2016/05/07 のログ
ご案内:「教室」に来島さいこさんが現れました。
来島さいこ >  常世学園の教室の一室。
 その小ささから講義で使用されることは滅多になく、
 専ら面接や面談、説明など事務的な用途で使われる事の多い教室。

 掃除した形跡もあり小奇麗に整っているが、それでも少々埃臭い。

「もうそろそろかなあ?」

 ……幼さの強い少女が向かい合わせた座席の一方に座っている。
 書類を整えながら、誰かを待っている。

ご案内:「教室」に言乃葉夕陽さんが現れました。
言乃葉夕陽 > 少しの間待っているとペタペタとスリッパで廊下を歩く音が聞こえてくる。

その音は部屋の前で止まり、一拍の間をおいた後やや慎ましげにドアがノックされる。

コンコン

来島さいこ > 「はぁい、どうぞっ。」

 軽く、柔らかく。
 畏まらせないように緩い空気を意識して、ノックに応える。

(スカートオッケー、ブラウスも平気、汗も大丈夫……かなぁ?)
 
 彼女の内心はともかくとして、入室を促すだろう。

言乃葉夕陽 > ドアを開きおずおずと少女が入ってくる。

「失礼……します」

背はやや高め、体格は普通から少し痩せているくらい。
特徴としては長く真っ直ぐな白い髪とその髪を縛る黄色のスカーフだろうか。

入ってきた彼女は一礼をし、先生の正面の席の後ろに立つ

来島さいこ > 「こんにちは。」

 微笑んでみせる。
 ……言乃葉の目の前には自分とそう変わらない、
 あるいは自分よりも年下と見る事もできるような少女を伺う事が出来るだろう。

 一見した物腰も、人外のようには見えない。

「あ、面接じゃないから気楽にしてね。
 座っても大丈夫だし、肩の力も、ね。」

 物腰から緊張していると認識したか。
 そうでないかもしれないが、前置きもかねて促した。

(痩せ気味だけど……不健康そう、って感じじゃないかも。
 身だしなみも整っているみたい。うん。大人しい子なのかなあ?)

言乃葉夕陽 > 「こ……こんにちは……」

まだまだ表情も仕草も強張ったままだが、促されるまま席につく。

「失礼なのは承知ですが……先生……ですよね……?」

確認の意味も込めて問いかける、

来島さいこ > 「うん。来島さいこ。
 新任だけど、先生だよ。…ちゃんと説明するけど、ダメかなあ?」

 不信だろうか、と、困った風に苦笑する。
 来島さいこと名乗った少女の胸を見れば、胸に張り出されたような形で教員証を伺うことができるだろう

言乃葉夕陽 > 「大変失礼しました……大丈夫……です」

とても済まなそうに頭を下げ、胸元の教員証を見る。

(そうだよ名札をつけているんだから見ればすぐに分かったじゃないか……私の馬鹿……)

そう思いながらも顔を上げて、やや抑え気味の声で自己紹介を始める

「えと……言乃葉夕陽です、多分先生の手元にも情報がある通り、異世界の出自……です。」

来島さいこ > 「うふふ。ありがと。
 言乃葉ちゃんだね。宜しくしてくれると嬉しいな。改めて……私は来島さいこだよ。
 保険・体育教師のアシスタントと、ええと……狩猟学やレンジャー技能の初歩を中心に教えているよ。」

 にぱ、と、柔らかく微笑んで見せる。
 見た目にそぐわず、肉体に連なる担当科目を挙げる。
 ……"教える"にあたり、教え方や、科目要綱内自分知識外の部分など四苦八苦しながら教員を続けているものの、
 不安がらせないようにと、先ほど以上にはおくびにもださない。

「うん、この地球みたいな世界なんだね。
 そっか。……あ、これ、ちょっと分厚いけれど……。
 あ……学生証は届いた?」

 いくつかの冊子と用紙を渡す。
 入学案内から一歩踏み込んだ常世学園の教育形式・施設案内・委員会紹介などを纏めたものとなる。
 時間別の講義のサマリーもあり、校則相当の法律なども冊子としてまとめられているだろう。
 形式ばった上、あるいは建前上少々堅苦しく、実情とは僅かなずれもある。

