2015/10/03 のログ
蓋盛 椎月 > いやあ、悪い悪い、と
大して反省している素振りもなくへらへら笑いをする。

「そうかもねー……
 専門用語でいうところの『認識の衝突』ってやつ?
 と言っても無理に使ったことはほとんどないから
 そういうサンプルはなかなか取れないんだよなー」

ペンを置いて、ノートを閉じてしまう。

「んー、何も起こらないよ。基本的には。
 治すべきキズをある程度認識できてないとダメらしいんだ、どうやら。
 だもんで、自分で実験するときは、適当にちょっとした切り傷とかを作ってる。
 定期的に点検しておかないと、怖いんだよね、この異能」

何もないものに撃てばどうなるか、という質問にはそう応えた。

ギルゲイオス > 無理に使う場面がそもそも余り思い浮かばぬのである。
強いて言えば、何か悪事を働いて、それを相手の記憶から消してしまいたい時、とかであるが。
安定的に記憶が消去できるかと言えば、微妙であるしな。
もっとも、そんな使い方はお勧めできぬがな。
(へふっと、息を吐き出す。
死ぬ直前まで痛めつけて治療すれば、それこそ綺麗さっぱり忘れそうにも思えるが)

その認識、というのは。
怪我をしている本人、ではなく異能の使用者が、という事であるかな。
となると、本当は風邪位なのに大病と認識した場合や、その逆でどうなるかも気になる所、ではあるが。
(ふーむと唸れば、思案気に顎を指で撫でる)

わざわざ自傷せねばならぬのか。
怖い、か……まぁ確かに、記憶に関する異能であるからな。
妙な事になったら、それこそ、であるが。

蓋盛 椎月 > 「あっはっは、まるで……
 これが『記憶を消すための異能』みたいな言い方をするね。
 あたしはそんなおっかない事はしないしする必要もないよ。
 罪もない一般市民だからねえ」

妙に愉快そうにくつくつと笑う。

「そゆこと。
 この島でこれを使うハメになるのは、大概の場合
 見間違えようもない派手な外傷だから……
 それは実際どうなるかわからないな」

意図して誤診するなんてことはできないし実験も難しい。
一度席を立って、自分のグラスと冷えた麦茶のボトルを持ってくる。

「なんか自傷してると精神を病んだ人みたいに自分が見えてきちゃうんだよねえ。
 この通り、まったくの健康体なんだけどー」

ぽんぽんと胸元を手で叩き、グラスに麦茶を注いで呷った。

ギルゲイオス > まぁ、逆転の発想であるな。
どうのも、魔術士とは色々なモノの見方をするのが好きなようでな。
そういう使い方も、と思っただけである。
気を悪くとしたようなら、もし訳ない。
(少しとばかり、肩を竦めて見せた)

ふむ、まぁそうであるよな。
試すような機会がある状況、でもないであろうし。

特に、どうも最近はキナ臭い話も良くと聞くのである。
使わぬに越したことはないと先に言ったが、そうと言ってられぬ状況も増えるかも知れぬな。
ま、死ぬよりかは記憶が消える方が、まだマシか。
(残りの水をチビチビとやって空にしてから、グラスを差し出す)

身体の健康と、精神の健康はまた別の問題であるからな。
案外記憶が薄れて忘れてるだけで、何も無いとも限らぬ。
医者の不養生、とはよく言うからの。
気を付けるに越した事はないよ。
(くくっと、笑みを喉元で鳴らす)

蓋盛 椎月 > 「いやいや、面白い考え方だと思ったよ」
気にしないで、と、肩をすくめる様子に。

「でも、昔はたとえばこの世界じゃあ同性愛が病気って認識されていたし。
 何を傷病と認識するかは人それぞれなわけで――
 記憶を病と捉えられるなら、それを消すことで『治療』になるのかもしれないな」
なんて、与太話だよ――最後にそう付け加える。
差し出されたグラスに、ほらほらもっと飲めとばかりに麦茶を注いでやった。

