2015/08/31 のログ
ご案内:「教室」に蜜村 みやびさんが現れました。
蜜村 みやび > 学園の一年生、蜜村みやびは、新聞部である。

以前、知性の無い異邦人との戦闘という題材で記事を書いた際、その戦闘を生で見たいという誘惑に抗いきれずに突撃し、ものの見事に爆発に巻き込まれて重傷。
そこそこ長い入院生活の後、見事な復帰を果たした少女。
その際には、あの葉が落ちたら私の命も、というお約束もこなして大満足だ。夏だけど。

「いやあ………、復帰一日目から大歓迎ですよねこれ。」

夕暮れの教室にため息が響く。今はもう彼女しかいないその教室の端で、若草色のポニーテールがしゅんと萎れる。

蜜村 みやび > そう、学校生活を何日も何週間も休めば、その分学業は進む。
怪我なのだから遅れてしまうのも仕方ないのではないか、という主張が当然通用するはずもなく。
がんばれよ、という無責任な一言で目の前にドサリとプリントの束。

「やってらんねーって奴ですねこれ……! ちっくしょうめー。みやびは新聞部として事実を伝えるために尊い犠牲になったというのに、この仕打ちですか!」

ぶつくさぶつくさ。めちゃんこ頭が悪いわけではないからなんとかなるが、それでも解説を読むだけでは分からない問題くらい………ある………!

「な゛ーーーー! ぁー!!」

唸る。唸っても無理。でも唸る。早く元気に復帰して、運動場を駆けまわる先輩方の生足をカメラに収めたいのに!

蜜村 みやび > そう、彼女は新聞部。

この学園の人々と触れ合い、その姿を、ファッションを、人柄をありのままに映し出し、そしてアルバムにして保存する。それが生きがいであった。まあ、そりゃ異能とかについても調べるは調べるわけだけれど。
スリーサイズや恥ずかしいここだけの話などを集めるのもまた、彼女の生きがいであった。

そういう話を聞き出そうとした時に恥ずかしがるその顔を写真に収めて眺めるのもまた、生きがいであった。

生きがい多すぎていくらでも生きていけそう系女子、蜜村です!


「ああもう、ほんと。どなたかこの迷える子羊に導きを与えて頂ける方っていらっしゃらないのでしょうか。厳密に言えばここに当てはまる単語を教えてくれる方。」

両手を合わせて天に祈る。

みやびは 天に いのった!

蜜村 みやび > 夕暮れの温かい日差しが教室に入り込む。
カラスの鳴き声が遠くから響き、静かな教室にささやかな音の漣を与えてくれる。
嗚呼、もうお空は明るくなっているんですね。目を閉じて祈っていてもそれはわかります。


「祈りなんて何の役にも立たないですよね、ええ分かってました。」

机に突っ伏すポニーテール。畜生、全部単語の空欄にMikeって書いておいてやろうかしらん。
何だね全部マイクって! 違いますよ先生、これミケです。

はふん、とため息をつきながら器用に指の中でシャーペンが回る。
小器用なのか、ひゅんひゅんと勢いをつけてペンが回る。

ご案内:「教室」に四季夢子さんが現れました。
四季夢子 > 平穏な授業が平穏に終わり、今日は平穏に帰ってテレビでも見ようかなって
そう思っていたのにうっかりと忘れ物をして学校に戻らざるを得なくなる。
龍の目玉を欠くような出来事は、そりゃあもう私を苛立たせるのだから
どかどかとはしたない足取りで廊下を歩き、どうせ誰も居ないだろうから教室の戸だって乱雑に開ける。

「………あら?」

問題は、戸を開けたらプリントの柱に囲まれた誰かが突っ伏していた事くらいかな。
しかもこう、ずうっと空席だった場所に。だから幽霊でもみたように目を瞬かせてしまったり。