言乃葉夕陽 > 「さいこ先生……ですね……よろしくお願いします。」

担当科目を聞いたあたり見た目にそぐわず……などとも思った
(でも……少し似たようなところがあるのかも……)
と、心のなかで苦笑いしながら。


「はい、学生証は届きました……こちらですよね?」

そう言ってポケットの中から学生証を机の上へと出す。
その傍ら、積み上げられた分厚い資料の束に目を向け、軽く内容を見てみる……
(施設と……カリキュラムはちゃんと目を通さないと……かな……)

来島さいこ >  
「うん。この学生証はこの島でサービスを受ける時に必要となるものだから、
 落としたり、壊したりしたらダメだよ? 
 よっぽどのことが無いと壊れたりハッキングされたりはしないと思うけど――あ。」

 はた、と思い出す。
 このタイプの学生証は、たまに操作が必要だったような――

「電子型の学生証を交付させて貰ったけど、使い方って分かりそう?
 説明してもいいけれど、大丈夫そうなら次の説明に進むかも。」

言乃葉夕陽 > 「だ……大事にしますね……?」
(もし壊したらどこで保証効くんだろう……)

「使い方……ですか?……この画面から動かしたことがないです……最低限のこと……教えていただきたい……ですね……」

電子型の生徒手帳は通常時がパーソナルデータの表示のみになっている、これが届いた時には説明書などついてなく、封筒に入ったこれを寮で受け取っただけであった。

来島さいこ > 「うん、ほとんど人権みたいなものだから、大切にしてね。」

 ……目を伏せて、それもわざとらしいものでなく、無自覚のようにそうして。

「あれ?説明書とか受け取ってない? うぅん、とりあえずさっきの資料にもある程度書いてあると思うけれど……」

 ごめんね、と、ひと声かけてから立ち上がって横に並ぶ。
 端末を指さして指示しつつ、説明を始める。

「基本的にはこのパーソナル画面があれば学生証として機能するよ。
 提示を求められた時は、このカードをスキャンさせれば大丈夫かも。危機によっては読み込み方が古いから、この部分をかざして読み込ませてね。
 ……基本的にはスキャンする時に預かる事はあんまりないと思うから、渡す様に言われたら警戒してね。
 あとは、ここを押すとメニュー画面が開くから、自分の履修している科目の状況や課題や休講情報も確認できるかも。
 で、ここを押すと地図が見れるんだけど……ちょっと見てみる?」

言乃葉夕陽 > 「なくしたら最後……住む場所さえ失いそうですね……」

無自覚と淡々と話す様子に怖気づいたか、そんなことを口からこぼしてしまったり。

先生の指示を受けながら画面の操作をしていく、飲み込みは早いのか手際よく手元の端末を操る

「こちら……ですか?」
地図アプリに指を伸ばし展開してみる

来島さいこ > 「うん、ただなくすだけなら何とかなるかもしれないけど、
 悪用されたらアウトかも。なくしたら、直ぐに報告してね。」

 少なくとも籍や情報はある。
 故に手を打てば問題ないのだが、やや真剣にそう告げる。

「うん。基本的には問題ないんだけどね。
 とりあえず、こっちが学園内施設に絞った状態、それで、こっちが島全体のMAPだよ。」

 順々に、島の各地点の説明を行うだろう。
 時折つっかえたりもしたが、それでも表記上の一通りを紹介し終える。
 そうしたかと思えば、急に小声になるだろう。

「……それで、一個だけ注意しておく場所があるかも。
 この歓楽区って所があると思うんだけど――この歓楽区の辺りに何も書いていない部分があるよね。」

 指をさして、示す。
 学園都市【常世】の裏側/闇とも呼ばれる、非公式に落第街と呼ばれる区間だ。

「ここは落第街って言って、学生証を持たない人、あるいは偽造の学生証を持つ人。
 あるいは違法な品々を扱う人。そういう訳アリの人たちが集まっている危険な場所だから、立ち入らないでね。
 学園側としては歓楽区の一部って認識みたいだけど、学生さんが落第街って言ってたらここの事だから気を付けてね。」