「はは、養護教諭が生徒に健康について説教されるとはね。
 言われんでも気をつけるわい」
豪胆に肩を揺らして見せた。

ギルゲイオス > 同性愛に関しては我は良く分からぬが、良く分からない事を病気と捉えるのも、気持ちは分からなくもないのである。
或いは、病だと認識している記憶を消去することで、病を認識できなくして治す、とか?
まー、これも与太話の類であるがな。
(注がれた麦茶を、またちびちびとやって)

できれば、コレの泡が出るヤツが飲みたい所、でもあるがな。
(語尾に笑い声を重ねた)

ふっふっふ、確かに教師と生徒という立場ではあるが、年齢は恐らく――我の方が上であるしな。
他に言うヤツもそうとは居らぬだろうし、魔王様じきじきの説教である。有り難く受け取るがよい。
(合わせて此方からも、楽しげな声を漏らした)

蓋盛 椎月 > 「やれやれ、生徒の健康を守るための保健室で
 飲酒をほのめかすんじゃない。
 保健室で酒盛りするなんて言語道断、あまりに冒涜的だ」
欧米人のように両腕を大げさに広げて見せる。
まあやったことあるんですけどそれ。しかも何回も。

「ハ、保健室はあたしの城さ。神も魔王も等しく生徒だ。
 だけどまあその気持ち、せいぜいあたしの足しにさせてもらおう。
 そっちこそ身体の調子はよくなった? なかなか元気に喋ってるけど」
グラスの中身を空にして、ぎぃと背もたれに身を預けた。

ギルゲイオス > 酒は百薬の長、なんて便利な言葉が此方の世界にはあると聞いたのである。
薬であれば、保健室でも問題はないのである。
(にやっと、わざとらしく口の端を上げて)

ま、流石にそれは冗談であるが。
そういう冒涜的なのもたまには悪くないと思うのである。
(泡のでない麦の汁を、ちびりちびりと)

ははん、そうと言うのなら、そのうち我の城にでも招いて仕返しせねばらぬな。
ふむ……ペラペラと喋るのは、毎度の事であるがな。
この調子であれば、日曜明けて月曜には、万全になっているかも知れぬな。
油断してこじらせる、なんて事にならぬよう注意はせねばならぬが。
(なお、先代魔王は病死だったそうな。
魔王でも病気には勝てなかったよ)

では、余り長く居ついて良い場所でもないし、そろそろお暇させてもらうとするか。
ごちそうさまである。
(空になったグラスと机に置くと、椅子から立ち上がる)

蓋盛 椎月 > 「あはは、さすが魔王さま、悪知恵に長けていらっしゃる。
 でも風邪のときのアルコールはよくないからねー」
同じくわざとらしく身を傾けて笑う。

「きみの城、ってことはつまり魔王城かい?
 なら囚われの姫君らしくドレスを用意しておかないとなぁ……。

 それじゃーねえお大事にー。
 今度来るときはお菓子でも用意してあげるよ」

立ち上がる魔王を、無害な笑顔で小さく手を振って見送るだろう。

ギルゲイオス > しかし、此方の民間療法で、玉子酒、というものが存在するという話も聞いたのである。
(更に悪知恵を披露してみせる魔王様)

……まぁ、余り美味しく無さそうな予感もするのだがな。
(名前の通り、材料は卵と酒なのだろうが。
何とも言えない予感に、ちょいと顔を顰め)

そう言う事であるな。もっとも、我の世界と此方の世界は安定して繋がっている訳、ではないのでな。
何時になるかは、さっぱりであるがな。

おや、ならば囚われの姫様を助けに来てくれる、王子様か勇者様を見つけておかねばな。
(くくっと、笑い声を含めれば。
緩い足取りで扉へと向かって)

そうであるな、次に来る時は……遠慮なくお菓子を頂けるように、元気な時に来るとしよう。
(つまり、ただの、雑談である。
手を振れば、扉を開けて。
軽い礼の後に閉めると、廊下を歩く足音が遠ざかっていった)

ご案内:「保健室」からギルゲイオスさんが去りました。
ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。