2017/09/04 のログ
筑波 察 > 「12倍…960年…
 むしろよく同じ型がない状態で修理してもらえたね。
 普通パーツがなくなったら故障した段階で廃棄なのに」

耐用年数は10年だったと聞かされて、少し驚いた様子でつぶやく。
次いで出たのは単純に"製品"としてよくここまで
メンテナンスをしてもらえたな。という関心。
廃棄されなくとも、現時点で現役として動いているのは単純にすごいことだ。

「保健室がどんな場所かを考えれば、
 僕は行く必要が無いからね。
 それに君だって健康な奴の相手をしていたら、
 本当に手をかけなきゃいけない人に手が回らないだろう?」

残念そうにする様子がまた調子を狂わせてくる。
効率を重視する自分の考え方は、
目の前で食べ物を飲み下すロボットよりも機械的かもしれない。
そんな皮肉じみたことを考えてしまった>

クロノ > …うん、そうだよね。…いろんなオーナーの下を渡り歩くなかでいろんな改造を受けたり…野良の時には、生き延びるために他の亡骸から使える部品を貰ったりして…。だから、今の僕は駆動部品も電子頭脳も、ほとんど製造時の純正品は残ってないんだ。
(元々が東洋大陸国家の国営企業製品で、安価な汎用型として大量生産されたうちのひとつ。比較的シンプルな設計で、改造や修理のしやすさもウリの一つだったとか。無機質でロボらしい外見の男の子は、人間そっくりを目指した高級・高性能機とは違った理由で生き延びることができたらしい。)

…学校の保健室ってさ、救急病院の応急処置室とは違うんだ。もちろん怪我人や病人も応急手当には来るけど…ここは学校だから、そういう緊急性の高い案件はそう多くない。
…本当に大事なのは、外見上は無傷で健康でも、何らかの事情で心が疲れていたり、学校に来る、居ることが苦しくなっちゃった子達を受け入れて、長期的にケアすることなんだよね。
(病院に行くほど重症でもなく、でもクラスには馴染めない。或いは級友たちとの人間関係に問題が発生している子達を、病院や学級、家庭とはまた違った立場で見守り、支える場所。そんな場所だからこそ、いろんな生徒たちに顔を出してもらって、新鮮な空気の入れ換えをしてもらえたら嬉しい、と話す男の子。)

…僕は、ここに来る前は…被災地とか、難民キャンプとか…市街戦のような、いわゆる野戦病院で働いていたから。その手の応急措置は得意だからさ。
(プログラム制御の疑似人格AIには出来ない「心のケア」をしてくれる生徒たちの仲間が、一人でも増えてくれたらいいな、って。そう思っただけ、と静かに微笑む。)

筑波 察 > 「それでこの島に落ち着いたと」

ここに来るまでにきっといろいろとあったのだろう。
使えるものを身体の代替として使うというのはわかる。
自身もまた眼球をゴーグルで代えているのだから。

「君は僕のことをどういう人間かわからないから、
 そういうことが言えるかもしれないけど、
 極端な話、僕はかまってちゃんなんだ。
 そして誰かにやさしい言葉をかけられるほどよくできていない。
 何よりも僕は応援するだけで解決を本人に任せるような、
 そういう無責任なことが嫌いだ」

救える相手なら僕だって救うだろうが、
僕自身が直接どうこうできそうにない相手に、
優しくするということは絶対にしない。
例え目の前にいるロボットが頼んできたとしても。
今の冷たい言葉が、ロボットにはどう処理されるのかわからない。
それでも、これは譲れない信念だ>

クロノ > …ぅん、そんなところかな。もし神様にまだ長生きさせて貰えるなら、いつかまた違う世界に行って、そこでまた違う暮らしをするかもしれない。
(長い年月を、ずっと16歳の視点で見続けてきた男の子。ロボであるが故か、様々な状況下でも求められる仕事には誠実に答え、たくさんの人に尽くしてきた。それはきっとこれからも変わらない。)

… 。そっか。ぅん、いいんだ。ごめんね、無理言って。 …でも、嬉しいな。こうして察のこと、察の口から聞かせてもらえて。ありがと。
(ロードした彼のデータベースと、今こうして対峙してお話ししている最中の印象を照らし合わせてみる。冷たく鋭い言葉でも、彼の心の内をしっかりと聞けたことは嬉しかった、とそっと微笑む男の子。)

筑波 察 > 「僕は神様を信じていないからね。
 君がいつまで動けるかはわからないし、
 君を生かすのは神様じゃないと、そう思う」

神様はたとえ話をするときに、
都合の良い存在として出てきてくれればそれでいい。
そう生きる青年の様子は、酷くひねくれたものだろう。

「僕も最近になって人に優しくしていこうと思うようになったんだけどね。
 それでも譲れないんだ。
 慰めの役目は僕にはいらない。
 もし僕が人のために役目を担うなら、嫌われ者の方がいい」

優しくするのは簡単だ。
たぶん誰にだってできる。
相手のために優しくしないという選択をすることの方が、
僕は大事で、大変で、真に求められることだと思う。

「っと、そろそろ日が暮れる。
 僕は帰るよ。どこかで見かけたら、声をかけてみる」

そういって、クロノと言ったロボットに別れをいう。
席を立てば、ゴーグルでよく見えない顔で手を振った>

ご案内:「ロビー」から筑波 察さんが去りました。
クロノ > …ぁはは。確かに。ロボットが神様についてあれこれ言うのも、おかしな話かもしれないね。
(そもそも機械部品の塊であって、生命体ではない自身が人間と同じように神を信仰する必要があるのか?と問われれば、確かに微妙な気がする。)

──── ……そっか。察みたいに芯が、基礎がしっかりしているなら、きっと大丈夫。進むべき方角を見失わないからね。
(彼なりに、彼の目標に向かって頑張っているのを聞いて、男の子はやはり嬉しそうに、そっと微笑んでいた。自身に刺さる言葉は未だ冷たく鋭いけれど、彼は「人に優しくしていこう」と頑張っているらしい。その事がまず嬉しかった。)

…あぁ、うん。今日はお話してくれてありがとう。また一緒にお話できるの、楽しみにしてるよ。
(席を立ち、自身に手を振ってくれる彼は確かに「声をかけてみる」と言ってくれた。自らその性格を歪んでいると話してくれた彼、それでも少しずつ、変わろうと頑張っている姿にはそっと応援をしたくなる。男の子ロボットの方もゆらゆらと手を振り返しつつ、残りのコーヒーを飲みきったら席を立って次のお仕事の準備に移ろう。)

ご案内:「ロビー」からクロノさんが去りました。