卓の上に転がってじたばた。 動けば動くほど暑くなるのだが、
 じたばたしたくなるぐらいに暑いのだ。 生徒たちの間から、
 失望とも同意ともとれぬため息が漏れる。 そのまま転がるようにして教卓を降り、
 教室の外へ。 5分ほどで、水のたっぷりはいったビニールプールを引きずって
 戻ってくると、その中にえいやと飛び込んだ。)

授業はあと5分ぐらいじゃからいいじゃろ。 コミュニケ―ションとはつまり、
多様性を理解するということにある。 相手を拒絶しては対話はできぬということじゃな。
さて、質問などあるやつはおるかのー。
(まるで風呂にでも入っているかのようにくつろぎの表情。
 生徒たちのなんとも言えぬ顔もどこ吹く風といった様子で、生徒たちに問いかけた。)

筑波 察 > 「ええぇ……うっそでしょ先生。」

ノートを適当にとって先生の話に耳を傾けていくと、
唐突に先生が叫びだした。
驚いたせいでノートにはあらぬ方向へと線を走らせてしまう。
それを消しゴムで消していると、
ついに小さい子供が使うようなゴムプールを引きづってきて、
水に浸かりだした。
噂では数千年生きていると聞いたが、
精神年齢は見た目通りじゃないかとツッコミを心の内で入れる。

「先生、多様性があるというのはわかりましたが、
その多様性、ここでいうところの相手の文化を知るという過程で、
大切なことは何でしょうか?」

残り五分だからというのを理由に授業を放棄した先生。
しかしそれでも今は授業中。
聴講生だろうが何だろうが疑問に思ったことは聞かねばならぬ>

おこん > ワシは先生じゃから、おぬしらに教える義務がある。
教えるワシが暑さにやられてあらぬことを口走っては、おぬしらに間違った知識を与えてしまう。
このプールはいわば緊急処置というやつじゃな。 おぬしらはあと5分じゃから耐えよ!
(ちゃぷちゃぷと水遊びしながら、生徒たちの不満げな目に答える。
 すでに水遊びによる冷却効果で大分頭脳は回復していた。)

ふむ、大切なこととな…。 良い質問じゃのう。 よろしい、では少し説明しようかの。
(生徒の質問にぴんと狐耳を立てて頷いた。 まともな状態であれば講師なのだ。
 プールの中で居住まいを正し、相手の方に向き直った。)

おぬしは…おぬしらは、これから色々な存在に出会う。 それは人間であったり、
機械であったり、あるいはワシのような人外の化性であるかもしれぬ。
じゃが、相手がどのような存在でも、文化を知るにはただ一つ…。
相手の存在を受け入れ、相手が自分の予想せぬ行動をしても、それを拒絶せぬこと。
例えば…吸血鬼なんかわかりやすいじゃろう。 彼らは血を吸うじゃろ。
それは彼らの”特性”なのじゃな。  迷惑じゃからといって血を吸う事をやめさせるわけにもいかぬ。
そういった場合、ワシらは対話するものとして、相手と共存できる道を探らねばならぬ。
それが対話の第一歩じゃ。 相手の存在を認めることなんじゃなー。 こんなところかの。
いやー、お水があると身体も脳も冷えてよいのう!
(はきはきと、明るく喋る。 先程のぐったりした調子が嘘のようだ。
 ぺちぺちと水面を叩いて小さな水しぶきを上げながら、質問者を見てニッコリと笑った。)

筑波 察 > 「ではもし、ほとんど条件反射で拒絶に近い反応を取ってしまった場合、
どのように振る舞うのが最善なのでしょうか。
吸血鬼の話で言えば、突然血を吸われそうになった、とか」

この島に来て結構になるが、いまだに理解できない考え方に遭遇することがある。
そして自分の考え方や行動原理が理解されないことも多々ある。
そんな中で、この授業を受ける理由は単純。
できるだけ知り合った人と仲良くしてみようという努力だ。
そんな努力をしようと思った経緯はいろいろあるのだが。

そしてなんとなく、生徒たちの目が先生を非難しているように見える。
それも尋常ではない色。
この終わるか終わらないかのぎりぎりのラインというのは、
生徒にとって臨界点に近いのだ。
仕方がないので、教室の気温を2℃ほど下げてみる。
無論自分がやったとはばれないように、こっそりと>

おこん > ふむ、難しい事をいうのう。 おぬしのいうように、吸血行為は吸血鬼によって色々な意味を持つ。
もちろん食事であったり、愛情表現であったり、あるいは同志と認めるためのものであったりじゃな。
拒絶するような行動を取ってしまった場合は…。 自分にとってはその行為はいやなことだと表明することじゃの。
もちろん、急な拒絶の態度を取ってしまったことを言い訳しつつ、じゃな。
(よろしい、と鷹揚に頷いてから、腕組みをして少し考える表情。
 生徒の畏れを解きほぐすようにゆっくりと、注意深く相手の言葉に答えた。)

もちろん相手によって、我々のいう理屈をわかってくれない者もおるじゃろう。 じゃが…恐れてはならぬ。
コミュニケーションは、なにも会話のみで成立するわけではない。 口でだめならこいつの出番じゃよ!
(これじゃぞ!と力こぶを作るポーズ。もちろん力こぶとかは別にできない。
 部屋の温度が下がったのが心地よいとばかりにうっとりと目を細めた。)