2015/09/18 のログ
ご案内:「教室」に鏑木 ヤエさんが現れました。
鏑木 ヤエ > (落日見ゆる夕刻。
 橙色の日差しが差し込む人っ子ひとりいない教室の隅に、彼女はちょこんと座っていた。
 教室内の一番後ろの窓際の席。
 やれやれ系主人公がいつも座っていたり目の前に突拍子もないクラスメイトが
 座っているであろう席に、ただひとりぼんやりと座って窓の外を眺めていた)

「…………、」

(普段は馬鹿にならないほど五月蝿い彼女だがいまは無言で。
 斜めに入る陽の光がちらりと濁ったクリームの髪に差し込んだ)

(はらはらと手元のB5サイズのテキストを捲る。
 紙が擦れる音)

鏑木 ヤエ > (退屈そうにテキストに目を落とした。
 幾冊か机の端に追いやられるようにして本が高く積まれている。
 日よけにするように、出来た影にこそりと顔を隠す。
 ただ静寂静謐に満ちた時間に頁を捲る音だけが響くのだ)

「………なるほど」

(ぱらぱらと捲られる頁。
 読んでいるとは思えない速度で捲られているからきっと読んではいないのだろう。
 ただこの静かな空間に耐えきれなくなったのか、それを引き裂くようにして声を落とす)


「わかりませんね」

(何を知りたくて何を探していたのかは知れない。
 ただ乱雑に、やる気なさげに匙を投げた)

ご案内:「教室」にギルゲイオスさんが現れました。
ギルゲイオス > (温泉帰りで、ややと肌がつややかになった魔王様。
街にまで戻ったはいいものの、そこからはたと何かに気付き。
速攻で学校へまで、やってくる、と)

……週明けに提出する、課題のプリントを忘れていたのである。
(思い出しただけでも、僥倖と言えるだろう。
緩い足取りで教室に入れば、自分の席を思い出すように周囲を見渡し)

ふむ……
(何か思いついたようにポケットから携帯を取り出せば、慣れない手つきでカメラモードをオン。
窓際、夕日を本で遮りながら佇む姿を、ファインダーに捉えてみようとする。
もっとも、場所が場所だ。すぐさまにばれてしまっても、おかしくはないのだが)

鏑木 ヤエ > (ただ動くのは時計の針と窓の外に浮かぶ雲と捲られる頁。
 視線は微動だにしない。
 ただ一点を読んでるんだか読んでねーんだかわからない本に向けている)

「………───」

(一瞬ふ、と窓の外に視線を向けた。
 特に何があった訳でもない。なんとなしにゆらりと視線を揺らした)

(と、それもすぐに飽いてしまったようでまた視線を落とす。
 未だ気付く気配はない)

ギルゲイオス > (相手に後で確認を取れば大丈夫かなと、異邦人的な緩い思考。
レンズの中の被写体、中央へと納めたままに、様子を伺って。
慣れない構えに合わせたオートフォーカス機能によって、焦点がボケたり、鮮明になったり、それを繰り返し)

――カシャッ
(携帯特有の、電子音が教室へと響き渡る。
タイミングは、そう、視線は一瞬と窓の外へと向けられた辺り。
素人撮影にしては、中々物憂げな感じを捉えれた、とは思うのだが……それ、以前に)

おぉぉおう!?
(思いのほか大きな撮影音に驚いた魔王様、狼狽える声が何だか色々と台無しにしてしまう)

鏑木 ヤエ > (カシャ。
 随分と乾いて俗世的なシャッター音が静かな教室に鳴り響いた。
 一瞬眉を下げて不機嫌そうな表情を浮かべるもすぐにそれは音の主に向けられる。
 見知った顔を見つければ、重々しく口を開いた)

「風紀委員会の電話番号って何番でしたっけ」

(普段と何ら変わらぬ声音は冷静なのか寝ぼけているのか。
 ポケットから携帯端末を取り出して指をスワイプさせていく。
 痴漢盗撮、現行犯、通報、検索。実に流れるような手つきである)

