2016/10/05 のログ
ご案内:「ロビー」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 昼休み。
午後一番の授業が空いているのでそこで昼食を食べることにし、蘭は勉強にあてることにした。…流石に、空腹のタイミングでピアノの練習をしにいく気にはならない。

「さて…と」

ロビーの適当な椅子に腰掛け、テーブルの上に勉強道具を広げていく。
今日は、魔術学の復習をするつもりのようだ。

美澄 蘭 > 昼休み時なだけあってロビーにもそれなりに人がたむろしているが、まだ知らない者同士で相席するようなレベルではない。
したがって、常識的な範囲とはいえ勉強道具を広げている蘭も、今のところはそこまで肩の狭い思いをせずにすんでいる。…今のところは。

「〜♪」

そんなわけで、謎の鼻歌を小さく口ずさみながら、術式の組み方についての考え方を自習用ノートにまとめ直していく蘭。
一応、混み合ってきたら片付けて移動するつもりで、周囲の状況が分かるように音楽などは聴かないようにしている。

基本的に「ながら」勉強を苦にしないタイプなのか、周囲の喧噪もBGM代わりと受け止めているようだ。

美澄 蘭 > ある程度ノートをまとめ終わったところで、先日の魔術学の講義で提出したレポートの講評を読む。
点数自体は及第点がついているものの、効率の追及の甘さ、工夫の物足りなさなど、容赦なく改善点が書かれている。担当の教員は、学内でも有数の厳しさと評判だった。

(…工夫の幅が足りない、か…
とはいっても、なかなか思いつかないのよね。インプットがまだまだ足りないかしら?)

むー、と考え込むように唇を少し尖らせながら、レポートに書かれた講評の点を改善する事を考えてみる。
…といっても、効率の方は難しそうなので、まずは「付け加える工夫」の方だが。

美澄 蘭 > 「んー…」

少し思案がちに、手にしたシャープペンシルをくるくると回した後、試しに術式構成案をメモし始める。

(ここを、こうして、ここにこのダミーを入れて………あ、そっか。効率性ってここの部分の問題ね)

術式構成を書き換える事で、結果的に無駄な部分が見えたらしい。
そうして、全面的に術式を書き換えれば、その効率と工夫が一段ブラッシュアップされていた。

(…うん、いいんじゃない?)

術式案のメモの全体を眺めて、手応えを得たのかどこか満足そうに頷く。

美澄 蘭 > メモを魔術学の講義ノートに挟む。機会があったら先生に見てもらおうと思って。

(前に、「魔力の暴走」で迷惑をかけちゃったから、ちょっと声かけづらいけど…)

最後に個人的に話した時の事を思い出すと、少しだけ瞳が陰る。
あの時に言われた言葉…考えないようにしていたことと共に。

(危ない状況に陥らなければ問題無かったから、気にしてなかったけど…
…やっぱり、調べてもらった方が良いのかしら)

魔力の事なのに、魔術学者の専門でないとは、どういうことなのか。
疑問が、ぐるぐると回りながら蘭の思考に沈殿していく。

美澄 蘭 > (………やめましょ。不毛だわ。
危ない事にならなければ今のところ問題はないんだし)

軽く頭を振って、お昼時に似合わぬ沈んだ表情ごと思考を振り払う。
危険をそのままにしておく、というのはあまり蘭らしい思考ではなかったが…この時期ばかりは、事情があった。

(ピアノの発表が近いんだから…本格的に取りかかるのは、その後)

一年以上練習を続けてきた「あの曲」の、発表の場が近づこうとしている。
その発表会で…蘭は、「本当に自分が頑張れること」を見極めるつもりでいるのだ。
「普段の生活に問題のない」不安は、今は放り出しておきたかった。

「…あ」

そうこうしているうちに、時は午後最初の講義の始まりを告げようとしている。
少し遅めの昼食をとるべく…蘭は、勉強道具を片付けてロビーを後にした。

ご案内:「ロビー」から美澄 蘭さんが去りました。