2018/09/12 のログ
ご案内:「教室」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  夕日差し込む教室。もうとっくに授業の時間は過ぎ、今学校にいるのは部活をしている生徒か教師、後はなんらかの事情で残っている人くらいだろう。
 そんな教室で身じろぎせず座る生徒がいた。

「…………」

 いつもは怒ってるだとか言われるような顔だが今日は落ち着いた顔をしていた。
 それもそのはず。というより落ち着いた顔でなければこの状況はありえない。

「……」

 軽く息が聞こえる。眠ってしまっていたのだ。
 最近パンデミック騒動の関係も有り裏関連の動きが色々と変わっている。だから夜にはそこへ捜査に入り、昼は昼で普通に学生。その上軍隊や特殊部隊などがやるレベルの肉体鍛錬も連日繰り返している。
 本来どれかひとつをやれば良い内容をすべてこなし、足りない時間は睡眠時間を削っているのだ。とうとう限界を向かえ、学校で寝てしまうという事態に至った。
 なにか夢を見たのかその逆か。ツツと頬を水が流れる。

白鈴秋 > 「んぅ……ここは」

 半分眠ったポーッとした顔で辺りを見回す。
 なんどか目を閉じたり開いたり。眉間を揉み解し。それからいつもの顔に戻る。

「いつの間にか寝てたのか。俺らしくもねぇ」

 それだけ疲れていた。きっとそういうことなのにそれを噛み潰し立ち上がる。そして少し遅刻しているがいつもの日課である鍛錬に向かおうとして。足を止める。
 丁度立ったおかげとでも言うべきか。夕日の光が当たる。赤く、光る夕日。

「……綺麗だな」

 元々こういう景色を見るのは好きなのだ。だから思わず足を止め……見入ってしまう。
 偶然か否かこの教室からは夕日がとてもよく見えた。その偶然のおかげで足を止められたのだが。
 そこでやっと頬に触れ。

「……ホントらしくねぇ」

 自らが寝ている間に涙を流していたことに気がついたのだ。
 それを乱暴に拭い、夕日を眺めていた。

白鈴秋 > 「……疲れてんのかもな」

 ボソッとつぶやく。いつもはここまで感傷的になったりしない、夕日が見えても無視していたはずだ。だが今日はそれが気になってしまった。
 少し足を止め、やっと気がつけた事実に思わず少しだけ笑ってしまう。

「ったく、マンガじゃねぇってのによ」

 マンガのような事をやっていた自分に思わず笑ってしまったのである。
 かばんを持ち上げる。

「たしか、まだあの店やってたな」

 今日は鍛錬はお休み。一旦体を休める事にしたらしい。
 その足取りは少しだけ軽く見えたかもしれない。そしてその顔もまた……いつもよりは穏やかだった。

ご案内:「教室」から白鈴秋さんが去りました。