2015/12/23 のログ
ご案内:「保健室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
■蓋盛 椎月 > 「ジングルベ~ル、ジングルベ~ル、フフッフ~フフ~」
調子外れに明るい歌声を響かせながら
台車を押して保健室へと踏み入る蓋盛。
台車に乗せて運んでいたのは、クリスマスツリーだ。
それを下ろして、保健室の隅へと設置する。
「遅くなったけどこれでクリスマス用の飾り付けも終わり~っと」
どっかとデスクの前の椅子に腰を下ろす。
保健室を見渡せばいたるところにリースや折り紙の飾りがしつらえてある。
すっかりお祭りムードだ。
ご案内:「保健室」に蔵田 怡与さんが現れました。
■蔵田 怡与 > ……
(鼻歌が聞こえる部屋を、恐る恐る覗き込む)
……。
………あの。失礼します…。
■蓋盛 椎月 > 「お、何か用かな。遠慮しないで、入って入って。
体調でも崩した?」
鼻歌を止める。
ゆったりと寛いだように座った体勢のまま、
椅子を覗き込む生徒のほうへと向け、入るように促す。
■蔵田 怡与 > (華やかな飾りをきょろきょろと見上げていた生徒は、その言葉にびくりと肩をすくませ、そっと部屋に入る)
「あ…急に、すみません。その…歌が聞こえたから。
体調は…平気です。」
(どこか緊張している顔つきで、そう答えた)
■蓋盛 椎月 > 「あら、そうなんだ。
まあせっかく来たんならゆっくりしていきなよ、
お茶ぐらいは出るからさ」
妙に強張った表情に少々首をかしげながらも、
適当に空いた椅子を示して座るように促す。
自分は立ってお茶を出す準備を始めた。
「歌好きなの?
それとも賑やかな雰囲気が好き?」
■蔵田 怡与 > (椅子を勧められると、おずおずとそこに座った。保健室の中をあちこちと見回している。)
「歌は…はい。聞くのは…すごく好きです。
にぎやかな雰囲気は…よくわかりません。嫌いではない、と、思います。
…すみません。保健室に入るの、初めてで… こういう飾りも…」
(言いながら、鞄を膝の上にぎゅっと引き寄せる。)
■蓋盛 椎月 > しばらく待てば、
二人分の湯のみに入った温かい緑茶が出てくる。
一つを保健室に訪れた女生徒の前に。
「ここの飾りはぜんぶあたしがやったんだー。すごいでしょ。
……そんなに緊張しなくたって取って食ったりやしないさ。
保健室ってのは、生徒が休むための場所だからね……
もっとリラックスしていいんだよ」
そう言って、湯のみを両手で取って口をつけてすする。
■蔵田 怡与 > 「全部… すごいです。これは、とても大変、だと、思います」
(部屋をぐるりと見回し、改めて力作を堪能する)
(ふと、出された湯のみに目を落とし、ちらりと相手を見ると)
「…あの、ありがとうございます。…頂きます」
(頭を下げ、湯のみに手を伸ばそうとした拍子に、鞄が膝から滑り落ちて中身が床に散らばる)
(出てきたのは大量のカラフルな折り紙だ)
「…! あ、あ、すみません、すぐ、片付けます。」
(湯のみを一度置くと、慌てて床に膝をついて折り紙を拾い集め始める…)
■蓋盛 椎月 > 賞賛されれば照れたように頭の後ろを掻く。
普段は怠惰な過ごし方をしているこの養護教諭だったが、
こういった思いつきには妙な集中力を見せるのだ。
「おっと……」
溢れ散らばった折り紙に感心したように目を丸くする。
「なかなか典雅な趣味じゃない。
どれ、手伝おう」
蓋盛もまた屈み込み、散らばる折り紙を拾うのを手伝おうとした。
■蔵田 怡与 > 「あ、あ、す、すみません…。 ありがとうございます…」
(相手が手伝ってくれているのを見て、耳の辺りを赤くする)
「典雅……でしょうか。 嬉しい。
……その、わたしの異能は、これを使うので……
だがら、その…折り紙の飾りを見て、すごい、と、思いました」
(手を動かしながら、ぽつぽつと言葉を紡ぐ)
■蓋盛 椎月 > 「これぐらいどうってことないよ。
でもどういたしまして」
子供っぽく笑いかけて、集め纏めた折り紙を手渡す。
「折り紙やってる人って、今じゃ珍しいしね。
……へえ、そういう異能なんだ。面白いなあ。
ちょっとうらやましいかも。あたしの異能は、あんま趣味よくないから。
……あたしの折り紙細工は素人の仕事だから、
そう言われると恥ずかしいな」
自分の側に落ちた折り紙をある程度拾い集めて渡し終えれば、
女生徒の邪魔にならないように少し離れて。
■蔵田 怡与 > (手渡された折り紙を受け取り、深々と頭を下げる)
「…ありがとうございます。すごく、助かりました」
(折り紙を丁寧に鞄にしまい込むと、すー、はー、と呼吸を整え)
「申し遅れました。わたしは…蔵田 怡与(くらた いよ)と申します。