蜜村 みやび > がらりと乱雑に開けられる扉。え、祈り通じたんですか!? と顔をがばりと上げて。

「おや……! あ、ええと、…………」

思い出す。 同じ教室にいた………そう、四季さんだ。
彼女は基本的に誰でもメモするし、アルバムに残す。流石に入院明けは忘れていることも多いが。

「四季さんです、よね。……私です! 事故で儚く散って、今正に舞い戻った蜜村、蜜村みやびです!」

がたり、っと立ち上がって満面の笑顔を作り、ぱたたたたっ、と距離を一気に詰めて手を差し出す。お久しぶりですっ、と喜びの表情。

四季夢子 > 目の前に突っ伏していた誰かは、顔を上げる事で何処かで見た誰かとなって
記憶の海に潜ってみるも精々がクラスメイトの誰か、くらいなもの。
何時の間にか姿を見無かったなあってくらいの、然して会話をした記憶も無い級友。
名前は確か……あ、名乗ってくれた。
良かった、と安堵の笑みが浮かぶ。

「え、ええ……ああ、事故だったの。そう、それは大変で……いや散ったらそれまでだと思うんだけど、再生系の能力?」

それは夕暮れのような曖昧な笑顔で、蜜村さんと握手を交わし、緩く手が揺れる度にもっと曖昧になってしまうような感じ。

「今日の授業中は見無かったけど、いつごろ戻ってきたの?」

机上に山積するプリントを一瞥し、あれが全て課題か何かだと思えば眉の一つ二つもひん曲がった。
さもお気の毒様。と言わんばかりの顔って奴。

蜜村 みやび > 「いえいえ比喩です! 確かに爆発いたしましたけれど、なんとかかんとか生き延びたのですよ。 能力は地味なもんですよぉ。」

えっへん、と胸を張って笑顔を向ける。
最初は思い出していたのだろうな、ということくらいは彼女も理解するし、それに不満を覚えるはずもない。
夕暮れの中で久々に人に出会えた喜びで、こちらは尻尾をぶんぶん振って腕もぎゅっと握ってくる。この温度差。

「あー、…………分かって頂けますかねぇ、数週間学校に来ない状態でしらっと戻ってくるのは、どうしても難しくてですね………。」

ううむ、と腕を組んで額に手を当てて首を横に振る。
気の毒そうにしているその評定を見逃すわけにはいかない。

「………まあ普通に寝過ごしたんですけどね。病院で夜ずっと起きてたら昼夜が一気に逆転しまして。……で、まあ、その、ちょっとばかり教えて欲しいなぁ、なーんてみやびは思ってしまうわけなんですけれど。」

すすす、と姿勢を低くして見上げるようにしながら、低姿勢でお願いを一つ。

四季夢子 > 「へ、へえ……そう、それは大変ね。大方歓楽街辺りで喧嘩の見物でもしていたんでしょ。
 用心しないとダメよ、ああいう所は危ないんだから。」

自分もやっている事を揶揄した上で、棚上げ通り越して屋根上にぶん投げて忠言を一つ。
ただ……人の振り見てじゃあないけど、山積するプリントを見れば気の一つくらいは引き締まったりもした。

「まあ休んでいた理由が理由なら戻り辛いのも判るけど、それは貴方自業自得でしょ。
 そんな風に腕を取ってもダメなんだから、ほら離して――」

そもそも忘れ物を取りに来ただけなのに、なんだか巻き込まれそうなのは御免被りたい所。
だって巻き込まれたのを見捨てたら寝覚め、悪くなってしまいそうなんだもの。
だから最初から遠くから、物陰から安全に観測をしていたいと言うのに
蜜村さんったら真っ向から拝み倒してくるのだから、困ってしまった。

「……あーもー……私、忘れ物を取りに来ただけで直ぐ帰るんだからね。
 一体何が知りたいの?」

蜜村 みやび > 「何で分かるんですか!? 転移荒野の方で人非ざる者との戦闘を拝みに行ったんですよー、いやあ、カッコよかったですよー、先輩の戦う姿。ああいうのをみなさんにお伝えするために新聞部やってるんですから、まあ、多少危険ですけど行かねばならんのですよ。」

口にしたのは、もっと危険な土地と行動。
命が惜しくないのかという行動と、その理念をきっぱりと説明する。
それでも自業自得なのは変わらないのに、全く変わらないのに堂々とする。
堂々とすることで「何かとても立派な一本の芯があるように見える」という作戦である。