「やあ、どうも。やえです。
 ギルゲイオスは何をしに来たんです?」

ギルゲイオス > (やっとこさ落ち着いた辺りで画面を確認すると、こんなものかな?などと思いつつ首をかしげるの、だが)

えーと、我の知っている風紀の番号であれば……いやそうではなく。
勝手に撮ったのは我が悪いが、駄目ならちゃんと消すのである。
(流れるように風紀の話が出てくると、おおおおおお、と慄きの声を上げる魔王様)

ははは、あぁいや、済まぬ。
(バツが悪げに後頭部を掻けば、苦笑いを薄くと浮かべ。
緩い足取りに靴音を鳴らし、近くにまでと歩いてゆく)

いや、昨日の話、であったかな。
ふとした景色を携帯のカメラでもいいから、撮ってみると面白い、と言われたのでな。
丁度と中々絵になる姿が見えたので、ついな。
(ややと早口気味になってしまったのは、勿論、言い訳してるから、だが。
先に撮影した画面、ソレを見えるように向けて。
当然、素人の腕だ。
単純に被写体――ヤエを中心に据えただけで、これと言ってすぐれた技術もない)

どうも、ギルである。
課題のプリントを忘れてきたのでな、それを回収に来たのが、本来の目的であるよ。
(へフッと、ため息を一つ。
零せば本題を口にして肩を竦めた)

鏑木 ヤエ > 「ははん。
 さてはカワイーやえのいい構図を見つけちゃったものでうれしくて
 舞い上がっちんぐってヤツですか。
 カワイーところもありやがるんですね、ギルゲイオス」

(「許してやりますよ」、とひらひら手を振る。
 ずい、と覗き込むようにしてその画面を見遣る。
 中々に悪くない構図にまたははんと溜息をひとつ洩らす)

「なるほど、課題忘れるようじゃ進級できやがりませんよ。
 やえですら真面目に最近やってるんですから」

(「いります?」、と鞄からクッキーの小袋を取り出した)

ギルゲイオス > まぁ、大まかに言えば、それで間違いはないのである。
やはりこういうのは、その場の感情に任せて、ってのよろしくないのであるな。
ふと気になった景色でも、ヒトが相手の場合は許可を取らねばならぬ、という事か。
(くくっと、喉元に小さな笑い声)

……女子に可愛いと言われるのも、なんだか複雑な気分であるな。
(可愛い、のか?などと自問自答しながら、首をひねり)

何にせよ、折角と許可ももらえたので。
記念として、保存しておくのである。
(再びの慣れない手つきで、保存フォルダーに移動させる)

はは、グサッと突き刺さる一言であるな。
魔術関係はそれなりに高得点をマークしておるので、ある程度フォローは効くと、思うのだが。
そういえば、前にサボり云々言っておったが、何か心変わりでもしたのであるか?
(隣の椅子を引っ張り出すと、腰を降ろし。
クッキー、と聞かれれば「貰うのである」と頷きと共に答えた)

鏑木 ヤエ > 「別に構わねー、ってヤツもいるとは思いますけどね。
 やえは撮られるなら事務所を通すか千円払うか飯を奢るかを求めてますよ。
 という訳で今度学食でも奢ってくださいよ。
 やえはお金がねーんです」

(カラコロと転がすように出る軽口はいつもと何ら変わることはない。
 首を捻る様には胸中でクツクツと笑いながら携帯端末を鞄に仕舞いこんだ)

「重みが他のヤツとはちげーですから。
 2年も同じ授業を受けてるヤツとかそうそういやがらないでしょう。
 敬ってくれてもいーんですよ」

(肩を竦めてややオーバーな所作で両手を広げた。
 次いだ言葉には少しばかり考え込むような様子を見せ、それから)

「………、ちょっとだけ興味のある授業もやえにはあるんですよ。
 ただ成績は全く振るわねーですけども。
 魔術でも異能でもなく、正解も不正解もねーような学問とも言えねーようなモンですが」

(とんとん、と先刻捲っていたテキストを閉じて指で指し示す。
 宗教学、と単純明快わかりやすい三文字が並んでいる)