2015/08/23 のログ
ご案内:「教室」にダリアさんが現れました。
■ダリア > 靴を床が叩きながら、廊下を歩で進み。
暗い夜の教室には、一人の新人教師。
胸には教員証としての証が取り付けられている。
警備員に証を見せて、忘れ物があると告げて此処まで来た。
この島に到着してから、時間は掛かった。
時間を掛けてしまったが、無事に教員証を入手出来た。
やっと満足に動けるが、何度頭を下げて財団への謝罪を繰り返したか。
"お詫びの物"として物品も相当送った、あとであの人に殴らないと気が済まない。
あの人が教員として復帰することはないが、その代わりは努められる。
それがあの人の一つ目の願いでもあるからして、叶えなければならない。
一応は親代わりだったのだから、今迄のお礼は返そうと。
教室に入室した彼女は、教壇前の机に手を添えながら考えに篭もる。
■ダリア > 忘れ物なんて言葉は嘘だった。
嘘を見抜けない警備員が悪い、わたしは悪くない。
言ってしまえば嘘でもないのが真実。
忘れ物はないが、忘れモノはある。
"モノ"違いなだけだった。
後処理、それが忘れモノ。
だが、その後処理すべきモノさえも、今としてはやる必要がない。
あの人と面会室にて話した結果だ。
だから結局は嘘であった。
「馬鹿な人。何も掴めずに、何も手に入れられずに、自分だけが不幸せ。」
義理の親とは言っても、親だ。
親の幸せを願うのが子。子として不自然ではない。
わたしに出来る事は何も無いのが現状だった。
あの人が幸せ、不幸せになるかどうか。
関わる必要はないと言ってきたから。
本当に唯一として出来る可能なことは、執行猶予が付けられるように動くことか。
それぐらいだった。
"犠牲"は大きかったが、なに、これぐらいなら平気だ。
父親の為であれば、それぐらいはお安い御用。
■ダリア > 今こうして、教室に来ている理由。
それは、あの人と同じ景色を見たいから。
あの人がどんな風に見ていたのか、それが気になったから。
「わからないかな、わたしには。」
教壇から教室全体を見渡せる位置に立っても、どんな風に見てたのか。
分かるはずもなかった。
横へ。
外の光が入ってくる窓へと顔を向けた。
月明かりが綺麗な夜。
「パパ…。」
ぼそっと呟いた言葉。
早く出てきて欲しい、そんな願いを持った言葉。
人恋しさは拭えないから。
だからこそ、早く。
■ダリア > 涙は出さない、出せないが正しい。
嗚咽の声は出てきた時にとっておこう。
声を噛み殺して、教室から出て行った。
一応は、元気な姿が見れたのだ。
一先ずとして安心を持とう。
歩幅は短い間隔で、歩く速度はゆっくりとして。
彼女は教室から去って行った。
ご案内:「教室」からダリアさんが去りました。