2015/09/10 のログ
ご案内:「廊下」に倉光はたたさんが現れました。
■倉光はたた > 昼間。並ぶ教室ではそれぞれ授業が行われている。
静謐な廊下を歩くものは誰もいない。
倉光はたたを覗いては。
「んー…………」
白い髪を持ち、背中からは枝か翼に似たものを垂らしている少女が
覗き窓や戸の隙間から興味深そうに教室の授業の光景を覗き込んでいる。
はたたは学園に在籍する生徒ではあるが、諸事情から現在休学扱いであった。
そのうち授業とやらに出なくてはいけない身である。
下見を行っておこう、と判断したはたたは
自主的にこうして覗きに姿を現したのだ。
端から見ればただの不審者である。
■倉光はたた > 「ひとがたくさん…………」
授業の風景を見るのは『以後』のはたたにとっては初めてだ。
人が多く集まる場所なら商店街や寮だってそうではある。
けれど様々な人間が、一様に、何か一つのことを集中している(集中していない個体もいたが)のを見る機会はなかった。
『あの、授業の邪魔なので……』
覗き窓にベターっと顔を貼り付けていたら
たまりかねたのか教師が戸を開けて現れ、
教室の前から追い払われてしまった。
当然の帰結であった。
「……」
無言無表情に不服の色を浮かべて、しかしそこから離れる。
■倉光はたた > ひょこひょことした足取りで、懲りずに別の教室で同じことをする。
しかし、だいたい数分もすれば似たような結果になる。
そんなことを繰り返しているうちに、終業のチャイムが鳴った。
わらわらと教室から生徒たちが溢れてくる。
「…………!」
はたたは見つからないように、階段のほうへと逃げていった。
どうやらじっくりと授業とやらを観察するには、
実際に授業の席についてみるしかないようだ。
ご案内:「廊下」から倉光はたたさんが去りました。