2017/10/20 のログ
ご案内:「ロビー」に藤巳 陽菜さんが現れました。
藤巳 陽菜 > グルグルと音が聞こえる。

「…はあ。」

何度目か分からない溜息を吐きながら本に意識を向ける。
読んでいるのは図書館で借りてきた魔術に関する本。
自衛の為の魔術が記された本。
陽菜なら十分に理解できるレベルの本ではあるのだがどうにも内容が頭に入ってこない。

その原因は

(…お腹空いた。本当に燃費悪いわねこの身体…。)

そう、空腹だった。

藤巳 陽菜 > 今の時間は放課後。確かに少し空腹を覚える時間帯だ。
実際、普段の陽菜なら購買で菓子パンをいくつか買ったりしているだろう。
だが、今日は食べる量をセーブしている。
弁当も一つに抑えたし食後のデザートも一つにした。
休み時間の間も買い食いはあまりしていない。

それもこれもある教師に自制心を持つように言われたのが事の発端。
思い返せばかなりの量を一日に食べていたのだ。
そろそろ食費をセーブしないとお金がヤバイ。

グルグルとまた音がする。
さっきよりも少し大きい。

「……はあ。」

さっきより大きく溜息を吐いて本のページを捲り進める。

藤巳 陽菜 > 空腹感が増大していく。
幾ら食べても満腹にならないのにお腹は幾らでも空いていく。
どれだけ、生きにくいのだこの身体は…。

「…この魔術は無詠唱でも発動できる為、緊急時の自衛に最適。」

その空腹を少しでも誤魔化す為に本の文字を読む。
机で一人本の内容を読んでいく様子はその蛇の身体と相まっていくらか異様に見えるかもしれない。

藤巳 陽菜 > 三度目のお腹の音が鳴る。
恥ずかしくなるような大きめの音。

「…。」

少女は無言で椅子から降りると。
そのまま、購買の方へと向かう。
…この身体でいる限り食べる事とは離れられないらしい。

ご案内:「ロビー」から藤巳 陽菜さんが去りました。