2016/02/13 のログ
■ヨキ > 次いでやって来た女子学生が、先生、そんな大っぴらに食べてると、
みんな遠慮してくれなくなるかもですよ、と助言する。
「え?」
青褪める脳天に稲妻が落ちたかのようだった。
「そうなのか」
去年もそんなこと言われてませんでしたっけ、と言う彼女に、
後味の残る舌をもぐもぐしながら箱をそっと閉じる。
学習しない上に、義理でも欲しいらしい。
■ヨキ > 「せんべいなら食べてても良かろう……、む。
おにぎりがあった」
小脇の鞄を膝に載せて漁ると、いろんな食べ物が出てくる。
チョコレート、おかき、おにぎり、キャンディー、かりんとうその他。
そうこうしているうちにも、腹はどんどん減ってくる。
炊き込みごはんの残りで作ったおにぎりを見つめていると、いよいよ腹が鳴った。
「………………」
おにぎりのラップを剥がす。昼食どきのように見えるが、時刻は夕方である。
また口の内外には、先ほどのチョコレートの香りや味がこれでもかと濃く残っている。
最悪の食い合わせだ。
「んまい」
うまいらしい。
■ヨキ > おにぎりをすっかり食べ終えてしまうと、手持ち無沙汰な様子で腹を擦った。
「…………、年々燃費が悪くなっておるような気がするな」
パンも、うどんも、米も、芋も、肉も、ありとある重い食材を入れて、なお薄い腹。
壁の時計を見遣って、一息つく。
「もう一仕事だ」
ベンチから立ち上がって、伸びをする。
荷物を抱え直し、金工室へ戻ってゆく。
ご案内:「ロビー」からヨキさんが去りました。