言乃葉夕陽 > 「気をつけることにします……」

(いずれ赴くような用事ができなければ……だけど……)

さいこにはきっと真摯に話を聞いているように映っただろうか。

島の大まかな地図を教えられ、注意点、観光名所も覚えとりあえず生活するのに道に迷うことはなくなっただろう。

来島さいこ >  真摯に聞いていると映ったのだろう。
 安心したように、頷いてみせる。 

「うん。委員会に関しては……
 風紀委員さんが警察みたいなものだから、トラブルが起こって困ったら風紀委員さんに通報してね。
 生活するときに水が出ないとか電波が悪いとか困った事があったら生活委員。
 それで、けがをしたら生活委員保険課。すぐに必要になるかもしれない委員会はこのくらいかなあ? 
 他にも同じぐらい大事な委員会もあるから、後でちゃんと読んでね。」

 ふわり、と微笑んでみせてから言葉を区切る。

「……大まかな説明は以上で、残りは今後の予定と手続きの話になるけれど――訊きたいこととか、ある?」

 少し間を置いてから、そう尋ねただろう。

言乃葉夕陽 > 「ここでは……生活で困ったときのサービスは全部委員会で……賄われているのですね、わかりました」

長らく近くで話していただろうか、最初のような緊張は殆どなくなっていたようだ、少し伸びをする姿を見せる。

「聞きたいところ……とりあえず、今までの場所では……あ……でも一つだけ……、関係なくなってしまいますけど……先生の授業の中での一番……受けてほしいものは……どれになりますか?」

カリキュラムの説明の前にこれだけは聞いておいてみたくて

来島さいこ > 「先生の授業――ええと、私の?
 それとも、全体?」

 ほえ、と、小首を傾げる。
 ううん、と、唸ってみせて。

「そうだねえ……わたしは体育のアシスタント以外だと、
 レンジャーや狩猟になっちゃうから、言乃葉ちゃんの趣味に合うかわからないかも。
 ……個人的には倫理か現代史、あるいは文化は抑えておいて、この島のことをもう少しだけ学んでみるとか、かなぁ?」

 ……目の前の少女がどのような理由、あるいはどのような事故や目的でこの世界にたどり着いたかは知らない。
 故にわからない事だらけだが、彼女がふつうの異世界から来た女の子なら。
 この地球で生じ、迫っている危機、そしてこの島の意義。それらがたとえ教科書通りであったとしても、
 触れておいた方が困らないだろう。そう思い、自分の担当科目が実践に偏る事を告げた上で、
 先生を教師全体と解釈した答えを出すだろう。

言乃葉夕陽 > 「さいこ先生の……と……意味でしたが……」

(どちらにしても履修登録はあるだろうから……
取るべき指針が決まったからいいかな……)

「いえ……すみません、問題無いです……話……カリキュラムについてなど、お願いします」

そもそものこの世界についてをよく知らないのだ、
であればそこから知ることが望ましい、
それは教職陣誰しもが同じ回答を出すであろう。
であればこその、このアドバイスは非常に有意義であると考える。

来島さいこ > 「うふふ、ありがとね。
 あ、狩猟学では鹿の解体をやるけれど、お肉だけでも食べに来ちゃう?」

 くすくす、と、冗句めかして笑ってみせる。
 解体実習を行う回は欠席者も多く、鹿肉のみ目当ての遅刻者・見学者も多い。
 ……差し引きで0になるため、あまり困ることもないのだが。

「うふふ、それじゃあちょっと休憩してから、もうちょっと事務的なお話しに入ろっか。
 あともうちょっとだから、これが終わったら行内や島内を見学して回ってもいいからね。ふぁいとかも。」

 くすくすと笑い、座席へと戻る。
 その後はつづかなく事務的なやり取りを終えるだろうか――

ご案内:「教室」から来島さいこさんが去りました。
ご案内:「教室」から言乃葉夕陽さんが去りました。