2016/02/17 のログ
ご案内:「教室」に朝宮 小春さんが現れました。
朝宮 小春 > 誤解されることが多いが、生物教師朝宮小春は、無能ではない。
自分がいろいろな面で抜けていることを「自覚」し、仕事の面においてはチェックは欠かさない。
自分の努力で全て何とかしよう、として苦しむことはあるにはあるが、元々研究者志望であった彼女らしく、というべきか、自分の仕事を分析して、どこに無駄があるかを考える能力も、ある。

結論として、最近の彼女は仕事はちゃんと時間通りに終わらせていた。

「ふぅ……、これでおしまい、と。」

最後の採点を終えて、誰もいない教室でんん、っと伸びを一つ。
茶色の髪をした穏やかそうな女性は、今日やるべきだった仕事を終えて開放感に包まれていた。

朝宮 小春 > 環境に慣れてくると強いタイプと言ってもいいかもしれない。
来た当初は、年下の先輩やら、今まで見たことのないタイプの先生やらがいて困惑したものだ。

「……時間は…と、今日は20分くらいはあるか、な。」

時計を見れば、予定していた時間よりもずいぶん早い。
軽く2時間はオーバーしていた頃と比べると、隔世の感すらある。
自分の成長に、よし、と一人満足しつつ、鞄から新しく文書の束を取り出して、夕暮れに照らされながら目を通す。

朝宮 小春 > 読んでいるのは、研究資料。
学生時代、手伝いをしていた相手が残してくれた異能研究の資料である。

研究者を諦めた時点で部屋の奥に封印していたのだけれども、この島でさまざまな人に出会った結果………もう一度、空いた時間にでも取り組んでみようと、読み進めることにしたわけである。

「……うぐ。」

2行目で詰まって、頭をぽりぽりとかく。
メモ帳にわからない言葉をメモして、後ほど図書館で調べる。

どれだけかかるか分からないけれども、それでも少しでも、努力はしたい……
甘えた努力かもしれないけれども、こっそりと彼女は努力をしていた。

朝宮 小春 > 彼女がまた研究者になる道のりは果てしなく険しいけれども、まあ、それはそれ。
異能研究の扉をまた開こうと思えた自分に、今は充実している。

どこから異能がやってきたのか、その原因を異邦人の技術に求め。
生物の身体の何処に有無の差異があるのかを徹底的に突き詰めた研究。
あまりに突き詰めすぎて、主要な研究者が訴えられた研究。

主要の研究者がいなくなった為に止まっていた彼女の研究室のテーマを、改めて開く。


「……あら、ページ飛ばしてた。」

その扉が開くのは、だーいぶ、先かもしれないけれど。

ご案内:「教室」から朝宮 小春さんが去りました。