2015/08/21 のログ
蓋盛 椎月 > 「虚栄、かっこつけ、結構じゃないか。
 きみは知らないかもしれないがどいつもこいつも見栄っ張りなんだよ、
 人間ってやつはね」

肩を揺らす。

「なら、まだ逃げていないことを誇るがいいよ。
 難しいことを簡単にすることは出来ないが、
 慣れることはできる。
 次からはもう少しうまくやれるようになるさ」

「あたしのような悪党が堂々と人間の振りをしているんだ、
 きみのそれを止める道理はあたしにゃあないね」

背を向ける。
一度両腕を大きく広げ、
それから酔いどれのような足取りで歩み去っていく。

「おやすみ、人類!」

ご案内:「屋上」から蓋盛 椎月さんが去りました。
渡辺慧 > 「………………」

煙草を咥え乍ら。ぼんやりとその言葉を聞く。
この短い、小さい紙の棒から出る、煙は、どうしてこうも。
煙を吸い込んでいるわけでもないのに、この香りが。

「…………わけわかんねーですよ」
「先生は、にんげんでしょーに」

そう言った時には、既に。
その姿はなかった。本当に何をしに来たのか。
まさか、態々自分の子供じみた言葉を聞きに来たわけではあるまいに。

息を吸って、煙を吐き出した。

「…………もう、十分逃げてんですよ、多分ねー」
そう言って、口から煙草を取り出し、指で火を握りつぶした。

「……おやすみなさい」
そう言って、再び。…………よくわからないが。
きっと。諭してくれたのだ。……そういった気持ちが。

再びハンモックに身を沈ませる動力へ変わった。

ご案内:「屋上」から渡辺慧さんが去りました。