2015/07/01 のログ
ご案内:「保健室」にサイエルさんが現れました。
サイエル > 「くっそ……」

テスト期間中は暇である。
そう思っていた時期が私にもありました。

実際は大忙しである。
試験の内容は先生に一任される。
そう、荒事ももちろん含まれるのである。

「はぁ、いろんなあれもあんのねぇ。想像以上でした」

なので、治療でちょっと忙しかった。
一時間くらい。
なんていうことだ、一時間も働いてしまった。

気分が向いたら、相談に乗る。そのつもりでしかいなかったというのに……

サイエル > 完璧な作戦。
まぁ人間であるから完璧なんてあるはずもない。
故の誤算。

「はぁ……まぁ、いいか。まぁいい……
これからはゆっくりした時間がおくれるに違いない」

サボるしたくをする。
おせんべいに日本茶。
チョコと、クッキー。
これくらいあればいいだろう。

「くぁぁぁ……」

あくびをしながら、報告書の作成。
怪我の原因は魔術や異能の暴走。
制御不足が挙げられる。
監督の先生が見ているとは言え
防げない自体も多い。
いや、監督の先生が見ているからこそ
この程度で済んだと言っていい。

それだけ、”潜在能力”が高いのだ。
生徒たちのものが、教師の想定を凌駕する。
嬉しいことではあるが、厄介なことである。
主に、サボれない的な意味で。

「あとどれだけ来るかねぇ……」

身体的なものだけではなく、精神的なものも。
テストに全力を注いだがゆえに凹んでいるものもいるだろう。
ちょっと真面目に仕事しないとまずいかなと
サボリ魔が思うほどに、この時期はデリケートなのかもしれない。

「……だる……」

ぼやきつつ、かりっと煎餅を口に含んだ

サイエル > 「にしても、熱心な先生もいるものだ」

いや、自分が異端なのかもしれないが。
きっちりと生徒たちのことを考えているであろう
テスト内容に、正直感心する。
教師という職業は、正直
このおっさんのなかでは、だが。
現実と理想に辟易とするものが多いと思っている。
労働の量、生徒との関係、自身の求める教育論と現場の差。
本気で”先生”をできるのは、すごいと
心の底から思っているのだ。

まぁ、自分はそれに該当しないわけだが。

「あっはっは、なにせ。全部サボるからねぇ」

シガレットを口に。
そう、このおっさんは先生をしにここにいるわけではない。
あくまで、”サボるため”と、”探るため”にここにいるのだ。

「くぁぁぁ……そろそろ、誰か来るかな?」

そっとお菓子の類をしまって、仕事をしてる演出をする。
体をグーっと伸ばして……

サイエル > だいぶ落ち着いたようで。
人は来なかった。一安心。

「……さてっと、ゆっくりとだらだらしますか……」

CDプレイヤーを起動して。
自分の居心地のよい環境にしながら。
ゆっくりと過ごすことにした。
まだ初日。頑張りすぎても酷だしなんて
心の中でこぼしながら。

ご案内:「保健室」からサイエルさんが去りました。
ご案内:「職員室」に矛海 遼さんが現れました。
矛海 遼 > 雨が降り、あちらこちらで生徒や教師が慌ただしく動く中。
一人静かにマグカップでコーヒーを飲みながら自分の席に座り、寛ぎながら窓を眺める。

「……………砂糖が少なかったか」

独り言が雨の音に溶けていく中、静かに湯気を立てている。
ここ最近の雨が続く日常とあまり変わりは無い。
………異質な大きさのダンボール箱がデスクの上に乗せられている以外は。

矛海 遼 > この男の受け持つ授業は家庭科。
裁縫や料理、食材や栄養知識などと言ったある種の保険関係も含めている。
試験を行わない代わりに、調理実習等の実技授業の参加、そして提出物などで単位を付けている。

今ここに在るダンボールに入っている物は提出物として出した課題、【キッチンミトン】である。

今からその採点を行うという訳だ。

矛海 遼 > 採点、とはいう物の実際の所はまともに機能するように出来ているかを確認するだけの話なのだが。
出来る限り単位を落とさせないつもりでいるので基本的には【提出=合格】のような物だ。


…………最も、そんな物でも提出しない者はいるには居るのだが、それは別の話である。

矛海 遼 > 生憎とこの学校の家庭科室にはミシンなどは一式揃っているし、素材は直接配布している。
【道具が無くてできなかった】などと言うのは言い訳にしか過ぎない。
扱えなかったとしてもそれに対応して救いの手を差し伸ばすつもりでも居る。

つまり単位を取るのは【簡単な事】である。とはいえ…………

「………こうも多く来ると気が滅入るな…」

受付自体はテスト期間が終わるまで、と言う事にしてあるので後から順々と来るのだろうという考えは甘かった。
まさかいきなりまとめて来るとは思わなんだ。

矛海 遼 > 全く人の居ない職員室、雨の音が響き、コーヒーの湯気が漂う中で一つ一つミトンを手に取りながら、男は提出に来る者の対応をするために待機している。
試験を直接行わない者にも苦労という物はあるのだ。
………それでも十分楽な内容ではあるが。

「………この期間が終わったら、誰かを飲みにでも誘うかな。」

ぽつりと呟きながら、何処か幼い表情を見せていた。

矛海 遼 > 自身の言葉を一度頭の中で反復する。
どうにもここ最近、自身に【甘え】が出て来たような気がしないでもない。
以前ならば、誰かを飲みに誘うなどと言う発想が浮かぶなんてことは無かっただろう。

「流動、か………」

背にその文字を背負った戦友を思いだす。
最後に会ったのはこの学園に来る直前だったか。どうにもその頃が懐かしい。
【本来の仕事】を忘れている訳では無いが、このような生活も、血や煙では無く本や教室の匂いを嗅ぐのも悪くない。

ある意味で、自分は今満たされているのかもしれない。