「四季さん……っ! その優しさにみやびはもう胸が一杯です! 今度お風呂で背中流させて下さい!!」

困ったようにしながらも、仕方ないなあ、と助けてくれるその行動に胸がきゅんきゅんしてしまう。
身体をせわしなく揺らしながら嬉しそうにやったーっ、と両手を上げて大喜び。

「あ、ええと、数学はどっちかっていうと得意なので全部こなしたんですけど、英語が………なんでこの選択肢ってこっちじゃないんです?」

指をさすのはひっかけ問題。まあ、休んでいたならそりゃ無理よね、といったところ。

四季夢子 > 「うっわー……あんた無茶してるわね……。」
思わず"あんた"とか言ってしまうのも無理からぬ出来事を
まるで快哉のように告げられた私の顔は曇天の様。

きっと、蜜村さんの中には自分自身が勘定に含まれて居ないのかもしれない。
芯が通った態度の中心が空洞のような、なんだか奇妙な違和感を覚えちゃう。

「あと大袈裟よ、大袈裟。全部手伝うなんて言って無いんだから……ってその御礼は遠慮しておくわ……!」
諸手を上げた喝采を独りでやってのける蜜村さんの様子は、新聞部よりも演劇部向けに見えた。
でも言葉に芝居がかったものは見られなくて、本気で言っていると解って判ったから断固固辞し
彼女の横をすり抜けて机の元へ。

「ん?なんでって……ほら、ここ文法違うじゃない?いえ、私も確証あるわけじゃあないけど……
 多分その所為でこっちじゃないのよ。」

後は蜜村さんを椅子に座らせて、私は横合いから口やら手を出すような感じ。
文法の引っ掛け部分は手を取って、指でなぞらせる事で口頭よりも深く理解させようとしてみたり。

蜜村 みやび > 「いぇす! いやあ、もっともっと皆さんのことを知りたいんですよね。
ですから、一日一人づつでもいろんな人とお話をして、その人のことを理解して、理解しきれないまでも近づいてみたいと思うんです。
いやほら、ここの人って「能力」が中心になって捉えられている人が多いじゃないですか。魔法が使えるだとか、異世界の人だとか。
そういうのを抜きにして一個の人格として相手を捉えてあげるような、そんなことをしたいんですよね。」

目を輝かせて、理想を語る少女。拳をぐっと握って夢を語り、ちょっと熱くなったのか、自分の口を掌で押さえて。

「………その上で、美人の先輩のスリーサイズとかも知りたいですよね!」

いぇいっ、といい笑顔で自分で自分を茶化す。本気かもしれないけど。

「………あ、そうなんです? ほうほう、なるほど………だから解説にいきなりわけわからんこと書いてあったんですね。 お肌すべすべですねぇ、やっぱり背中流してもいいです?」

シームレスにセクハラ。流れるよう。

四季夢子 > 英語の文法を解するよりも、余程理解に苦しまれるような言葉を言われた気がする。
少なくとも、私のお父さんや、お母さんは理解をしないような言葉。

「いや貴方それが出来たら苦労しないし、この学園都市だって存在しないでしょ。
 壮大な夢は結構だけど、近付く相手は選びなさいよね。」

蜜村さんの指を握る手に力が篭って、直ぐに離して彼女の目線からも視線を外してしまうのだけど
続く言葉でそれまでは全部崩れて、私は思わず彼女を二度見して、目を瞬かせてしまった。

「壮大な夢が一気に下品になってるんだけど!?」

序に突っ込みも一つ。手刀が軽く蜜村さんの頭部を、とくに理由もなくは無いけど襲う――!!

