2017/09/19 のログ
ご案内:「屋上」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
鈴ヶ森 綾 > 屋上と校舎を隔てる重い金属扉が鈍い音を立てて開かれてゆく
扉を開け放った少女はそのまま扉の外へ身を躍らせ、
吹き付けてくる風に全身を晒しながら一歩、また一歩と歩みをすすめる

「……いい風」

時刻は夕方
西の空は赤く染まり、反対に東からは夜の闇が迫る
逢魔が時、そう呼ばれる時合

退屈な講義から解放された喜びゆえか、その足取りは軽く
備え付けのベンチまでやってくると、埃を軽く払ってそこへ腰を下ろす

鈴ヶ森 綾 > 逢魔が時
妖怪、幽霊など怪しいものに出会いそうな時間
今まさにこの屋上に足を踏み入れるものがあれば、
まさにその言葉通りの体験をする事になるのだろう

あるいはこの島なら、自分こそがその立場に置かれる事になるやもしれない
そんな考えが頭を過り、一人小さく含み笑いを浮かべる

そんな自分を冷やかすかのように、ゴゥと強めの風が吹き付けてくる
思わず顔を庇うように手を衝立にしたが、先程ベンチの汚れを払うのに使い、
手に握られたままだったハンカチがするりと指をすり抜ける

風に舞ったハンカチは見る間に遠く離れ、校舎出入り口の壁に引っかかてようやく止まってその場に落ちる