2015/05/29 のログ
ご案内:「教室」に稲葉聡美さんが現れました。
稲葉聡美 > (――燦々と日光が差し込む教室棟の一室で、講義が行われている。主に一年生を対象とした、異能に依存しない基礎的な護身法の講義だ。)
稲葉聡美 > (年端も行かぬ少女から、屈強な大男……果ては人に非ざる者までもが、一同に教諭の一挙一動に神経を集中している。学園ではよくある光景である。
そんな中、教室の最後列、見通しの良い真ん中の席できょろきょろしながら目を爛々と輝かせている少女がいる。)
稲葉聡美 > 端に座ってる人、すごく大きいっす……! あっ、あれはロボット?それともゴーレム? あっあっ、蒼い肌がすごく綺麗な人が……
稲葉聡美 > (『――稲葉。街中でいきなり暴漢に襲われたら、君ならどうする?』 男性教諭はそのあまりにも目にうるさい少女に問いを投げかけた。)
稲葉聡美 > ――え!?そ、それは……そういう時には、『異能が目覚めて悪党どもをドッカーン!バッキーン!!』ってのがお約束っす!
稲葉聡美 > (年頃の少女から飛び出した荒唐無稽な回答に、教室中から苦笑が漏れる。教諭は――恐らくこういった手合いの生徒には慣れているのだろう――しかし、その眼差しは明らかに蒙昧な幼子を見下ろすようなそれに変化した)
稲葉聡美 > ……あれっ。エヘヘ。……エへ。なんちゃって。
(少女は反応が期待と違ったような顔を隠さなかったが、なんとか冗談めかして取り繕った。)
稲葉聡美 > (『――確かに、異能力の発現が別段珍しくなくなった昨今では、そのようなマンガのような話で窮地を逃れた例がないわけではない――』
教諭は少女の回答を汲み取りながら、冷静に話を続ける。
『だが――慣れない異能力を御しきれず、凄惨な事故を招いてしまった例も数多い。
この授業では、"マンガの主人公"でなくてもできる護身法を教えよう――』
少女は引きつった笑顔を残したまま徐々に俯いた。)
稲葉聡美 > (――歓楽区で起こった事件の実例などが取り上げられながら、防犯器具の使い方や助けの呼び方など、『誰にでもできる護身法』が広く浅く語られていく――)
稲葉聡美 > あーあ……もっとズババーンっと異能で解決!みたいなのがよかったっす……
(少女は少しがっかりしつつ、板書の内容を情報端末へと写していった……)
ご案内:「教室」から稲葉聡美さんが去りました。