「あと流させるか!」

そのまま流れるようにもう一撃!。

「……ところで、この山積した課題の山。提出期限は何時までなの?」
それからは話題を強引に切り替えるべく目線をプリントに写し、呼吸を整え
すっかりと崩された調子を元に戻さないといけないわ。

蜜村 みやび > 「苦労しない登山は、単なる坂道を歩いているのと何も変わりありませんよ。
みやびにとってそれは、苦労する価値があると感じているから登っているんです。
それに、まあ、一応能力的な話になっちゃいますけど、逃げるには便利な力ではありますから大丈夫大丈夫っ!」

やんわりと難しいと伝えられても、一笑。親指をびっと立てていい笑顔。
言葉はまるで流れるようで、常からそう考えているからか。

「人間の三大欲求は食欲、睡眠欲、性欲ですからね?
当然素敵な先輩のスリーサイズとか知りたいじゃないですか。
スリーサイズってみやび的にはめちゃくちゃぼやかしたつもりだったんですぐえーっ!?」

手刀が頭にびしりと決まれば、小さく声が漏れて。
返す刀でもう一撃。はぐぅっ、と声が漏れる。

「いいじゃないですかー、大丈夫ですよ、大丈夫。ちゃんとひと通り終った後は綺麗に致しますから。うんうん。」

ツッコミを受けても全くめげないにこにこ笑顔。
課題のことになれば、遠い目をしながら軽く笑って。

「大丈夫ですよ、大丈夫。あと2時間もあります!」

四季夢子 > 「凄く良い事を言ってる風だけど、その実情が最低すぎるんだけど貴方……!?
 あと何が一通りなのよ何が……ああいや言わないでいいから、そのまま二時間大人しくして死ぬがいいわ。」

学業的な意味で死ね。と簡素に言い捨てて溜息をなが~く吐いて、眉間を指で抑えて項垂れて頭を振る。
誰がどう見ても"呆れている"と判断するだろう態度をこれでもかと見せ付けてやり、その場を離れて自分の机に向かう。

「それとも逃げるのに便利な能力とやらで課題からも逃げる?なんてね、まったく心配して損しちゃったわ。」

机の中より取り出すのは黒漆塗りの地に螺鈿細工が施された長方形の箱。それを鞄に回収したなら
己の席に着いて、夕焼けの逆光の中で良く見えない蜜村さんを見る。今どんな顔をしているかしら?と思うと
少し、楽しかった。

蜜村 みやび > 「えー、女性だけじゃなくて男性だってきっちり調べますよ? そういうの知りたくなるじゃないですか!
え、全部お伝えしようと思っていたのに……ああ、口ではなくて手でってことです? なーんて。」

きゃっきゃ、と楽しげに笑いながら言葉がぽろぽろと溢れるように飛び出してくる少女。くる、っと回ってウィンクを一つ。
相手が呆れた様子を見せれば、ちょこちょこと後ろをついて歩いて。
振り向けば、すぐ後ろの席に座っていて、にっこりと笑う。

「心配してくれたんです?」

えへへー、っと笑う。課題を放り投げて、全く気にした様子も無い。
夕日に照らされた少女は、ゆらゆらと身体が揺れていて。

「久しぶりの学校でお話ができて嬉しかったです。 今度は、宿題以外のとこで商店街にでも帰りに一緒しましょう?」

なんて、改めて真面目にお誘いなんてしちゃう。変幻自在の女の子。

四季夢子 > ――陽光に背を向けて向日葵のように笑う蜜村さんの顔を、私はどんな顔で視たのかしら。
好奇心を擽られなかったと言えば嘘にもなるような、猫が死ぬような顔だったのかもしれない。

「前々から貴方、そんな風だったかしら……今までロクに御話をした記憶も無かったけどさ。」

知りたがりだけど面倒そうな事情には踏み込まず、何も知らずに観覧して暇潰しをしていたい私とは
いたく対照的に思える蜜村さんにもう一度、溜息を吐いて見せて席を立つ。

「ま、私も暇が潰せてそれなりには楽しかったかも。お誘いは……そうね、手伝った御礼がてら、「橘」でケーキでも奢って頂戴。」

学生街に在るカフェテラスの名前を告げて教室を後に
何だか調子の狂う相手だなと、少し唸りながら廊下を歩いて帰るのでした。

ご案内:「教室」から四季夢子さんが去りました。
蜜村 みやび > 「お任せくださいっ! 不肖この蜜村、約束をして違えたことはそんなにありません!あと、昔からこうでしたけど?」

にっこり笑顔で席を立つ姿を見上げて。次回のお約束を一つして。
出て行く相手に手を振って。

さーて、課題は泣き落としをして、明日にさせてもらいますか!!

ご案内:「教室」から蜜村 みやびさんが去りました。