この学園に来たばかりで、実は、まだほとんど授業も受けていません。
ここは…保健室、と伺いました。
あなたは…保健の先生、ということ、でしょうか…?」
(少し離れた相手に、そう問いかけた)
■蓋盛 椎月 > 全部片付いたと見て、椅子へと再び腰を下ろす。
「見かけない子だと思ったらそういうことか。なるほどね。
……そう、あたしは何を隠そう保健室の先生――養護教諭の蓋盛椎月。
よろしくね、蔵田さん」
丁寧な自己紹介に名乗り返す。
着用している白衣の裾や襟元を引っ張って養護教諭っぽさをアピールした。
「怪我した時とか、なんか授業がだるくなった時とかは気軽にここに来てねぇ」
手持ち無沙汰になったのか、デスクの上になぜか置いてある
ハンドベルを手にとってしゃりしゃりと鳴らしながら、そんなことを口にする。
■蔵田 怡与 > 「養護教諭の、蓋盛、先生。
あの、よろしくお願いします。
先生と話したのも、初めてで… よかったです。優しい先生で」
(言うと、ほっとしたように肩の力を抜いて、椅子に腰掛ける)
「怪我したとき… ここは、戦闘訓練もあるんですよね。
…先生も、異能の持ち主なんですね。
どんな能力を… あ、いえ、すみません。さすがに踏み込みすぎ、ですね」
(ハンドベルの音色にかすかに目を細め、そう答える)
■蓋盛 椎月 > 「別に軍人を育てるための学園じゃないし、
戦闘訓練するかどうかは、蔵田さんの希望するカリキュラム次第かなー。
まあ、そうじゃなくても事故や事件に巻き込まれちゃうことはあるし……」
茶を一口すする。
「別に隠してる異能じゃないから気にしないで。
といっても大して面白い異能じゃないけど」
異能について尋ねられればそう返し、手をかざす。
すると小さな白く淡く輝く物体がそこにふわりと浮かんだ。
角砂糖か何かに思えるそれはよく見ると弾丸の形をしている。
「《イクイリブリウム》。
これで撃った相手の傷を治すことができる。
……いろいろあって、あんまり積極的には使えないけどね」
■蔵田 怡与 > (先生の言葉に神妙に考え込むような顔をすると)
「戦闘訓練は、受けたい、と、思っています。
そうか。カリキュラムが違うんですね… 今まで、普通の授業ばかり受けていました」
(言うと眉をしかめた。照れくさいらしい)
「イクイリブリウム…。
傷を癒す弾丸…… 綺麗、ですね。とても」
(白く輝く弾丸を見つめて、率直な感想を述べる)
「積極的に、使えない。 …とても、便利な能力に、思えますが」
(が、気になった点について、小さく首をかしげながら問いかける)
■蓋盛 椎月 > 「異能が戦うことに向いていない子もいるし、
そもそも異能を持っていない子だっているから、
全員が全員同じ授業や実習を受けるわけにもいかないでしょう?」
《イクイリブリウム》への感想に、目を細めて静かに微笑む。
「ありがとう。そう言ってくれるのは素直にうれしいね。
……使えない、というのは、撃たれるのが単純に抵抗ある人もいるというのと――
これで治されるとその傷に関する記憶を失ってしまうんだ。
副作用みたいなものだね」
宙に浮かぶそれを指でつつくと、ふわりと形を失って空気中に溶けるようにして消えた。
■蔵田 怡与 > (異能の適正や異能を持たない生徒について考えが及ばなかったことに、恥ずかしげに項垂れ)
「そう…ですね。そんなこと、考えもつかなかった…。
わたしは、まだ本当に何にもわかってない。ですね。
すみません…」
(ふわりと消えた、弾丸のあった場所を眺めながら)
「傷に関する、記憶…
誰にやられたか、とか、そういうこと、でしょうか…」
(ぽつりと零す)
■蓋盛 椎月 > 「なに、むしろ事情に通じすぎてても教師の仕事がなくなるよ。
学ぶために学び舎に来たんだから、別に恥じることなんてないさ」
小さく首を横に振る。
安心しろ、とでも言うふうに、口角を吊り上げてみせる。
「そうだね。傷が存在したこととか、なぜ傷を負ったのか、とか、
傷を負わされたことでどんな気持ちになったか……とか、いろいろ。
傷を受けたことを忘れたくない――そういう人も、結構いるからね」
視線を窓の外へ。
ハンドベルを置いて、少し疲れたような仕草で自分の首筋を自分の手で揉む。
■蔵田 怡与 > (口角を吊り上げる先生を見て、こちらもぎこちなく微笑んで見せ)
「ありがとうございます。
先生は……その、戦闘訓練をして下さる先生を、ご存じですか?」
(考えながら、言葉を発する)
「傷を受けたことを…忘れたくない…
少し、わかる気がします。
…でも、先生の能力は……なんというか、先生らしい、ような、気がします。
癒すことは、とても難しい…と、思います」
(そう言いながら、つられるように窓の外を見る)