2015/09/11 のログ
ご案内:「職員室」に椚 真さんが現れました。
椚 真 > もう既に本日の授業はとっくに全て終了しております。

勤務時間の定刻は、とうに過ぎております。

一人、また一人と職員室から消えて行く同僚。


気付けばポツリと一人きり。
暗くなった職員室の一角、ぼんやりと浮かぶ小さな明かり。
職員室の中でも更に隅の方のデスクの一角、体育教師は一人で黙々とタイピング音をカタカタと響かせていた――。

椚 真 > 怪奇、職員室に現れるタイピング幽霊ではなくれっきとした人間です。
さっきから自分は何をやっているのだろう?そろそろ意識も朦朧として来ました。

「……終わんねェぞ、コレ。」

呟いた独り言は、この世の不幸を全て一手に担っているが如く重たかった。
PCの画面に表示されているのは何処にでも良くある会議の資料である。

納期まではまだ余裕があるから大丈夫、放置放置。
資料?二、三日もあれば作れるでしょ、まだ大丈夫。
あれ…納期明日?…マジかよ。

要するに自業自得でありました。
これが偶にならまだしも割と頻繁に起こるのが椚クオリティ。

悔い改める様子が無いから今日も居残っているのでしょう。


――…残業代?びた一文として出る訳がありません。

椚 真 > 不意にぴたりと止まる手。伸ばした手はキーボード脇の缶コーヒーへと伸ばされる。
ひょいっ…持ち上げれば、あまりにも軽すぎて中身がもう既に入っていない事に気付けば
何事も無かったかのように静かに音も立てずに元に戻される空き缶。


「嗚呼、そう言えば。…貸出本の返却期日いつだっけか……。」

意識が資料作りから離れれば、ふと思い出す別の期日。
今日か明日だった筈……爆破事件やら何やらで慌ただしいし最悪一日くらい遅れても大丈夫…
だといいなぁと暗い天井を見上げながら身体に溜まった悪い物を吐き出すかのように大きく吐息を零した。

椚 真 > 「イカンイカン。とっとと片付けないと終わらないぞコレ。」

パシーン、と響く甲高い音。
自分の頬を両手で叩けば目の覚める痛みに思わず涙目。

体育教師の戦いはまだまだ続くらしい。
いい加減懲りればいいのに、それでも懲りる気配は無かったとか何とか。

ご案内:「職員室」から椚 真さんが去りました。
ご案内:「廊下」に日下部 理沙さんが現れました。
日下部 理沙 > 「うーん……」
 
新入生、日下部理沙は困っていた。
廊下の真ん中に立って、真っ白な翼を揺らしながら、唸っていた。
こっちにきてから概ねあらゆることで困っている理沙からすると最早困ることは日常ではあったが、それはそれとして困っていた。
その手に持っているのは、見知らぬ生徒の筆箱。
残念ながら名前も書いていなければ、身分証明にあたるものも入っていない。
だが、それはそれとして、拾ってしまったのなら然るべきところ、職員室か風紀委員やら公安委員の詰め所にいくべきだろう。
 
しかし、日下部理沙は職員室も委員会の詰め所も、この校舎のどこにあるのか知らなかった。

日下部 理沙 > 結果、延々と校舎内をうろついていた理沙であったが、流石は規格外マンモス校の常世学園である。
行けども行けども辿りつく様子がない。
もしや自分は方向音痴なのではないかと最近、理沙は自身を疑っている。
単純にここが広すぎるだけであるという言い訳も同時にしているが、それはそれである。
何はともあれ職員室にも委員会室にも辿り付けないまま、白い翼をゆらゆら揺らして、校舎の中を彷徨っていた。
案内図でもどっかにないかとさがすが、中々見当たらない。

日下部 理沙 > 「つかれた……」
 
結局、案内すら見つけられず、廊下の隅にある自販機の前のベンチに座り込む。
いっそこの筆箱を届ける事など諦めて、ここに筆箱を置いてこのまま帰ってしまおうか。
いや、でもそれではこの筆箱の持ち主が困るであろうし、何よりなんだか癪だ。
翼ごとぐったりとうなだれたままそんなことを思いつつ、理沙はぼさっと座り込んでいた。

ご案内:「廊下」にビアトリクスさんが現れました。
ビアトリクス > ベンチでへたりこむ有翼の少年に、足音が近づいた。

「地上の重力はくたびれるかい?」

そんなことを口にしながら、自販機の前へと立ってコインを入れる。
どうやら自販機が目当てだったらしい。
横目に知らない生徒の様子を眺めた。

「天上に帰る道でも探してた?
 ……もとい、迷った?」
どこか気取ったような余裕ある口調。

日下部 理沙 > 「え?」
 
突然話しかけられ、理沙はそう素っ頓狂な声をあげた。
こっちにきてからそれほど知人のいない理沙からすると、話しかけられること自体相当に珍しい事であった。
蒼い瞳を揺らして、同じ蒼い瞳を持つ中性的な面持ちの少女……スカートをはいているし、多分少女であろう。
ともかく、少女の顔を見る。
そして、そういわれると、ぎこちなく答えた。
 
「あ、はい。そうです。迷いました。その出来れば……助けて貰ってもいいでしょうか?
然るべき場所に、この落し物の筆箱を届けたいんです」
 
そういって、名前の書かれていない筆箱を掲げる。