2018/06/14 のログ
ご案内:「ロビー」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 「ありがとうございました」
職員室から出てきた少女の、線の細いソプラノが廊下に通る。
季節の変わり目、日によって気温の寒暖差が激しい午後。
「…えーっと、伴奏のすり合わせの時間は…」
少女が、廊下を歩きながら端末で時間を確認する。
約束の時間には、少し余裕がありそうだ。
少女は、時間潰しのつもりで、ロビーの椅子に腰掛けた。
■美澄 蘭 > 流石に、学業の課題にガッチリと取り組むほどの時間はない。
少女が膝の上に乗せたブリーフケースから取り出したのは、ピアノ伴奏と独奏のフルートのパートが一緒に記述された楽譜だ。
(待ち合わせの前に、イメージ確認しておかないと)
少女の細く長い指が、楽譜の上をなぞり始める。
■美澄 蘭 > そうして指で一通り楽譜上の進行を確認すると、少女は今度は端末を利用して音楽を聴き始める。
(無論、周囲に迷惑をかけないようイヤホンを利用してだが)
聴いているのは、独奏のフルートを担当する仲間の演奏の録音だ。
(…あー、ここの部分の解釈どうしてるのかしら…ちゃんと確認しないと)
始めて録音を確認するわけではないが、「楽譜をどう解釈するか」「それをどう演奏に反映するか」について、対話を重ねなければならないと感じる部分が改めて湧いてくる。
少女は、楽譜の上にシャープペンシルを軽く走らせ、いつもより薄い筆跡で印をつけていく。
■美澄 蘭 > そうして、一通り曲を流し聞いて、楽譜上の気になる部分に印をつけて。
「…うん、そろそろ行ってもいい時間ね。指馴らしときましょ」
端末の時間表示を確認した少女は、楽譜と筆記用具をブリーフケースに収め直して立ち上がる。
そのまま、部室棟に向かって歩いて行った。
ご案内:「ロビー」から美澄 蘭さんが去りました。