2016/01/15 のログ
ご案内:「保健室」に朝宮 小春さんが現れました。
朝宮 小春 > 『先生、外で一緒に遊ぼう!』

教師は基本的に子供好きだ。
厳しい先生も、優しい先生も、誰もかれもが子供が好き。
極端に嫌いな人はいない……、と、彼女は思っている。

だからこそ、そんな生徒に誘われれば、ようし、と張り切ってしまうのも仕方のないことなのだ。

外のサッカーで思い切りシュートを蹴ろうとして、ボールの上に見事に足を乗せて着地してしまい。
生徒曰く「死んだかと思った」と言われるほどの回転を見せながら後頭部からグラウンドにご挨拶をしてしまうのも、仕方のないことなのだ。

朝宮 小春 > 「ううぅ…」

ここ数日目を回すか、唸ってばかりいる気がする生物教師、朝宮小春。
これだけのショックを脳に与えれば、昔の忌まわしき記憶が蘇ったり、第二の人格が目覚めたりしてもよさそうなものだが、そういうものは一切無い。

ただただ、たんこぶが増えるだけだ。平々凡々。


「うぅ、ん……?」

もぞりとシーツの中で動いて、目が覚める。
はて、…………何をしていたんだったかしら。
流石に平々凡々一般人でも、多少の記憶の混濁。

朝宮 小春 > 外を見た、夕暮れ時なのはわかる。
ぼやけた視界で眼鏡が無いことを理解する。

………めがねめがね。

日本古来より伝わる、伝統的な眼鏡を探す仕草を見せながら眼鏡を探す女教師。
今はジャージ姿であることを自分の目で確認して、眼鏡を探しながら記憶の糸を辿る。

………すぐに思い当たった。


「……ぁあ、通りで頭が痛いわけね。」

ズキズキとまだ痛む後頭部。
必殺のシュートを打つつもりが、己の後頭部に必殺技が突き刺さったらしい。
ものすごく格好の悪いところを見せてしまった己に自己嫌悪。とほほ、と肩を落とす。

朝宮 小春 > ぶる、っと震える。
特に部屋の主も委員もいるわけでもない無人の保健室は、少し寒くて。
シーツにもう一度くるまって、白い枕にぼふん、と顔を埋める。
炬燵でもないが、保健室で丸くなる。

「……もう少し、こうしていようかしら。」

仕事は早めに終わらせた。
多少まだ頭が痛い。
寒いから外に出たくない。

理由が3つ連なって、勤勉な生物教師は今しばらくの怠惰に堕落した。
学校で横になるのは、学生時代も今も、少し特別な気分になってしまう。


………後頭部打ったんだから保健室に寝かせて放置して帰るのはまずいんじゃないの。という己の処遇へのツッコミが、二回りくらい後にきた。

ご案内:「保健室」から朝宮 小春さんが去りました。