2018/11/09 のログ
ご案内:「屋上」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  下校時間。本来なら帰るべき時間なのだろうが、まだ彼は帰ってはいなかった。
 理由は単純で、演習場の空き待ちだ。放課後というのは学校が終わった後にやりたりなあったやつや部活などで演習場が埋まることが多い。だからある程度時間が経つまでこうして暇つぶしをしているというわけだ。

「……つっても、これくらいしかねぇけど」

 手に持つのは缶コーヒー。暇潰しと言っておきながらやれることなどこれくらいしかない。
 じゃあ他の場所で待てといわれても、他に場所など思いつかないしロビーで帰る奴らの視線を浴びながらコーヒーを飲む趣味はない。
 結果としてここでこうしてボーッとするより他に手段が無いのであった。

「ったく」

 最近疲れも溜まり、前にあの女とやったやり取りもあり……色々と考えてしまう、考えても仕方が無いのだが。
 そうした理由でもこうして夕日を眺めていたという一種の気分転換にもなるから全てが全てマイナスでは無いのかもしれない。
 少し疲れたような顔でボーッと外を眺めていた。

白鈴秋 >  視界の下では部活動の生徒達が大声を張り上げながら走っている。少し耳を凝らせば楽器の音が聞こえ視線をめぐらせれば絵を描いている生徒も見える。
 今はそんな部活の時間でもある。

「部活か。そういえば昔はやろうとしていたな」

 ふと思い出す、小学校まではそんな事もあったなと考え乗り出すように柵から半身を出す。
 もし何かがほんの少しだけ違えば俺はあっちに居たのかもしれない。そんな事を考え走っている生徒達に視線を向ける。

「ったく、バカらしい」

 そこまで考え、振り払うように頭を振るうとコーヒーを飲む。少し暖かい今日にホットは少しだけ熱いかもしれない。
 校庭に背を向け柵にもたれかかる。

白鈴秋 >  時計に視線を落とす。そろそろそれなりに時間が経った。いい加減に人も減った事だろう。
 カバンを持ち上げ歩き出す。

「つっても、ろくな練習にもならねぇんだが」

 はぁと溜息をつきながら歩く。
 練習にならずとも軽い運動くらいにはなるだろう。
 あまり期待はしていなかった。

ご案内:「屋上」から白鈴秋さんが去りました。