2018/02/05 のログ
ご案内:「教室」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
鈴ヶ森 綾 > 時刻は19時前という遅い時間、広々とした階段教室に多くの生徒が集まっている。
ここにいるのは全員、主に出席日数の関係で単位の取得が危うい生徒達であった。
ここはその単位が危うい生徒達を助けるための補講の場であった。

『では、本日はここまで。課題のレポートは○○日までに私の所まで持ってくるように。』

教師が号令をかけると教室内に一気に弛緩した空気が満ちる。
早々に片付けをして教室を出る者、友人と雑談する者、様々な生徒達が混在する中、
その少女は帰る気配を見せず、広げたレポート用紙に書き込みを続けていた。

鈴ヶ森 綾 > 少女は決して不良生徒というわけではなかったが、中途編入故にそのままでは単位の取得が見込めなかったのだ。
ただ、不良ではないが、別段まじめというわけでもない。
別に単位を落として留年しても構わないが、なんとなくそれも気分が良くないのでこうして補講には出てきたが。

「あふっ…。」

いかんせん、学校の授業というのは退屈極まる。
レポートだけでも早々に終わらせようかと思ったが、どうも集中が途切れてしまった。
あくびを一つかいて一旦手を止めると、三分の一程まで人の減った教室をぐるりと見回す。

鈴ヶ森 綾 > 特に目を引くような事もなし、平凡な授業後の教室だ。
聞こえてくるのも補講の内容だったり、この後どこそこで遊ぶだの、夕食の予定だの、どうという事も無い雑音ばかり。
窓の外はすっかりと暗くなって、暖房の効いた教室から出るのが躊躇われる程の寒空が広がっている事だろう。

「んー…。」

レポートは面倒、帰るのも億劫。
手慰みに手にしたペンを弄り回していると、それがするりと指の間をすり抜けた。
机に跳ね返って床に落ちたペンは、その勢いのまま階段を下に降っていく。

鈴ヶ森 綾 > 「やれやれ、ね。」

それで決心がついたのか、机の上に広げていた物を手早く鞄の中にしまい込み、
無人だった隣の席に引っ掛けていたコートを掴んで立ち上がる。

教室の出口に向かう途中で落としたペンを回収し、それを袖を通したコートのポケットに乱雑に突っ込むと足早に教室を後にした。

ご案内:「教室」から鈴ヶ森 綾さんが去りました。