2018/08/16 のログ
ご案内:「廊下」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 > 「……委員会、か」

 廊下を歩いておりふと目に留まるのは委員会募集の張り紙。
 様々な委員の募集の中に入っている風紀委員募集の張り紙を見て足を止める。
 
「単独じゃ無理があるってのはわかってんだが」

 少し苦い顔を浮かべその張り紙を見る。
 自身がこの学校へ来た目的は自分の家族を殺した能力至上主義者の団体の情報を手に入れること。そして自身の能力や戦闘能力を引き上げること。
 後者に関しては授業などで能力を扱った授業もあるからまだある程度は出来る……だが、前者は全く進んでいないし後者もあくまである程度の段階だ。
 一人では情報など集まるわけが無いし授業での怪我などにも細心の注意を払われた模擬では100回やろうと1回の実戦に敵うだけの経験値など得られない。

「本当は入るべきなんだよな。たぶん」

 苦い顔は消えない。
 まずこういう団体行動というのが苦手というのが1つ。もう一つは……目的が殺しである以上、最悪自分は追われる側に回るからである。
 困ったように頭をガリガリと搔く。

白鈴秋 > 「……つっても、俺の異能ってビックリするくらいこういう公的機関に向いてんだよな」

 ふと顔が普通に戻り真面目に風紀委員の紙を見る。
 拘束も戦闘も行える糸を扱う異能、そして家族に伝わる魔術の道具の知識。それらは間違いなくこういう公的な警察系統の組織に置いて大きな力になるだろう事は容易に予想がつく。
 なにせ、拘束具と武器が同じな上に、設備と材料を用意してくれれば一人一人に合わせカスタムした道具を渡せる。更に犯罪者がそういった道具を使用した場合行動パターンが容易に想像できる。

「風紀委員か……」

 1枚、下の机に置いてある紙を手に取る。
 同じ張り紙。持ち帰ってよく考える用として置かれている紙だ。
 難しいことじゃない。後は委員会街に行って申し込みをするだけ。
 書類ともしかしたらテストみたいな事もやらされるかもしれないが……別に平均程度の学力はあるし戦闘などなら問題ない。はずだ
 紙を手に取るが立ち去りはせず。もう少し思案する顔を浮かべ紙を眺めていた。

白鈴秋 >  溜め息を吐き。紙を机の上に戻す。

「やめた。どっちにしてもすすまねぇし」

 たしかに情報は集まるだろう。だがそれ以上に色々な制約が入ることは目に見えている。
 それならば一人でスラムなどに足を通わせた方が情報が入ったときに動けて便利だ。
 実戦練習はそれこそ転移平野などに向えばどうにかなる。

「それに、正義の味方なんて柄じゃねぇよ俺は」

 正義の味方となった自分を考え、思わず笑いが出てくる。これ以上に合わない言葉は無い。そんな事を考えながら足を廊下の先へと向けていった。 

ご案内:「廊下」から白鈴秋さんが去りました。