2015/07/13 のログ
■おこん > さて、そろそろ行くかのう。 ワシも次の授業があることじゃし…
(縁に手をかけて、さて立ち上がろうかとしたところでぴたりと止まる。
タオルだ。 そういえばタオル… 自分の机のところに置いてはあるが、
プールが完成した喜びにそれをすっかり忘れていたのだ。
幸い、このプールは自分の机に近い。 立ち上がって手を伸ばす。
届かない。 腕からぽたぽた水滴が垂れて床に落ちる。)
■おこん > うう、無念…
(とぼとぼ立ち上がって、床を濡らしながら歩く。
机までたどり着いて、身体を拭いてから床を拭う。
とてもみじめだ。結局授業にはちょっと遅刻して、
生徒からちょっぴり怒られたのだった。)
ご案内:「職員室」からおこんさんが去りました。
ご案内:「屋上」にマメル・ガーメントさんが現れました。
■マメル・ガーメント > 講義が終わり、生徒は下校する頃合い。
高い日差しは西に傾き、短い夜が始まる頃。
人の姿の人魚の少女、ボトルを背負って屋上に。
学生証は無いけれど、忍び込んでお勉強。
講義も少しわかってきた、お勉強ってたのしいね。
ベンチに腰掛け水を吸う。背中の水は淡水だ。
■マメル・ガーメント > 学園は住処の浜の遠くにある。
異能があるから通えるけど。
水場へ水場へ転々と、転移しながら学校に。
海から水場に転移して、どこかと思えば、職員室。
小さいプールに水が張ってた。ちょっと居場所をお借りした。
ちょっと遅刻の、コミュニケーション学。
生徒じゃないから単位はないけど。
お勉強は楽しいです。
■マメル・ガーメント > 燃えるような西の空。
見てたらますますのどが渇く、背中のボトルが軽くなる。
夏の暑さも相まって、喉は乾いていくけれど、一番好きな空の色。
その日の最後の輝きを見せる太陽その手前、
見えるだろうか。住処の浜辺。
もうちょっといいところで見たいなぁと、チラッと塔の方を見る
移れる水場がないんだし、諦めるけど仕方ない。
自分で歩くことは考えない、あっついし。
■マメル・ガーメント > 地平に沈む灼熱は、徐々に空を暗くする。
少しは楽にはなるのかなぁ、夜も暑いから変わらないか。
そう思いながら、西の空。
すっかり落ちた空を見て、下を見れば小さい点々。
あそこの人は帰るのかな。
私もそろそろ帰ろうかな、その下を見てふと思う。
覗いた景色にしばしのお別れ。
屋上を去る白い少女。
来た道戻って転移に転移、西に見える浜辺のどこか、海の景色に溶けて行った。
ご案内:「屋上」からマメル・ガーメントさんが去りました。
ご案内:「屋上」に三枝あかりさんが現れました。
■三枝あかり > 少女が屋上に上がり、夕焼け空を眺めている。
正確に言えば、夕焼けと夜の帳の中間。
死んでいく日と生まれてくる夜の狭間。
そっと異能、星空の観測者(スターゲイザー)を発動させる。
彼女の視界一面に星が瞬いた。
■三枝あかり > 彼女は孤独な時、辛い時、悲しい時、こうして虚空に星を視る。
あの星たちがどこにあり、なんて名前で、どういう風に輝いているのか。それは知らない。
それでも夜の輝きに彼女は満たされる。
彼女の異能はただ目が良いだけの異能だ。
役に立たない、と言う人もいるし、自分でもそう思う。
それでも、こうして空を眺める時だけは。
■三枝あかり > 「っと……」
図書室で借りてきた星空の本を開く。
たまには、星の名前を確認しながら天体観測というのも悪くない。
あれが蠍座。綺麗なカーブがサソリの尻尾。
…本当は地球からそう見えるだけで、全然違う場所にある星々なんだろうけど。
それでもとても綺麗。
ご案内:「屋上」に日恵野ビアトリクスさんが現れました。
■日恵野ビアトリクス > ギィ、と軋み声を上げる屋上入口の扉。
現れたのは、シャツにスカートの金髪碧眼、性別の判然としないルックスの人物。
絵でも描きに来たのか、スケッチブックを小脇に抱えている。
「……なんだ、お迎えでも待っているのかい」
黄昏の空、そこに何か映っているかのように――
じっと見つめている少女に、怪訝そうに声をかけた。
■三枝あかり > 振り返ると、綺麗な人がいた。
スカートを履いた、金髪碧眼の人。
ぱっと見た感じ、女性だと思っていたけれど。
「……そうだよ、星空から迎えが来るのを待っているの」
薄く笑って答えた。星の本をパタンと閉じる。
「あなたは? 不躾で、失礼だけど。男性かな? 女性かな?」
■日恵野ビアトリクス > 皮肉げな笑みを浮かべる。
「その年頃で、ずいぶんとロマンチックだな。
だが、星が訪れる時間にはちょっと早いぜ。
待ちぼうけの趣味でもあるんならいいけど」
「日恵野ビアトリクス。男性だ。
きみは女性でいいのかい?」
指先で前髪を整えて、少女の手元の本へ視線を落とす。
■三枝あかり > 「あはは……そうかもね」
「私には見えているよ、たくさんの星が」
「……私の異能、星空の観測者はこれくらいの時間なら星空が眩しいくらいに見える」
相手の言葉にくすくすと笑って。
「冗談が上手いね、それとも意趣返しかな?」
「私は三枝あかり、見ての通りの女性です」
手元の本、その表紙を相手に見せて。
「星座の本。星を視るのは好きだけど、星に詳しいわけじゃなくて」
■日恵野ビアトリクス > 「この島、性別が紛らわしい人物が多くて安心できないんだ」
悪びれる様子もなくそう言う。
「……へえ、それだけ? 視力強化か。
だとしたらずいぶんと地味な異能だ。
逆に珍しいな」
《星空の観測者》への、率直な感想。
「……でも冒険の旅には向いた能力だね。
遭難しても、方角に迷うことはなさそうだ」
数秒置いて、そう付け足す。
■三枝あかり > 「……それ、自分のことを含めて言っているよね…?」
面白い人。クスリと笑って『彼』を見る。
「そうだね、視力強化の異能」
「レモンシード・メソッドでDランク、ステージ説でファーストステージ」
「今時、珍しいくらい単純な異能」
星空を見上げる。だんだん、夜の色が濃くなってきている。
「……私は冒険になんて出れないよ」
「運命に繋がれているからね」
明るい声、どことなく暗い話題。
「そういうビアトリクス君はどうなの? 旅に憧れとか、ないの?」
■日恵野ビアトリクス > 「“繋がれて”? 冥府の罰でも受けたような言い様だな。
ハデスの恨みでも買ったか」
明るい声に合わせ、冗談めかした言葉。
「ぼくも旅には向いてないな。
小心で臆病だし、どこに行きたいかもわからない。
狭いアトリエで猫の落書きでもするぐらいが関の山だ」
手にしたスケッチブックから、ぺりと画用紙を一枚切り取る。
それを指に挟んで掲げると――見えない鉛筆が動くかのように
ひとりでに、ファンシーにデフォルメされた猫の絵が描かれる。
「こんなふうにね」